痴呆老人の経済メモ

痴呆老人の備忘録。

カテゴリ:【金融関係者・評論家・他】 > 堀古英司さん

14/06/25【堀古 英司】低長期金利、低変動率、本来いずれも株式市場にとって大きな好材料
第三に、今年に入ってアメリカ政府が発行する市場性債券の金額は1,790億ドルの増加にとどまっています。これは昨年の同じ時期に比べると約半分で、明らかに景気が回復し、アメリカの財政状況が改善している事によるものです。一方で連銀は量的緩和の縮小を始めたとはいえ、今年に入って1,650億ドルもの米国債を購入しています。要するに、アメリカ政府は国債を1,790億ドル分しか新規発行していないのに、その92%を連銀が購入している計算になり、市場の需給がひっ迫するのも当然です。こうした状況を考えると、長期金利の低下はアメリカの先行き景気を占っているというよりも、需給要因によるところが大きい事が分かります。

次に変動率指数の低下について考えたいと思います。
心配性の人はこう言います。「危機の前は必ず変動率が低下している。変動率の低下は危機の前ぶれだ。」これはかなり誤解を招く考え方です。何故なら、通常の市場環境では変動率指数というのは10%〜15%で推移するものであって、何らかの危機やショックがあった時に30%以上に上昇するものです。なので30%以上に上昇する前は10%〜15%で推移しているのが当たり前で、これを危機の前ぶれと考えるのは本末転倒です。例えて言えば、しばらく地震が無い平和の状態を、地震の前ぶれ、と表現するようなものです。

この15年ほど、市場は心配材料に事欠かない時期が続いてきました。ハイテクバブル崩壊、同時多発テロ、イラク戦争、金融危機、米国債デフォルト不安等。確かに今年に入っても新興国通貨不安に始まり、ウクライナ問題、イラク問題など、不透明要因が全く無い状態ではありません。しかし私がこれまでアメリカに21年居て間違いなく言えるのは、それまでの15年ほどと比べると、市場の不透明要因としては取るに足らないものばかりだという事です。そもそも市場に不透明要因が全く無い時期というのは殆どありませんし、現在言われているような不透明要因は市場にとって十分吸収可能であり、それが反映されている結果が現在の低変動率と言えます。

前回、S&P500指数の1日の変化率が1%以内にとどまる状態がこれほど続いたのは1995年で、当時は95営業日続きました。そして当時、同時に起こっていたのが長期金利の安定です。1995年初に連銀が一連の金利引き上げを終了した後、アメリカの財政改善とも相俟って長期金利が低下、その後の株式相場の大幅な上昇につながっていったのです。今から思えば、低長期金利、低変動率は株式相場上昇に向けての土壌をならしていたという事になります。

私はいずれ長期金利は上昇すると見ていますが、実際に金利引き上げが始まるまではなかなか動かないでしょう。また金融危機であれほどリスク回避的になった投資家を株式相場に戻って来させるのに、低変動率は大きな役割を果たすでしょう。

 いずれも時間が経過すればするほど、ボディブローのように市場に効いてくるはずです。低長期金利、低変動率、本来いずれも株式市場にとって大きな好材料です。素直に受け止めた者が、普通に報われる展開になると考えるのが自然だと思います。

13/11/06 【堀古 英司】FRB新議長指名イエレン氏の「最適コントロール」

即ち、金融引き締めが従来よりも遅れ気味に実施されるのが株式市場にとって優しいだけでなく、金融引き締めが実施される時は、アメリカの景気はFRBのお墨付きという事になります。金融引き締めはしばしば株式市場のネガティブ材料とされますが、将来イエレン氏の下で金融引き締めが実施される事になった時、それは逆に確実な景気回復という、株式市場にとってポジティブなサインと受け止めて良い、という事になるのです。

(2013年11月5日記)

2013/10/08(火)Mサテライト【堀古 英司】
米国の債務懸念でも 5年物CDS保証料率がギリシャなどと比べて低いのは
本当に支払えないのではなく一時的なテクニカルな要因である
もしほんとうに金融危機が起こるとすれば米国債に資金が戻ってくるということで
投資家の被る損失はそれほど大きくないだろうということ。
131008_5年物CDS保証料率


13/08/15 【堀古 英司】第311回 米国2007年vs中国2013年

中国の設備投資ブームは、そのような人類の歴史の中でも最大と言ってよいでしょう。
過去、日本や韓国で起こった設備投資ブームのピークでも、国内総生産に占める比率はせいぜい30%台でした。50%というのは前人未到の領域なのです。

中国の設備投資ブームは、山が巨大であった分、今後来たるべき谷も小さくないはずです。
私は日米共に株式市場に対しては基本的に強気で良いと思っていますが、ショックが訪れるとすれば、その大きなきっかけの一つは中国と考えています。ですのでこのリスクはヘッジしておかなければなりません。

 このような考えのもと最近、ここ数年中国の設備投資ブームの恩恵を受けてきた国や
セクターの株式の空売りを開始しました。


しかし具体的に、反動がいつどのような形で表れるかを予測する事は困難です。
今年、2013年の中国は、そのような展開も覚悟しながら付き合わなければならなかった、
アメリカの2007年の状況にとても似ている感じがしています。

13/03/22 第308回 アベノミクス長者の本質

世界的に、まだあの金融危機の時の恐怖が癒えているわけではありません。だからこそアメリカの株式市場は高値更新にも拘わらずバリュエーションは低いままで、日本の株式市場には純資産倍率が1倍を下回っている会社がゴロゴロしているのでしょう。正にそれほどリスクを取ってくれる人、ないし資金量は、世界中にそれほど潤沢にある訳ではない、という証拠だと思います。しかし上記の理由で、景気を回復させるには、リスクを取る人の存在が必要です。だからこそ世界標準は、リスクを取る人にご褒美を与えるルールになっているのです。

 むしろ去年までの日本の5年間は異常な状態だったのです。金融危機を受けて、世界各国の中央銀行が積極的に金融を緩和する中、日本のみが消極的で、その結果日本円(現金)に資産保全機能を与え、人々は現金を貯め込み、消費にも投資にも消極的になってしまったのです。

ですので「アベノミクス長者」、本質的には「(意識してかどうはは別にして)日本の景気回復のためにリスクを取ってくれた人」であり、この5カ月たまたま相場が良かったために、結果だけを見て「アベノミクス長者」と呼ばれているように見えます。日本では、比較的著名な評論家でさえ市場を「マネーゲーム」と非難したり、結果としての格差のみがクローズアップされる傾向が非常に強いように見えます。
  しかし私は、そのような意見を嘲笑うかのように、今後アメリカも日本も、ますますリスクを取る人が報われる相場展開になると見ています。特に日本は、去年までの異常な状態からは既に脱却したでしょう。
 リスクを取らずに将来、結果だけを見て妬むのでなく、少しでもリスクを取ってさらに景気回復に貢献しようではありませんか。
(2013年3月21日記)

ニュース Mサテライトより
130313_NYまだ上昇余地_堀古



2013/03/13【堀古 英司】NYダウはまだまだ上昇余地がある
主要指数は戻ったが金融セクターの戻りはまだで
時価総額の大きい金融セクターがついてくればまだまだ上昇余地あり
住宅市場の回復も顕著になってきているので金融も恩恵を受ける
時価総額の大きいハイテク銘柄もPERも低く少なくとも下値不安は少ない
今は歴史的にSP500指数の利回りが10年債の利回りを超えている
高配当銘柄に魅力的S&P500の100銘柄以上が3%を超えている

FRB発表の資金循環統計によると
米国の「家計の純資産」は2007年が最高だった
だいぶ戻ったが今回
株は恩恵を受けたが不動産の戻りが少ない
中間層にとっては住宅が大きな資産なので
今回はまだまだ恩恵を受けていない。
ただ、株式はリスクの高い資産なので
リスクをとったものが恩恵を受けるのは資本主義では自然な姿だと思う。

13/03/06 【堀古 英司】NYダウも激アツ!1万6000ドルも射程圏内
WebYenSPA! 得マネー

◆日本株もいいけど、もっと期待できるのはアメリカ株!?

「まだまだ、アメリカ株のバリュエーションは安い。今年は1万5500〜6000ドル台も十分あり得るでしょう」
堀古氏は昨年10月から氏はアメリカ株の復活を予見し、見事適中している。

「昨年9月から新規住宅販売件数など、住宅関連の指標が上向いています。これはリーマンショック以降、長きに亘って低迷していた住宅市場が改善している証拠。さらに、アメリカ政府は1月に『財政の崖』問題も回避したので、現状アメリカ株に不安要素はありません。ダウは'08年以降、毎年安定的に10%近く上昇していますから、今年も現在の株価から10%上乗せした1万5500ドル前後まで上がると予想できます」

 また、為替も円安に振れつつある。
今後、1ドル=100円台という予想も当たるとなれば、日本人投資家にとっておいしい相場であることは間違いない。

2013/01/17(木)Mサテライト【堀古 英司】高配当株に注目
10年債利回りよりS&P500配当利回り(図)

過去50年みても株式が割安な水準に
金融やハイテクにも高配当銘柄があるので注目

13/01/08 WBS 【堀古 英司】

米国の住宅は昨年1月に底を打った
ケース・シラー住宅指数
ドル/円は、95円を目指す展開

2011/08/15(月)WBS【堀古 英司】【日本化するアメリカ】
金融危機を乗り越えたかのようにみえた米国だがよりやっかいな問題に
今の米国経済は
・株価 約12年前と同じ水準
・5年間の平均成長率は0.5%
・実質ゼロ金利が1年8ヶ月続く
・国債格下げなど財政に大きな制約

8月米ミシガン大消費者信頼感指数は、1980年5月以降、約30年ぶり低水準
米国債格下げは今回の調査に反映されていない。






2011/08/09(火)06:00【堀古 英司】▼少なくともこれで終わりということはない
【米国債格下げの影響】
・米国債担保価値下落で借り入れ可能額減少
・銀行・保険会社の格下げ要因に
▼これはすべて引き締め要因

今日のファニー、フレティ格下げにも備えなければいけない
▼これは住宅要因にも引き締め要因

サブプライム問題の時も格付けは"トリプルA"で格付けなんか、あてにならないということを学習してない向きが多く
米国債がトリプルAとまた信じてやはりみんな油断している

マーケットは民間の格付け会社の意見を妄信し過ぎ
▼格下げの影響を過小評価か
▼これからこの影響が出る。
▼少なくともこれで終わりということはない
ダウ下値目途は、QE2前の水準1万ドル辺りで数ヶ月以内に試す展開になる



11/07/29 マーケットは油断しているところがある


11/02/14 物価が上がっているのか通貨が下がっているのか?


10/11/07 【堀古 英司】世紀の大実験:QE2
ドルの外貨準備が増えても、ドル自体の価値が怪しい状況です。しかもこれはドルに限った話ではなく、人類が発行できてしまう通貨というもの自体が信頼できない、という事になるでしょう。

2010/05/07 06:00 Mサテライト【堀古 英司】
ギリシャ問題は、ギリシャだけの問題ではない
リスクが民間から政府に移っただけで
政府リスクが今まででてこなかったのが不思議
いつかは、日米にも飛び火すると思っていたほうがいい
良くなったり悪くなたりしがながら広がって行くと思う。

今回の下落は、株が下がると金が上昇している
通貨に対する信用が投資家の中でなくなってきている。
究極的には財政赤字の問題
徐々に通貨から金にお金がシフトしてきている?
米国のトリプルAは維持できない

2010/03/05 05:50 ・Mサテライト【堀古 英司】


100305_ケースシラー住宅価格指数


▼【アンダーウォーター(水面下)ローン】
住宅ローン残高が住宅価格を上回る
米住宅ローン全体の約25%を占める

▼米国住宅政策はすべて先送り政策にすぎないと思っている。
失業率が高まるなか延滞はどんどん増加している。
【政府の対策】
・FRBの住宅ローン証券買い取り
・新規住宅購入減税
・政府系住宅金融に無制限支援
・住宅ローン条件変更プログラム


100305_米住宅ローン延滞率

▼住宅ローン支払い延滞率が通常1%しかないのが、6.2%まで上昇し
▼住宅ローン変更しても6ヶ月後に債務不履行が55%と大きい数字になっている。


△住宅の【ショート・セールス】
住宅ローン残高より住宅価格が安くても売却
→銀行が差額分を債券放棄=政府も補助金を出している。
こういう政策も少しづつ始まっている。

【中古住宅成約指数】
政府支援が終了する、3月と4月は要注意
これ以降、住宅市場の厳しさが再びクローズアップされてくることがある。




堀古英司「ウォール街から〜米国株の魅力〜」
10/03/04 第259回 2%成長下の株価上昇はない

ここに来て成長率予想が下方修正されかねない要因がいくつか散見されるようになってきています。

第一に、
先週発表された2月の消費者信頼感指数は民間エコノミストの事前予想(55.0)を大幅に下回る46.0と発表されました。アメリカのGDPの7割を占める個人消費の先行指標が事前予想を下回るという事は、この先成長率予想も下方修正を余儀なくされる可能性が高いという事です。

第二に、
ギリシャへの信用不安をきっかけにユーロ/ポンド安・ドル高が進んでいます。私は中間選挙を控えたオバマ政権にとって、当面の雇用対策はドル安くらいしかないと考えていたのですが、欧州通貨安から来る思わぬドル高に頭を抱えている頃ではないでしょうか。

第三に、
アメリカの代表的住宅価格指数であるケースシラー住宅指数は最低値を付けた昨年5月からまだ3.6%上昇しただけの底ばい状態となっている事です。アメリカ政府は住宅ローン条件変更促進によって何とか銀行がローンの価値を引き下げなくて良いような措置を取っていますが、これは問題の先送りに過ぎません。住宅ローン条件を変更された人の約半数が結局は債務不履行に至っている現実に留意する必要があります。


株式相場上昇に必要な実質経済成長率がギリギリで、しかも下ブレする可能性も高い中、やはりこの先1年ほどを見通す限り、株式相場の大きな上昇は望めないと見ています。しかし相場というのは波があるものです。可能性が高いのは下落してから上昇するか、上昇してから下落するか。客観情勢を勘案すると、下落してから上昇する方が明らかに健全でしょう。上昇してミニバブルが発生した後、下落するシナリオは醜い結末を迎えるだけと見ています。

2010/02/09 06:00 Mサテライト【堀古 英司】

米国では今、政府が住宅値下がりのリスクを抱えるようになっている
住宅を支えた政策がほぼ同時になくなる
──────────────────────
【住宅市場を支えた政策】
・住宅購入支援策=09/4月末で打ち切り
・住宅ローン証券買取り=09/3月末で打ち切り
・連邦住宅局の貸出=基準厳格化
──────────────────────
サブプライム、モノライン、リーマンショック各種問題の背景は住宅価格の下落
今度は、金融機関から米国政府の問題になるのでソブリンリスク問題など
米国債の格付け見直しにでてくると思う。




2010/02/08 【fxdondonさん】ソブリン・ショックからの逃げ場 〜米国・英国からドイツ・カナダへ〜

ギリシャ問題でさえ、この株安に代表されるリスク回避の動きである。これで米国の債務超過問題に発展するようなことがあれば、リ−マンショック以上の騒動になることは必至。「リ−マンブラザ−ス」と「米国」を同一で比べること自体、余りにも米国に失礼か。仮にも世界で最も安全とされている米国の借金「米国債」が、その「最も安全」とされる借金の地位から「安全とされる1つ」の借金への転落、つまり「AAA」からの格下げは、こんなものでは済まされない。今まで世界が体験したことのない「何が一番安全な資産(または負債)」なのかという模索が始まる。一時的にも、リスクというリスクは排除するような動きとなるだろう。

それは、今までとは逆を考えればよい。ギリシャが危ないという今回の騒ぎで、米国人投資家は今は安全と見なされている米国債へお金を移した。ところが、その米国債が「最も」安全な資産ではなくなると、一部は他国への国債に流れると考えるのが妥当だ。債券ファンド最大手PIMCOが採った手法が参考になるが、米国にとって身近で安全な逃げ口は、債券で言えばカナダ国債となる。この危機が訪れる前までは、G7諸国の中で唯一「双子の黒字」を計上していた健全国である。経常収支も財政収支も黒字である先進国など、異例中の異例とさえ思える。

もう一度、PIMCOが打ち出した戦略をおさらいすると、先進国の国債であれば、一番にカナダとドイツを選好するとし、逆に、米国、英国、日本は敬遠するとした。まぁ、単純に政府債務が少なく、債務解消が図りやすい国を安全としてみなしている。

米国債に限らず、米国のあらゆるものから「最も」という最上級の冠が取り外されていく。それは、「世界唯一の超大国」から、「数ある大国の1つ」にランクダウンすることを意味している。

2009/12/30 06:00 Mサテライト【堀古 英司】

【2010年予測】
・経済=じり貧 おそらく効果はここまで

・FRB=インフレとデフレ
(商品価格のインフレと資産価格のデフレが同時に起こる)

・株=2010年前半にNYダウ8000ドル台を見ると思っている。
だがそこからまた反発するとみている。
(資産価格の下落が続くなか住宅問題が解決しない限りダメ)

・為替=ドル円 80円割れ。だが対策などもでて一方的な動きにはならない

・金=通貨では資産が守れないので金が1300ドル
投資家としては商品が上昇するながこういうところ資金を移さないと資産を守れない)

量的緩和が今市場で効いていいときだが、来年は副作用がでてくる
商品価格上昇、長期金利も上昇で
資産価格下落となる年になるので金などに
日本でも桜の咲く頃には金価格が1300ドルになっている?

2009/10/07 06:00 Mサテライト【堀古 英司】
米国株は、金融株はまだリーマンショック前より30%も安く
△金融株がリードする形でリーマンショック前の水準を目指すと思う
高金利での貸し手市場になっている


商業不動産証券(BBB)の価格(図)

中小行はまだ不良化するかもわからぬが
大手行は財務省も守ると言っているので大丈夫だと思う

2009/09/29 23:45 WBS【堀古 英司】
懸念材料
現在はFRBの住宅ローン担保証券の買い取りで0.5〜1%も低くなっている
さらに新規住宅購入者には日本円で約72万円の補助も11月末で終了する見込み
これらの政策がなくなると住宅市場が冷え込むことは確実



一連の金融安定化策が次々に廃止されつつある
その廃止による影響が懸念される
・国債の買い取りを予定通り10月末で終了
・住宅ローン担保証券も来年3月まで延長も金額は減らす意向
・MMF保証も先々週ですでに終了



2009/09/30 06:00 【Mサテライト】
連邦預金保険公社FDICの資金が今月枯渇
FDICは、銀行に2012までの保険料を前倒し支払いを求める
3年分前払いで4.8兆円補充
2013年にかけ9兆円発生と資産
合計14兆円が必要とされている

【堀古 英司】この金額は小さくない
今日のマーケットは反応してないが将来は反応することがあると思う



09/09/30 米FDIC、3年分の預金保険料の前払いを正式提案
米連邦預金保険公社(FDIC)は、金融機関の破たん処理にかかる費用を賄う一助として、金融機関に対し通常の預金保険料の3年分を前払いするよう求めることを正式に提案した。
今後30日間、意見公募を行う。 

 同案によると、金融機関が支払う前払い額は450億ドル。本来の発生日時までバランスシートに計上する必要はないとした。

 FDICは預金保険資金を拡充する上で、納税者や健全な銀行に大きな負担を掛けない方法を検討してきたが、銀行への追加の特別支払いの要請や5000億ドルのFDIC向け財務省与信枠の利用は見送った。

 ベアーFDIC総裁は、与信枠の利用回避について「誰もが救済疲れを起こしている」と指摘。「預金保護に向けて十分な資金を確保している。今回の提案は資金調達の仕組み(をつくること)が目的だ」と語った。

金融機関の破たんにかかる負担費用予想については、2009年から13年にかけて推定1000億ドルとし、前回見通しの700億ドルから上方修正した。 

Mサテライトより
Q.NYは上昇し続けてますがもうそろそろ調整でしょうか?
A.リーマン破綻後の安値は異常事態での下落なのでもう参考にならない
リーマン破綻前まで、まだ20%の乖離があるので弱気にもなれない

Q.戻りに妙味があるとすれば大きく下落したセクター
騰落率ワースト3(リーマン破綻前〜09/08/12)
-33%=金融
-28%=産業
-25%=エネルギー

強弱材料
△PBR1倍以下はまだ投資妙味がある
△政府の景気対策の恩恵
△負債比率が高く金融危機の影響が大きい企業 反発の勢い強い
△ゼロ金利政策の維持


▼政府介入で資本構造に変化
(商業用不動産を保有する地銀)
▼リーマン破綻前より原油価格 ▼30%

09/07/22(水) Mサテライト「まだ上昇余地あり」
今年は上昇する
オバマの景気対策もこれから現れてくる。

ただ先送りで来年以降にまた金融危機がある。
金市場は小さいが、金上昇で困るところはあまりないので有望と考える。



09/07/17 第246回 2009年は↑、2010年は↓

1970年代、外国為替取引において、多くの銀行が欧州時間に旧西ドイツのヘルシュタット銀行に独マルクを支払ったのに、米国時間に米ドルを受け取れない、という事態が発生して金融システムが揺らいだ事がありました。今では外国為替取引は差金決済になっていますから、このような「余計なリスク」は殆ど発生しませんが、当時は外国為替市場が未成熟であったからこそ発生した事故でした。CDS市場は1970年代の外国為替市場と同じような状態で、インフラさえしっかりしていれば、このような「余計なリスク」は排除できたはずなのです。CDS統一市場の設立は現在進行形ですが、少なくとも今年春先までのような「余計なリスク」の多くは心配しなくてよくなった事は確かです。

このような、去年9月から今年3月まで続いた「余計なリスク」が一旦去った証拠は先行指標を中心とする、様々な所に表れています。リーマン・ショックが走った昨年9月と比較してみますと(カッコ内はリーマンショック前)、10年物国債利回り3.69%(3.73%)、株価変動率指数24.4(25.6)、住宅建設業指数15(17)、ミシガン大消費者信頼感指数71(70)、ISM製造業指数44.8(43.4)となっています。対して株式相場の方はダウ8700(11,000)、S&P500指数940(1250)と出遅れが顕著です。セミナーでもお話しさせていただいた通り、7-9月期はオバマ景気対策が最も強く表れてくる時期でもあります。

2009年は↑と見てよいと考える理由です。


次回は、実はセミナーで多くの時間をかけてお話しさせていただいた「2010年は↓」についての考えをお示ししたいと思います。

【楽天証券】第244回 長期金利上昇は株式にとって懸念材料か?

最近、米長期金利の上昇が懸念材料になっています。
こんな悲観的なニュースばかり見ていたので今回株の買い時を逃してしまった、という方も多いのではないでしょうか。


言うまでもなく、株価と国債の価格は逆相関の関係にあります。現在株価が回復してきて長期金利が上昇するのは当然の事です。問題はそれがどの程度か、という事にかかっており、ファンダメンタルズを反映した適正な長期金利の上昇であれば問題はない、という事になります。結論から申し上げれば、私は長期的に長期金利の上昇が問題になる可能性は高い一方、恐らく現在の長期金利上昇局面は懸念する必要はないと考えています。


第一に、現在の長期金利上昇は金融システム正常化の証と言えます。確かに半年弱で10年物国債の利回りが2倍という今回の動きは大きいものです。しかしその前2ヶ月、即ち、去年10月半ばに4%であった10年物国債の利回りは、12月末にかけて2%にまで急低下するという、全く逆の動きをしていたのです。


大手金融機関が連鎖倒産し、金融システムが麻痺するかもしれない、という異常な状態の中で到達したのが2%という水準だったのですから、その2%が異常であったと捉える方が自然と言えます。


第二に、長期金利が最近のペースで今後も急上昇していくとは考え難いと思います。何故なら、現在の経済環境ですぐにインフレ率が高騰していく可能性は低いと見られるからです。確かに最近、原油や商品価格は再び上昇傾向にあります。しかし昨年、原油価格が150ドル近くまで高騰した場面でも、物価上昇が広く伝播する事はありませんでした。私は、昔のようなインフレが大問題になるのは、賃金インフレに発展する時と考えています。失業率が10%を目指す中、インフレよりもデフレの方が懸念材料のはずです。住宅価格の更なる下落が確実な現下、インフレを起こしたくても起こせない状況がしばらく続くと見るのが妥当ではないでしょうか。


確かに、アメリカは今回の金融危機を通じて構造的には大きな問題を抱えてしまいました。当コラムでも、第228回 米財務・金融当局が「麻薬」に手を出した理由(2008年9月22日)に始まり、第243回 木を見て森を見ないGM、クライスラーの処理方法(2009年5月22日)まで様々な問題を指摘させていただいてきましたが、これらは全て長期的なアメリカのファイナンスにかかわる問題です。米国債の投資家が相応のリスクプレミアムを要求する結果、長期金利は下方硬直的になるはずです。そして当局は、これを改善する手段を持っていないのです。長期的な問題として念頭に置いておく必要があります。


しかし、金融システムが崩壊するかもしれない時の長期金利2%と、金融システムが正常化した今の長期金利4%だったら、株式市場にとっては今の方が良いに決まっています。株価変動率、消費者信頼感指数、ISM指数、非農業部門就業者減少数など複数の指標がリーマン破綻前の水準にまで回復しているのですから、長期金利が4%に戻るのも当然だという事です。
繰り返しになりますが、リーマン破綻当日のダウ終値が11,000ドルであった事を考えれば少なくとも、当面株価が引き付けられるのは上方向でしょう。


(2009年6月10日記)


2009年6月12日 【楽天証券 レポート&コメント】堀古英司「ウォール街から〜米国株の魅力〜」より




09/05/28 WBS オバマ政権のGM問題処理方法で債権者に対する姿勢は、いずれ米国債の投げ売りを呼ぶ可能性も?




▼▼▼GMの債権者は数千組▼▼▼
09/05/21 木を見て森を見ないGM、クライスラーの処理方法
 延命措置に次ぐ延命措置が採られた挙句、ようやくクライスラーが破産法を申請したのは先月末でした。GMも6月1日の期限をもって破産法を申請する可能性が高いでしょう。この間、財務的には到底続きそうにないところ、●株主は蚊帳の外で、専ら債権者とUAWが交渉を続けるという、実質的には破産法申請後の債権者集会の姿でした。政府も、債権者も、UAWも、誰もアメリカの一つの象徴と言える自動車大手破綻のスケープゴートになりたくないがための延命措置でしたが、ようやくオバマ大統領がその役割を担った事で一件落着したかに見えます。

しかしその処理は、アメリカの資本市場にとって致命傷となりかねない方法が採られたと考えざるを得ません。

・・・・・

破産法申請直後から、「Non TARP(公的資金を受けていない)有担保債権者」の団体から訴訟が起こりました。公的資金を受けている銀行団が過半数を占めている事によって上記持分が決められ「Non TARP有担保債権者」の権利が著しく失われた、と。その通りだと思います。確かにクライスラーが廃業となれば担保価値は大幅に毀損するとはいえ、破産後に主導権を握れる立場にある有担保債権者が10%しかもらえず、一方でUAWとフィアットが残りの90%もの持分を与えられているのは明らかに不公平です。途中から政府が介入して債権者の権利が侵され、公的資金という「リベート」によって銀行団を黙らせる今回のやり方は、公的資金も受けていない、他の有担保債権者にとって不当以外の何物でもありません。 しかし今回の金融危機でアメリカ国民はウォール街に対して感情的になっており、「Non TARP有担保債権者」の言い分を聞き入れる耳は持っていません。結局先々週「Non TARP有担保債権者」は、やむなく訴訟を取り下げるに至りました。


お金を貸しても政府の介入が入れば返って来ないかもしれない、と思えば誰もお金を貸さなくなるでしょう。そして「Non TARP有担保債権者」のように、黙って資本市場から去っていく事になるでしょう。オバマ政権としては、69億ドルあったクライスラーの有担保債権を大幅にカットして成果を上げたと思っているかもしれません。しかし、世界一の金融市場であるアメリカでこのような事が起こった事が世界の投資家の脳裏に焼き付けば、アメリカは政府も企業も有利に資金を集める事ができなくなります。結局69億ドルの何百倍もの損害となって返ってくる事になるでしょう。木を見て森を見ない処理方法が採られてしまったという事です。

オバマ政権は6月1日の期限に向けて、GMに対しても同様の条件を債権者に迫っています。クライスラーの債権者が46組であったのに対して、GMの債権者は数千組に上っています。GMの債権者が同様の扱いを受けるとなれば、問題は深刻化しそうです。

「ウォール街から〜米国株の魅力〜」(2009年5月21日記)堀古英司

09/05/21 05:50 【堀古 英司】氏 Mサテライトより

VIX指数がリーマン破綻前の水準に低下
VIX指数とS&P500との乖離がかなり大きい現象をみると
△VIX指数が正しいと思うので、
あとからS&P500が追いついて行くとみている。

VIX指数(逆)とS&P 500の乖離090521_VIX指数とS&P500


NYダウ引け後コメント
Q.結局下落して終わりましたね?
A.大手金融機関などのファイナンスの影響かと

再び「VIX指数とS&P500との乖離」は縮小すると思う。

09/05/07 05:50 Mサテライト【堀古 英司】
バンカメ=最悪でも、政府が優先株を普通株に転換すれば足りる
資本不足額350億ドル < 優先株450億ドル

金融システム全体でみれば危機は一旦去った。

ただし問題点も
・資産査定の前提条件が甘い
・自己資本の割合は適正か?
・失業率は上昇傾向




09/05/06 23:30 WBS【堀古 英司】
近々再び金融危機が訪れる可能性は遠のいたと思う

マーケットは嘘が嫌い
 市場の財務省に対する信用が今ほど必要な時はありません。それは普通株又は優先株の消滅を伴う大手金融機関の国有化を巡る思惑が株式市場の動向を大きく左右する材料となってきているからです。財務省も連銀も、一貫してそのような形の大手金融機関の国有化を否定しています。一方で市場は昨年9月の出来事がトラウマとなって信用できないでいるのです。それは去年9月7日、政府系住宅金融機関ファニーメイ、フレディーマックが国有化され、優先株と普通株が財務省の一存で一夜にしてほぼ消滅させられた事、そして同じく9月16日、AIGの普通株が実質的に消滅させられた事です。

 国有化が、突然普通株が消滅させられる事を指すのであれば、私は大手金融機関についてはその可能性は極めて低いと考えています。

第一に、AIGより後の救済、即ちワコビア銀行、ワシントンミューチュアル銀行、シティバンク、バンクオブアメリカ救済の際は一貫して、既存の株主にも再建のメリットが受けられる形になっています。

第二に、政府系住宅金融機関国有化の際、ポールソン前財務長官は、「政府系住宅金融機関は特殊な機関であるので、この処理が他の金融機関に当てはまる訳ではない」事を強調しています。

第三に、実際問題として、小さな政府のアメリカに大手金融機関をマネージできる人材が用意できるとは考えられません。何よりも既に民間に資本を出させてしまった今、「国有化否定」が嘘だと分かった時の市場のダメージを考えれば、当局がそのようなリスクを冒すとは現実的には考えられません。


 市場が財務省の「国有化否定」を信用するようになるには今しばらく時間がかかりそうです。しかしそれは数日後ではない代わりに数ヵ月後でもなく、今後数週間の問題でしょう。それが株式相場反発の時になると見ています。

堀古英司 ウォール街から〜米国株の魅力〜 より
丁が出れば私の勝ち、半が出れば貴方の負け


去年9月、リーマンブラザーズが破綻した翌日、保険最大手AIGが破綻の危機に直面しました。最終的に連銀がAIGに850億ドルの融資を実施する決定がなされ、「AIG救済」という報道がなされました。しかし「AIG救済」とは裏腹に、AIGの株主価値はほぼゼロになりました。半年前にAIGの株式を50ドルで買った人は、「何が救済だ」と思った事でしょう。確かにAIGの保険契約者は守られましたし、従業員も取り敢えず路頭に迷う事はなくなりました。しかしこの「AIG救済」、本当の意味で連銀が救済したのはAIGではなく実はAIGの取引相手、即ち大手金融機関だったのです。AIGがもしあのまま破綻していたら、連鎖倒産を通じてウォール街の大手金融機関はもちろん、バリュー投資で神様とされたバフェット氏のバークシャー社でさえ、跡形も無くなっていたかもしれません。

去年12月、証券会社メリルリンチは従業員に前倒しで40億ドルのボーナスを支給していた事が明らかになりました。同時期はメリルリンチを買収予定であったバンクオブアメリカが損失の大きさに買収断念を検討していた時期です。買収断念という事になっていればメリルリンチはリーマン同様の道を辿っていた事でしょう。結局政府が200億ドルの公的資金注入を含む支援に乗り出し、買収が完了したという経緯があります。即ち、政府の支援がなければボーナス支払どころか、会社の存続さえ危ぶまれていたという事です。

先週、オバマ大統領は公的資金注入の対象となっている金融機関の年収上限を50万ドルに設定する案を発表しました。これに対し、ウォール街からは早速反対の声が上がっています。非常に残念な事です。

大手金融機関は金融バブルの波に乗ってレバレッジを引上げ、それによって大きな利益、幹部は巨額の収入を得てきました。正に「丁が出れば私の勝ち」の状態です。しかし金融バブルが弾けてレバレッジが裏目に出てきた今、今度は「大き過ぎて潰せない」ので政府が救済に乗り出さざるを得ない状況になっています。一般のアメリカ市民にしてみれば、税金負担で大手金融機関を救済しなければならない一方、自分の会社は破綻、又は失業。。。大手金融機関に、「半が出れば貴方の負け」と言われているようなものです。

この「丁が出れば私の勝ち、半が出れば貴方の負け」の状態にアメリカ国民の怒りは頂点に達しています。このような普通の事が、ウォール街の大手金融機関に理解されないのは非常に残念な事です。一般のアメリカ国民の理解が得られなければ、巨額の資金を要すると見られる金融安定化に向けた「悪い銀行」の設立資金も議会の承認が得られず、結局再び金融危機となって大手金融機関に返ってくる筈です。公的資金を受けている、受けていないにかかわらず、「大き過ぎて潰せない」規模になっている大手金融機関が素直に年収上限設定を受け入れる事によって国民の理解を得、100年に一回の金融危機を乗り越えようとする姿勢は今、非常に重要と言えます。

堀古 英司

単なる一つの大きな嘘  堀古 英司氏
それは単なる一つの大きな嘘だった --- 先週、5兆円近くに上る証券詐欺の容疑で逮捕されたバーナード・メイドフ氏は・・・・


 2001年エンロンは自社株が下落しなければ粉飾決算は発覚しなかったでしょうし、2002年ワールドコムもハイテクバブルが崩壊しなければ不正会計は明らかにならなかったかもしれません。サブプライム問題も元はと言えば、勤務先を偽ったり、信用力を示す点数を書き直したり、不動産鑑定士が意図的に高い評価をしたりという、小さな詐欺の積み重ねに端を発しています。そして住宅市場が右肩上がりを続けている間は問題が表面化する事はありませんでした。今回のポンジ・スキームも株式相場が堅調で、ファンドが解約されるまで表面化する事はなかった事でしょう。そういう意味ではこれもバブルの崩壊過程で起きる典型的な事件の一つなのかもしれません。

 我々の眼から見れば、登録アドバイザーが証券会社を巻き込んでこのような巨額の詐欺を働くという事件が再発する可能性は低いと見られます。しかしそのような見方とは別に、投資家心理が先行する形で、当面ファンドに対する不信が市場を覆う可能性は否定できません。リーマン破綻に端を発する急落相場は米国大手金融機関の年次決算のタイミングで"一旦底"を見ると見ていましたが、こうなると少し「延長戦」も覚悟しなければならないと考えています。

需給vsバリュエーション 堀古英司さん
世界のトップレベルの競争力を誇る企業30社が集まり、870ドルの利益を出す投資対象に対して8175ドルの値段が付いている。これが高いか安いかと言われれば、私には「極端に安い」という答えしか思い浮かびません。

10月は信用不安がクライマックスに達する形でダウは今日までで25%下落しています。一ヶ月もたたないうちにダウがこれだけ下落するのは極めて珍しい事です。投資信託や年金、ファンド等が更なる下落を防ぐため、追加証拠金を満たす為等の理由で現金化を余儀なくされているという、報道通りの事が起こっているのは事実でしょう。またこれまでの経験にない事が起こった事で投資家心理として、特に人間の感情の部分がいつもになく前面に出てきて、合理的でない行動、即ち「下がっているから売る」を後押ししているという面もあると思います。

しかし株式というのは単なる相場商品と違い、バリュエーションというものがあります。
冒頭のように、XXXドル利益を生み出す投資対象にいくら支払いますか、という問題です。感情が前面に出てきて、「5000ドル以上ビタ一文払わない」というのも一つの答えかもしれません。また価値とは関係なく、追加証拠金要求で、8175ドルでも売らないといけないファンド等もあるでしょう。個人ベースでは、来月に迫った出費の予定があり、価格に関わりなく、株式は売却しなければならない、という人もいるでしょう。しかしこれらは長期的なリスクを取れない性質の資金であり、そもそも株式のような永久証券の投資向けの資金ではありません。

市場はまだまだ不安定な状態が続いています。しかし公的資金注入、銀行間取引の保証、連銀によるCP買取の開始、国際協調など、株式市場を取り巻く環境は一時よりもかなり改善している事は間違いありません。ファンダメンタルズやバリュエーションが改善していて、需給が悪化を続けているという現在の状況で、長期的にリスクを取れる投資家が圧倒的な有利に立てるのは当然の事だと思います。

堀古 英司
Horiko Capital Management LLC
堀古英司 ウォール街から〜米国株の魅力〜 より

当面値動きが荒いかもしれないですが、解決に向けての第一歩を踏んだことは間違いないと思います。 Mサテライトより

ホリコ・キャピタル マネジメントLLC 堀古 英司氏

Q.きょうの株式相場、歴史的な上昇となりました。どう見ますか?
A.これまでアメリカの金融当局は「あれ?」というような対策が多かったのですが、今回ははじめてちゃんと効くな、という対策を出してきました。これが好感されて当然だと思います。


Q.上昇幅はこんなに上がるほど好感されるものなのでしょうか?
A.空売り規制の余韻があり、流動性が不足していて、買う時も売る時もかなりマーケットが薄い状態であるのはまだ確かだと思います。ただ買う人にとっては少し前の空売り規制の時は流動性がない中、買うよりもこれから流動性が戻ってくるでしょうから、そういう中で買う方が安心感があるというのも確かだと思います。これは良い方向に向かっていると思います。

Q.非常に評価できるということですね。
A.そうですね。これまでアメリカはモラルハザードをかなり嫌っていましたが、先週までの展開を見て、モラルハザードか大恐慌かという究極の選択までなってきましたので、これは公的資金注入ということになり、よかったと思います。また銀行間取引を政府が保証するということで、資金の卸売り市場というのが銀行間取引ですが、今は銀行同士が信用できなくなるという異常な状態です。これも評価できると思います。最後に今、国際的な金融混乱に陥っています。国際的な協調が必要ですが、これも今回のG7で解決されました。特に足並みが揃うかどうかわからなかった欧州が先にそろえてきたのが非常に大きいと思います。


Q.これで金融市場の混乱は解決できると思いますか?
A.今まで対策としては空売り規制や不良資産の時価の買い取りや協調利下げとか、少しずれた対策が多かったのですが、今回はまさに本質を突いてきましたので、当面値動きが荒いかもしれないですが、解決に向けての第一歩を踏んだことは間違いないと思います。



G7の行動計画
・公的資金注入
・銀行間取引の保証
・国際協調の再確認


2008年 10月 9日 (木)
私は来週一旦底を打つのではと考えています。 Mサテライトより
ホリコ・キャピタルマネジメントLLC 堀古 英司氏

Q.各国の協調利下げとなりましたが、どう思いますか?
A.当局は手を加えれば市場が反転してくれると期待しすぎのような感じがします。空売り規制は20日間きいていましたが、この20日間の値動きを見れば空売り規制はほぼ逆効果というのは明らかです。金融安定化法案をかなり大げさに宣伝していましたが、そもそもそんなに効きめはありませんし、先週は金融安定化法案が合意に達していないのに「大筋合意」といったり、きょうにいたっては単独で利下げすればよいものを協調でやりました。逆に言えば単独で効きめがなかったら怖いのだと思います。逆に市場は当局の苦しさを見透かしているような感じがします。

Q.このあとはどうなるのですか?
A.市場の力にまかせるのが一番よいと思います。特にあすから空売り規制が解除されます。株価は下がるかもしれませんが、流動性は戻ってきます。今までのような上下は来週からは徐々に改善していく感じです。来週は大手金融機関の決算がありますので、私は来週一旦底を打つのではと考えています。


Q.実体経済への影響が懸念されていますが。
A実体経済への影響は、ここ数ヵ月間あったような株価の動きがそのまま実体経済になるという考えでよいと思います。来年の春先に厳しい .





やはり来週一旦底を見る可能性は高まっているように見えます。

センス欠く米財務・金融当局の「対策」
2008年10月10日
「合意に達していないのに、合意に達したように見せかけるのに米財務省は苦労していますね」---9月29日月曜日朝、東京にいた私はブルームバーグTVに出演させていただく機会があり、このように申し上げました。米財務省はそれまでも議論されてきた不良資産買取構想を、金融安定化法案として9月19日、大々的にマスコミ発表、議会が終了する翌週までの成立を目指しました。もともとそれほど効果が見込めない案である上に、7000億ドルにも上る法案を一週間で議会通過させるなど至難の業です。日本時間29日月曜朝になって「金融安定化法案 大筋合意」という文字をニュースで見た瞬間、これはダメだ、と思いました。週末を越えてまだ「大筋」という文字が入っているという事は、合意に達していない事を強く裏付けるものでした。案の定、その後法案は29日NY時間午後に下院で否決され、ダウは史上最大幅となる777ドルの下落を記録する事になったのです。

前号でも書かせていただいた通り、最近の米財務・金融当局には、アメリカらしくない「対策」が目立ちます。空売り規制など、一回だけの株価上方シフトは見込めますが、その後には市場の流動性低下という致命的な影響を残します。実際、空売り規制が実施されてからの株価の値動きはひどいものです。空売り規制実施からこれまで14営業日のダウの動きは1営業日平均300ドルにも上っています。しかも空売り規制が実施されてからダウは今日までで20%近く下落しています。投資家は「いざとなったらいつでも売れる」という安心感があるからこそ株を買うのであって、流動性がなくなってどこで売れるか分からない市場に投資家は参加しません。成績を上げるにはコツコツ勉強するしかないのです。勉強をしないで、付けられた点数が気に入らないからといって成績表を書き換えようとすると、必ず後で大きなツケを払う事になります。今後、再び空売り規制が検討されるような事があった場合、これまで様々な空売り規制が市場に与えた悪影響から、如何に逆効果の愚策であるかを学び、同じ過ちをしないようにしてもらいたいと思います。

そして今日、世界協調利下げなるものが実施されました。現在FF金利は2%にまで低下しており、利下げの「糊しろ」は2%しかありません。この辺の金利水準になってくると、市場は利下げを好感するというよりも、糊しろがなくなってきている事を逆に嫌気するリスクがあります。それを気にしたのでしょう。連銀単独でなく、世界の中央銀行を巻き込んで協調利下げという奇策を取りました。しかし外科手術が必要な患者に風邪薬を与えても効き目はありません。市場はすぐに金融当局の苦しさを見透かす結果となりました。巻き込まれた他の中央銀行は「糊しろ」が減って気の毒に思うくらいです。

このような一連のセンス欠く米財務・金融当局の対策によって市場は当局に対する信頼を失いつつあるように見えます。結局今のところ、市場が自分の力で反転する点を見付けさせる、即ち市場参加者の多くがリスクを覚悟の上で十分安くなったので買いたい、と思えるようになるのがベストという事でしょう。

講演等で申し上げてきた通り、私はそもそも、10月半ばに一旦底が見えるのでなないかと考えてきました。当局の対策などなくても、1.明日空売り規制の解除によって株価は下落するだろうが、市場の流動性は徐々に回復してくる 2. 来週大手金融機関の決算発表が終わる、という2つの点でリスクプレミアムの低下が期待できるからです。そう考えると、やはり来週一旦底を見る可能性は高まっているように見えます。



米財務・金融当局が「麻薬」に手を出した理由 09月22日

空売り規制は直接需給に変化を与える事によって「一回だけの」価格変化をもたらす効果があります。しかし中長期的には流動性の減少という、市場に致命的な悪影響をもたらします。市場資本主義を尊重するアメリカがここまでやってしまった理由は何なのでしょうか?確かに前日、マケイン共和党大統領候補に「私が大統領になったらコックスSEC委員長をクビにする」と明言された事も大きかったのでしょう。しかし、私はもっと大きな理由があるような気がしてなりません。

一度は流れたAIG救済に関する会合は火曜日突然再開されました。SECが空売り規制を発表したのは平日の夜中です。しかも、いずれも市場資本主義を掲げるアメリカにとって中長期的には致命傷となる可能性のある「モラルハザード」と「空売り規制」です。普通に考えれば、それを犠牲にしてまで実施しなければならない、我々には知らされていない、何かとんでもない大きな危機が潜んでいたという事ではないでしょうか。実際18日は、これまで優良と考えられていた某大手金融機関が流動性危機に陥ったと聞いています。

「モラルハザード」と「空売り規制」という麻薬に手を付けてしまったアメリカの金融市場。空売り規制が期限を迎えると見られる10月半ば以降に正念場が訪れる可能性が高まっているように見えます。


堀古 英司

08/09/18(木)23:15 WBS 堀古英司さん
リーマンの破綻により商業不動産関連証券が、今後大量に処分される予定
今後数年、不動産は厳しい状況が続く

ホリコ・キャピタル マネジメントLLC 堀古 英司氏

Q.リーマンが前倒しの発表となりましたね?
A.前倒しになった理由は株価の下落を食い止めたかったということに尽きます。きのう株価が半値近くになってベアー・スターンズの時のように株価だけを見て資金を引き出したり信用枠をしぼったりということで危機につながりかねなかった、また決算を来週予定していたわけですが、こういった不透明要因をとりあえず払拭したかったということだと思います。

Q.増資に関しては特に何もなかったです。この点はどうですか?
A.増資が必要かどうかはマーケットが決めることで、経営陣は安心させようとしたのですが不十分だと思います。特に内容を見てみますと、資産の評価減は予想よりも悪いのですが、それ以上に自社の信用力低下による利益が14億ドルも計上されていて、表面上の数字も悪いですが実態はもっと悪いと言わざるを得ないです。

Q.再建策もありましたがどうですか?
A.目新しいものはないです。今回株価の下落を止めることに重点を置かれすぎていて、お金を貸している人のリスクにあまり気を配っていないということがいえます。

Q.今後の影響は?
A.今、破たんの懸念が出ているのはリーマンだけじゃないということです。今回の件で象徴的だったのは当初韓国の銀行も噂がありました。資本増強の噂もありましたが、すべてうまくいっていないということです。他の金融機関も破たんの懸念が言われているところがあります。
 自動車大手も航空大手もあります、今の金融市場は信用関係がかなり複雑に入り組んでいますから、1つ大きな倒産があるとかなり連鎖する可能性が高いです。しかも次はおそらく財務省も連銀も救わないということですから、残念ながらここ数ヵ月あたりにかなり金融システムが大きく揺らぐ場面がくるのではないかという感じがします。

現在、ファニーメイ債と国債の利回り差は3月半ばの金融危機以来の水準にまで拡大しています。これは住宅ローン金利の上昇を通じて住宅市場がさらに厳しくなる事を示しており、延いてはこの2社の財務状況はこの先更に悪化することになります。先月成立した住宅対策法案で、市場は政府が資金を注入するという期待を持ってしまったものだから、悪化の進行がスローになり、現在の状況はかえって最悪になってしまっているとも言えます。早期にドクターストップをかけないと、この悪循環が更にアメリカ経済全体に広がってしまいます。

第223回 ファニー・フレディー問題(2)〜エージェンシー債のリスク (2008年07月17日)で書かせていただいた通り、私は債務の一部株式化が最も公平だと考えています。ただ取り敢えず第一弾は公的資金注入という事になる可能性は高いと見られます。それが不十分となれば、将来的には両者が再び検討される可能性も十分あるでしょう。

そうなると、第224回 ファニー・フレディー問題(3)〜日本政府は保有しているのですか? (2008年07月24日) という疑問は残るものの、日本政府が保有しているのがエージェンシー債であろうと、米国債であろうと、実はあまり変わりがない事になります。米国債を保有していたら、いつの間にか裏付けとなるのはベアスターンズが保有していた訳の分からない証券化商品290億ドルと、政府系住宅金融機関が保有していた巨額の住宅ローンと、資金不足に陥った預金保険機構に対する補填ローン、となる日が近付いているように見えるからです。


堀古 英司
Horiko Capital Management LLC

堀古英司 ウォール街から〜米国株の魅力〜

株式相場は上昇軌道を取り戻す前に金融がリードする形で再度下値トライ

米株投資環境
クレジットクランチは改善の前に悪化を見る可能性大 
オフバランス・クレジットバブルの崩壊

大手金融機関は額面兆ドル単位のCDSをオフバランスで運用しており、現在のようなクレジット縮小局面では非常に危険な状態と言わざるを得ない。

非公開の日本の外貨準備の総額は100兆円を超える巨大な金額
2008年07月24日 堀古 英司さん

フレディーマックの最新の資料によれば、地域別では債券の36%はアジアの投資家が保有しており、投資家のタイプ別では42%が政府・中央銀行となっています。このような客観的事実をつぶしていくと、日本政府が保有している可能性は高い、という結論に到達してしまいます。

次の破綻に連銀救済はない

・・・・

 一方、前号で書かせていただいた通り、金融機関の保有証券及びその損失額の開示姿勢は不誠実なのが現状です。大手金融機関は昨年第4四半期、そして今年第1四半期の決算発表時にそれぞれ大規模な資本増強を行っています。もうお馴染みになったSWF(政府系ファンド)が積極的に応じた事もあって、これまでの資本増強は非常にスムーズに進みました。しかし今回で資本増強の大きな波は3回目です。「すみません、また損失が出ました。お金を出してもらえないでしょうか」というオオカミ少年に、投資家はどのような態度で接するでしょうか。

金融機関の不誠実な姿勢、そして連銀のスタンスを見ていると、3月にあったような、連銀による金融機関救済はもう期待しないほうが無難に見えます。3月、最も懸念されていたのは一金融機関の破綻よりも、連鎖倒産など金融システムが麻痺してしまう可能性でした。しかし今となっては、連銀が金融システムを麻痺させるような状況は放ってはおかないだろうという前提さえ甘いように見えます。

現在、破綻の予備軍は様々な所で見え隠れしています。航空業界、自動車業界、住宅業界、金融業界、債券ヘッジファンド、そしてその中の一つでも破綻した場合、保険や金融商品などを通じて多くの金融機関に影響が及ぶシステムになってしまっています。ポートフォリオは「次の破綻に連銀救済はない」事を前提に構築しておく時と考えています。

堀古 英司
Horiko Capital Management LLC

堀古英司 ウォール街から〜米国株の魅力〜


堀古 英司さん
不誠実な金融機関の開示姿勢

3月から実施されている連銀によるプライムディーラー(大手証券会社含む)への直接貸出は早ければ9月にも打ち切られます。それまでに大手金融機関が投資家の信用を回復できるような、誠実な開示の姿勢を見せるかどうかは重要なポイントと考えています。

堀古 英司
Horiko Capital Management LLC

Q.きょうの相場、どう見ますか?
A.小売り各社に好調な決算が相次ぎまして、一時リセッションの懸念がありましたが、これがかなりあがってきていると、特に去年の終わりからリセッション懸念や金融危機が負のスパイラルを生んでいましたが、3月をきっかけに正のスパイラルに変わったと思います。

Q.住宅市場は相変わらず厳しい状況ではないですか?
A.確かに住宅価格に関してはこれからも下げる局面があると思います。ただ住宅の新築の販売件数に関しては近々光が見えてくるのではと思います。住宅購入余裕指数を見るとかなり余裕がでてきています。しかも近年まれにみる変化です。
080516 06 米住宅購入余裕指数








Q.ただ実際に家を買っている人は少ないですね。
A.新築住宅販売件数を見ると急速に下がってきています。アメリカでは110万件くらいの新築住宅が年間必要だと言われていますが、現在は52万件しか供給されていないです。このペースが続くと近々住宅の供給が足りないというところに行き着くと思います。政府からも住宅ローン金額の上限の引き上げがあったりとの対策もありますので、住宅価格というのはまだ無理にしても件数に関しては改善が見えてくるのではと思います。

米新築住宅販売

バーナンキFRB議長は4月2日の議会証言の中で、「3月13日ベアスターンズは連銀に、『資金不足に陥り、他に調達する手段がなければ明日連邦破産法11条を申請しなければならない』と伝えてきた」事を明らかにしました。結局はJPモルガンチェース銀行に救済買収される事になりましたが、もしこの救済策が72時間という、極めて短時間の間にまとまっていなければ、3月17日以降世界の金融市場は大パニックに陥っていた事は間違いありません。そして市場は今でも「第二のベアスターンズが出現するのではないか」との不安に怯えています。しかしこのベアスターンズ危機の経緯を振り返れば、実は極めて可能性の低い偶然が重なった不運である事が明らかになってきます。

それまでは住宅ローン関連証券にとどまっていた混乱が、2月後半になって住宅ローン関連以外、即ち自動車ローン、クレジットカード、学生ローン、社債、政府系住宅金融債など、国債以外の全ての証券市場に広がりを見せました。特に国債の次に安全と言われる政府系住宅金融債の利回りが6%近くにまで跳ね上がり、利回りが3.5%の10年物国債との差が2%以上も広がる事態となりました。

3月初めになってカーライルという債券ファンドがこの政府系住宅金融債での損失に絡むマージンコール(追加証拠金差し入れ要求)を満たせなくなったとのニュースが伝わりました。このファンドと取引していた一つの証券会社がベアスターンズでした。マージンコールを満たせないという事はその証券会社にも損失が及ぶ可能性が高く、その頃からベアスターンズに対する信用不安説が市場に出回るようになったのです。その上、意図的に危機の噂を広めると共に株式を売るベア・レイドの形跡があるとして、SEC(証券取引委員会)委員長は調査に乗り出したと議会で証言しています。昨年7月のアップティック・ルール(株価上昇時にのみ空売りできる)の廃止によってベア・レイドが容易になっていたのも事実です。

しかし危機が訪れる3月13日の朝まで、ベアスターンズにとってそれは全く馬鹿げた噂に過ぎませんでした。それもそのはず、当日の朝時点で手元現金残高は1兆2000億円以上もあったからです。しかしその日の夜までに、何と1兆円が引き出されるという異常事態が起こってしまったのです。

ここまでの時点で既に異常事態が重なっていた事が分かります。住宅ローン関連以外の証券の混乱、特に政府系住宅金融債の利回り急上昇、ファンドの破綻、風説の流布、そして一日で1兆円も引き出されるという異常事態です。通常の市場というのは割安な資産には買いが入るものです。政府系住宅金融債にしてもベアスターンズ株にしても、割安な資産を買い向かう主体がいて、通常は噂などは吹き飛ばされてしまうものです。しかしこの時の市場は悪材料が重なりに重なって、割安な資産を買い向かう余裕も、噂を無視できる余裕もなくなる事態に陥っていたのです。

ベアスターンズ危機をきっかけに翌日、大手証券会社を含むプライムディーラーに連銀が直接貸出を実施するという、大胆な策が発表されました。ベアスターンズのCEOも議会で「直接貸出が利用できていれば危機は逃れられた」と証言しています。ベアスターンズの危機がなければ取られなかった策とはいえ、今後は噂によって大手証券会社が数日で資金不足に陥るような事態が起こる可能性は極めて低くなりました。数日ではなく、数週間あれば、先週発表されたリーマンブラザーズやUBS銀行のように、今の市場でも資金を調達する事は十分可能だからです。もちろん今後も金融機関にとっては難しい局面は待ち構えているでしょう。しかし、「ベアスターンズ危機」は上記のように、様々な偶然が重ならなければ起こらなかった特殊な事態です。普通に考えれば、可能性の低い「第二のベアスターンズ出現」に怯える株式市場で利益を上げられる可能性は高いはずです。

堀古 英司
Horiko Capital Management LLC
堀古英司 ウォール街から〜米国株の魅力〜 2008年04月07日より

峠越した可能性高い金融危機
2008年03月20日
第206回 サブプライム問題の次は。。。 (2007年10月29日)で指摘させていただいた懸念が現実のものとなってしまいました。ここで書かせていただいた通り、2月末から「債券市場はパニックに陥」り、「8月のような株価急落」となりました。そして最後の段落で書かせていただいた通り、「少なくとも国債以外の債券には手を出さない事、一部金融関連株に近付かない事、そして爆弾に火が付き始めたら市場の動きに逆らわない事」がここまでの最善の防衛手段でした。悪いニュースは昨年10月に私が懸念していたこのような事態が現実のものとなってしまった事、そして良いニュースは、サブプライム問題に始まった一連の混乱は恐らく今週が最終局面だったと見られる事です。

最終局面の兆候はあちこちに現れました。
第一に、今年に入って市場は「サブプライム問題の本命」とも言えるモノラインの問題を遂に捉えました。そしてその後は昨年10月に書かせていただいた上記コラムそのままの経緯も既に辿りました。

第二に、昨年当コラムで5回にわたって「爆弾抱えるCDO市場」というテーマで書かせていただきましたが、その主要プレーヤーであった証券会社ベアスターンズが事実上破綻しました。またそれにより、他の多くの金融機関が破綻の可能性を想定した株価水準で取引されるまでに至りました。

第三に、これらの金融パニックを受けて、恐らく過剰とも言える金融・財政政策が発動されました。

今月初、政府系金融機関が購入できる住宅ローンの上限は75%引上げられて約73万ドルとなりました。先週、連銀は流動性供給にAAAの住宅ローン証券を担保として受け入れると発表しました。さらに昨日、政府系金融機関の自己資本規制が緩和されました。

これらの対策はいずれもここ数年、住宅金融システムをサポートするものとして議論されてきたものであり、決して付け焼刃的なものではありません。しかも、ここ半年実施されている急速な金融緩和の上に取られている事を忘れてはなりません。

第四に、今回の問題の発端となったサブプライムを中心とする変動金利型住宅ローンの金利が変更となるピークは去年8月から今年9月であり、現在既に折り返し点を過ぎているという事です。

サブプラムを発端とする一連の問題では多くの住宅金融会社が破綻に追いやられ、大手金融機関が巨額の損失を計上する結果となり、老舗のベアスターンズが破綻する事態に至りました。しかしこれらはいずれも「爆弾を抱えていた」CDO市場の関係者であり、問題を起こした当事者がその責任を負わされるのは仕方のない事です。

私はそもそも、サブプライム→CDO→モノライン→債券市場パニックで一連の問題は最終局面をむかえると考えていましたが、今週は様々な条件が揃ったように見えます。

あまり知られてはいませんが、先行性の強い株式群は既に全体の市場に先駆けて上昇を始めています。そして私が運用するファンドでも今月は、この株式群の買い増しを積極的に進めています。昨年5月に実施したモノライン空売りのように、また将来、この株式群購入の背景をこのコラムで解説させていただきたいと思います。

堀古英司 ウォール街から〜米国株の魅力〜より

2005年4月11日 堀古 英司 Horiko Capital Management LLC

住宅市場の今後を占うには、住宅関連株を見ておくのが一番だ。情報ソースを見ていても住宅建設会社の業績に陰りの兆しはない。実際2月下旬、CNBCを観ていたら住宅建設大手トールブラザーズ(TOL)の副社長がインタビューで、「業績は絶好調。わが社の株を空売りすると大損する事になろう」と発言していた。

住宅建設大手が揃って、しかも大量の株式を売却を行っているという状況を見る限り、業界に何らかの異変が起こっていると考える方が自然であろう。

住宅価格が値上がりを続ける中、金利は上昇して住宅の購入は困難になりつつある。アメリカ最大の住宅金融公社であるファニーメイ(FNM)の株価は年初来30%安、銀行株も軒並み安と、住宅購入資金を貸す方の体力も弱ってきている。バブル崩壊の時期を当てる事は不可能としても、住宅ブームは「終わりの始まり」段階に入ったと見てそれほど狂いはないだろう。

http://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/WallStreet/V_VIL_WallStreet_20050411.html

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