病院のホームページをリニューアルし、フェイスブックページのテコ入れもされてから1ヶ月以上経過したため、いろいろと振り返り・分析をしています。

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ホームページ改訂では、中身の入れ替えは時間がかかるので、まずは見やすく美しいレイアウト・色合い調整と、患者や地域住民や連携先医療機関の人目線で欲しい情報まで少ないクリックで行ける導線、そしてスマホ・タブレット対応(小さい画面で閲覧すると画面が自動で組み替えられて見やすくなる設定)の3点でした。

これらを簡易に満たせて、改訂費用や維持費や今後の新規情報掲載の手間などを考慮して、今の運営会社に決まり、広報委員会での議論を定期的に聞いて、内科関連ページの担当者と相談しながらなんとかここまで来ました。



自分のブログの運営や、JPCA学会のICT委員会で学会ホームページの改訂作業に関わった経験やらが多少はあるので、病院ホームページのアクセス解析の生データなどをみてもあるていどいろいろ見えて興味深かったです。


ホームページのアクセス解析では、アクセス数が倍以上に増え、とくに以前はとても少なかったスマホからのアクセスが劇的に増加していました。

概数ですが
7月はWindowsから14000件、Mobileから1300件と10倍差。
8月はWindowsからが14000とほぼ不変のまま、Mobileが12000件と約10倍に増加。
9月は半分終わった時点で、75%がMobileからのアクセスになっています。

また、現場の体感でわかるほど若い世代の新患が増え、全科合計の外来患者数も予算を上回ることが増えた気がします。


ネットのアクセスを増やすだけなら、SEO対策しつつきれいなスマホ対応画面にすればいいですが、アクセスが増えた分外来患者数が増えたというのは、上手くターゲットに届く方法を工夫できたということかもしれませんね。

病院の周辺地域の人口分析では、若い人がガンガン増えており、人口ピラミッドも途上国型(つまり、新聞やラジオでなく、スマホが情報源として影響力の大きな世代が多い地域)ならではの変化かもしれません。


もちろん、ホームページ改訂と外来患者動向との因果関係はまだわかってないので、新患患者のアンケート(外来・病棟の一斉満足度調査をちょうど準備中)や、外来患者の科別・年齢性別ごと・時間帯や曜日ごとの分析(事務次長や医事課長がそういうの得意)などして、さらに改善していきたいです



他に、ページ別のアクセス数をみていくと。
トップページが最多なのは当然ですが、やはり外来診療案内、外来担当医一覧、来院される方へ、診療のご案内など、地域住民や受診を検討している人、紹介を検討する他医療機関の連携担当者がみたがるページに集中していました。
内部目線ではなく、外部目線で注目度の高いページからテコ入れするのが重要そうです。

また、どのページも「常に最新で間違いのない情報が常時更新されている」ことが死活問題なページばっかりなので、情報更新ルールがどうなっているかの確認と維持も必要そうです。

科別では総合診療と産科が多くて、これも、「症状がある、健康上の相談があるんだけど何科にかかればいいのか」を判断するだけの医療機関受診経験がない若い世代や、0~9歳と20~30歳代が多く出生率も高いこの地域ならではな気がします。

部署別では、より伸ばしていきたい(病院側の経営的にも、地域に本来ならあるはずの潜在ニーズの大きさ的にも)、健診や在宅についてはまだ注目度が低いことも相対的にわかったので、そこの見せ方や、関心を持って連絡をくれた方が不快感無く快適につながる仕組みも重要そうですね(繋がる仕組みは内部ルールをようやく改善できたので、知らない人に知ってもらう活動が当面はより重要そう)。

また、安定していて質も高いと思っている病棟関連の情報へのアクセスは少なく、やはり外来関係に集中しているのが地域ニーズとして(というかネット検索で病院を探す人目線)では重要というのも、当たり前ですが再認識出来ました。
外来機能の見せ方はまだ模索中で、個人的には10個位プランが具体化されているんですが、あんまり先進的だと他職種・他科の理解や技術習得が追いつかなかったり、制度上事務とも噛み合わなかったりするので少しずつ少しずつ、でも遅れずに着実にやっていきたいなと思います。



それから、アクセス元はGoogle検索から来ているのが大多数で、Yahooやその他は少ない傾向でした。
GoogleのSEO対策はきちんとしたほうが良さそうです。

最近は「札幌病院」でも「札幌 病院」でもGoogleの3番目に表示され、「札病」と入れるとトップにでてきます。
「白石区 病院」だと5番目におちて最初のページに入らないので、白石区押しが弱い印象で、ページ内に白石区の言葉は増やしたほうが良さそうだなとも思いました。

また、当院は貧困者や無収入者にとって救いとなりうる無料低額診療制度やその他多彩な制度の活用の案内などがウリなんですが、「札幌 病院 医療費」だと5番目に落ちてしまうため、強みがアピールしきれていないところは大きな課題だなと思ったりですね。


さらに、Google AdWordsなどの有料広告を導入すべきかどうかなどは、費用対効果の計算など色々したほうがいいんでしょうね。

最寄り駅での病院名アナウンスはかなり費用が高くて撤退した経過がありますが、毎日大量の人が通過する最寄り駅を狙うのか、もう少し広い範囲の人に届くweb広告にお金をかけるのかも計算してバランス考えてやって、その成果を測定してフィードバックかけてというのをちゃんとやってみたいなと思います。
(現状の外来患者層分析では地下鉄沿いの住所の人は飽和レベルに受診しているので、webでそれ以外の地域に届く工夫のほうが新規患者発掘には有用そうなイメージを持ちますが)



あとは、フェイスブックページにイベント情報の更新をマメにするようになり、週間リーチが1000以上は安定するようになったのはいいことかなと思っています。

ただ、Facebookはすでにつながっている人への訴求効果はあっても、新しくつながる効果は薄いようにも思います。


また、フェイスブックページ更新日と、ホームページアクセスの波が一致しておらず、よく見るとFacebookからホームページに飛ぶ動線が整理されていなかったので、リンクの張り方やトップページ固定記事などの句風をしてみました。

今のところその影響は少なく、リンク元解析ではフェイスブックページから来る人がごく少数なので、もう少し改善したいなと思います。

また、どちらかというと、ホームページに新規出来た人が、一般的な情報以外にもイベント情報等を知って親しみや関心を持ってもらうためのフェイスブックページというイメージなので、ホームページ→フェイスブックページの動線も作ってみたらどうかなと思ったりしました。




そんな感じで、きちんとしたwebサイト分析の勉強をしたわけではないので、主観的感想が主体にはなりますが、いままでの暗中模索で外来患者数増加という経営課題や、まだつながっていない社会的弱者とつながり予防・福祉的サービスを提供したいという組織命題に対して、一部ではあるけど根拠を持って考えられるようになったのは、個人的にはけっこう大きな影響でした。



もちろん、いい診療して口コミで広がることで患者数が増え地域内での知名度が高まることが王道かとは思いますが、人口入れ替わりが激しくて横の繋がりがない土地で(町内会参加率が市内最低)、競合医療機関も過密(総合比較や老年や障害者・社会的弱者対応では被ってないんですけど、一般的な病院比較・ランキング指標に表れずわかりにくい)な地域では、Web戦略大事なんだろうと思っています。


地域の潜在ニーズと病院の潜在的強みのすり合わせ(のための地域分析や病院機能分析)、伝えるチャンネルの選択(Webよりも新聞や看板がいいこともある。今回は若者へのスマホ表示対応)、素人目線(病院の責任上や地域の生き字引でなく、医療にかかったことのない周辺住民)の意見をフィードバックするなど、さまざまなコツや能力が必要であり、またアクセス解析や外来患者データ分析で成果を確認しやすいので面白いです。

こういうのの、医師向けのまともなセミナーとか無いんですかね?






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