昨日は完全にやられてましたが、180度回って復活しましたよ。


今朝起きたときには倦怠感や頭痛がひどくて「よし、今日は定時で帰ってめっちゃ寝よう」とおもってたけど、朝会で今日の当直が自分だと宣言されたことで退路を防がれ、それで返って腹が座った気がします。

なんかもう、「あがいてもしょうがないならすべてをあるがままに受け入れよう。この後のこととか次の患者のことや午後の心配は脇において、目の前の患者だけみてよう」という、投げやりに見せかけて診療の真髄に触れるような心境に入り、すっとゾーンに入れた感じでした。



午前の新患外来はバラエティーに飛んだ受診があり、なかなかにたのしかったです。

(個人情報に配慮して若干デフォルメしますが)奥さんの妊娠に合わせて風疹のワクチンを打ちに来た医療機関初心者な感じの良さげな青年や、「最近世間で風疹が流行っているから抗体価測定しにいきなよと」と施設で言われ風邪引いてる真っ最中なのに受診させられた人の良さそうな女性、

健診で異常が指摘されて精査受けに来た人たちも、そこは対応しつつもついでにEDの相談や夫婦関係の相談やら、仕事のストレスやVDT症候群の相談に発展したり、一発必中で節酒や禁煙や食餌療法に持っていけたり

「数日前からの嘔気・腹痛」の予診票できて楽勝コースかと思いきや、聞けば聞くほど病歴がさかのぼって思春期のライフサイクルの発達課題ど真ん中の深い問題まで達してしまった仲の良さそうな母子、

心窩部や胸痛や喉の締めつけ感と嘔気で受診した前庭神経炎、狭心症、GERDや食道裂孔ヘルニア、花粉症・喘息や打撲や帯状疱疹

また、病院の他職種実習生の急性疾患での受診や、病院のいつもお世話になりっぱなしな他職種課長の娘さんとかも来て、緊張してしまったり。

全体的に若い人が多く、様々な人生の課題や日々のあれこれと戦いながら、症状が悪化したりこじれたりして、不慣れな医療現場で普段お目にかからない医者とのコミュニケーションに四苦八苦しながらも前を向き自分なりに考えてマシと思える選択肢を一緒に模索してという建設的な感じがとても新鮮でした。
亜急性期病棟で帰れなくなった人生の終着点みたいな患者さんの診療や、他科や他院で対応できずあまされたり出入り禁止になった末にたどり着いた人も多い予約外来での診療とは一味もふた味も違う患者層と相談内容と診療スタイルがとても新鮮でした。とっても家庭医っぽかったと我ながら思ってしまいました。



午後の往診も、他院に受診できないくらいにメンタルも体力も落ちて往診紹介になった人が、元気になりすぎて庭仕事に精を出しすぎて疲れてたり、

進行癌があって予後数ヶ月と言われながら1年経っても元気に世間話と玄関までお見送りしてくれてたり、
同じく進行癌で以下同文なんだけど、転びまくって細かい骨折も繰り返すけど、めげずに笑顔で自分の部屋での生活をつづけていて、顔をしかめる家族としょうがないねーと言いながらもギリギリまで見守れそうな雰囲気を育んでみたり、

肺機能が廃絶し今後も進行していくので絶望と言われて在宅酸素療法導入して往診にはいった人も震災を乗り越えたくましく栄養をとって体重と生活範囲が改善してきてたり、

糖尿病で足が壊疽して確実に死ぬと言われながらも年単位の闘病を乗り越えて自宅に帰り、たくましく細やかな奥さんに支えながらも自主的な疾病コントロールと自主リハを続けまくって、単坐位のまま自力で足保護の靴下履けるまでにADL上がりまくった切断術後の人のたくましさを感じたりで、

まあ、みなさん元気というか「しぶとい」という表現が最も適切なんじゃないかというくらいの生命力を見せつけられて、元気をいただきましたm(_ _)m


ゾーンに入るというか、神が降りてくることはたまにあって、そういうときの診療はいろいろと楽しいんですが、これを自力で作れないのが辛いところなんですよね。
極限まで追い込まれないと発動できないけど、極限まで追い込まれたいとも思わないので、たまにしかお目にかかれません。




あと、「この体調の悪さはなんか水毒っぽいな」と、靴下の跡がついてむくんだ下腿を見ながら気づき、五苓散セミパルスを使ってみたらすごく体調が戻ってきていて、いろいろネガティブで体調も悪かったのは単に片頭痛だったのかもと敵の正体がみえたら気持ちも楽になってきました。

今は完全にノーダメージの元気状態です。


夕方に、初期研修医からのおねだり臨時レクチャーもやりましたが、行動変容について1時間半くらい盛り上がり続けてとても楽しかったです。

無関心期から依存症までを視野にいれつつ、医者や研修医の心理傾向と、我々だって「わかっちゃいるけどやめられない」ことを認識しながら、「なぜ、ちゃんと真面目に勉強する研修医ほど、患者の行動変容がうまくいかないか」を深く体感してもらえたかなと思います。
個人的には、最近の研修医向けレクチャーでは「言われたとおりにリピートしたら明日から役立つ!」系の知識・技術伝授よりは、「なんか、面白い世界が、あるらしい、けど、なんかもやっとする。それってもっと勉強したほうがいいっぽいぞ!勉強したいけど、どうしたらいいの」くらいのところで寸止めするのがスキなので、今日はちょうどそれくらいに持って行けてなかなか絶妙だったと思います。
そこまで行ったら、あとは個々の興味や関心や今後の進路に合わせて好きなところを勝手に深めたらいいのです。



当直の準備もしてなかったですが、家族に泣きついたらお泊りセットと手作り弁当・夜食を持ってきてくれて、子どもたちが愛想振りまいてくれたりいなくて悲しいと泣いてくれたりしたので元気出ました。


なんとか持ち直して来週を迎えられそうです。


でわ!

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