レキシールーの2018  牝  2月26日生まれ

父 Frankel
母 レキシールー
母父 Sligo Bay
生産 ケイアイファーム
馬主 ダノックス
厩舎 栗東・中内田充正


【レビュー】

昨年のロードのツアーで「レキシールーの1歳と当歳はクラブでは募集しない」と明言されていたそうなので、みんな薄々感じていたとは思うのですが、まさかこんなに入厩が早いとは…。合同取材時に千葉ケイアイFに居た可能性は高そうですが、それにしてもほとんど情報が出てきませんでした。

母のレキシールーはカナダ産馬。デビュー勝ちを飾るものの、2歳時は当地のトップクラスにちょっと足りない競馬を続けますが、3歳時に本格化。カナダ牝馬三冠の加ウッドバインオークス(3歳牝・AW1800m)を早め先頭からの完勝で制すると、その勝ちっぷりから次走は牝馬路線ではなくカナダのダービー相当のレースである加クイーンズプレート(3歳・AW2000m)に出走。スタート後はポジションが取れなかったものの、これも早めに押し上げ、直線入り口には先頭に立ちそのまま押し切るという強い内容で勝利、変則二冠馬となりました。

3歳後半はアメリカに遠征し、米G轡ータムミスS(3歳牝・芝1600m)1着、米G汽魯螢Ε奪疋澄璽咫(3歳・芝1800m)2着などの成績をあげ、2014年のカナダ年度代表馬(ソヴリン賞)に輝いています。
4歳時は脚部不安のため1シーズンをほぼ棒に振りましたが、5歳で復帰すると、地元カナダの芝の重賞を2勝するなど見事な復活を果たしました。

その後、5歳で現役を引退するとキーンランドノヴェンバーセールに上場。ケイアイファームが100万ドルで落札しました。そのセール後のインタビューで中村GMが語っていたように、翌年はヨーロッパへ移動。Frankelを種付けし、受胎した状態で来日。三石のケイアイファームで持ち込み馬として誕生したのが、本馬になります。 


ケイアイファームの生産で、ダノックスへの庭先取引は、古くはダノンバラード、現役ではダノンプレミアム、ダノンスマッシュら重賞馬が登場していて、中でもダノンプレミアムは本馬と同じ中内田厩舎への預託となっています。

ただこれらは全て牡馬。本馬は牝馬で、庭先取引と言っても牝馬であることからおそらくはケイアイファームとの共有、現役引退後はケイアイファームに戻り、仔分けの契約があろうことは、想像には難くありません。その意味ではダノンプレミアムらと同格に扱うのは少し違うのかなとも思います。

また本馬の配合を見ても、Sadler's Wellsの同系配合3×3、レキシールーの父はBalladeの直系でレディバラードの半弟であるSligo Bayですから、ケイアイファームとダノックスの次代の基礎牝馬としての役割の方が大きいでしょう。その意味で、このクラスの牝馬になると現役時に大事になってくるのは競走成績よりも「無事に牧場に帰ること」「戦績に傷をつけないこと」となってくるでしょうし、そこもPOGで指名する懸念材料にはなってきます。 ここら辺がクラブで募集する難しさでもあったかもしれません。

またFrankel産駒におけるSadler's Wellsのクロスは、昨年の英オークス馬Anapurnaが本馬と同じくSadler's Wellsの同系配合3×3。欧州でのFrankelの代表産駒であるCracksmanや、Without Parole、Veraciousと言ったG鞠呂Sadler's Wellsと血統構成の近いNureyevを持っていて、SpecialのクロスのあるFrankelは大物が出るパターンではあるものの、やや本格化が遅いことと、果たして日本の軽い芝が向くのかという疑問は残ります。


いくら中内田厩舎のダノックス庭先と言えど、プロフィールはPOG的にそれほど根拠の強さを感じるものではありませんが、異質な存在同士のBest to Bestによって紡がれたものが競馬の歴史ですし、良血度で言えば間違いなく世界でもトップクラスの馬であることも確かなので、14位であればリスクを取る価値はあると判断しました。