ファシグティプトン社主催のセールは、日本でもおなじみとなっていた2歳トレーニングセールのガルフストリームセールが年々凋落傾向だったところに、今年は「馬房が確保できなかった」という表向きの理由で開催が「中止」に。来年以降の開催には含みを持たせた内容となっているリリースだったものの、アメリカの2歳トレーニングセールはOBS社の一人勝ち状態で、バレッツ社の撤退、キーンランド社もオールエイジのセールへと転換したことを考えれば、依然として来年の開催は不透明な状況と言えるでしょう。

一方で、繁殖牝馬を取り扱うブリーディングストックセール、そして1歳のエリートクラスを扱うこのサラトガセールは、商圏がかち合うキーンランド社とはうまく棲み分けが成功している印象。近年の競馬界屈指のスターホースであるFlightlineが、キーンランドではなくサラトガセール落札馬であったことも追い風となってか、このセールは一日あたりの上場数にゆとりを持たせ、かつハイエンドの上場馬が揃う、言わば「スーパーセレクテッドセール」へと形を変えつつあります。

今年も父Curlin×母Beholderの牡馬という超良血馬が上場され、400万ドルで落札されるなど、100万ドル以上で落札されたいわゆる”ミリオネア”が10頭誕生しました。


今年はこのセールから来日しそうな名義の落札は見当たらなかったものの、1頭が来日するようなので取り上げます。


Hip54
Going Dayの2022  牝  5月3日生まれ

父 Oscar Performance
母 Going Day
母父 Daylami

コンサイナー Mill Ridge Sales, Agent

落札者 George T Racing
落札価格 23.5万ドル

ブラックタイプ

馬体写真

動画


父のOscar Performanceは北米を代表する芝種牡馬だったKitten's Joyの直仔で、現役時は2〜4歳の三年連続で芝のG気3勝。




固い芝を得意とするタイプで時計勝負にも強く、Kitten's Joy産駒らしいKitten's Joy産駒と言った印象の馬でした。

産駒は現3歳世代が初年度産駒で、初年度産駒から意外にもダート重賞2勝馬を出したほか、セカンドクロップとなる現2歳世代からは2戦2勝で芝マイルの重賞を勝ったEndlesslyが出ており、この馬にBCジュヴェナイルターフの父子制覇の期待が寄せられています。




Oscar Performance産駒の傾向としては、父の現役時の成績ほど芝一辺倒ではなく、先述したダート重賞2勝馬やダートのステークス勝ち馬、ダート重賞入着馬など、上級条件で活躍している産駒にダート適性を見せている馬も多く、現在のところは「芝、ダート兼用」のイメージです。日本のダートでも適性のある馬が出てくるのではないでしょうか。


本馬の母はフランスでデビューし、仏Lティベルヴィル賞(3歳牝・芝2400m)で3着など。繁殖牝馬としては、本馬と5/8が同血のEl Prado産駒Daylight Rideが、ダート1700mのステークスで3着(ただし4頭立て)するなど、4勝をあげています。

本馬も配合的には、芝の中〜長距離に適性が出そうなタイプです。

注目したいのはやはりその牝系。祖母がAnticsですから、母の半妹にはアルビアーノ、そして北米チャンピオンスプリンター牝馬のCovfefeがいる、Courtly Deeの直系の牝馬になります。
本馬の母はやや高齢となってからの産駒なので、どちらかと言えば繁殖牝馬候補としての期待も大きいのではないでしょうか。先々まで追いかけてみたい一頭です。