「行動しながら考えよう 研究者の問題解決術」献本でいただきました!

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羊土社さんのページはこちら
https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/book/9784758120784/index.html

目次

序章 悩める若手研究者とその卵たち12のケース

第1章 行動しながら考えよう―Thinking While Acting

第2章 ネガティブな感情を活用しよう―ネガティブな感情を避けるのではなく、自身の成功を導くものに転化させる方法

第3章 研究者は営業職。視点を切り替えよう―研究室内の上司-部下の関係を良好にするための方法

第4章 研究室での自分の立ち位置を分析してみよう―PI原理主義に染まって視野が狭くなった状態を脱却する方法

第5章 情報化社会だからこそ「暗記力」を強みにしよう―暗記力と理解力を鍛えて知的生産性を上げる方法

第6章 新しいことをはじめてみよう―進むべき道を探求し、自分で選んだことに自信を持つ方法

第7章 戦略的に楽観主義者になろう―失敗に対する耐性をつけ、研究を好転させていく方法



私自身は研究者ではなく臨床医なので、最初届いたときに「なぜ!?」と軽く動揺しましたが、前に羊土社さんでお仕事させていただいたので紹介候補にあがったとか、ブログで一応研究してみた!とか論文書いてみた!とか粋がっていたのを見つけていただいたとかでしょうか。

恐縮でございます・・・



本書の対象は、臨床しながらちょろっと研究かじってみました(*ノω・*)テヘ みたいな人にイロハを教えるものではなく、また王道のテキストみたいな感じでもないです。

一端の研究者として歩むことを決めた人や、研究者として頑張ってきたけどふとどうしようか悩んだ人とかが対象のようです。

自分のラボを持ったときとか、上司に論文チェックしてもらうための教室内での振る舞いとか、おそらく研究室とか大学医局とかに所属している人にとって重要そうな内容です。


最初に、12のケースがあって面白げですが、自分が完全に該当するケースはなかったです。

この12のケースを実例から選んで、インタビューして質的解析をして何か原則のようなものをみいだして 、それを臨床や他のジャンルに当てはめていくみたいな展開だったら自分好みでしたが、医学教育とか家庭医療以外の臨床医学分野では質的研究は知名度低いのかもしれませんね。

全体のトーンとしては、よくあるこの12のケースを引き合いに出しながら、著者ご自身の経験論からのアドバイスが色々とのっており、いわゆるビジネス本(私はこれで成功した系)に近い印象でした。

自分のまわりの家庭医系の人たちは、たいてい一時期にビジネス本を一定量読んでいてこの辺の知識は当たり前になっており、自分もそんな感じなので「おお、これは新鮮!」と言うのはありませんでしたが。


逆に普通の臨床医学系から研究者に転向しましたという人や、ずっと研究畑でやってきた人には面白いかもしれません。

文体も気軽な感じなので、ちょっと疲れたときに雑誌的にパラパラと軽く読める雰囲気にしてあるのも好印象です。



というわけで、恩を仇で返すようなレビューになってしまい大変恐縮ですが、「私には合わなかった。研究者の若手・卵が読むと面白いと思う。とくに、専門分野の真面目な勉強にあきたときに、気軽に読めるよ」というのが結論です。

 

ちなみに、自分が読んで面白かった、研究・論文執筆系の本もまとめて紹介しておきます。

おそらく、このブログの研究関係エントリ読む人は、ガチの研究者でなく総合や家庭医療をやりながら研究も学ばなきゃなぁというくらいの人のほうが多いと思うので、自分目線でのセレクトです。



批判的吟味のポイントを、ジョーク交えながら気軽に学べます。
なんでそれがダメなのか、ガチガチの正しい言葉で説明されると「ふーん」ですが、こういう口調だと「おお、たしかにダメだわ」と思えるので、雰囲気つかめます。


あるテーマで論文をレビューする方法について、集め方、整理の仕方など具体的に書いてあります。
看護師さん向けで、これだけでレビューアーティクルをかけるようにはなりませんが、大量に集めてきた論文の特徴をExcelで整理する方法はかなり役に立っており、後輩に論文レビューしてもらうときにもこの方法で教えています。




これは、ガチで面白く、かつ役に立ちます。
公衆衛生系の先生なので、臨床とはすこし視点が違うなとおもうところもありますが、逆に臨床医のぬるい感じではないので「ああ、疫学研究ってこうだよね」と背筋が伸びます。
が、本書の真髄はそこではなく、「本文よりも脚注の方が多い」ところがユニークです。要するに本筋よりも余談やおまけの方が充実しており、目線があっちこっちいって忙しいですけど楽しく疲れず読めます。

基礎から学ぶ楽しい疫学
中村 好一
医学書院
2012-12

同じ著者の別の本。こっちもおもろいです。



これは、研究を思いついて、抄録書いて、口頭発表して、論文いしていく全体についてわかりやすく書いてくれています。
今回頂いた本とは真逆で、臨床バリッバリにやっているひとが、教授とか指導医とかの支援もろくにない中で、どうやってモチベーションを維持し、具体的に研究を進めていくのかについて、すごく具体的に書いてあります。
採択されない理由、チェックリスト、読み原稿、リハーサル、指導者の見つけ方など、他の本ではあまり扱っていないところもあって、かゆいところに手が届きます。
孤独な臨床医が研究に対して前のめりになれるために、とても良い本です。



アクセプトされたくて買いましたが、私にはちょっと重たかったです。通読出来たかと言われると微妙なところ・・・



これは、基本から丁寧に書いてあり、これ一冊本気で読み切れれば知識面では穴が無くなりそうな、教科書的な感じでした。
だからといって「論文を書く素養も環境もある人向け」の高度なモノではなく、論文を読みたくなるまでの道のり、イントロダクションの読み方、研究テーマの選び方(FINER)など初心者が躓くところが一通り抑えてあります。
2個上の若手向けの本とこれの二冊があれば、とりあえず国内学会での発表や日本語雑誌への投稿くらいは最低ラインまで独学でとどくんじゃないかと思います。



卒後15年目くらいまでに何本かケースレポート書いて、年老いたり障害を負ってもほそぼそとケースレポートを書き続けられる人になりたいなと思っていて、その意気込みに対する最初の行動としてこれを買いました。
他にも似たような書籍やweb記事などは読んでいて、各準備はもう万端です。あとは症例と時間とやる気だけ・・・



あと、オーラルで発表するときのコツは、これで勉強しました。
TEDとかZENとかだけやっていても、学会発表では通用しませんしね(プライマリ・ケア連合学会以外の全国学会いくと、発表で笑い取ったりしませんからね)。
一般的なプレゼン本と比較してもわかりやすく、特に学会発表を医として作られた本なのでとても役に立ちました。



あとは、ポスター作りの本。喋りだけうまくても、ポスターのインパクトがないと厳しいですしね。


あとは、パワポ版。無事にセレクション乗り越えて、ポスター発表でなく口演を勝ち取ったけど指導者がいないとか、予演会だれも付き合ってくれないなら自力で学んでやるしかないです。



……書き出してみたら、けっこういろいろ本かって読んでたみたいですね。

その内容が身について、今後成果につながっていくかは、神のみぞ知る・・・





 

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