法人全院所から集まった、新人から管理者までの、100人近くの事務職員対象に「事務職員に求めるもの。医師の立場から」的な講演をした時の資料です。

171008-北海道民医連事務交流集会講演_事務の専門性や育成方法_公開資料.pdf by けんた on Scribd




「副院長の立場、医師の立場から、事務職員に求める理想をぶつけて叱咤激励してほしい」的な依頼がありましたが、「まあ、そこまで偉そうなこと言えるほど管理職としての経験値や実績があるわけではないし・・・」と思ったり、「自分が学生や研修医のときにお世話になった事務の人達も参加してるから、変に偉そうなこといっても見透かされるだろうしなぁ」と思ったり、「そもそも事務職員が何していて何にプライド持ってるかなんて、自分より本人たちのほうが詳しいだろうに・・・」と思ったりでなかなかの難産でしたが、どうにかこうにか方向性を定めて、当日の講演までにまとめました。

絶望的に時間がない時期だったので、全体の構成の練り上げ、論理構成の一貫性、キーメッセージの絞り込みと見せ方調整、具体例の提示、時間配分の調整と質疑応答の余裕作成などまではできず、「とりあえずスライド並べた! あとは喋りでごまかす!!」みたいな稚拙なレベルのスライドですいません。

そんな感じなので、スライドだけみてもよくわからんかもしれませんけど、まあ一応載せておきました。


コンセプトとしては、上記のように「自分は事務職のことはわからん、求めるほど偉くもない」というところをキープしつつ、以下の2点を重視して全体を構成しました。

一つは、「それでも若手医師の育成歴はそれなりに長く、経験も知識も結構あると思うし、最近は中堅医師の育成も色々試行錯誤してきたので、その知識やノウハウを”参考資料”として提示すれば、あとは彼らがそれを上手に取捨選択・調理していい感じにしてくれるんじゃないかな」と考えて資料を作りました。
実際、事務職員のトップクラスにいる人達は、どの人も信じられないくらい優秀なので、材料さえあればまあ十分でしょうという感じで。

もう一つは、「事務というと、最初の頃は単純作業を反復しながらルーチン作業のエキスパート的な成長をするけど、途中から短期間でローテを繰り返して幅広いジャンルを経験し、一定レベルになるとジェネラルマネジャー的な立場になるので、わりと総合医のキャリアと似てるところもあるよね」という視点を意識して、総合医としてのやりがいやプロ意識やふだんの仕事などを提示することで、「医療専門職の集団がひしめき合う医療機関のなかで、専門性を深めきれないままにローテしなんとなく経験年数が増えていくが、管理職にはまだなっておらず中堅としてアイデンティティロスに悩む人」が相当数いるだろうという前提のもとで、自分が後期研修終了したあとのことを思い出したり、今いるうちの医長や、法人総合診療グループの同じく研修終了後の診療所長や病棟医長などしている人たちのことを考えながら、「ジェネラリストの成長、キャリア、育成」についてのノウハウを提示してみました。



当日は会場がかなり広く、また真ん中あたりにサブディスプレイもぶら下がっていて奥の人の顔が見えなかったこともあって、会場隅々のリアクションが拾いきれなかったため手応えがはっきりしないまま終わってしまいました。

体調も絶不調だったので、喋ることに集中するのが精一杯で、会場全体に神経を張り巡らせてリアルタイムにフィードバック入れて調整するほどの余力もなかったのかもしれません。



ただ、終わったあとのアンケートが70部くらい返ってきて、先日全部目を通したんですが、ざっと見た印象では、割と伝えたかったメッセージがそこそこ伝わったような手応えを感じられました。

中堅から管理者クラスを主なターゲットに作った資料だったので、特に各部門の責任者クラスの人達からは良いコメントが多かったです。

また、以外に入職1~5年目くらいのビギナークラスにも、今後の参考になったとか、まだビギナーの時期だから今のままでいいんだと思えたとか、それぞれにメッセージを受け取ってもらえたような感触もあり良かったなと思います。





今回、せっかく良い経験をさせてもらえたので、これをもう少し練り上げて、うちでの医長育成プログラムに反映させたり、そういうプログラムのキックオフのときのレクチャーを作り込んでいければいいなと思います。

上手くいけば、医師の医長だけでなく、看護師や技術職の主任や、事務の係長などで集まっての、職種横断的な「中堅者育成企画」が作っていけるといいなぁと思います。


余談ですが、自分の法人の総合診療グループの正式名称は「北海道勤医協 総合診療・家庭医療・医学教育センター(GPMEC: General Practice and Medical Education Center, hokkaido kin-ikyo)」というものです。

それと関係して、家庭医療を司る教育診療所群からなる「家庭医療センター」はすでにあり、専属のセンター長の医師や担当事務がいて、独自の活動や医療展開をしていて面白そうだなぁと思います。

病院総合医を司る「病院総合診療センター」は今のところ実存していませんが、本院が総合診療病棟もっているのに、勝手にこっちが名乗るのもなんだかなぁという思いもあり、様子見しています。
とりあえず去年からは、「病院総合診療部門の戦略会議」が不定期には開催されるようになり、本院側が運営や教育などの戦略を考えるようになってくれてきたので、このまま元気になってくれたら一安心です。

そんな感じなので、GPMEC3本柱の残りである「医学教育センター」を、うちの病院というか自分個人が名乗るのは一時期目指していたんですよね。

別に3つの独立したセンターを作るという趣旨はなくて、これら3領域(病院総合診療、診療所家庭医療、医学教育)をまんべんなくしっかりやる組織だという意識で作られた組織・名前なんですが、家庭医療センターつくっちゃったんなら他もセンター作りたいなと、「均等でバランスもとれロジックもピッと通った組織図は美しい」という変わった感性を持つ自分は考えてしまうのです。


ただ、数年前に、本院の指導医たちが日本医学教育学会認定の「医学教育専門家」というののコースを受けて頑張っていたので、それを差し置いて自分が「われこそが教育センター長である!」と名乗りを挙げるのも感じ悪いなぁという遠慮もあって、ただ単に一病院の一指導医として活動していました。

でも、べつにその専門家取ったからといって革新的な教育制度を作ってくれるという動きもなく、院内の医師育成で手一杯のようですし、聞いてるとその専門家取るためのレポートも初期研修医指導や後期研修医個々人への指導のレベルは底上げされそうですが、他職種とか組織改革までは視野に入ってなさそうな感じなので、「もうこれ以上遠慮しなくてもいいかなぁ…」という気持ちもでてきています。


というわけで、このままこっちで研修医・専攻医・フェローや医長の育成システム熟成や、他職種共同学習システムの構築、地方中小病院や診療所への遠隔指導システム確率などの実績ができたら、堂々と「医学教育センターを名乗っていいすか?」くらいは聞いてみようかなと思います。

肩書や組織図はどうでも良いという人も多いでしょうが、自分はそういうのを背負ったほうがやる気がでるし、個人の業績で終わるよりは組織の業績にして、ノウハウも共有化して、自分が抜けたあともこの仕組が維持・発展するようにしたいので、できるだけ頑張って成果出せたものは制度化していきたいんですよね。


そんな感じで、今回の経験をきっかけに、また少し野望の視野を拡げてみようかと思います。




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