MLK's birthplace












(ジョージア州アトランタにあるキング牧師の生家:2年前の夏に訪ねました)

明日は、キング牧師の日(Martin Luther King Jr. Day)です。彼は1929年の1月15日に生まれました。一部の官公庁や大学の授業はお休みになります。

このキング牧師の日の前後には大学で様々な催し物が開かれるのですが、今日はその一つ、私の大学(ミシガン州立大学:MSU)のSchool of Musicが主催したジャズ・コンサートに出かけてきました。

ジャズにこめられたSprit (魂)、Pray(祈り)、そしてProtest(抗議)を通じ、差別のない社会の実現を願って開かれたコンサートです。

演奏はSchool of Musicの生徒(院生)で構成されたビックバンドがメインで、そこに時々ソロの歌手(School of Musicの先生やランシング界隈でプロとして活躍している人達)の歌が入ります。院生のバンドとはいっても、その腕前はかなりのもので、ソロのサクソホンやトランペットの演奏部分ではなかなか聞き応えのある演奏を披露してくれました。このイベントの総指揮者であるRodney Whitakerという教授は、ウィントン・マルサリス率いるLincoln Center Jazz Orchestra(アメリカでもっとも有名なジャズ・オーケストラといってもいいと思います)の現役メンバーでもあり、彼のBassの音色はホレボレするほどかっこよかったです。 

曲と曲の合間には、キング牧師の言葉を紹介する時間があり、インド系、ヒスパニック系などの人種の異なる人達が彼の有名な言葉を読み上げました。ある黒人の女性教授が感情を込めて彼の言葉を朗読した時は、舞台に上がっていたコーラスグループの女性が、思わず目頭を押さえて泣いてしまいました。その姿にはこみあげるものがありました(会場も一瞬違う空気が流れました)。

ジャズの歴史は黒人の人達の差別との戦いの歴史でもあります。こちらの公共放送(Public TV)というチャンネルが製作したドキュメンタリーのビデオ(http://www.pbs.org/jazz/)を図書館で借りて観るチャンスがあったのですが、ジャズというものが黒人の人達の怒り、悲しみ、希望、そういったものの中から生まれ、そして育っていったということがよくわかります(ちなみにこの番組はNHKでも放送されました…一度真夜中に再放送しているのを目撃したことがあります)。

ただ、「何となくカッコイイから」という理由で聞き始めたジャズですが、その背景を知るうちに、改めて当時のミュージシャン達に尊敬の念を抱くようになりました。例えば、日本でも有名なルイ・アームストロングやエラ・フィッツジェラルドなどは、どのレコードを聞いていても本当に心から楽しそうに歌って(演奏して)いるのです。でも、私がもし、そのジャズのドキュメンタリーでみたような状況下で黒人歌手に生まれていたら、あんな風に楽しく歌を歌うことが出来るんだろうか?と思ったのです。

これまた日本でも有名なマイルズ・デイビスは、そういう先輩アームストロングの姿に「白人にへつらって、黒人としてのプライドがない。手本にならない。」と怒りをぶつけたそうです。マイルズの音楽は確かに怒りや悲しみにあふれています。でも、私は怒りや悲しみをストレートに表現したマイルズより、そういうものを超えて楽しく歌うアームストロングに本当の強さのようなものを感じます。

日本で一番有名なアームストロングの歌といえば、What a wonderful worldかと思いますが(昔ホンダのCMで使われていました…ジャズソングではありませんが)、これらの歴史を知ってから改めてこの歌を聴いたとき、この歌をこれだけおおらかに歌いきったアームストロングという人は、誰が何と言おうとやっぱりジャズ界の最初の天才であり、偉大な人物だったんだな〜と思いました。

話がそれましたが、今晩のコンサートの最後は、A change is gonna comeという曲でした。ブルース風ジャズにアレンジされ、School of Musicの男子学生がバンドをバックに歌ったのですが、これは歌声と歌詞が見事にマッチして、鳥肌が経つくらいすごかった。この曲はR&B歌手であるSam Cookeという人が1963年にレコーディングしたものですが、彼が1964年に亡くなった後、Civil Rights Movement(公民権運動)の代表の曲として歌われるようになりました。訳してみようかと思ったのですが、うまくいきそうになかったので、歌詞をそのまま載せます。興味のある方はみてみてください。

I was born by the river in a little tent
And just like that river I've been running ever since
It's been a long time coming
But I know a change is gonna come, oh yes it will

It's been too hard living, but I'm afraid to die
Cos I don't know what's out there beyond the sky
It's been a long, a long time coming
But I know a change is gonna come, oh yes it will

BRIDGE:

And then I go to see my brother
And I ask him to help me please
And he just winds up knockin' me
Back down on my knees

There were times when I thought I couldn't last for long
But now I think I'm able to carry on
It's been a long, been a long time coming
But I know a change is gonna come, oh yes it will

REPEAT VERSE 2

(Cited from http://www.lyricsdownload.com/sam-cooke-a-change-is-gonna-come-lyrics.html)

という訳で、今日はジャズと公民権運動のお話でした。