OCAMA SOUL EXTASY

ゲイナシアワセ

2005年02月

アメリカ大使館に行きました。


 今まで黙ってたけど、実は、アメリカに移住するんです…うそです。するもんか!

 先週、産経新聞でずっとエイズ関係の報道をしてきたそしてNYでは実際にHIV感染者のサポート活動などもした宮田さんからご連絡がありまして。
 アメリカの米国国際開発庁(USAID)のHIV/AIDS対策担当官のクリフ・コルテスさんという方が来日し、若者に対してどのようにHIV予防啓発のメッセージを発していったらいいかを意見交換するという趣旨の会議があり、ゲイメディアの人として呼ばれたのでした。
 宮田さんにはお世話になっているし(伏見さんの連載でインタビューをさせていただいたり)、何かただごとじゃない雰囲気でしたし、ほかの一般メディアの方々とつながっておくことも大事かなあと思い、忙しい時期なので迷ったけど、バディの記事のネタにしつつ参加しようと思いました。
 で、行ったんですが、会場がアメリカ大使館。顔写真付きのIDを持参せよということだったので、免許を持ってない自分はパスポートを持参。厳重に警戒する警官に「何しに行くの?」と聞かれ、入り口でIDとかバッグとかをチェックされ、さらに建物の入り口で携帯やカメラを取り上げられ、空港にあるような中を透視する機械でバッグとコートをチェックされ、やっと中に入れました。でも偶然パトちゃんに会ったので、ちょっと気が楽になって。
 会議にはパトちゃん、宮田さんの他にアカーの柏崎さんが書記みたいな感じで参加していて、知ってる方がいたので少し安心。なにしろ緊張しまくりな会場でしたから。
 最初にクリフ・コルテスさんから、アメリカでのHIV予防メディア戦略みたいなお話を聞いて、その後メディア系の方たちでディスカッション。NHKの迫田さん(田中美奈子にそっくり)、朝日新聞や読売新聞の方、MTVの方、TOKYO FMの方、Yahoo!の方などがいて、それぞれにどんな取り組みをされてきたか、そして今後どのようにメディアとして継続的に発信できるのか、みたいなところで話しました。特に印象に残ったのは、Yahoo!さんが、12月1日にエイズ特集をやったんだけど(それは僕も見ておぼえてました)、圧倒的に見る人が少なかった、つまり関心が低かった、ということ。それからMTVさんがやはりエイズデーのキャンペーンで、学校に行って音楽ソフトとかといっしょにコンドームを配ろうとしたらPTAの反対に遭ったという話。僕もゲイメディアとして、デリヘルボーイが表紙の号を見せてバディという商業誌でもこんだけやってますとか、エイズデーだけじゃなく毎月連載してますとか、発言しました。なんとなく、うまくいってる例みたいな感じで(ホントはそれだけじゃ足りないんだけどね)。時間が少ないので全員少しずつ発言して終わり、みたいな感じでしたが、本当はもっと突っ込んだ話ができたらよかったと思いました。
 メディアと言ってもいろいろあるけど、結局は、それぞれにせっかく努力してエイズに関する情報を発信しても、受け手が関心を持たないとスルーされてしまうということがある。自発性とか良心に任せるみたいなところには限界があると思いました。責任はメディアにだけあるのではありません。国がやれ、というのではなくて、大勢の人が必要と思わなければ、変わっていかないと思います。まずは、性教育です。
 

東京パレード、復活おめでとう!

64a0dd7d.jpg みなさんご存じの通り、2年間お休みしていた東京のパレードが、今年は開催されることが決定しました。8月中旬頃の週末だそうです。
 1994〜96年は南さん。2000年〜2002年は砂川さん、福島さん、関根さん。二度目の復活となるわけですが、たぶん、今年からのパレードは、90年代ゲイブームの総括であり二丁目とアクティビズムの幸福な結婚(「コミュニティの誕生」)であった2000年の奇蹟の感動を経て、コミュニティの疲弊、拡散化という困難を乗り越えたうえでの、さらなるブラッシュアップ・シリーズになるんだと思います。団体ができて体制も(もしかしたら名称も?)変わるわけだし、やっぱりこれは、新時代のパレード、ニュー東京パレード(ダサ…笑)なんだと期待しています。

 今回実行委員長を務めるのは岡部(べーすけ)さん。二丁目祭りや「VOICE」で名司会を務め、「DUO」というゲイ向けピアノコンサート(と漫談)を主催したり、STN21(セクシュアルマイノリティ教職員ネットワーク)で本を出したり、2001年度のパレードの実行委員としても活躍していた、素晴らしい方です。いつお会いしても関西人らしく楽しいトークで笑わせてくれる、素敵な兄貴(ホントは姐貴)。大好きです。今、実行委員長にいちばんふさわしい人だな、と素直に思います。大船に乗った気分です。よかったよかった。
 で、今年は、今までの反省を踏まえ、実行委員長一人に負担がのしかからないように、継続してパレードが開催されるようにということで、母体となる団体「Tokyo PRIDE」が結成されました。今までに築かれてきた財産を管理したり、たぶん事務的な面で威力を発揮すると思われるのですが、実行委員会との関わりなど、詳しいことは、いずれインタビューしたいと思っています。こちらは2000年にパレードを復活させた立役者、砂川さんが代表を務めています。
 
 2001、2002年あたりは、開催の規模が相当大きくなり、スタッフの苦労も尋常ではなかったため(ものすごい時間や体力を取られるうえ、ボランティアどころか自腹も切るという状況)、実行委員として関わった人はほとんどみんな疲弊しきってしまった(人材を使い果たしてしまった)ということがあり、次にやる人が見つからず…という話だったと思うのですが、1つにはボランティアでやることの限界というものがあって、いわゆるNGOのように給料が出るカタチになるのであれば、まだしもやれる可能性が出てくるのではないか、と考え、去年、ポット出版社長の沢辺さんと作家の松沢さんが実行委員長をやる人に5万円ずつ寄付をしようじゃないかと宣言してくれました。いわゆるノンケオヤジ(失礼!)がゲイのためにそこまでしてくれるというのは、本当に素晴らしいこと。その呼びかけに賛同して、全部で約50万もの寄付の名乗りが上がったことも、感動でした。
 結局、準備不足でパレードは中止になり、その寄付の話も宙に浮いたままだったのですが、東京パレード開催のニュースを受けて、さっそく沢辺さんと松沢さんが、今年も出すよ、とおっしゃってくださいました。さすがです。
 で、そのうえで、なんだか東京のパレードは知らないところで「重要人物」たちが決めてるって感じがする、もっと情報の公開をしようよ、というご意見も書かれていました。
 去年のやるやらないの情報の錯綜は、確かに東京パレードというもの自体に不信感を覚えさせるようなものだった気がします。でも、それも反省点として、今、「個人がやる」パレードから「集団で動く」パレードへと進化しつつあるわけなので…。
 ただ、そもそも論として、実行委員も公に募集して委員長も選挙で決めたり議事録まで一般に公開している札幌に比べると、東京は開かれていないということは事実かもしれません。それは東京の場合、あまりにゲイシーンの規模がデカすぎるので、手を広げすぎちゃうときっと収集がつかなくなるんじゃないかと…ほら、おケツも広げすぎちゃうと収集つかなくなっちゃうし…。その辺りももっと語られれば、なるほど大変なのね、とみんな共感してくれるのかもしれないですけど。でもとりあえず、今年のパレード実行委員会が誕生するまでの経緯はサイト上でも詳しく書かれているわけですし、映画祭でもなんでもイベントとかって「やりますよ〜」と発表されるまではあまり途中の(あーでもないこーでもない状態の)経過は表に出なかったりするので、今のあり方が現実的なのかもしれないなあ、と思ったりもします。
 まずは、パレードが開催されること、スタッフのやる気こそが最優先ですから。
 やりやすいようにやってね、無理しないでね、と思います。
 今までスタッフがどんだけ血と汗と涙を流してきたことか…そしてそんな人がまた今年もやろうと言ってくれることに、僕は、感謝を通り越して畏敬の念すら覚えるのです。
 

怖いのは…

 先月のイベントで上映したエスムラルダの「検査なんて怖くない」というビデオが、3月20日に仙台で行われる勉強会や、3月21日に二丁目で行われる「二丁目ファンタスティックフィルムフェスティバル」で上映されることが決定しました。拍手。
 それから、友人のLonestarさんがそのビデオについてトラバをくれたので、お返事をしようと思います。

 Lonestarさんは周りにHIV+の人が当たり前のようにたくさんいるサンフランシスコに住んでいた経験から「今自分がセックスする相手はHIV+」だという前提で、SAFER SEXのガイドラインを自分なりに考え、今でもそれを守っているそうです。
 素晴らしいです。
 でも、定期的に受けるHIV検査は、未だに「怖い」そうです。
「学校のテストの合否の結果に近い」怖さ。「いままで、自分が正しいと考え行動してきた結果の可否が、HIV検査で明らかにされる、もし否であれば、HIVへの恐怖というよりも、それまでの自分の行動、あるいは人生観まで否定されるような気がするのである」
 わかるわぁ、Lonestarさんのキモチ…(エスム節)
 僕自身、自分なりに予防啓発の取り組みにも関わってきたし、プライベートでも(完璧ではないけども)自分なりにSAFER SEXしているつもりです。でも、検査を受けるときはやっぱりドキドキするし、「もしこれで陽性(+)だったら、いったい今までの努力は…」みたいに落ちこむと思いますよ。
 だから、きっと大丈夫、って自信が持てるようなSEXをしようとは思っているのです。でも人間、誰しも間違いはあるし、「可能性はゼロではありません」(東京都)。
 ずっとずっと、葛藤というか、ドキドキしながら、を続けていくしかないんでしょうね。
 
 話は変わりますが、昨日ミクシィで、カクテル療法が効かない新型のHIVウィルスが出現したことを知りました。
 通常より早く、感染から数ヶ月で発症し、カクテル療法が効かず、エイズが発症して死に至る…どんより、暗澹たるキモチになりました。
 今までのHIVに比べて広まる可能性は少ないとはいえ、遠くない将来、そういう型のHIVが日本にも入ってくるのかもしれません。
 大切な仲間が感染しないように、できることをがんばりたいと思います。

 東京ではゲイの「20人に1人」が感染している時代です。
 ずっとこれからもHIV+な友人たちや、その周りにいて日頃からケアをしている友人たちと、いっしょに生きていこうと思います。
お気になモノ
Queer Japan returns vol.2

「生き残る」というテーマで、今のリアルなゲイたちの闘いがたっぷりと語られています。
本当に読み応えがあるし、感涙モノの記事もあります。
「ゲイにとってのうつ」「海外で生きるという選択」という2本の原稿を書かせていただいています。

Queer Japan returns vol.2
ポット出版


祝来日! ガガ様に夢中です!「Telephone」のPV、最高ですよね〜^^
MTVアワード受賞スピーチでは「この賞を神とゲイに捧げるわ」と言い放ち、全米ゲイパレードを歩き、自らもバイセクシュアルカミングアウトしているガガ様。ゲイの救世主みたいな方です。愛してます。
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後藤純一

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