カラライナの2020  牡  3月4日生まれ
馬名・サトノロワ

父 ハーツクライ
母 カラライナ
母父 Curlin
生産 社台ファーム
馬主 サトミホースカンパニー
厩舎 美浦・国枝栄

2021年セレクトセール1歳
落札者 サトミホースカンパニー
落札価格 1億7,600万円
オンラインカタログ




父の種付け料×母の競走実績=良血度とするのであれば、昨年のセレクトセール1歳セッションで最高クラスであった一頭です。

母のカラライナはアメリカでデビューし、初勝利こそ3歳と遅れたもののそこから3連勝で米G汽┘ぅ魁璽S(3歳牝・ダート1600m)を勝利するなど、G気3勝した一流馬でした。



ちなみにカラライナと同世代のケンタッキーオークス馬で、カラライナと同じく現在は社台ファームで繋養されているラブリーマリアには、アラバマSで先着をしています。

カラライナは現役引退後、2017年のファシグティプトンノヴェンバーセールに上場され、この年のセール落札価格2位となる300万ドルで社台Fに落札され、来日となりました。

繁殖入り後は、ディープインパクト産駒で、2戦目の未勝利戦を2着に1秒差をつけ勝利したウィズグレイスを出しています。ウィズグレイスは牡馬混合のセントポーリア賞、格上挑戦となったLアネモネSでも1番人気に支持されたように、素質は高く評価されています。

本馬は父がハーツクライに変わりましたが、父ハーツクライ×母ダート馬は活躍馬が多く出ていて、中でも父ハーツクライ×母米ダート重賞馬からは、Yoshida(米G鞠)、ドウデュース(G議日杯FS)、マイラプソディなどがいるパターンになります。

また本馬の母父Curlinは、既にアメリカで一流種牡馬としての地位を確固たるものとしていますが、近年はさらに勢いがあり、昨年は北米リーディング3位、アメリカで5頭のG鞠呂鯒攴个掘△海瞭数は昨年のリーディングサイアーInto Mischiefの4頭を上回り首位。昨年の重賞馬/出走馬のパーセンテージも、同じく北米で首位となりました。今年も既に2頭の産駒がG気鮠,辰討り、なかでもケンタッキーオークスで1番人気2着だった牝馬のNestが、米三冠最終戦のベルモントSに出走プランがあり、注目を集めています。

さらに、Curlinの父Smart Strikeもブームの兆しがあり、今年の桜花賞馬スターズオンアースの母父であるばかりでなく、今年のケンタッキーダービーで現地最低人気だったSmart Strikeの同系配合3×2のRich Strikeが大番狂わせを演じ話題となりました。


そんな母にハーツクライを配したサトノロワは、ディープインパクトがシーズン途中で種付けを中止したこの世代の日本産馬では、考え得る最高のベストトゥベストと言えるのではないでしょうか。
母のカラライナはDeputy Minister3×4を内包していて、ここが姉の強烈な先行力、気勢の強さに繋がったと考えられ、どうしても牝系の緩さが伝わりやすいハーツクライから能力を早期開花させるためには、有効に機能しそうです。またCurlinのいとこはウインバリアシオンの母スーパーバレリーナで、ハーツクライと結果が出ていることも魅力です。Curlinの祖母Barbarikaは、Sir IvorとPromised Landを持っていますから、この部分がサンデーサイレンスのHaloとPromised Landと呼応することで軽快なスピードが発現するようであれば、姉以上の活躍も期待できるのではないでしょうか。



・・・などと指名理由らしきものを書いてきましたが、やはり最大の根拠は


「里見会長が落札した社台ファームの良血馬」


コレです。


実は本馬は、セレクトセール前からかなり評判になっていて、実際に吉田照哉氏とお話された方からの情報によると(Y社長ではありません)、照哉社長も相当な熱の入りようだったとのことでした。




POGの王道(黄本)での里見会長のインタビューによると「予算は2億までと決めていて、もっとするかと思っていたからこの価格で落札できてラッキーだった」とのことでした。


陰謀派「実はそうではないんではなかろうか」


セールのプレイヤーの方にお話しをうかがうと、セールには流れのようなものがあり、落札価格の全てに合理性を求めるのは難しいことを感じます。セリが過熱することもあれば、エアポケットのような状態に陥ることもあると。そして、競り合っている時に下りるタイミングには何パターンかあって、一番はやはり予算オーバー、自身が判断した適正価格を超えることだそうです。しかしもう一つのパターンがあって「例え予算内であっても相手が下りないと判断した時」があるそうです。サトノロワの場合は、まさにコレではないかと陰謀論者の私は妄想しました。

一つめの根拠は、里見氏と社台ファームの関係強化です。現在の里見氏のマネージャーを務めているのが、元社台ファームの場長である池田充氏であることは、有名な話かと思います。これにより里見氏と社台ファームの結びつきがより強くなったとしても、それは自然な流れと言えるでしょう。実際に、現3歳世代のサトミホースカンパニー所有馬の出世頭は、G競好廛螢鵐S3着の社台ファーム生産馬サトノヘリオスです。現5歳世代では、社台ファームから庭先取引で購入したと思われるサトノインプレッサが、デビューから3連勝でG桂萋杯を制覇。またセレクトセール落札馬サトノフウジンも、POG期間に2勝をあげました。


二つめの根拠は、里見氏と藤田晋氏の関係の深さです。


このような事があったので、昨年のセレクトセール時には「藤田晋氏は策士だな〜」程度に思っていました。しかし今年の黄本のインタビューで里見氏、藤田氏、双方からお互いの名前があがるなど、想像以上に親しそうで、さらにはサトノダイヤモンドのウマ娘実装、セガサミーがゲームセンターで展開している『StarHorse4』とウマ娘のコラボが発表されるなど、この二者間にはビジネスも絡んで深い繋がりがあることは容易に推察できます。



昨年のセレクトセールでの藤田晋氏は、現地組の方から「手を上げた馬はほとんど下りていないのではないか」との情報が寄せられるほどのすさまじい買いっぷりでしたが、これらの状況を考えれば、ある程度の価格で里見氏が何回か手を上げた馬に藤田氏がコールを返す、相手側に不義理と思われる可能性のある行為をすることはなかったと考えて良いはずです。
そして先にあげた、明らかな里見氏と社台Fの関係深化。
実際にセリの映像を見ても、落札直前までは活発に声が飛び交っていたのに、最終的にラストコールとなった声が裏手(里見氏)から入ると、面白いようにピタっと声が止まりました。
これは、この馬を競っていた方たちが「これは相手(里見氏)が下りないな」と判断した可能性を示すものではないでしょうか。里見氏と同じセレクトセールの「裏手」には、ダノックスの野田氏、金子真人氏なども鎮座していたと思われ、熾烈な心理戦が繰り広げられていたりしたら面白いです(直接見ていたわけではないのでわかりませんが)

サトノロワの血統的価値やこれらの状況証拠を踏まえると、この馬の市場価値は実際の落札価格以上だったのかもしれません。そしてこの落札の経緯を私はニアリー庭先(≒庭先)と呼びたいと思います。


・・・実際とは全然違うかもしれんけど←


陰謀論者だからね。仕方ないね。


肝心の馬の評価ですが、週刊ギャロップの丸ごとPOGのインタビュー記事で、吉田照哉氏が「ハーツクライの牡馬では一番」とのことでした。里見氏によると「奥手なのは織り込み済み」で、デビューは早くても秋初頭だそう。父や母もそうだったように2歳戦から全開というタイプではないでしょうが、ぜひ大きな舞台で見てみたい血統、種牡馬入りまで期待しての指名です。