8766 東京海上HDが米中堅損保を4987億円で買収、米国市場に本格展開
今年発表された日本企業による買収としては2番目の大型案件。08/07/23

東京海上HD は23日、米中堅損保フィラデルフィア・コンソリデイティッド Philadelphia Consolidated Holdingを47億0500万ドル(4987億円)で買収すると発表した。東京海上は米国市場への本格展開を目指す。

 傘下の東京海上日動火災保険を通じて、フィラデルフィアの発行済み株式100%を現金で取得する。

1株当たり買収額は61.5ドルで、フィラデルフィアの過去1年間の平均株価に対して66.5%のプレミアム(上乗せ幅)を乗せた。買収資金は現金と社債を含めた借り入れでまかなうが、手元資金2000-3000億円、社債2000-3000億円で調整している。08年10―12月期中に買収を完了させる。

現経営陣は残るが、買収後は東京海上から過半数の役員を送り込む。会見した隅社長はプレミアムの幅について「現在の株価が本源的な価値を表しているとは思わない。妥当な価格と判断した」と買収価格の正当性を強調した。

 米国の損害保険市場は、市場規模が約50兆円で世界最大。隅社長は「グローバルに成長するには、欧州や米国で一定のポジションを占める必要がある」と説明し、欧州市場での拠点と位置付けて今年買収した英ロイズ「キルン社」と合わせて海外事業を強化する考えを示した。フィラデルフィアを足掛かりに、カナダや中南米での拡大も目指す。  フィラデルフィアは米国で中堅規模の損害保険会社。07年度の総収入保険料は16億9200万ドル、税引後利益は3億2700万ドル。中堅企業やNPO、病院などに特化した保険商品の販売に強く、利益率が高いという。隅社長は「フィラデルフィアの財務内容は、サブライム関連の影響はほとんどない」と財務の健全性を強調。収益への貢献は09年度から始まるが、東京海上HDの08年度業績予想ベースで単純合算すると、正味収入保険料は約35%増の7400億円、本業から上がる修正利益は95%増の620億円に増える。


 隅社長によると、今年2月、フィラデルフィアからフィナンシャル・アドバイザーを通じて買収の打診があった。フィラデルフィアは中堅損保の地位から脱却するために、東京海上の資金力を求めており、米国展開を目指す東京海上と思惑が一致した。

 東京海上は、国内の損保市場が縮小していることから、海外戦略を加速させてきた。今年3月にはロイズ保険組合のメンバーとなっている英キルンの買収手続きを完了させたばかり。フィラデルフィア買収により、海外保険事業が利益ベースに占める割合は21%から35%程度に高まる。隅社長は、欧州と米国に拠点を確保したため、「(キルンと今回のフィラデルフィアの)体制を着実に強化することが最優先」と述べ、大型買収は当面行わない方針を示した。

約4987億円で買収すると発表した。買収資金は手元資金と社債発行による外部借り入れにより調達する予定。「自己資金と外部資金との割り合いについては、これから策定される中期経営計画の中で決定されるが、エクイティファイナンスは考えていない」(広報IR部)とし、格付け会社のS&P社から「今回の資金調達による格付けへの影響はないとの評価を得ている」(同)としている。  米国の損害保険市場は約50兆円に及ぶ世界最大のマーケットだが、中長期的には成長の持続が期待できる重要な市場と判断、非日系企業に対する保険分野での事業基盤を強化するため本格展開を行う。


フィラデルフィア社は07年12月期決算の正味収入保険料(一般企業の売上高に相当)が14億6000万ドル(約1547億円)で全米50位。ただ、税引後利益は3億2700万ドル(約346億円)で全米19位と利益率の高さが特徴。


発表翌日の株価 2008/7/24
O4050
H4100
L3930
C4090 +40

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