米国で注目、マイナス金利でもうける投資法  :日本経済新聞
2019/8/16 11:18   豊島逸夫 の 金のつぶやき

 米国で期間が20年を超える米国債を裏付けとする ETFが投資家の間で注目されている。
米国の長期国債価格に連動するETFだ。
今年は既に価格が20%近くが上がった。

今後、米国長期債利回りがゼロ近傍、あるいはマイナス金利にまで下がれば、
もっともうかることになる
これは、詐欺まがいの商法ではない。
なにせ、グリーンスパンFRB議長のお墨付きだ。
「米国債がマイナス金利になることに障壁はない」と外電で語り

ウォール街の話題になったばかりである。

15日には米国の10年物国債利回りが一時1.4%台にまで下がり、NYダウ工業株30種平均がフラッシュ・クラッシュのごとき瞬間的な急落と急反騰する局面もあった。
米30年物国債の利回りが2%を割り込んだこともニュースになった。

米国の1カ月物国債から30年債まで、利回りを並べると、1カ月債だけが2%以上。
あとは全て1%台だ。米国債利回りが全て2%台まで下がったとき、
「2%クラブ」と呼ばれたのが今年前半のこと。
いまや、それが「1%クラブ」になろうとしている。
「0%クラブ」なども絵空事と言い切れぬことが不気味だ。

「国債は安全資産」との神話は崩れた。
マイナス金利の国債は世界で15兆ドル(約1590兆円)相当
とされる時代だ。
額面は元本保証でも、クーポン(利回り)がマイナスだと、満期まで持ち切れば確実に損する。
国債の長期保有は「古い」とされる時代が来るのかもしれない。

次世代では、国債は売買してリターンを求める投資商品という位置づけになっても不思議はなかろう。これまで国債の売買は機関投資家の専門領域であったが、
ETFの登場で、個人投資家でも投資が容易になった。

欧州投資家の間ではプラスイールドの国債は「ソブリンリスクに注意」との評価が出始めた。
イタリア10年債が1.3%。ギリシャ10年債は2.05%。いっぽう、ドイツ10年債はマイナス0.7%。
フランス10年債がマイナス0.43%。スペイン10年債が、かろうじてプラス0.05%を維持しているのだ。

更に、「住宅ローンでもうける方法」などがマネー誌に載る時代になるかもしれない。
先週、デンマークの銀行が10年物の住宅担保証券をマイナス金利で発行して話題になったからだ。

15日にはドイツの10年債利回りはマイナス0.7%を下回った。
ECBの量的緩和再開は、市場で既に織り込まれ、
もっぱら国債購入の「量」についての議論に進んでいる。
マイナス金利は市場の景色として定着した。
投資家も「古い」発想は変えねばなるまい。