病院家庭医を目指して ~野望達成への道~

地域密着型病院で活躍する家庭医を目指し、札幌市内で働いてるDr_kentaです。 病院外来でのプライマリケア、内科急性期病棟の老年・緩和ケア、リハビリテーション栄養を中心に、医学教育や院内システム改善などにも関心を持ちながらいろいろやっている日常を記録していきます。ちなみに「病院家庭医」という正式な呼称はありません(造語です)。 また医師による記載ですが、医学的な内容を自分や身の回りの方に適用していいかどうかは直接診察のうえでの判断が必要です。記載内容を試して発生したいかなる不利益も責任は負い兼ねますのでご了承ください。

読書・執筆

【読書記録】Gノート増刊「動脈硬化御三家」、レジデントノートに掲載されました

1ヵ月前に提出した「Gノート 動脈硬化御三家」の書評が、レジデントノートに掲載されました。


書評が掲載されている、羊土社Gノートのホームページ
無題
https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758123280/


書評が掲載されている、羊土社レジデントノートのページ
https://www.yodosha.co.jp/rnote/book/9784758116107/index.html


前回書評書き終えたときに書いたブログ記事


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【書籍紹介】「病院で輝く総合診療医」が出版されました!病院家庭医志望者にお勧めです

病院で輝く総合診療医 (総合診療専門医シリーズ) 

がついに出版されました!



病院で輝く総合診療医 (総合診療専門医シリーズ) [ 川島 篤志 ]
病院で輝く総合診療医 (総合診療専門医シリーズ) [ 川島 篤志 ]



私も、当院の医長との共同執筆の形で「病院総合診療外来での引き継ぎの質を高めよう 」というのを書いています。

「病院の、しかも総合診療医の担う、外来での引き継ぎ」の特徴って何だ?というのを何度も打ち合わせしながら深めて、いくつかの概念でうまく説明できたと思います。


Multimorbidity・慢性臓器障害のフレームでBiomedicalな情報を、患者中心の医療の方法PCCMのフレームでナラティブやコンテキストをバランスよく記載できるように提案してみたところ、実際に自分たちが普段書いている申し送りそのものになりました(なのでとってつけたような、学んできたことを書き出したけど実践不可能なものではない、はず)。

また、その過程で、普段自分たちが何を意識して行っていたかを構造化できたため、自己詳察が深まって面白かったです。


また、病院外来ならでは感の一つに、所長が何年もいて医師固定の傾向が強い診療所と比べると「月や年単位で医師の異動が多く、また外来担当医師数が多くて毎回違う医師が見ることも多いため、申し送りを作成する医師がその患者を担当していた期間が短い」というのもあるよねというところに気が付きました。

そのため、「何でもかんでも知っている総合診療医として理想的な申し送りを書ける」という理想論からの出発はせずに、「短期間しか見れていなかった事例でも、それを踏まえて不十分な点の明示とその対応、今後の長期プランの提案」も書けるといいよね(ていうか、普段そうしてるよね)というところまでいけたことで「病院の外来における引き継ぎ」という難しいテーマも吸収できたかと思います。


あくまで、当院での診療経験がやや長い科長と医長が相談しながら考えたものなので、他の医療機関や地域ではまた別の視点があるかと思いますが、考え方やフレームの一例として一定の参考にはなるのではないかと思います。




まだ手元にはないので他の先生方の記事を読めたわけではないですが、執筆者一覧をみると「まあ、この人が書いてつまらないってことはないだろう」という先生方の名前が並んでいます。

編集責任者の人脈の幅広さと、テーマに応じた人選眼がすごいなぁ・・・と思いました(実際、ある書籍企画の責任編集をしてみると、項目選び以上に執筆依頼相手の選出がとても大変でした)


そしてなにより、テーマが「病院」で働く総合診療医なので、このブログや自分の「病院家庭医」のコンセプトに近いです。
意外とこういうのってなくて、診療所家庭医か病院総合内科・救急・集中治療とかに寄っていることがおおいのです。

目次構成も、「初診外来→入院」「入院中のCommon problemや他科コンサルト」、「特養からの救急搬送」「新患・初診外来」「予約外来での引き継ぎやACP・予防医療」、「集中治療」「救急」「薬剤」などのの病院総合医的あるあるを、事例ベースで解説しており、普通の書籍では扱っていない設定をより詳しく学べる可能性が高そうです。



最期に、アマゾンや出版社ページに書いてある情報を引用します

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商品の説明


病院という特殊な環境下において働く総合医の大小さまざまな悩みの解決へ向けた指南書。診断・治療のコツはもちろん,他科・多職種との連携の仕方のノウハウまで指南する。
症例別に7つのCaseを設定し,それぞれの中で病院総合医が直面するであろう疾患や問題46項目を取り上げ解説している。対患者,対家族,対他科の医師,対地域の診療所,対多職種,…,本書を読めば病院総合診療のすべてがわかる。
各Case冒頭は『まんが めざせっ!総合診療専門医』の登場人物による対話形式で始まり,やさしく状況説明がなされており,どのCaseからでも読み進めることができる。


目次 

序文 川島篤志
総論
 1. 総論 川島篤志
 2. 歴史的背景 小泉俊三
 3. 病院で働く総合診療医 林 寛之

症例別による7つのCase
Case① 初診外来から入院:尿路感染症
 ①導入部(状況設定) 田所 学,川島篤志
 ①-1 入院患者のマネジメント総論:カルテ記載・指示簿 小坂鎮太郎,佐藤直行
 ①-2 「総合診療医」として入院患者へ生活を念頭に置いたケアを提供するために 木村琢磨
 ①-3 がん検診 八重樫牧人
 ①-4 総合診療医の病棟診療について 北村 大
 ①-5 関連する領域:感染症 大曲貴夫
 ①-6 患者のその後(転帰) 田所 学,川島篤志
Case② 入院中,整形外科から相談:圧迫骨折→尿路感染症
 ②導入部(状況設定) 片岡 祐
 ②-1 高齢者を診るうえでの最低限の診断 上田剛士
 ②-2 入院中に起こり得る疾患 佐田竜一
 ②-3 入院中の高齢者に起こり得る問題 関口健二
 ②-4a 感染症診療や不明熱診療の病棟コンサルト 廣澤孝信,志水太郎
 ②-4b 大病院でのコンサルト 山田康博
 ②-4c 小病院でのコンサルト 仲田和正
 ②-5 患者のその後(転帰) 片岡 祐
Case③ 特養からの救急搬送:誤嚥性肺炎
 ③導入部(状況設定) 川島篤志
 ③-1 主治医あて 川島篤志
 ③-2 特養,老健とのかかわり 本村和久
 ③-3 ベッドサイド回診 須藤 博
 ③-4 リハビリテーション 若林秀隆
 ③-5 横断的チーム(NST,感染ICT)を依頼されたら 鈴木 諭
 ③-6 臨床研究 青木拓也
 ③-7 患者のその後(転帰) 片岡 祐
Case④ 新患外来:リウマチ性多発筋痛症(PMR)→巨細胞性動脈炎(GCA)
 ④導入部(状況設定) 和田幹生
 ④-1a 初診外来について 金城紀与史
 ④-1b 大病院での初診外来 鋪野紀好,生坂政臣
 ④-1c 小病院での初診外来(特に新患外来)の特殊性 朴澤憲和,上山泰男
 ④-2 臨床推論 和足孝之
 ④-3a 自施設で対応できない疾患の対応 片岡 祐
 ④-3b 稀ではない疾患,未診断の時の対応 片岡 祐
 ④-4 症例発表,学会,執筆 高田俊彦
 ④-5 膠原病と総合診療医は相性が良い 石野秀岳
 ④-6 生涯教育(いろんな会への参加) 吉野俊平
Case⑤ 引き継いだ予約外来:COPD
 ⑤導入部(状況設定) 和田幹生
 ⑤-1 病院総合医の予約外来 岸田直樹
 ⑤-2a 病院総合診療外来での引き継ぎの質を高めよう 佐藤健太,大久保彩織
 ⑤-2b アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning:ACP) 許 智栄
 ⑤-2c 予防医療 向原 圭
 ⑤-3 特殊外来(禁煙外来)をまかされたら 松本真一
 ⑤-4 小児期からのトランジション,希少疾患の対応 高村昭輝
Case⑤' 入院中:COPD急性増悪で気管挿管,ICU入室
 ⑤'導入部 和田幹生
 ⑤-5 集中治療 植西憲達
 ⑤-6 多職種カンファレンス 川口篤也
 ⑤-7 患者のその後(転帰) 和田幹生
Case⑥ 13歳男子が下腹部痛で救急搬送→精巣捻転
 ⑥導入部(状況設定) 片岡 祐
 ⑥-1a 日中,時間外救急 浅川麻里
 ⑥-1b 大病院での救急 北野夕佳
 ⑥-1c 小病院での救急 青木信也
 ⑥-2a 頻度の低い非内科系緊急疾患 安藤裕貴
 ⑥-2b 頻度の高い内科系緊急疾患 齋藤 穣
Case⑦ 他施設follow:NSAIDsで感染契機の心不全
 ⑦導入部(状況設定) 田所 学,川島篤志
 ⑦-1 専門科との連携,専門医とやりとり 尾原晴雄
 ⑦-2 薬剤 矢吹 拓
 ⑦-3 多職種連携:患者背景,医療相談(MSW)とのかかわり 小田浩之
 ⑦-4 病院と診療所との顔の見える関係づくり(院内・地域内勉強会) 原田和歌子
 ⑦-5 緩和ケア(がん/非がん),非がんの看取り 柏木秀行
 ⑦-6a 在宅小病院 大浦 誠
 ⑦-6b 在宅大病院 西 智弘
 ⑦-7 病院内外の質改善 小西竜太
 ⑦-8 患者のその後(転帰) 田所 学,川島篤志

コラム
 A 院内勉強会の工夫 大矢 亮
 B ポートフォリオ 一瀬直日
 C キャリアデザインを考える 本郷舞依
 D 健診業務など「雑務」の話 金井伸行
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以上です。

久しぶりに「自分も執筆したけど、出版後に全部読んでみよう」と思った本だったので、宣伝してみました。

(COI開示ですが、印税形式ではないので、たくさん売れたからと言って私の懐が潤うわけではありません)




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気分転換に漫画や小説やマネー本を読んで現実逃避…

最近、仕事面ではなかなか渋い局面が続いていまして(いろいろです)、仕事後や早起き時や休日にお仕事的なことをインプットする気になれません。


純粋に知的好奇心をそそられるような医学書読んだり論文読んだりは楽しいのですが、今すぐ、明日からのしごとに役立ちそうなものはなんだか手が付かないです。

ので、最近は他の人がまとめた医学論文まとめた日本語ブログはやや距離が遠のいていて、むしろ英語の原著論文で遠き彼の国の最先端に触れて夢見がちになる方が楽しかったりします。

Inoreaderでの英語論文RSS流し読み、とりあえず2年間続きました! 習慣化してしまえばなんとかなるもんですね

(もうかれこれ、この方法で3年半くらい続いてるんですね・・・。習慣化ってすごい)


また、医学書も、総合診療系はかなり距離をおいていて、臓器別内科系の本が今結構熱いです。






あとは、ひたすら没頭して数時間現実から意識を飛ばしたいからか、小説読む時間も増えました。
自分は、小説とか新書とか文字ばっかりの本を読み始めると、周りの音が何も聞こえなくなり、自動反射で生返事を繰り返すだけの粗大ごみになるようです。とても評判が悪い・・・


斎藤さんの曲、久しぶりに聞きました

蜜蜂と遠雷
恩田 陸
幻冬舎
2016-09-23

最近、娘と並んで練習曲の練習をはじめましたよ。まだちょうちょとかトトロとかなら自分のほうがうまいです。ギリギリ・・・


漫画は、なぜだかよくわかりませんが、(広い意味で)食べ物系のが増えている気がします。なんでだろ


しょっぱいのが食べたくなります。






漫画じゃないですけど、地味な喫茶店行きたい・・・とおもったので、近くのモリヒコStay&Coffeeに行ってきました


これもグルメ本ではないですが、無性にいいもの食べたくなりますね。北海道で暮らしててよかったという気になれる。
ワインとビールと日本酒を勉強してからこれを1巻から読み直すと、なかなかに面白いです。


とりあえず、仕事帰りに飲みに行きたくなります。



仕事帰りにコンビに寄ってお酒買って帰りたくなります。


食べ物全く関係ないですけど、最近のジャンププラスでこれお気に入りです。こういうあついのが好きです。



御飯作るのは、作るのが好きな人が、好きな人のために作るのがいいんだなぁとおもって、家にちゃんと帰ろうと思ったりします

でもこれみると、寄り道して帰りたくなるんよね。今年度の目標は、一人飲み達成です。

めしぬま。 1
あみだむく
ノース・スターズ・ピクチャーズ
2016-12-20

これぐらい没頭して食べたい。もうカツ丼大盛りとか胸焼けがひどくて厳しいですけど、胸焼け覚悟で食べたくなる日もありますね。。。


でも、最近はこれの中身が頭に残っているので、食べるものを無意識に選んでしまいます。
推奨されている食品は、もともと好きなものなので特に無理はないですし、それを知った上であえて白い炭水化物に行く罪悪感もこれまたなかなかたまらんです。すいません。



あとは、先日も記事にしましたが、投資とかに関心が高まっていていろいろ読み漁りました。

繰り返しますが金の亡者になったわけではないですよ。
セルフコントロールの一つとして、食事制限、飲酒コントロール、運動や睡眠衛生管理などと同じレベルです。




総論的なところから










今一番集中して勉強している投資信託関係が、読んだ本の数もwebサイトの量も一番おおいかな


確定拠出年金の教科書
山崎 元
日本実業出版社
2016-06-09

iDeCoのことは十分すぎるほど勉強したつもりですが、あまりにも推奨する記事がおおいので、一旦冷静に「教科書」と名乗るものも読んで冷静になろうかなと。





株式を直接購入する気は今のところないですが、国内株式のインデックスファンド選ぶ際の参考に少し深読みしてみたいなと思いまして



これを読んで、なおさらFXはないなぁと思いましたが、たくさんある投資対象のなかから1~2個だけ選ぶ前提として、選ばなかったものについてもある程度知識がないと偏ると思って読んでみました。

あとは、レバレッジさげて外貨預金の代りにするのが現実的に有用かどうかについて、少し別の勉強もしつつ、デモトレードで手応えを試しているところ。



そろそろ飽きてきたので終わりにします。


一番時間をつぎ込んでるのは、週刊少年ジャンプですけどね。


一冊読み終えるのに2時間はかかります。
昔は1時間ちょいだったのに、年々遅くなってきている気がする・・・(-_-;)
もしこの世にジャンプがなかったら、もっとちゃんとしたお医者さんに慣れていた気がします。


でわ!











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【読書記録】「あめいろぐ ホスピタリスト」から「ホスピタリストの老年ケア」についての概念紹介

一部で話題の、あめいろぐホスピタリストを読みました!





私個人としてはアメリカに対する憧れとか全然なくて(英語しゃべれないし)、「あめいろぐ」のブログも、RSS登録してはあるけど、全文熟読ではなくたまに関心ある記事があると目を通すくらいでした。
http://ameilog.com

ただ今回のこの書籍は、アメリカで台頭してきているホスピタリストのことについて一般論の概説で終わらず、臨床視点で有用な情報がたくさん詰まっているということをSNS経由で聞いて、買ってみることにしました。


まだ全部を読み終えたわけではないですが、先日さらっと流し読みした印象では、「かなり面白い!」と思います。

個人的には、少し古くなりましたが、「病院総合医の臨床能力を鍛える本」以来の大ヒットど真ん中でした。



こういうのを読むたびに、自分の芯は、病院総合診療だなぁと思います。

このテーマで、「病院総合診療」の臨床を突き詰めつつ、教育やマネジメントもきちんと説明し教えきれるというのが重要だと思っているんだなと再認識できました。


そして、これらの本で共通なのは、病棟での「老年医学」をちゃんとやろうぜ!ということが必ず書いてあるんですよね。

日本の内科学では、老年医学という視点で学び教える環境がなく、「高齢者でもどこまで標準内科的介入ができるか!?」というある意味チキンレース的な要素があり、介入できない、もしくは介入してみたら失敗したとなると「あ、もううちの適応外なんで」と急に冷めてしまうみたいな感じがどうしてもあるように感じます。

その感覚で病院総合診療すると「他科がやりたくない仕事の寄せ集め、寝たきり認知症の感染症ばっかりでしょ。救急で適当に抗菌薬入ったあとで上がってくるから今更グラム染色とか抗菌薬適正使用とか言われてもね。治癒したところでどうせ退院できないしさ」みたいなネガティブ感満載になってしまってもったいないなぁと思ったり。


そんな感じで臓器別内科の延長でなんとなく高齢者も診るのではなく、「老年医学」という一分野をきちんと勉強しながら意識的に高齢者を診ると、ものすごく刺激的で学びの宝庫に一変するんですよね。

自分の感覚では、「家庭医療学」を学んで僻地にいったり地域にでたら、「驚きと学びの連続だった!」というあのときの感覚ととてもにているなと思っています。



そういう意味では、ホスピタリストが編集した老年医学の特集とかもアツいです!!

Hospitalist(ホスピタリスト) Vol.5 No.4 2017(特集:老年科)
メディカルサイエンスインターナショナル
2017-12-28






どんどん脱線しそうなので、ホスピタリストによる老年ケアの話は一旦おいといて、本の内容に戻ります。


「あめいろぐホスピタリスト」の第9章、老年ケアのページで紹介されていた、ちょっとかっこいい・面白い概念をいくつか紹介して終わります。


「入院そのものによる機能低下」に気をつけようとか、「社会的入院も立派な入院適応です!Adult failure to thriveという入院病名がある」とか、「必要最低限の日数に押さえながら時期尚早に退院させないという難しいバランスを維持しなければならない」とか「CGAちゃんとやろうぜ」とか、「ポリファーマシーに処方確認Medication reconciliationしてDe-prescribingしようぜ」とかはいいですね。

普段「自分は大事だとおもうけど、あの大病院はその辺りしないよなぁ。もう今の日本の急性期病院の常識はかわっちゃったのかな」と諦めていたことを、米国の在院日数超厳しい環境のホスピタリストが言っているのは勇気づけられますね。


なんとなく大事にしている考え方やスタンスに、横文字で名前が付くとなんか背筋がピンとして自信が付く気がします。

「自分の曖昧な考えに、きちんとした正式名称があったんだ!」と思えるのは大きいです。
また、日本語訳されていない英語名称があることから「日本の中で医療していると自分の考え方がアウトローすぎるのかと思うけど、世界に目を向ければ自分のほうが真っ当で日本のほうがずれてるのかも」と思えるのもなんだか自信がつきます。

英語全く読まない日本のホスピタリストが、どうやって自分のアイデンティティ保っているのか不思議でしょうがないです(というか、英語読まないホスピタリストでアイデンティティ保ちきれている人って少ないような気もします)



あと、後半戦が激アツでした。


病棟において老年ケアを組み入れる仕組みとその成果についてまとまっていて、「お、これはうちの病棟で取り組んでいることや、病院として展開しようと思っていることにドンピシャで当てはまるじゃん!」と沸き立ちました


一つは、高齢者専門ER「Geriatric ER」とか、老年救急「Geriatic emergency medicin;GEM」です。
うちは機能的に二次・三次救急をこなすことは難しくても、老年救急は地域内随一を目指したいなとおもって、仕組みづくりを少しずつ重ねてきています。
特に、本院の方がこのGEM的要素を排除したので、こちらの立ち位置が相対的に高まっていく地盤にもなっていくと思います。

次に、高齢者の評価と管理専門病棟「Geriatric evaluation and management unit;GEMU」です。
これは要するに、急性期が人堕落した痕に直接退院が難しそうな高齢者を集めてCGAをじっくり取り組む病棟を作ったというもので、退院6ヶ月後死亡率、認知機能、身体機能、再入院率を改善させるエビデンスもあるようです。
J Am Geriatr Soc. 2010 Jan;58(1):83-92. doi: 10.1111/j.1532-5415.2009.02621.x. Epub 2009 Dec 9.
The effectiveness of inpatient geriatric evaluation and management units: a systematic review and meta-analysis. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20002509
https://health-services.mercyhealth.com.au/service/geriatric-evaluation-management-albury/
https://archive.ahrq.gov/clinic/ptsafety/chap30.htm

これなんか、地域包括ケア病棟として当科が普段やっている事そのもので、この取組が再入院率や心身機能や死亡率を改善させている手応えは確実にありました(今まで老年医学気にしていなかったときよりも担当患者の年齢も心身機能も悪化しているのに再入院や急変が圧倒的に少なくなった)が、データで示されるとなかなか心強いです。

ほんとは、本院の中にこういう病棟を作って集中的にケアできると、経営的にも専門医的にも患者的にもいいんだろうなと思うんですが外野から提案してもはねのけられて終わってしまう悲しさです(Intensive GEMUとかやりたいんですけどね)


あとは、GEMUでもそこに着た時点で廃用が進んでしまって効果が不十分ということで、高齢者専門急性期病棟「Acute care for the elderly;ACE」も作られたとのことです。
Health Aff (Millwood). 2012 Jun; 31(6). Acute Care For Elders Units Produced Shorter Hospital Stays At Lower Cost While Maintaining Patients’ Functional Status https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3870859/

Geriatric ERの具体系の一つで、イメージ的にはERそのものや、その隣りにあるHCUに老年ケアを集中的に投入できるようにする感じですかね。


具体的なプログラムとしては、「Hospital Elder Life Program;HELP」があってこれは割と有名かもしれません。
J Am Geriatr Soc. 2000 Dec;48(12):1697-706.
The Hospital Elder Life Program: a model of care to prevent cognitive and functional decline in older hospitalized patients. Hospital Elder Life Program. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11129764https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11129764

効果はあったけど、人件費がかかることがネックらしいですね。
これも、もし自分が本院に異動したらやりたいことの一つです(本院に今いる総合医にやってほしいことでもあるんですが、会議で提案しても黙殺されるのでやはり人件費・人員確保が先ですな。あと英語論文読んでほしいなぁ・・・)


さらには、「Hospital at HOME;HaH」が今はアツいようです。
J Am Geriatr Soc. 2009 Feb;57(2):273-8. doi: 10.1111/j.1532-5415.2008.02103.x. Epub 2008 Dec 11.
Comparison of functional outcomes associated with hospital at home care and traditional acute hospital care. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19170781

要は、急性疾患(肺炎や心不全、COPDなど)に対して、在宅で酸素投与、点滴・抗菌薬、吸入器、リハ、投薬などを導入することで、急性期病棟入院とほぼ同一レベルのケアを提供するモデルで、治療効果は劣らずIADL低下を防げる効果が報告されています。

これなんかも、今うちで強化しようと思って2年越しで準備していることとかぶって、GEMで老年救急受けるだけでなく、在宅支援病院契約の高齢者に対する24時間臨時往診が実効性持って動ける仕組みづくりと、往診先での診断と治療の質を高めるべくポケットエコー購入や在宅皮下点滴の文化浸透や迅速HOT導入システム準備などをしているのはここを目指しています。

これが軌道にのってきたら、週後半で熱がでたり呼吸不全になった自宅・施設生活中の高齢者に対して、もともと訪問診療契約していなくてもその場で発動して、週明けまでの数日間は連日在宅治療して直しちゃうとか出来るように発展していくと思うんですよね。
そうなれば、GEMUやHELP視点のない高度急性期病院に運ばれて廃用が進むことも防げるし、看護労働負担が増え続ける当院地域包括ケア病棟への負荷を一気に増やすことなく病院としての地域貢献機能を高められると思っています。


まあ、なんせ地味な活動ばかりで、動ける仕組みを作るために文書書いたり会議通したり根回ししたりとか、文化づくりのために事例ベースで少しずつ出来ることを増やして自信つけていったりとかなので、成功したところで病棟の経営・治療成績が跳ね上がるわけでもないし、後方医療機関からみてわかるような変化もないし(変な紹介や搬送が減ったことを体感する人が数名出るかなくらい)です。

でも、名前が付き、その先には効果があるというエビデンス・文献もあるとおもうと、ちょっと元気がでるのです。


せっかく「まだ心は若手!」のうちから、自分の意志で今の小病院を選び、地域健康増進拠点病院に登録し、病院家庭医を名乗って活動してきているからには、「最先端の、超効果的なことをやって輝きたい」という下心はあるのです。

べつに「オレはもういいや、最前線からおりて、小病院で隠居生活楽しみます」というわけではないんですよね。

なので、たまにこうやって海外の最先端に触れて(といっても紹介されている論文はどれも2000年代なのですでに周回遅れ臭が半端ないですけど)、「オレだって(他の人達とは違う方向ですけど)最先端突っ走ってるつもりだぜー!!」と日本海に向かって叫んでみたい日もあるのです。



後半はほとんど書籍紹介ではなくオレがたりになってしまいましたが、病院総合診療、老年医学×家庭医療、楽しいです!!

よし、げんきになったぞ!


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【読書記録】Gノート増刊「動脈硬化御三家」 + 地方会でのEBMワークショップ宣伝

Gノートの、動脈硬化御三家を読みました!



Amazon

動脈硬化御三家 高血圧・糖尿病・脂質異常症をまるっと制覇! (Gノート増刊) [ 南郷 栄秀 ]
動脈硬化御三家 高血圧・糖尿病・脂質異常症をまるっと制覇!
楽天ブックス



編者の南郷先生の推薦で、編集社から献本・書評依頼をいただきました。

身に余る光栄です、ありがたやm(_ _)m



1000字くらいでという依頼でしたが、いつもどおり長文になり1700字を超えてしまいまして・・・
頑張って1300字までに圧縮したものが後日Gノートに掲載されます。

圧縮前の原文は「掲載原稿とは別物扱いで、版権とか関係なくこちらのブログにあげても良い」と許可をもらえましたので掲載しておきます。


「本気でいい本だ!オススメっす」と心から思えた良書なので、Gノート紙面だけでなくwebでも宣伝することで売上がのび、日本の総合診療現場がほんの少しレベルアップするのに貢献できたら幸いです。

まあ、すでに周りの総合診療・内科系専攻医は持ってて熟読している姿を見かけるので、今更かもしれませんが・・・



以下、文字数切り詰める前の原文です。長いです、すいません。
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本書は、総合診療医がつくった「総合診療とはこういうことだ!」という考えを具現化した本だと思います。

総合診療医が得意とするCommon diseaseのなかでも、特に頻度の高い3大疾患を対象としています。
最新のエビデンスを論拠としているだけにとどまらず、実際の診療環境や患者の価値観・事情などもきちんと捉えつつ、実臨床でどうすべきかを丁寧に解説しています。
また、「動脈硬化性疾患の予防」という共通の目的でくくれる疾患群を横断的にまとめている点にも総合診療らしさが伝わってきます。


編者の、総合医としての分厚い実戦経験からくる洞察、EBMerとしての深く広く詳細な知識、そして共著者である専攻医たちへの丁寧な臨床教育への姿勢などをひしひしと感じられ、読むだけで一総合診療医として姿勢を正される気分になります。

 


目次を眺めると、全体の構成は総論→各論というよくある形式ではなく、また「第1章糖尿病」のように疾患別でもありません。
診療の流れに沿って「第1章 スクリーニング・リスク評価」→「第2章 生活習慣の改善」→「第3章 薬物療法」とならんでおり、「臨床医のための参考書」であることを強く意識されていることが伝わってきます。
とくに非薬物療法の記述がしっかりしている点が秀逸であり、エビデンスに基づいてどの介入がどの程度有用か把握しやすく、かつ実際の臨床場面でどのように提示・教育すれば成功率が高まるのかの実践的なコツまで理解できます。


4章では「診療場面別トピックス」を扱っています。
総合診療医は同じ施設や地域内の複数セッティングで研修や仕事をすることが一般的ですが、「救急や病棟、外来や在宅と場面が変わると、同じ疾患でもこんなに診かたが変わる」ということが詳述されているため、柔軟な頭の切り替えの訓練をする上でとても有用です。

とくに、「高齢者などの複雑症例に対する家庭医療からのアプローチ」は秀逸で、普段病院で総合内科や救急科で働いている総合診療医が、診療所外来・在宅や地方中小病院の一般病棟で複雑事例を扱うときにはかなり参考になるでしょう。
また、一般的には扱いが無いか薄いことの多い「小児・思春期」や「妊娠期」についても、総合診療医による分厚い記載があり、小児科や産婦人科へのアクセスの悪い地域・医療機関でその穴をカバーする総合診療医にとっても心強い内容になっています。


5章では、領域別の専門医や看護師・薬剤師などの他職種からの視点もあり、総合診療医だけの独りよがり・偏った視点になりすぎないようにバランスが取られています
実際に専門医や多職種を行う際にも、この視点の違いを意識したコミュニケーションをとることで連携の質を高める一助にもなりそうです。

 


本書を読んで得をしそうな対象として真っ先に思い浮かぶのは、総合診療や内科の後期研修医です。
初期研修中に外来研修を受けたことがあったとしても、慢性疾患について本書で解説しているレベルまで深く学び使いこなせる段階までたどり着いた人はまずいないでしょう。
指導医達も、病棟や救急に比べると外来慢性疾患の指導への関心・熱意は薄いことがあるため、独学や同僚との協同学習でこの本を活用するのはとても有用と思われ、実際当院での初期研修医や総合・内科専攻医の外来指導の参考書として使用させていただいています。


また、最新のガイドラインを勉強してから数年たってしまい、「最近のエビデンス更新や新薬登場についていけなくなってきた」と感じているベテラン世代がコソ勉をするためにはかなりおすすめです。
さらに、普段から最新論文を読み続けてはいるが、エビデンスのアップデートが頻繁過ぎて「現時点でのとりあえずの落とし所」が見えなくなってきたような方にとっても有用でしょう。

私自身も、普段から最新のエビデンスをよみ、ガイドラインが改定されるたびに目を通してきたつもりではありましたが、一度ページをめくり始めると「なるほど!」「そういうふうに解釈すればよいのか!!」と納得する記載がたくさんあり、出張の往復時間に拾い読みして済ませるつもりだったのが、気がつけば一気に通読してしまうほど「新しい気づきに満ちて」いる良書でした

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最後にもう一個宣伝ですが、この「動脈硬化御三家」の編集社である南郷先生をお招きして、7月のプライマリ・ケア連合学会北海道地方会で、EBMワークショップを開催する予定です。

北海道ブロック支部ホームページ
http://jpca-hokkaido.jp/

リンク先からイベント情報一部抜粋
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【日 時】:平成3077日(土)1330分〜1810分(受付1230分〜)

【場 所】:かでる2・7(北海道立道民活動センター 札幌市中央区北2条西7丁目)


【プログラム】

4.  ワークショップ,など(15:10 16:40

EBM「論文を読まずにEBMを実践しよう!」
講師:南郷 栄秀先生(東京北医療センター総合診療科)
   佐藤 健太先生(勤医協札幌病院 内科・総合診療科)

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見たところまだ応募フォームとか出てないみたいですが、道外までの飛行機代・宿泊代かけずに最先端のEBMについて学ぶ良い機会だと思いますので、奮ってご参加ください




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【読書記録】3ヶ月分まとめて:不明熱・リウマチ・褥瘡・病理、経済学・健康食・検診やめろ、人外・昭和懐かし・高齢者と猫、人生設計・お金管理

【読書記録】のエントリーで記事書くの、かなり久しぶりです。


まとめて書いたのは昨年末が最後で、その後は、1月にエビデンス本読んだのと、2月に寄贈いただいた本の感想分載せたくらいでした。


【読書記録】生き方を見つめ直す系のを幾つか並行して読んでます


【読書記録】「非器質性・心因性疾患を身体診察で診断するためのエビデンス」を読みました


【読書記録】Hospitalist「老年科」特集号をいただきました!



 
3月から4月にかけても、出張での移動時間に読んでテンション上がった本や、忙しさの現実逃避で当直中や休日に読んだ本などがあって「いつかブログで1個ずつ丁寧に紹介しよう!」と思っていました。

そういう本は自宅の寝室や、医局の自分の机の上に平積みしておいてわざと邪魔なようにおいとくことで「早く紹介して本棚にしまうかスキャンして捨てる」にしたかったんですが、そういう時間も取れないまま数ヶ月たって「ただ単に邪魔」な状態になってきました。

というわけで、一冊ごとに内容まとめて、自分の気付きやおもしろポイント列挙して、今後にどう活かそうと思ったか熱く語るとかは諦めて、まとめて処理してしまいます。




医師向けの臨床関係本

個人的に「國松三部作」と読んでいる「Fever」(共著ですが)、「内科で診る不定愁訴」、「ニッチなディジーズ」に続く名著です。
自分の中の、言語化しきれていなかった不明熱的病態in外来のあの患者やあの患者やあの患者、あのシチュエーションやあの場面やあの状況が、全て、完璧に、きれいに、言語化しきれました。
壁を一つ越え、革を一枚脱ぎ、新たな視界がひらけました。たしか、鹿児島に講演しにいくときに読んでいて、桜島をみながら「はっ!」と向こう側が見えてバスの中でそわそわし始めたというのを覚えています。

そして、完全に守備範囲に入ったおかげで、総合診療や内科の後期研修医への指導にも導入しやすくなって、教育・指導のキャパもまた一つ広がったと思います。

安易に単純に「不明熱の診断推論の本」と片付けず、「そういう総合内科的な診断推論とかいいの、患者さんに寄り添って楽しく外来やりたいの」というタイプの人にこそおすすめだと思います。



この本も、世界がひらけたというか、これまで臨床経験と自分なりの独学と専門医とのコミュニケーションで学んできた「言語化しきれていない現場での直感」をきれいに言語化し直してくれる良書です。
超オススメ!

歩行障害・易転倒性・要介護などの老年医学・介護的な相談と対応がおおいため、関節炎などの非外傷性運動器疾患≒リウマチ性疾患についての経験値も一般的な内科医よりは多いくらいと思っていましたが、そこで得た「手垢がついてみすぼらしいが役に立つ経験知」と、雑誌や論文や教科書で学んだ「きれいな医学知識」がきれいに融合した感じです。

現場で生々しく対応するためのロジックを丁寧に解説してあり、また教科書的ではない部分もふんだんにあり、現場の臨床医にとってかなり役に立つ本だと思います。


褥瘡治療・ケアのこんなときどうする?
照林社
2015-08-20

3月くらいにまとめて読みました。たしか土日に家族もいなくて暇な時にまとめ読みした気がします。
うちの病院で、質向上や職員残業削減などを目的に褥瘡リハ栄養サポート委員会に全部まとめて、褥瘡部門の底上げを考えている時期で、採用外用剤・被覆材を整理して、若手がローテしてきて担当になってもエビデンスに基づいており、かつ現場のニーズにあっていて費用対効果も高い治療ができる仕組みを作ろうと思っていて、その前提として「最近のこの領域の偉人や活動的な人はどんな主張をしているのか」を把握したくて、同時期にフェイスブックで意見集めつつこの本や関連ガイドライン、この本が引用している論文などを読みました。
結論としては、多くのステークホルダーの複雑な意見がまみれた世界かなと感じつつ、当院の意識高い他職種や関連病院の褥瘡委員会メンバーの意見と経営的目標とその他諸々を見据えていい感じのができそうです。

個人的には、この本を貸した初期研修医が、その後立て続けに入院した持ち込み褥瘡のケアをきちんと自分の理屈で考えて組み立て、うちの採用物品や、連休・時間外の医師・看護師体制、指導医の好みなどを考慮して治療できるようになった一部始終がとても面白かったです。



あとこれですね。医学書ではないですがごめんなさい。

普通に読み物として面白いですよ。以前のTwitterの、そして最近のブログでの投稿を読んでいても、この本はまた違った魅せ方をしていて面白いです。

自分の医師としての生活を、完全に専門外の人に見せる・説明するにはどうしたらいいのかをたまに考えますが、そういう意味でもとても参考になりました。
他科の医者からみたら「意味わからん」とか「ヒマでいいよね」とかに対して、筋道立てて反証して論破するとかでなく、こうやって描写することで「ほえー、へー、それはそれで面白いね(まあ俺はまた違う価値観だけどね)」みたいに壁自体を曖昧にできそうなのは上手だなぁとおもいます。

もともと、他科の医師とのコミュニケーションが前提の病理医だからこそとおもったけど、それって総合医もそうでは?とおもってみたり。



一般向けの医療関連本

読み終えました。とってもわかりやすいです。
個人的には新しくて成長につながったという感じはないですが、こういったことが理解できてない人が多く、その人達を相手に話をするときにどうすればいいのかとか、若手にEBM教えるときにどこから噛み砕けばいいかとかが具体的にイメージできてよかったです



同じ著者の本で、一般向けにキャッチーなタイトルで売り出した本です。まだ読み終えてないので感想は後日。
著者は海外でガシガシ大きなエビデンスだしてたり、SNSでも情報発信していてすごいなぁとおもいますが、一応大学の同期だというのが一番のインパクトです。本や論文をみるたびに「自分も頑張ろうかな」という気になります。



あとはこれ。名郷本は出るたびに買っていますが、これも医学論文を根拠にしつつ、今の一般社会や臨床医の中でも常識と思われているようなことを丁寧にひっくり返してくれる良書です。
個人的には、新たな知識や視点はあまりないですが、自分の視点を前提が異なる人達にどう伝えるかの方法論として得ることがいくつもあって参考になりました。



漫画


魔法とかおまじないとか人外とか古き良き英国とか好きな要素があれこれ


とつくにの少女 1-4巻セット
ながべ
マッグガーデン

人外になにか惹かれているようです。というよりは人の世界から少しでも目を背けたいのか。




駄菓子のトリビア的な感じがツボです。懐かしき小学生時代を思い出します。


ハイスコアガール コミック 1-8巻セット
押切蓮介
スクウェア・エニックス
2018-03-24

懐かしいといえば、アーケードや格ゲー満載のこちらも小学生~高校時代を思い出して熱いです(ちょうど自分と同じ年生まれの設定)



長寿時代の人生設計考えていたときにふと手にしてみてかなりハマってしまいました。面白いです。読んでて「うぉぉ!」と盛り上がることが何度か


おじさまと猫(1) (ガンガンコミックスpixiv)
桜井海
スクウェア・エニックス
2018-02-22

まりこおばさまと猫の組み合わせにたいして、おじさまと猫の組み合わせをみて買ってしまいました。渋いおじさまになりたい。じゃなくて、猫と一緒に暮らしたい(猫アレルギーですけど)



人生設計・お金計画

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
リンダ グラットン
東洋経済新報社
2016-10-21

ようやく半分くらい、3人の人生のシナリオを読み終えました。

少し上の世代の例を読んで、人生後半で少し働き方を変えてポートフォリオワーカー的なところで行くのがいいかなと思いました。
そういう視点では、今のいろんな無秩序っぽい活動を続けて広げていくことや、やはり教育と管理への関心と経験や能力を活かす方向を強めたいことと、あとはWebやその他でのブランディングとかいろいろこの延長でよいかなぁとおもいました。

あと、現在まだ子供の世代の5ステージの例をみて、若い世代のエクスプローラー的な振る舞いとか、インディペンデント・プロデューサー的な夢語りとかをより親身に聞けそうだなとおもったり、そういう人たちとの将来のコラボをどう組んでいくかとか考えたりしました。

とっても面白い本だと思います。
人生100年をどう考えるかといわれると遠い世界の話に感じる人もおおいかもしれませんが、病棟や在宅で100歳超えの患者さんの頻度が増え、彼らの丈夫さや強さをみている立場としては超身近かつ切実です。




ライフ・シフト読み進めると、この本で学んだことが改めて意味を持ち始めた気がします。単にお金を稼いでおくというよりは、自分の寿命やキャリアを数パターン想定して、それぞれの場合のリタイア後に必要な資金の計算と、それぞれの場合で細く長く稼ぐ方法などを具体的に考えられるようになりました。

そういう意味では、やはり株式などの、本業以外で一定の時間と注意力が割かれハイリスク・ハイリターンなものは自分のなかでは選択肢に入らず、長期国債とかiDeCoとかでローリスク・ローリターンで静かに温めつつ、いかに稼ぎそのものを(関心がもててやりがいが得られる仕事で)増やすかと、無駄な浪費を防ぐために(でも自分にとって必要なものは思い切りよく手がでるように)家計管理をしっかりしていくかが重要かなと思いました。

マネーフォワード、そういう意味ではほんと神アプリです。
https://moneyforward.com/





あとは、この本読んでから始めたモーニングページで、少しずつ将来の構想をできるだけ幅広く考えるようにしています。

今の環境をすぐ辞める気は無くなってきているのと、辞める・辞めないの二択よりは、続けながら幅を広げていく感じも具体的に何パターンか検討できるようになってきたので、より柔軟にしたたかにやっていけそうです。

好きな言葉を、「暗躍」から「したたか」に変えてみようかなと今思いました。

がんばります!






これ読んでから、ヴァンナチュール飲むことがふえ、ワイン選ぶときや飲んだときの注目ポイントもかわり、ワイン選んでくれる店員さんのキャラや考えや経歴やらが気になるようになりました

ワインスクールとか、面白げな試飲イベントとかいきたいっす







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『型が身につくカルテの書き方』がまたまた増刷になりましたヽ(`▽´)/

またもや! 「型」が身につくカルテの書き方が、増刷になりました!!!



「型」が身につくカルテの書き方 [ 佐藤健太 ]「型」が身につくカルテの書き方 [ 佐藤健太 ] 楽天



2015年4月に初刷


2015年5月にすぐ第2刷


2015年12月に第3刷


少しあいて2016年7月の第4刷で1万部達成!!


2017年9月で第5刷




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電子書籍に完全移行できましたヽ(`▽´)/

だいぶ前から電子書籍は活用していましたが、一部の雑誌が紙版しなかく困っていました。


週刊誌だと地味に家に積まさってきて邪魔だし、古紙回収でだすのもタイミング逃しやすくて困るんですよね。

あと、部屋暗くすると読みにくいし(寝る前は間接照明にするし、地方の電車や飛行機で夜に暗くなったときも困るし)、出張中に読みたくても2-3冊になるとそれだけで重いしスペースとるしで邪魔なんですよね。


なんですが、ようやく完全電子化に移行できそうです。


医学書・教科書関係は、昔買って、読み終えて、本棚に収まってしまったものはとりあえずそのまま医局の本棚の中にあり、これはさすがに今から自炊する気にはなれません。
そこそこ愛着もあるし、一応本棚には収まったので邪魔にはなってないし。

でも、最近新たにでたものについては、読み終え次第裁断してスキャナ取り込みするようにしています。
精読を終えてなくても、サラッと眺めただけで一度頭を通るから、後日関連の問題・疑問にあたったときに「あ、どこかで読んだ気がするな。たぶん去年。だったらスキャナ取り込みしてあるわ」と思い出せるので、あとは検索すれば充分。

最初は学会誌を順番に処理していましたが、徐々に商業誌(編集委員しているものは毎号、それ以外も原稿書いたりしたものは届き次第)も取り込むようになり、最近はそれ以外の医学書も「眺める→捨てるorスキャン」でこの世から消すようにしました。


あと、もともと電子書籍があるものはそっちを買うようにもしています。

ここ数年で最も良かったのは、ハリソン英語版の電子書籍版購入でした。
電子版の英語内科学教科書「Harrison's Principles of Internal Medicine 19th edition」買ってみました。デバイスやアプリによって違いが大きいですが、うまく選べばかなーり快適ですよ!!

常に医局PCのデスクトップに、専用のリーダーアプリで開いている状態で、検索も便利なので、Dynamedよりも気軽に開ける状態です(実際に読むのは、疾患概念とか基本的なことを知りたいときなので月に1回くらいですけど)

他の教科書も、分厚いものや、辞書的に使いたいものは、紙版が販売されてもお気に入り登録しつつ「電子化希望」ボタンを押したりしてしばらく待つようにしています。



あとは、仕事以外の雑誌が電子化されたのは大きいですね。

お酒飲む時は、ご飯やお酒関係や旅行の雑誌や小説とかを読みながらダラダラしたいんですが、2年前にワインの勉強始めたらあっという間に腰の高さくらいまで積まさるくらいの本の量になって困っていました。

ただ、医学書とかと違って、「一回読んだあとにもう一度読み直すことは思ったより無い」し、「数カ月後に思い出して読む」こともないなというのが徐々にわかってきました。まあそうですよね。
気に入った・気になった記事があればその場で検索して、欲しいものだったらお気に入り登録や購入手続きしちゃうし、後で読みたいものは記事を写真撮って自分のGmailにメールで送っちゃうので(忘れっぽいので、必要な情報は全部Gmailに送るようにしているのです)、必要無いんですよね。


ということで、去年から読み放題系の電子書籍サービスをはじめました。

自分が使っているのは、楽天マガジンです。


色々なサービスを比較してみましたが、値段が安く楽天ポイントも貯まる、複数デバイスで使える、自分が読みたい雑誌が全部カバーされている当たりで決めました。

【2018年最新】雑誌読み放題のおすすめは?各社サービスを徹底比較!

電子書籍の漫画や雑誌読み放題サービス比較、定額で安いおすすめは?(2018年度版)


雑誌読み放題サービスを徹底比較!おすすめランキングを紹介

おすすめの最強雑誌読み放題サービス6選【2018年最新版】

けっこう値段の高いワイン王国も毎回読めるし、dancyuとかもあっていい感じです。



そして、最後の課題が漫画雑誌なんですよね。

自分はわりとジャンプが好きなんですが、集英社は電子化消極的ですよね・・・

週刊少年ジャンプは、ジャンプ+ができてからはずっとアナログでホント便利です。
少年ジャンプ+(プラス)とは?おすすめマンガ・特徴・料金・口コミ・評判などを徹底解説!


一番、自分の部屋のスペースを圧迫する物体だったし、読み終わると指が黒くなるし、なんとなく出張中に読むのはいい大人が恥ずかしい気もするしですが、電子のほうが雑誌特有の色のついた神でなく背景が真っ白なのできれいで良いんですよね。
定期購読の割に値引きが少ないのがかなり残念ですが。

あと、ジャンプSQとかヤングジャンプも割と読むんですが、先にSQが楽天Koboで買えるようになりました。


そして、最後にヤングジャンプが、ようやく最近になって楽天Koboで買えるようになりました!

これで「家に紙媒体の雑誌が新しく持ち込まれること」が完全にゼロになりましたよ~♪ヽ(`▽´)/


Koboは、しょっちゅう値引きキャンペーンあるし、ポイント還元率高いタイミング(スーパーセールや5の倍数の日など)で買うのもよいし、木曜はメンズデーで割引クーポンが多く5000円まとめ買いすると20%(1000円)も安くなるのでかなりのお買い得です。

漫画単行本は、買いたいものあったらカートにいれといて、合計額が5000円越えたら、5の倍数日に割引クーポンもかませて買うようにすると、その場で衝動買いして公開する確率も減るのでいい感じです。



あとは、これら電子書籍を読むタブレットですね。


仕事ではiPad mini3をつかっていて快適ですが、いかんせん画面は小さくて漫画や雑誌は厳しい。

自宅では、古いiPad2を使ってますが、さすがに動作は遅くて、画質も荒くて、エアロバイク中の論文流し読みや、ジャンプ読むくらいならいいですけど、情報料が多い雑誌読むにはいろいろ厳しいんですよね。


お金が許すならiPad Proが気になりますけど、一番用量小さいやつでもそれなりの値段ですよね・・・


電子書籍よむだけなら安いのでもいいんだよなぁ。

実際のを見にいって、触って考えてみます。


でわ!


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【読書記録】Hospitalist「老年科」特集号をいただきました!

昨年末に、Hospitalistの最新号を献本いただきましたよ!


Hospitalist(ホスピタリスト) Vol.5 No.4 2017(特集:老年科)
メディカルサイエンスインターナショナル
2017-12-28

Amazon


Hospitalist(Vol.5 No.4(2017) 特集:老年科Hospitalist(Vol.5 No.4(2017) 特集:老年科 楽天ブックス



いちおう自分もHospitalistの端くれのつもりではいるんです(ホントは敗血症とか不明熱とか診ながら汗をかきたい!という気持ちはまだ枯れていません)が、病院家庭医として病院管理・後輩教育・家庭医療学的診療・地域ケアの比重があまりに大きいため、普段こういう「総合内科バリバリだぜ!」系の雑誌は眩しすぎて手に取る機会が年々減っておりました。

「んー、こうやってヤブ化していくのかぁ」とおもったり、「自分の専門領域はちゃんとアップデートし続けてるんだからヤブ化って言わないんじゃない」と開き直ったり、たまに気合い入れてハリソン読み直したりして揺れ続けています。


そんな中、唐突にこの本が届いてあまりにびっくりし、そのまま年末年始に突入したこともあって1ヵ月以上寝かせっぱなしにしてしまいました。すいません・・・

一緒に入っていた手紙では「老年医学のコンセプトを解説し、多職種連携をメッセージとして強調してます。先生にはぜひ見てほしい」というニュアンスのことが書いてあり、老年医学とか多職種連携をテーマにしたときに誰かの脳裏に浮かぶような立場として認識してくれる人が世の中に何人かはいるようになったのかなぁと推測しました。

お手紙は編集者のお名前だけだし誰だろうなぁ・・・、と思いながら目次眺めて「この人は知り合いだな。あ、この人は学会で一度だけ挨拶したことが、この人はFacebookでやり取りしただけだなぁ・・・」と考えていたら、なんと普通に責任編集者の関口先生がお知り合いでした!

この数年、全日本民医連加盟病院で「地域密着型中小病院で病院家庭医・総合医を育て、病院や職員や地域をいい感じにしようぜ講演」をやっていますが、2015年の夏に長野にいったときに参加されいていて「近くの大学で総合診療始めたんですけどよろしくお願いします」と講演後に声をかけていただき、いろいろお話し、その後Facebookで繋がった経緯がありました。


「おお!あの人が、Hospitalistの責任編集したのか!!すごーい!!!」となぜだか自分が嬉しく感じてしまいつつ、時間見つけて30分程度で「はじめに」と、あとは知り合いの先生が書いているところや、関心ありそうなキーワードがあるところを読ませていただきました。

書きながらふと思いましたけど、そういえば自分もGノート増刊号の責任編集してたり、Hospitalistに原稿乗っちゃう人が複数名知り合いというのもけっこうすごいなぁと思ったりしました。
責任編集は大変ですよね・・・



はい、いつものごとく前フリが長いですが、中身の紹介もしますよ。


まずは、出版社ホームページなどから、目次などを引用します。


Hospitalist(ホスピタリスト)2017年4号



特集:老年科 すべてのスタッフで高齢者を大切に!ここから始める高齢者診療

未曾有の超高齢社会を迎え,今後ますます高齢化率が高まることが確実視されている日本にあって,我々医療者も高齢者を診療する機会が急増しています。病院総合医の仕事のほとんどの部分を占めているといっても過言ではありません。


そして,医療者であれば誰しも「高齢者を大切にしたい」との思いをもって診療にあたっているものと想像しますが,ではどうすれば「高齢者を大切にする」ことになるのでしょうか? 本特集ではその問いに対する解を示すべく,以下のトピックを取り上げています。



総論:「老年医学の考え方」「医療保険制度・介護保険制度」「介護施設・サービス」
 
高齢者診療の「要」:「高齢患者へのアプローチ」「治療指針決定」「アドバンス・ケア・プランニング」

急性期各論:「Geriatric Failure to Thrive」「褥瘡」「ポリファーマシー」「急性尿閉」「不穏・意欲低下・不眠」「認知症」「食べられない」「便秘」「転倒」「疼痛ケア」

退院後のケアと予防:「Transition of care」「予防医療」


このほか,多職種連携を考えるために必読の座談会,「すべてのスタッフで高齢患者を大切に!」の日々の実践を助ける,付録「回診の極意」も掲載しています。


この1冊が,高齢者診療への困難に立ち向かうための,実践に直結した知識と診療技術を提供し,すべての医療者のバイブルとなることを目指しています。




目次

はじめに|すべてのスタッフで高齢者を大切にしたい!
   許 智栄 アドベンチストメディカルセンター 家庭医療科
   関口 健二 信州大学医学部附属病院 総合診療科/市立大町総合病院 総合診療科

 総論
1. 高齢者診療で考慮すべきこと:単なる成人の延長としてとらえない老年医学の考え方
   玉井 杏奈 台東区立台東病院 総合診療科
2. 超高齢社会における「病院」と「医師」:地域の暮らしを支える包括的な活動の一部として
  高山 義浩 沖縄県立中部病院 感染症内科・地域ケア科
3. 医療保険制度・介護保険制度:日本の高齢者医療をとりまく制度を知り,実臨床で有効活用するために
  神山 佳之 沖縄県立中部病院 地域診療科
   本村 和久 沖縄県立中部病院 総合診療科
4. 介護施設・サービスの現状:治療のゴール設定に今後ますます不可欠となる知識
   山村 修 福井大学医学部 地域医療推進講座
[コラム1] Patient-Centered Medical Home:米国における患者中心のメディカルホームの取り組みから学べること
  向原 圭 久留米大学医療センター 総合診療科


高齢者診療の「要」
5. 高齢患者へのアプローチ:老年症候群と高齢者総合的機能評価(CGA)について
  許 智栄
   狩野 惠彦 厚生連高岡病院 総合診療科

6. 高齢者の急性期病態における治療指針決定のプロセス:実践例から学ぶ共有意思決定
   樋口 雅也 Department of Medicine, Columbia University Medical Center/Division of Geriatrics and Palliative Medicine, Weill Cornell Medical Center

 7. アドバンス・ケア・プランニング(ACP):急性期病院の医師だからこそ,ACP力が必要!
   吉野 かえで・平岡 栄治 東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科



 急性期各論

8. 高齢患者に起こる広範な機能低下:GFTTへのアプローチ:「年のせい」で終わらせない小さな働きかけが大きな変化を生み出す
  林 恒存 今村総合病院 救急・総合内科

[コラム2] 褥瘡:予防と治療の長期的視点をもち,その最初の段階にかかわることを意識する
  坂井 智達 飯塚病院 総合診療科
   吉田 伸 頴田病院

9. ポリファーマシーへのアプローチ:入院中の薬物療法の適正化を目指して
  矢吹 拓 国立病院機構 栃木医療センター 内科

[コラム3] 急性尿閉:原因,治療の副作用にも考慮し,カテーテルフリーを目指す
  楠川 加津子 福井大学医学部附属病院 総合診療部

10. 不穏・意欲低下・不眠へのアプローチ:3つのDを軸にして考える
  川嶋 修司 国立長寿医療研究センター 高齢者総合診療科・内分泌代謝内科
   関口 健二

[コラム4] 認知症の拾い上げと病型診断:生活上の困難に気づき,その後のフォローまで責任をもって考える
  井口 真紀子 医療法人社団鉄祐会 祐ホームクリニック

11. 「食べられない」へのアプローチ:食欲不振の原因をどのように評価し,介入するか
  官澤 洋平 愛仁会明石医療センター 総合内科

12. 便秘へのアプローチ:8つのステップで快適な排泄を導く!
   上島 邦彦 松本協立病院 総合診療科

13. 転倒へのアプローチ:評価と予防の基本を押さえ,入院中だからこそできる介入を行う
  世戸 博之 愛仁会明石医療センター 総合内科

[コラム5] 疼痛ケア:「痛み」をバイタルサインの1つととらえ,効果的に介入する
  伊藤 真次 Kokua Kalihi Valley Comprehensive Family Services



多職種連携 座談会

14. 超高齢社会における急性期病院の役割:多職種連携の活性化が病院の在り方を変えていく



退院後のケアと予防

15. Transition of care:医療のバトンをしっかりと次の医療従事者に渡すために
  齊木 好美 練馬光が丘病院 総合診療科
   小松 裕和 佐久総合病院 地域ケア科

16. 高齢者における予防医療:3つの原則をふまえ,予防接種,がんスクリーニングを行う
  森 英毅 国立病院機構 長崎医療センター 総合診療科・総合内科

 付録|高齢入院患者の回診における極意「実践回診!高齢者」


あんまり関係ないかなぁと、表紙の「老年科」を見たときは思いました。

まあ、高齢者は日常的に診療しているけど、自分なりに勉強していてそれなりに困っていないし、集中的に勉強せんでもなぁ・・・くらいに。


しかし、目次を眺めてみるとだいぶ印象がかわりました。

うちの専攻医たちが普段悩んで相談してくる、あまりにCommonすぎる問題のクセしてよさげなお勧めテキストがない問題たちがリストアップされています。

なので、「これ読んどいて」ができず、「よし、じゃあまとめてレクチャーしちゃうか!」となって、夕方から1時間~1時間半くらいやってる特別レクチャーのテーマと丸かぶりでした。

これ、中身がよくて自分のスタンスとズレがすくなく、当院の現状でも実施可能な内容だったら、ずっと待ち焦がれていた「ああ、それならこの本の○ページ読んでごらん」が使えるようになります!!



まず、全体を目を通したあとの感想ですが、「たしかにこれ一冊で、病院総合医に必要な老年医学はざっと勉強できる」と思いました。

どこかのページにもかいてありましたが 「莫大な高齢者診療にニーズに応えるには、老年専門医を少しずつ要請するより、老年医学に造形の深い医師やコメディカルの養成が重要」とあって、ホントそうだよねと思いました。


また、中小病院での総合診療を若手が勉強し始めるときの切り口として、「老年医学」というのはありだなと思えました。

うちの病院のように、Sub-acute(軽症から中等症くらいまでが対象)でPost-acute(急変直後や集中治療真っ最中ではなく、その後の併存症管理やリハ栄養や退院調整を担う)での後期研修をする場合、最初から「総合診療だ!家庭医療学だ!!」とやると理論や方法論の勉強をしながら、膨大な問題リストを抱えていつまでたっても「治癒」にたどり着かない患者をたくさん抱えて不完全燃焼になりがちです。

だからといって、一時期意識していた「まずは一般内科をきちんと学ぼう。心理社会的問題や家庭医療学とかはその後だ」だと、現実にいる患者の問題をきちんと捉えきれず、分析しきれないままにふわっと転院したり退院知たりするので、これまた自己効力感が下がりそうです。

そもそもMultimorbidityで、個々の臓器系や諸機能が落ちている高齢者に「正しい内科学的治療」をガイドライン通りやると、害ばっかりでるので、「学んだことが通用しない。じゃあ医学生時代や初期研修で学んだことは無駄だったのか?」と思ってしまうこともあります。

しかし、この「老年医学」という視点であれば、比較的とっつきやすく、そこそこエビデンスもあり、家庭医療学ほどは内科学や初期研修で学んだこととの解離も大きくはないので入門編としてとても良さそうな気がしました。



また、具体的にすぐ役立つ知識や情報も散りばめられていて、読んでいて普通に面白かったです。

語呂合わせの「OLD MEDICINE」は、マニュアルチェックしながら研修したいようなタイプにはとても良いツールに思います。

高齢者を診る上で意識しておくと便利な「ホメオステノーシス」や「GFTT(Geriatric Failure to Thrive)」の紹介もあり、サルコペニアやフレイルという(最近やや手垢のついてきた)言葉がとっつきにくい人にも、内科学や国試の知識の延長から入りやすくなるかもしれません。

一つの概念を別の角度からみる専門用語をいくつも重層的に知っておくと、文献検索のときに便利だし、自分の関心や問題意識を正確に表現したいときにニュアンスを細かく調整できてよいですよね。



個別に見ていくと・・・


総論のところは、やや大きめな話(病院や介護保険制度、施設など)が多いので、後期研修1年目とかよりは、後期研修終了後のスタッフ・医長などが読むとちょうどよいレベルかなという感じでした。

この辺をわかりやすく、臨床医の視点でまとめた本はあんまりないので、そういう意味で「とりあえずこれ一冊読んどけ」な本ですね。


高齢者診療の「要」のところは、老年症候群・CGAが紹介されて「高齢者の捉え方」の基本に触れつつ、意思決定やACPも扱うことで「高齢者の急変や最期の付き合い方」が少し見えてきます。

この辺は、外来・在宅・病棟を中小病院で研修しながら3~6ヵ月くらい経てば、十分実感を持って読むことができそうです。

内科学の本ではあまり扱われず、一方で指導医クラスの総合医だと当たり前すぎて敢えてレクチャーしようと思わなかったりするので、差し迫って関心が高まったときに自習できる本があることはかなり意義深いですね。


急性期各論では、GFTT(≒フレイル)、褥瘡、ポリファーマシー、尿閉、不隠・意欲低下・不眠、認知症、食べられない、便秘、転倒、疼痛ケアなどが網羅されており、10分間スクリーニングやCGAをやってみたら拾い上げてしまいがちだが若手医師の多くは対応方法が全くわからない高齢者特有の問題が網羅されています。

内容は概ね自分のスタンスと同じなので、これを読んでもらって指導や現場に混乱が出ることはなさそうです。

褥瘡はちょうど関心あって勉強していたところですが、エビデンスをきちんとベースにしながらもCQでの箇条書きほど味気なくはなく、実際の臨床に即して急性期から早期転院することを踏まえた具体的説明があり、とても勉強になりました。
うちも、早期転院してきて、数カ月はかけられずにまた転院していくことがおおく、「セッティングが短期間で移行し、ケアが分断されやすい前提」での記載はとても良かったです。

また、「食べられない」問題について、リハビリの予備知識がなくてもさっと読めて、かつとてもCommonな「認知症の影響で、クビから下は問題ないのに食事が進まない」状態についても、原因が列挙されそれぞれに対しての具体的対応が記載されている表は、明日からでも専攻医が担当症例に使えそうな具体的内容でとても良かったです。


座談会は、よくありがちなお医者さんばっかりのではなく、ほんとに他職種がズラッと揃っていろんな視点で対談されていて面白かったです。


退院後のケアと予防のところは、高齢者ケアでは特に大事なところです。

先に高度急性期病院のローテしてから亜急性期に来る専攻医が多い時期は、退院後早期の再入院や、急性期治療終了後転院待機中や回リハ等転科後の急変が増えるという感触があり、実際その内容をみていくと「予防可能な急変」を事前に潰すケアが足りないことが割とあります(データ取ってないので主観の影響も大きいかもしれません)。
この問題は、個々の専攻医が不真面目というわけではなく(むしろ超真面目で勤勉な人ほど、それまでに学んだことをきちんと実行してしまって期待した結果に繋がらなかったりします)、教育や経験の影響なのでシステムで改善が可能だとも思います)。

この章では、Transition of Careという横文字をだすことで英語のかっこいい専門用語好きな人でもこの地味だけど切実な問題に目を引きつつ、ケアの場が移行するとはどういうことなのかや、退院時の申し送りに必要な要素を簡潔に述べてくれています。
実際、高度急性期の経験しかないと、回リハ・療養病棟や老健・往診先に申し送る手紙に「自分の診断推論的苦労談」が主体となってしまって、退院時病状や退院後ケアのポイントが記載されておらず、「こんな患者引き受けるのツライわ」という先入観を与えて転院・退院受け入れ拒否となったり、的確な入院中治療の継続がなされずに急変しやすくなったりするので、この点はとっても大事です。

なんですけど、自戒を込めてですが、「それくらい考えりゃできるだろう」くらいになってしまっていたので、改めてこういうののオリエンテーションとか必要だなぁと思いました。
問題に気づいていたのに教えていなかったのは、教えるための簡素なテキストがなかったこともあるし、頭ごなしにレクチャーされてもつまんないだろうというのもあったので、何かやり方を考えないとですね。
早期に、老健回診経験してもらったり、地方の関連診療所の外来+往診の助勤を経験してもらって「あのセッティングで、この病状と治療内容の患者を受けるとしたら、どんな情報が必要か」をイメージしやすくなるといいのかもしれませんね。ホントは関連診療所で週1枠もらいたいんですけど、何の壁があるのか知りませんがハードル高くて難しいんですよねー。。。

また、予防医療のところでも、行って当然な予防接種のことや、安易にやって見つけちゃうと泥沼化する「癌スクリーニングになりうる検査」も提示されているので、急性期の「何でも見つけて治療しちゃえ!でも将来の病気はしらん」みたいな頭を切り替えるにはいいかなと思いました。



興がのりすぎてしまい、紹介だけにとどまらず、自分の反省や気付きや何やらまで書いてしまいすいませんでした。

それくらい、アツいテーマを的確に描いた本でした。



まだ高度急性期しか経験していない総合診療/家庭医療/内科後期研修医や、初期研修医には、読んでもまだピンとこないかもしれません。

逆に、一定(数ヶ月でも)の亜急性期以降の臨床経験がある後期研修2年目以降や、当たり前にできすぎちゃっていて指導の仕方がわからなかったり参考資料の提示が難しいと思っている指導医クラスには超おすすめだと思います。



Hospitalist(ホスピタリスト) Vol.5 No.4 2017(特集:老年科)
メディカルサイエンスインターナショナル
2017-12-28



Hospitalist(Vol.5 No.4(2017) 特集:老年科
Hospitalist(Vol.5 No.4(2017) 特集:老年科







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南山堂の雑誌「治療2018年1月号」に、後期研修医に書いてもらった「リハビリテーションが必要な患者への地域資源処方」が掲載されましたヽ(=´▽`=)ノ

うちの後期研修医に、地域リハの原稿書いてもらったのが晴れて掲載されました!









Amazonにある特集解説文と目次を載せますね


≪今月の視点≫

地域を治す 地域を処方する

今日は外来業務の日.

高血圧で通院中のAさんに対して,あなたは1年間毎月あの手この手を使って対応してきた──ガイドラインに基づく説明,エビデンスの提示,行動変容アプローチ,家族へのアプローチ…….しかし,結局どれもこれも奏効せず,この日も何1つ状況を変えることができなかった.

日々の臨床業務は,ガイドラインやエビデンスを駆使しても,はたまた患者中心の医療や家族志向型ケアを意識しても,なかなか治療・ケアがうまくいかないという事例にあふれている.

そんなときこそ,「地域」に目を向けてみてほしい.総合診療医のもつべき視点の1つとされる「地域」には,2つの意味があると考えている.1つは,“医療",“健康"とは違った,患者さんにとってより近しい存在の,生活のパートナー.もう1つは,患者さんや家族に起こる事象の上流にあって,全体に影響を及ぼす,物事の根源である.

前者の場合,ともするとわれわれ医療者ではなく「地域」が患者を治すこともあり得よう.後者の場合,われわれ医療者が患者のみならず「地域」を治すことで,幅広く患者が救われよう.よってわれわれは,地域資源でうまく使えるものはないか,地域そのものに問題がないかと,必要に応じて患者本人から地域へと焦点を変えて対応することが望まれる.しかし,そのときにどのような理論や手段が使え,具体的な健康問題ごとにどのように対応でき得るのかを,まとめて提示した書物はあまりないのが現状である.

そこで今回,総合診療医が医学的アプローチだけでは太刀打ちできなくなった患者に使える地域資源や,総合診療医が問題を抱える地域そのものに使えるアプローチについて,その理論と実践をまとめて提示することで,日常診療のアウトカムと地域の質を向上させ,「地域」のパワーを感じていただける,そんな特集を企画した.総論部分では,地域資源処方における基本知識と基本技能について理論を学ぶことができ,各論部分では,具体的な診療の場面での実践について学ぶことができるよう構成した.総合診療医の皆さんが,日々の事例で悩んだとき,この特集が何かしらのヒントを与えてくれ,「地域」により関心をもっていただけることを願っている.

[編集幹事]福井大学医学部地域プライマリケア講座/高浜町国民健康保険和田診療所 井階友貴

■総 論
処方(活用)できる地域資源の種類(井階友貴)
知っ得! 理論1 地域包括ケアシステム(北澤彰浩)
知っ得! 理論2 健康の社会的決定要因(長嶺由衣子)
知っ得! 手段1 多職種協働(吉村 学)
知っ得! 手段2 地域志向のプライマリ・ケア(寺田 豊)
知っ得! 手段3 地域診断(孫 大輔)
知っ得! 手段4 地域社会参加型研究(孫 大輔)
知っ得! 手段5 社会的処方(堀田聰子)

■各疾患群ごとの地域資源処方
生活習慣病 1高血圧(富田さつき)
生活習慣病 2脂質異常症(雨森正記)
生活習慣病 3糖尿病(三澤美和)
認知症(洪 英在)
喫煙(ニコチン依存症)(井階友貴)
飲酒(アルコール依存症)(吉本 尚)
悪性新生物(西 智弘)
子どもの健康問題(山田康介)
女性の健康問題(鳴本敬一郎)
老年期の虚弱・低栄養・嚥下障害(荒金英樹)
メンタルヘルス(今村弥生)
リハビリテーション(加藤聡一郎,他)

この最後にある「リハビリテーション」のところを担当させていただきました。

特集全体のテーマが、外来で薬を出したりするだけでなく地域資源を処方する「Social prescription」であり、それをリハビリでというアツいテーマでした。


疾患や障害自体を複雑にすると、その診断や治療、リハ方針で議論の余地が生まれて内容に集中できなるかもしれないと考えて、超シンプルに膝関節症の前期高齢女性に設定しました。

適切な診断、薬物療法、パンフレットを用いたOA体操の指導などは行った上で、それでもADL改善やQOL充実が不十分な症例(よくありますね)でどうするか!?というセッティングです。


事例に対する地域資源処方として、水中歩行サークルの紹介、介護保険の利用で家屋回収やデイサービス利用を、
地域全体に対する地域資源処方として、運動器不安定症・ロコモティブシンドロームの啓蒙活動、訪問看護師とセラピストの連携強化などを挙げました。

まあどれもこれも当たり前で地味なものですが、一つ一つの提案にきちんと文献的根拠も持ってきて補強はしています。


また、4つの提案を地域包括ケアシステムの「自助・互助・共助・公助」に当てはめながら全体のフレームを支えたり、今回の取り組み全体をICFのフレームに当てはめて「リハ医学的視点で何が出来てどこが変わったのか」を図示しながら書いてもらったので、頭を整理しながら実臨床で症例対応を組み立てる時の「考え方」を提示できたのが新しいところかなと思っています。
ああ

あ





この原稿依頼を引き受けようと思ったのは、編集幹事の井階先生にお世話になっていて断りにくいというのもありますが、それ以上に自分の指導医経験上こういう記事が必要だろうとも思ったのが直接要因でした。

うちの後期研修医で、当院にいる間にリハの基本的考え方やセラピストとの協働も身につけていたのに、「医療過疎地域の中小病院や診療所にいくと、院内にも地域にもセラピストが全然いなくてどうしたらよいのか迷う」ということがよくありました。

そんな人達が、自分の頭で考えて、身の回りの資源と目の前の患者を診ながら、いろいろ考えて自分なりの地域リハ処方を考える材料になればいいなと思います。


ただ、この記事は「地域包括ケアシステム」と「ICF」をある程度理解していて、症例に対してリハ視点で「生き死にだけでなく患者のQOLを高めたい」と思いながら臨床経験を積んでいる人を想定読者にしています。
つまり、うちでの研修を1年程度終えた人や、家庭医療後期研修3年を終えて「リハビリ」のポートフォリオも書くことには書いたけど「まだなんとなく、地域リハって言われてもイメージがボヤーッとしてるなぁ」くらいに感じている人くらいを想定しています。

ので、読んでもイマイチぴんと来ない方も相当数いるだろうとは思っており、その場合は前提の地域包括ケアシステムの理解を深めたり、ICFやリハ医学の勉強を少ししてみると徐々に面白さが滲んでくるかもしれません(偉そうな感じですいません)

まあ、読むだけでパッと世界が拓けるような、この領域のよいテキスト・web資料があんまりないので「これ読んで勉強しといて!」というのがないので申し訳ないんですが、だからこそこの原稿に価値があるようにも思います。


もし間違いや質問とうあれば、ご連絡いただければ幸いです。


でわ!




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【読書記録】「非器質性・心因性疾患を身体診察で診断するためのエビデンス」を読みました

献本御礼!


「非器質性・心因性疾患を身体診察で診断するためのエビデンス」をいただきました。





2015年の出版直後に頂いたんですが、その頃ちょうど忙しかったのか、ブログ記事書きかけで下書きのままにされてました・・・。すいません。


もらった直後はざっと目次眺めて気に入ったところだけ拾い読みして、いまは新患外来の診察机の上にある身体診察・診断学系テキスト置き場に置きっぱなしになっています。

慢性疾患でずっとかかっている患者が多い予約外来や再来外来よりも、新患外来のほうが珍しい疾患を疑って珍しい身体診察することが多いですからね。


同じ著者のあの本も置いてありますよ。この本はけっこうお気に入りで、学習会ネタによく引用しています。






「非器質性・心因性疾患を身体診察で診断するためのエビデンス」の方の内容も紹介しますね。

とりあえずAmazonから引用しました


内容紹介

●意識障害、筋力低下、めまい、腹痛などの症状に対応した時に、身体診察で非器質性・心因性疾患を診断できるようになるためのエビデンスを解説しています。

●総合内科医、一般内科医はもちろん、眼科・整形外科医、精神科・心療内科医まで、多くの医師の臨床に直結する内容です。


●オールカラーページ。グラフや表が活用され、特に表はエビデンスの質に応じた色付けがされており、エビデンスが「見える」ようになっています。


【目次】

1 総論:全身概観

2 神経学的所見総論

3 意識障害

4 転換性障害

5 筋力低下

6 歩行障害

7 振戦

8 感覚障害

9 視力障害

10 痙攣発作

11 失神

12 めまい

13 呼吸困難

14 腹痛

15 体重減少

16 皮疹

17 腰痛

18 頸部痛


著者について

上田/剛士 洛和会丸太町病院救急総合診療科。

2002年名古屋大学医学部卒業。名古屋掖済会病院研修医。

2004年名古屋掖済会病院救急専属医。

2005年京都医療センター総合内科レジデント。

2006年洛和会音羽病院総合診療科。

2010年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 



上田先生が、卒年3つしか違わないというのがまず衝撃を受けてます。すごいなぁ・・・


タイトル・テーマが「非器質性・心因性」となっているのが良いですね。

精神疾患やうそっこ○○、Medically unexplained symptomsとか限定でなく、「非器質性」はとても幅広い疾患群があり、しかし「器質性」ではないので「検査やって結果確認してハイ終わり」ではないぶん医師の能力によって診断効率や医療費、患者負担や満足度に大きな差が出てくると思っています。

病歴聴取がとても重要ですが、ややレア疾患まで特徴を網羅してその場でClosed questionを出来るように能力を維持するのは、それなりにレア疾患を紹介されるような立場でないと難しいとは思うのです。

でも、身体診察は、病態生理や解剖学を理解して原則を覚えてしまえば、今まで持っているスキルを発展させる形で習得できるし、それを実践して一度でも陽性例を経験すれば一生忘れない「体が覚えてくれるワザ」なので、たまにしかレア疾患にあたらないがたまには当たるくらいの立ち位置の自分にとってはとてもよい診断ツールなんですよね。


というわけで、どっかで時間を見つけて一度通読したいなと思っています。まだ拾い読み程度なので。

とりあえずは新患外来から一度回収して、出張や帰宅時に「お、コレ読むか!」と手に取れる場所に置いとこうと思います。





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【読書記録】生き方を見つめ直す系のを幾つか並行して読んでます

12月にいろいろあって「んー、この生き方や働き方をそのまま続けててもいまいちだな」と思うようになり、程よく年末にむけて燃え尽きて心も折れきって、少し休んだり発散したりしてニュートラルに戻れたので、心機一転これからを考え直してみようと思っています。


別に転職するとか、病院辞めるとかそういうことではなくて(メンタル折れてるときにそういう検討するのもいまいちですし)、考え方や心の有り様とかをもう一度リセットしようと思うのです。


過去には、

現役の大学受験でごっそり大失敗して、自分の学力とか試験とか舐めきってたなと痛感してたとき、

初期研修初めてすぐに、同期全体で協調してやっていくのが難しくてなやんだとき、

卒後4年目くらいで「このまま続けててもうちの病院総合診療なんて後輩集まらんくて潰れるよ」と考えても周りが「絶対だいじょうぶだよー」と言って信じてくれなかったとき、

とかに対して、色々考えて本読んだり人に相談したりしてその都度折り合いつけてきましたが、今回はそれらと比べても割りとおおきな苦悩なので、じっくりと向き合いたいと思います。

今回の苦悩のタイトルが、中小規模組織の管理者としての苦悩なのか(まあそれはあるでしょうね)、一医師としてのキャリアについての悩みなのか(年末の大規模な人事異動の発表聞いて色々考えたのでこれもあるでしょうね)、はたまた別なのかまだ正体が見えていませんが、まあ、色々考えてみます。



自分は、壁にぶつかったら「まず休む」のと「本を読む」のが基本パターンなので、年末年始休みの間にためといた本を読もうと思います。

「遊ぶ」とか「会話する」とか「とりあえずやってみる」系の人には参考にならないかと思います。そういうので次にイケる人はうらやましいですねー。




これは、卒後4年目くらいに行き詰まったときに読んで、開眼できた本ですね。

自分がやりたいと思うこと、その衝動に委ねたほうが結局いいと思うよという感じの内容です。

病院総合医やりたかったのに診療所家庭医療研修に出てもいいかと思えたり。後期研修後に大病院総合病棟にもどらないでいいや!と決断できた一番のきっかけかもしれないです。

これ読んでなかったら、たぶんいまあの病院のトップか2番手やりながらより大きな悩みと戦っていたかもしれません(逆にものすごく大成功してたかもしれませんが、イメージ湧きませんね)
 


これも同時期に読んだ本で、ブログとかSNSやろうと思ったきっかけですね。

これ読んでなかったら、たぶんブログやってないし、今やっている対外的・学術的な活動はなく、地方で何も発信せずに埋もれる医師になっていたとおもいます(そういう生き方を否定するわけではないですが)



これは最近読んでる本です。

タイトルだけみるとこれも転職進められちゃいそうなイメージですが、英語の原著タイトルは「The artist's way」で、常識や言い訳で凝り固まった生き方から創造的な生き方を取り戻すことを目指す、具体的なワークもある本です。

別に絵描きや詩人になりたいわけではないですが、もともと手を使って色々作るのは結構好きだし(プラレールとか、ラテアートとか、コルク人形とか)、そういうわかりやすい創作活動に限らず、自分の人生やキャリアを創造するという意味では日々創造だし(地域密着型病院の病院家庭医療をしながら、地方で働く若手総合医を育てたり、地域貢献・まちづくりに関わったり、全国規模での活動をしたりということ自体、ゼロではないけどロールモデルがあんまりないですしね)、「今後の自分をどう形作っていくか」という視点で読むと面白いです。

とりあえず始めたワークの「モーニングページ(毎朝3ページ好きに書き出す)」「アーティストデート(週に1回自分のためだけに2時間位なにかする)」「チェックイン(1週間を振り返る)」を始めてみてますが、なかなか良いです。
やってみて、自分だけに視線を向けて、自分のためだけに時間をとって行動するという機会がほぼなかったことにとりあえず気づきました。自己犠牲&奉仕精神が、気を抜くとコントロール外れて大変なことになりやすいので気をつけないとですね。


LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
リンダ グラットン
東洋経済新報社
2016-10-21

これは、家庭医療のボスがフェイスブックで面白いと言っていて買った本です。

寿命が伸びていくなかで、単純に「若い頃に教育受けて、働いて、60代で引退して、80歳で死ぬ」というシンプルなステージでの人生設計が通じなくなっていく時代のなかで、どうするかを具体的に多彩に描いてくれていて、これも良いですね。

まだ序文と1章くらいしか読めてないですが、単にお金をためておくとか死ぬまで稼げるようにしておいて老後の備えをという話ではなく、色々模索する時期や、チャレンジする時期や、複数の仕事に関わる時期など、ステージの種類を色々と考え直すきっかけがありそうです。

自分は、65歳で引退したあとに何していいかわからない典型的ワーカホリックで、後輩から「定年で引退するような人間じゃないと思うし、しかも今の働き方なら定年後も色々やれることもあるだろうから(教育でも研究でも組織管理でも、臨床だってプライマリ・ケアとか在宅や終末期やなんだって)、飽きるまで働いたらいいんじゃないですか。引退する気があるとは思ってなかったです」と言われて「そうだよね、ずっと働いていいんだ」と思ったこともありました。
しかし、今の大変さや閉塞感を考えると、「ずっと今の延長」だと気づまりしてやめちゃいそうです。

そのあたり、この本を読み進めると、漠然とイメージしていた大きな転換や複線化などをうまく言語化して行動に移せるようになりそうなので、楽しみにしています。



これは、仕事で組織のお金の動きに関わるようになってマクロ経済学を色々勉強してみたあと、自分のお金も今のままでいいのかなとおもって買ってみました。

今まで何度も勉強してはいらんとおもった株や証券やなんやらについて再勉強したり(どう勉強しても、リスクに見合うリターンなさそうだなとおもったり、自分の成長や努力と関係ないところで発生するお金に関心がもてなかったり)、
できるだけお金を多く稼ぐことにとらわれなくても生活に困らないようになりたいなぁと思って(でも色々事情はあるにしても大きな額のお金が欲しくてバイトして、本業の成長がおろそかだったり、けっきょく社会貢献や患者還元にあんまりなってない働き方の人みてて微妙だなぁとおもってしまったり)、
そんななかで少しヒントあるかなと思って買った本で、先日読み終えました。

読んでみた感想としては、とても自分の好みに合う論調や提示で、読んでいて今まで学んできたことが整理できて良かったです。
ハイリスク・ハイリターンな金融商品に手を出したり、いわゆるお金のプロに相談して言われるがままに手を出すよりも(それで得られるのはせいぜい数%の変化)、きちんと稼ぐこと(主な仕事だけにかぎらず、副収入も含めて。こちらのほうが数千万~億の差がでる)、無駄な出費を避ける(生命保険、自宅、車を買わなければこれも数千万の差がでる)、その上で手数料が少ないものを手堅く確保する(利率よりも手数料や税金のほうが多い商品がたくさんある)とかの基本を紹介していて好感持てました。
やはし、自分が生きていて楽しい仕事で十分稼ぎ、余計なことで時間と集中力や生活費を浪費しない(仕事バカで生きるという意味ではなくて)という現状の拡張が良いかなと思えて吹っ切れました。


医の知の羅針盤 良医であるためのヒント
Robert B. Taylor
メディカルサイエンスインターナショナル
2017-02-28

これは夏前に買って、夏休み中にバーっと読み進めたやつ。残っていた最後の方を読み進めています。

医師とは、医療とはどうあるべきかのプロフェッショナリズム的な部分を、改めて問い、考え、再設定していける良い本だと思っています。

自分自身は、臨床医であることに誇りを持っていて(それが意固地とか柔軟性欠如になっても困りますが)、迷ったときには「医師として自分が尊敬できるような振る舞いをしたい」とおもうので、たまに読み返したい本だなと思っています。

収入が1億くらい増えても、楽しい仕事に再就職できたとしても多分人生としての満足度はあがらないとおもうので、臨床医としての満足度や自尊感情がきちんと保たれるようなあり方をいつも意識していきたいと思います。


困難な成熟
内田樹
夜間飛行
2017-11-24

わりと好きでちょいちょい読んでる内田先生の新刊。最近買ってなかったんですが妙に気になって買ってみました。

仕事上で付き合っていて「何だこいつ?」と理解不能な振る舞いをする人と、立場上縁が切れずにもやっとしたり、
自分自身も40歳を間近にして「自分が大人になるってどういうことだ?」とか、「おっさんとかおじさんと呼ばれて、若手に分類されなくなったのはいいけど、ほんとに自分は成熟した大人になったのか。なれるのか」とか、「今後人として、職業人として成熟していくためにはどうしたらいいのか? 単に勉強して知識ふやしたり、外部に研修に出て技術を身に着けてくるというのではないとは思うけど」ともやっとしてきたところでちょうど出会いました。

これもまだ序文と第1章の半分くらいしか読めてないですが、期待していた方向の内容でよかったです。どちらかと言うと趣味的にふんふん言いながら読みたいので、隙間でちょっとずつ読んでみようと思います。



こんな感じの本を、同時並行で読んでます。

面白いもので、先週買った本や、3年前に買って積んどいた本や、10年前に出会って一度読み終えた本を、今同時によむと、不思議と内容がリンクして、自分の頭のなかで再構成されて新たな考えがメキメキと生まれてくるのが面白いなぁと思っています。

自分の特殊能力として、「既存の何でもない知識や技術を再構成して新しいものを作ってしまう」というのがあると思っていて(慢性臓器障害とか病院家庭医療とか地域密着型中小病院とか)、今回もどんなものが生まれてくるのか楽しみです。



先日のブログにも書いたように、今回の年末年始はほぼ休みないので全部は読み終わらなそうだし、どちらかと言うとインプットよりは何もせずに回復に努めたい思いが強いですが、2週間位は家族実家に帰っていて自分の時間を全部自由に使えるので、隙間つくりながら読み進めてみようと思います。

どうしてもまだ、この1年間にあったことを振り返って直面する気にあんまりなれず、大規模な振り返りは年度末まで放置してもいいかなくらいの気持ちになってきました。臭いものには蓋をして前に進んでもいいんじゃないと思います。

あ、別に一人でこもって陰鬱なこと考えながら真面目な本ばっかりよんでいるわけではなくて、漫画読んでる時間のほうが長いし、ゲームしたり映画見たり、散歩したりドライブしたりとか、会いたい人にあったり飲み会で騒いだり、家でとっておきワインあけたりニヤニヤしてたり過ごしていますので、「また勉強ばっかりしやがって」というご心配は不要です。


また、これらを読んで自分の人生観が入れ替わったとしても、いきなり来年いなくなるということもないのでご心配なく。

いままでも、限界にぶつかって、お勉強して乗り越えたあとも、傍からみただけでは仕事内容も職場も変わらず、でもほんの少しだけ視点と意識が違うので日々同じことやっていても楽しくなるし、1年後には「少しだけ違う生活や仕事」の積み重ねで立ち位置や世界のほうが勝手に変わっていく感じなので、来年も再来年も今の場所にいるんじゃないかなとは思います。


では、また来年!



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日本内科学会雑誌に、「型が身につくカルテ」の発展型である「Multimorbidity時代のプロブレムリストの作り方」が掲載されましたヽ(=´▽`=)ノ

ついに、内科学会誌に自分の書いた原稿が掲載されました!!


DSC_1557表紙

DSC_1559Contents!!
 
DSC_1560自分のページ




内科学会誌の外用や過去アーカイブが載っているページのリンクはこちら(1年以上前の雑誌でないと見れないですが)
http://www.naika.or.jp/journal/wabun/



原著論文だったら最高ですが、今回は毎月月替りの特集(12月は領域横断的テーマ)のトピックスの一つとして掲載していただきました。

他の執筆者名をみると、雲の上すぎる人達が並んでいてクラクラしますが、そんなラインナップのなかに引き入れていただいた企画責任者の先生には頭が一生上がりません。

=============================
特集
Problem solving
~臨床現場の問題/課題解決に関する方法論やツールを再考する~

トピックス
Ⅱ.Problem list:POS/POMRについて、現状の患者プロブレムリスト
Ⅱ-2.Multimorbidity時代のプロブレムリストの作り方 ←コレです!

=============================


「昔からあるPOS/POMRでは、超高齢社会・Multimorbidityの時代では対応出来ない部分が増えてきたので、そこに対応できる新しいシステムの提示を!」というお題をいただき、普段自分がやっているもの(Multimorbidityには対応出来ているが、他科の医師にはわかりにくい高度専門的な書き方)を、2段階くらい難易度を落とすことで多少なりとも応用範囲が広がる(若手医師や臓器別内科指導医でも取り入れ可能な)ことを意識して書いてみました。



今まで、学生や初期研修医向けに「型が身につくカルテの書き方」を書いて、それに関連した講演を各地初期研修医向けにしたことはありました。



また、主に総合診療関係者向けに、「総合診療医らしいカルテの書き方」という記事を書いたこともあります。


さらに、総合診療後期研修医~指導医向けに、その内容を発展させた講演をしたこともありました。



しかし今回は、なんと内科学会誌です。

なので、自分よりも経験値の高いベテラン医師が読む前提です。

しかも、総合診療や家庭医療を名乗っておらず、臓器別専門を極めるような人達も読んでいるかもしれません(そういう先生方はサブスペ領域の雑誌しか読んでないかもしれないですが)。

もしかしたら、総合内科専門医や地方中小病院一般内科医的な読者が多いのかもしれませんが、少なくとも今まで想定していた読者とは異なります。


ということで、今まで書いたり喋ってきたことを一から見直してみて、また普段自分が書いているカルテや専門外来で書かれているカルテを読み比べたりしながら、「内科医なら共通で扱いうるシステムはないか? できれば総合内科専門医を読者の真ん中に据えて、家庭医療学の理論的基盤をもたないままに、Multimorbidityを扱うための方法論を提示したい」と考えて書き直してみました。

全体の枠組みや基本構想は変わりないですが、Complicatedケース(複合事例)でのグルーピングの提示がわりと新しく、スマートにかけた気がします
大きなフレーム・臓器系別にまとめてみるのは、慣れればすぐできるし、実際卒後2~3年目くらいの人だと自然と習得している印象もあるのでそこまで反論はされないんじゃないかなと思っています。

より複雑なComplexケース(複雑事例)は「まあ、そういう世界もあるんだねー」と流されてもよいかなくらいで、Chaoticケース(混沌事例)には触れもせずとメリハリを付けたつもりです。



実際の反響がどうなるのか、そして半年~1年後にどこかであるていど普及するのかなど今後を追いかけていきたいところです。

反論がはっきりでて、より「内科医らしいカルテの書き方」を誰かが確立してくれれば、それはそれで世の中のためにはいいことだと思うので楽しみです。

逆に、この方法が浸透していって、10年後くらいに「これ、おれが考案したんだぜ!」といっても誰も信じてくれないくらい標準になっていったらそれもまたおもしろ!ですね。



とりあえず、今回ので「カルテの書き方」にまつわる原稿関係は一段落かなぁと思っています。

これからは、「型を編み出す」「それを普及させる」のフェーズは一旦終えて、「型をもとに、実際の複雑で手強い事例を、どうやってシンプルに書き出し、誰が見てもぱっと情報が拾えるような”小難しくも目新しくも無いレベル”」にまで落とし込めるかに力を注ぎたいと思います。

思います!というほど情熱はもっていませんが、自分のカルテは割と特殊なものになってしまっているので、学生や初期研修医、そして他科や他院の「前提条件を共有していない人」が見ても、一瞬で情報を把握できるような物ができたらいいなぁと思います。

これを、電子カルテで(しかも、電子カルテの企画が統一されていない日本で)成し得たら、割と偉業何じゃないかと思うのです。



ふふふ(ΦωΦ)フフフ…







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【読書記録】「土曜日の紹介は嫌われる」を読みました。キャッチーなタイトルですが、病院総合医×診療所家庭医の連携カンファのあり方が見えてくる良書です


病院総合診療科×診療所 病診連携ケースカンファ集 土曜日の紹介は嫌われる」を読みました!



Amazon

病院総合診療科×診療所 病診連携ケースカンファ集 土曜日の紹介は嫌われる [ 南郷栄秀 ]土曜日の紹介は嫌われる 楽天


タイトルが刺激的すぎて買おうとは思っていなかったんですが、南山堂さんから献本いただいたので読んでみました。



感想としては「面白い! ていうかこれやりたい!!」でした。




参考までに、南山堂のホームページから、編者と序文、目次を引用します
無題
http://www.nanzando.com/books/20341.php
=================================

序文

病院総合診療と診療所家庭医のコラボレーション!

 専門医制度の大きな転換期を迎え,新たにできる総合診療専門医は 19 番目の基本領域の専門医としてスタートすることとなった.しかし,「総合診療医はへき地にいればよい」という声が漏れ聞こえ,都市部への集中を防ぐというより,都市部から排除されるのではないかと危惧される状況である.

 総合診療医はよく,家庭医と認識される.しかし,家庭医と同様の理論的基盤をもつ総合診療医が病院にいることのメリットは大きい.たとえば都市部では,専門が細分化されすぎた弊害で,「専門外」として救急患者の受け入れ拒否が頻繁に起こっているが,幅広い守備範囲をもつ病院総合診療医がいれば対応可能だ.診療所からの紹介も,病院総合診療医を窓口として一本化できる.

 そして病院総合診療医の専門性を語るうえでもっとも重要なポイントは,守備範囲の広さに加え,院内外の連携のハブとしての役割と,マルチモビディティ(multimobidity)や複雑な心理社会倫理的背景をもつ患者の問題解決だろう.本書のタイトル「土曜日の紹介は嫌われる」に象徴される病院?診療所間の関係の閉塞感や停滞感は,病院総合診療医と診療所家庭医が「家庭医療」という共通言語でコミュニケーションを重ねることで解決につながる.

 本書の全 10 回のカンファレンスはどれも味わい深く,病院側にも診療所側にもさまざまな気づきをもたらした.東京北医療センターと生協浮間診療所は,たまたま近所に心通わせる者同士がおり,UK カンファ(生協浮間―東京北 病診連携カンファレンス)という形でコミュニケーションが成功した.ぜひ読者も,本書でその臨場感を体験してほしい.そして,このようなカンファレンスが全国の地域医療の現場で行われ,数々の患者の問題を病院と診療所が協働して解決し,地域住民の幸せにつながることを願っている.

 最後に,かねてよりの悲願だった UK カンファ開催のきっかけをつくり,本書の製作に尽力してくださった,編集者の宇津木菜緒さんと伊藤毅さん,片桐洋平さんに深甚の感謝を申し上げる.
 

2017 年 10 月 南郷栄秀

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地域包括ケアにおける規範的統合の実例として

 日本は地域包括ケアの時代を迎えた.地域包括ケアは,医療・介護・福祉の統合に関して地域ごとに最適解を創出することである.地域における問題(個人の問題だけにとどまらない)に関連するさまざまな職種がチームを組んで取り組むこと,これは水平統合と呼ばれる.また,地域にかかわるさまざまな施設,たとえば診療所,小病院,大病院,さらに療養施設などを,1 人の地域住民あるいは患者は状態に応じて移動していくが,この連携がスムーズに行われることを垂直統合という.これらの統合がうまくいくためには,価値や文化の共有あるいは相互理解が必須である.たとえば,健康や病いに関する価値観はしばしば職種ごとに,あるいは施設ごとに異なることがあり,その差異によってケアがスムーズにいかないことがよく生じる.こうした価値観や文化の相互尊重・理解は規範的統合と呼ばれる.

 本書に収められた対話は,病院総合診療医と診療所家庭医の連携に必要な規範的統合の枠組みを探る試みであるといえる.たとえば,在宅の発熱の患者を診て病院に送る側,そしてその在宅患者を受ける側が,高齢者の発熱について共通のルールをどのように形成していくかの対話こそが,規範的統合の具体的内実であることがよくわかる.

 また,こうしたかなり Sensitive な対話が成り立つのは,病院総合医と診療所家庭医がそこに至るまでの多くのトレーニングの内容が共通であり,患者とは? 健康とは? 医療者はどうあるべきか? といった根本的価値観が共有できているということに他ならない.

 本書をきっかけに,多くの地域で規範的統合に向けた,施設間での生産的な対話が生まれることに期待したい.

2017 年 10 月 藤沼康樹

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目次

第1回 抗菌薬にまつわるあれこれ
第2回 病診連携の落とし穴
第3回 終末期の連携
第4回 ポリファーマシー
第5回 頻回救急受診
第6回 後医は名医
第7回 red flag
第8回 病院・診療所・福祉との連携
第9回 紹介状
第10回 土曜日の紹介は嫌われる
全 10 回のカンファを振り返って

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まだ序文と第1回までしか読めていませんが、連携カンファの対話形式で、リアリティあふれる事例を元に、病院・診療所それぞれの視点や事情を踏まえ、かつ互いのギャップを明確にして埋めながら話が進んでいきます

通して読んでいくことで、病診連携の課題が明確になり、解決策も見えてくるなと感じました。


もちろん、地域によっても、連携する病院と診療所の事情によっても最適解は異なりますが、この本は「文献によるとこれが正解だから、それ以外は全部間違い!!」というスタンスではなく、互いに対話しながら「我々の連携についてはこうしていこうか」というスタンスです。

それを元に「じゃあ、自分のところではどうしようかな。あそことの連携ではこうしてみたらいいのかな」と考えるきっかけになるという点で、他に例を見ない良書だと思いました。





また、この本を読んでいて、少し前に出たこの特集も思い出しました。

Amazon


はからずも、どちらも南山堂の本ですが、治療の編集委員をやってるから売りたくてというわけではありませんよ(売れても私に経済的利益は発生しないです)


こっちは、病院総合医×家庭医ではなく、救急×家庭医ですね。

同じ出版社で、「同じ症例を紹介する側とされる側」での特集なんですけど、読んでみて受けた印象はだいぶ違うなぁと思いました。


結果的にとてもうまくいっている家庭医療診療所や、素晴らしい連携が出来ている地域の例をみて「んー、それが出来たら理想なんだけど、まだまだ遠いなぁ(もしくは、それはうちの地域やあの連携先とでは無理だわ)」と感じたり。

救急医の主張があって「うん。その通り。自分も救急側だったときはそう思ってた。なんだけど、それは大きい病院の、スタッフの揃っている救急だからこそであってね」と感じてしまって、「なんとか無理して合わせなきゃなぁ」とか「相手のそういう感情を理解して、逆なでしないように付き合うにはどうしたらいいんだろうか」というふうに受け取ってしまったりでした。


もちろん編集責任者の先生が、企画や依頼段階でそうとう知恵を絞ったんだろうなと感じられる工夫が随所にあり、この本を先に読んだときは「なんて面白い特集なんだ!これ、うちの医長必読だわ!!」と思ったくらいでした。

単体で読むとそうとうおもしろいんです。

でも、2つを読み比べると、(よい悪いではなく)違うんですよね、何かが、けっこう。



その違いを数日間反芻し続けた結果、この両者の特集で「何が違うのか」や、そこから翻っての「病診連携をうまく稼働させるための方法論」みたいなものが見えた気がしました。



一つは、「交流が大事なんだから、それぞれの立場から、思い思いにぶっちゃけた話を出し合って、それでおしまい!」では、返って溝が深くなる可能性があるんだなと感じました。

そうではなく、同じ場で、実際に双方が関わった事例をベースにして、「正しい診療」の討議だけでなく、「実際のあの時のそれぞれの現実的な条件・制約の中で、何を考え行動したのか」にも焦点を当てて、「その中でどうすればより良く行動できたか、そのために自分が相手に対して歩み寄れるところや協力できるところは何か」を、対等な立場の対話として行い、それを単発イベントでなく継続的な定例カンファのなかで積み重ねていくことが重要なのかなと思いました。


もう一つは、「家庭医療学を理論的基盤として、家庭医療の現場で研鑽を続けてきた人」と、「救急医学を理論的基盤として、救急医療の現場で研鑽を続けてきた人」との交流・連携というのは、かなり前提条件がことなる「異文化交流」なのだ!という視点です。

その点、今働いている場所や立場は異なっていても、初期・後期研修の研修内容に共通部分が多く、理論的基盤や思考パターンや視点・スタンスなども相当部分重なり合っているであろう診療所家庭医と病院総合診療医との交流は、そこまでハードルは高くなく、交流する場を上手く設定すれば劇的な変化が生まれやすい組み合わせなんだなとも思えました。

まあ、書き出してみちゃうと当たり前なんですが、個人的には割とおおきな発見でした。



というわけで、「うちでもやりたい!!」と強く思いました。

まあ、まずは法人内から始めてみたいですね。せっかく大規模急性期病院と、小規模地域密着型病院、教育診療所や施設などがバランスよくある法人・研修プログラムなので、その強みを活かしたいです。

調子よく続くようなら、市内の他法人も巻き込んで(ゆくゆくは道内で)と拡げていければ面白いかもしれません。


ただ、指導医の腰が重いんですよね。。。

過去にやっていたことはあったんですが、相手方の指導医がちっとも顔出さず、徐々に向こうの指導医と自分の指導内容のギャップが大きくなって変な感じになっちゃったり。
(「こうしたらいいじゃん!」と提案しても、「うーん、でもそれ、うちの指導医はやりたがらないし」で終わっちゃったり)

相手施設の責任者が参加せず、意義も感じていないと、参加してほしい初期・後期研修医たちが参加できるように業務調整もしてくれなくなって、徐々に参加できない人が増えていったり。

たまに、相手施設にひょいひょい新しいことに対応できる専攻医がいるとできるんですが、その人がその時間帯に業務ふられちゃったり、なんとか乗り越えてもローテで専攻医が異動しちゃうと終わってしまったり。


一方で、「教育のためだから!」なら表面上は賛同してくれるだろうし(指導医という肩書ですしね)、ましてや「研修プログラムの要件として必須だから」とか「今のイケてる最先端の総合診療病棟はこれやってて当然ですから」的な外圧があればうまくいくのかもしれません。


まず既存のリソースで小さく始めるとしたら、毎月全関連施設の総合診療の専攻医・スタッフ・指導医があつまって学習や振り返りをしている「二木会」で、1時間程度時間もらってこういう連携カンファ出来ないかの提案かな。

二木会のレクチャーテーマなどが、どうしても家庭医療よりになりやすくて病院総合医・総合内科医志望者には面白くないという課題があり、Common diseaseのレクチャーシリーズ始めたりもしましたけど「文脈から切り離されて、事例ベースではないお勉強」ぽくなっちゃうと盛り上がりにくいんですよね。

「ああ、あの症例ね!! 知ってる。ちょー大変だったよ。どうなってんのよ!?」という事例でやります!て言ったらけっこう集まるとおもうのよね。ファシリテーション大変ですが、これをしきれるようになったら指導医スキルとしても相当跳ね上がる気がします。


ただ、今の自分は二木会のコンテンツ決める立場ではなくなっちゃったので(以前は二木会改善プロジェクトメンバーでしたが、今年度から始まった専攻医も巻き込んでの業務分担で切り離されてしまいました)、自分が提案して枠をもらうのは難しいでしょう。

この記事貰って共感した専攻医たちがクーデターを起こしてくれるか、改善の担当になっている専攻医が内部的に提案してくれたら少し動く、かな。くらいであまり期待せず流れを見守る感じにしようかな。



あとは、あんまり多くの協力がなくてもすぐできそうなのは、自分が時間をつくって自主的なカンファを開催するパターンかな。

これなら自分の診療体制を調整するだけでできるので、(今はちょっと忙しすぎて首が回らないどころかクビが締まってますが)年明けからすぐにでも始められるかもしれません。


具体的には金曜夕方に本院のほうに移動して、向こうの初期・後期研修医を集めて、うちから送った症例や、向こうからうちに来た症例のその後の共有と、それについてのアドリブレクチャー(病気の診断や治療に詳しい人に喋ってもらったり、医療安全・M&Mの視点で深めたり)、そして連携改善のディスカッション(これも家庭医療学やプライマリケア医学の視点から理論的下支えしながら)をしていくと面白そうです。

これの懸念材料は、自分が勝手に始めた場合、相手方の指導医層があまり関わらないので、若手が参加できるような配慮が期待できないかもしれないことですかね。

それについては、忙しくても自主的に参加したい若手がいるタイミングで、その若さのエネルギーを活かしてとりあえず勢いで始めてみて、指導医がそれを正式なイベントとして認めざるを得なくしていく流れがベストかなぁ。
(外からそんなことしたら嫌われそうですが、連携や教育の質を高めて、患者の予後を高めていく重要性に比べたら、自分ひとりの評価が下がることは割と大したことのないダメージですし)



内部であんまり盛り上がらなかったら、web使って全国レベルの有志でやってもいいしね。

あ、全日本民医連の総合診療若手医師部会で何かできちゃうかもだな・・・( ̄ー ̄)ニヤリ




うん、少しイメージ見えてきました。

興味持ってくれた人いたらご連絡くださいな・・・




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赤ふん坊やにインタビューを受けた記事が、医学書院の「病院」という渋い雑誌に載りました!

あの「赤ふん坊や」に取材を受けました!!

無題
http://www.taka-syou.jp/contents/mascot/mascot.html



高浜町のゆるキャラ?ですが、別に高浜町と仲良しというわけではありません。

総合診療の関係者、特に夏期セミナーとかでてた人はご存知かと思いますが、赤ふん坊やのきぐるみをかぶっている中の人から連絡をいただきました。

中の人とは、地域包括ケア関係の学会のお仕事などでおつきあいがあり、「病院から地域ケアをしている」医師として取材をさせてほしい的なご連絡をいただきました。



掲載された雑誌はこちらです。


医学書院さんで出している雑誌、その名も「病院」です。

Amazon

病院 2017年12月号[本/雑誌] (雑誌) / 医学書院病院 2017年12月号 楽天


医学書院の該当ページ。下の方に自分の名前が載ってます。
無題

http://www.igaku-shoin.co.jp/journalDetail.do?journal=37457


飾り気の全くない地味な名前ですが、以前から存在は知っており、院長や事務長とかが読む本と認識していました。

副院長になってからは、偉い人の会議でこの雑誌の特集をたまに見聞きするくらいでした。


まさか、こんな渋い雑誌に載るとは・・・

しかも、赤ふん坊やがこんな固そうな雑誌のなかで連載をもっていて、その対象として自分が載ることになるとは夢にも思いませんでした。



内容はいろいろで、自分の経歴についての説明や、地域分析の結果とその解釈、住民活動や介護との連携、病院の役割など様々なことをざっくばらんに話しました。


紙面の制限があり、また楽しく読めるようにインタビュー形式でまとめられているため、細かいところまでは反映されていませんが、ざっくりとこんなことやってるんだよ-ということはまとめたいただけています。

個人的には、掲載された自分の顔写真みて、「老けたなぁ、太ったなぁ」という切ない思いを感じております。旗から見たらこんなモンなのか。


当日は、真面目にインタビューしたあと、おもむろに赤ふん坊やの着ぐるみが現れて、ファンが回って内部から膨張させてあのムチフワ感がすぐに再現されていったのに感動を受けました。

また、玄関で記念撮影をしたんですが、あまりに浮世離れして周囲の空気に馴染めない出で立ちがいい方向に作用して、認知症や身体障害をもち頑張って病院でリハビリをしている人達が次々とあつまってきて、手を振ったりり握手したりと交流をして、笑顔で楽しそうにリハ室に戻っていくのを見れたのも良かったです。

ああいうイベントチックな、非日常的なことも、病院や診療に取り入れていく必要もあるのかなぁとおもったり。



多少でも、全国の病院運営に関わる偉い先生方に関心を持っていただければ幸い、なのか?

これを機に変な(自分の常識やこれまでからでは想像もつかないような、という意味での)新たなつながりや展開が広がれば面白いなぁと思います。


あと、せっかく初めての「ナマ病院」を手に入れたので、これを機に通読してみてお気に入り記事が見つかるかみてみようと思います。

病院運営に関わるものとしての、お手軽な生涯学習のツールの一つになればいいんですが。






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プロフィール

けんた

家庭医療をベースに病院で働く「病院家庭医」なるものを目指して爆進中です。
病名や年齢にかかわらずどんな人の悩みにも対応できる診療能力を身につけることを目指して、北海道各地の病院で初期・後期研修を受けました。

総合内科を中心に研修を開始し、途中から家庭医療学や医学教育学、臨床研究などに興味を持ちながら学習し、2011年に家庭医療専門医を取得しました。
現在は札幌市内の小規模病院で、家庭医療学をベースにした病院総合診療を行ったり研修医・学生・多職種の教育に関わったりしながら、プライマリケア医のためのリハビリテーションフェローシップに参加し学び続けています。

将来は病院をベースにしながらも病院内だけにとどまらず、各医療機関の連携、さらには教育、政治・行政、娯楽などを含めた広い意味での地域共同体を作っていく橋渡しをして、健康に楽しく暮らせる街づくりに貢献できたら面白いなと思っています。

日々の研修での気付きをつづりながら、何か大きな発見が得られないか、blogを通して模索中。

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