病院家庭医を目指して ~野望達成への道~

地域密着型病院で活躍する家庭医を目指し、札幌市内で働いてるDr_kentaです。 病院外来でのプライマリケア、内科急性期病棟の老年・緩和ケア、リハビリテーション栄養を中心に、医学教育や院内システム改善などにも関心を持ちながらいろいろやっている日常を記録していきます。ちなみに「病院家庭医」という正式な呼称はありません(造語です)。 また医師による記載ですが、医学的な内容を自分や身の回りの方に適用していいかどうかは直接診察のうえでの判断が必要です。記載内容を試して発生したいかなる不利益も責任は負い兼ねますのでご了承ください。

臨床研究・学術活動

研究に協力することでの振り返りになりました→「総合診療医の活動範囲調査」

とある調査に協力して、1週間分の活動内容を記録していました。


まだ公開されていない、データ収集中のものなので詳しいことは公開しないほうがよいのかもしれず出処や正式名称は伏せておきますが

現在の日本国内の総合診療医達(プライマリ・ケア医や家庭医療専門医など)が、ふだんどんな活動をしているのかについて、とある大学が科研費取って行っている大規模な調査です。



海外ではたくさんの、国内でも幾つかの「総合医の診療内容がどの程度幅広く、どんな領域は特に多いのか」を調べる研究はいろいろあります。

Scope of practiceとかのキー・ワードで調べるといろいろでますね。


最近の米国だと、Nurse practitioner関係でScope研究がけっこうでてますね(医者に変わってどの程度までやれるのかは、たしかにホットな話題でしょう)

屯坐していますが、自分も国内の調査に関わってみたこともあります。




今回の調査は、調査票に記入してみて気づきましたが、「診療以外も含めた、医師としてのすべての活動」を調査しているのが面白いなと思います。

プライベートな遊び、食事や入浴や排泄、移動時間などは記入しませんが、それ以外のカンファや教育、会議や管理などまで含まれていて、「朝病院に来てから帰宅するまでのほぼすべての時間」をどれかに割り振れます


もちろん診療についてはより詳しく把握されるので、外来・訪問診療・病棟に分けて、それぞれ10~20名の範囲で具体的な年齢・性別・扱った問題(医学的疾患だけでなく精神面や社会的問題も)を詳しく記入できます。

これを、特定の1週間の間、毎日5日分記入するものでした。




最初は、「この調査に協力し、日本の総合診療医たちの現状がデータとしてまとまれば、横やりが入りまくって変なことになった総合診療専門医の育成制度をまっとうに戻していく議論に活用されたら素敵だなぁ」と思って、世のため人のためな気持ちで協力してみました。

しかし、実際やってみると、ものすごく自分のためになるなと思ってびっくりしています。





・・・・・・最近、ちゃんと振り返れてなかったんですよね。


忙しい というのはあるけど、それは振り返りをマメにやっている後期研修医たちだって同じことなので言い訳にはならんです(実際桁違いに忙しいとは思うけど、それをやりくりしてこそ指導医ともおもうし)

自分の振り返りを促してくれたりコメントしてくれるメンターがいないというのはけっこう大きいかもしれません。
メンター、ね。
メンターになって欲しいと思う人は何人かいるけど、たいていは道外か雲の上にいるのでそうそうつながれませんし。


あとは振り返った成果を見せたり評価される機会もないので、やる気が出にくいのもありますよね。
せいぜいブログにかくのと、あとは年度末のポートフォリオ発表会くらい。

でもブログは昨年末から急にアクセス数が減っていてけっこうやる気が萎えています。誰かの陰謀なのか、病院・家庭医とかのキー・ワードでGoogleの検索の上位に出にくくなってきているのも影響してるのか。
それにweb上に公開されるので、基本的に診療内容や患者についてはかけないため、ふだんの臨床へのこだわりとか臨床から感じていることはかけないんですよね。

また、ポートフォリオ発表会も、指導医の部はあからさまな手抜きポスターが多くて、その中で発表するためのモチベーション作るのはどうにもいまいちだし、そもそも年1回しかないので日々の細かい出来事は扱えないのもいまいちです。




ですが、この調査では、毎日、どんな活動に何分ずつ費やしたのか、そして外来や病棟や在宅でどんな患者のどんな健康問題に対応しているのかを書くのです。

負担にならないように最小限の項目になるよう配慮されていますが、それでも一日が終わったあとに一息ついて、その後に一日を細かく思い出しながら書き込んでいると色んなことを考えます。


「こんな患者のこんな問題にこういう工夫しながらこんなことしてこういうこと感じたよね」とか考えながら書いたり、

「今日はあれに何十分、これには何時間も時間割いたんだな」
「お、今日は昨日と違ってこんなことに時間割いたんだな」
「今日は1個ずつの時間は全部短いけどスゲー多彩なことやったんだな」
「1週間振り返ってみるとものすごく多彩なことを、でもしっかり地に足をつけて目的もブレずに丹念に地道にとりくんでたんだな」

みたいなことがとても良くわかりました。


この感覚は、だいぶ前に後期研修医たちと一緒につけた、タイムログ記録を付けたときと似た感覚でした。



やったことそのもの、タダの事実、情報を、淡々と書き出す行為そのものに意味があるし、それを1週間分くらい蓄積して俯瞰することも意味がありますね

個人的には、やったことリストをただ書き出すよりも、そのリストそれぞれにかけた時間を書き出したことがけっこう効果的だった気がします。

「時間がない、忙しい、ツライ、もうだめだ(TдT)」と感じてしまいがちですが、妙に過剰に時間をかけていたり、忙しいという主観と実際の時間にギャップがあったりと、主観・感情と事実・情報を切り分けて捉え直せるのはとても良いですね。

ミニ・セルフ認知行動療法的な感じでした。



というわけで、世のため人のため、(今後総合医を目指すかもしれない)後輩のためにと思って協力に立候補したことでしたが、回り回って巡り巡って自分のためになってラッキーでしたというお話でした。

お誘いを頂いた時に、グループ内の人達にも協力を仰いでみたりしましたが、自分以上に忙しいと思っている人達からは全くレスがなく、少し余裕があり仕事も人生も幅広く楽しもうと意識している人数名が立候補したということも、個人的には割と印象的でありました。

自分を自分で追い詰めていると、良い機会ですら見逃してしまうもんだなぁと。あ、自戒を込めてです。



でわ!


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「総合診療×リハ」に関する実践経験が増え、学会発表機会も次々降って湧いてきていて、何かの大いなる流れを感じます…

なんか、リハ的な流れがぐわーっと来ています。


背景としては、自分がリハビリテーションフェローシップでリハビリを学び、リハ認定医を持っているというのは有ると思います。

さらに、もっと大きなきっかけとしては、昨年「総合診療×リハビリテーション」の本を出したのが大きいと思います。
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これが総合診療流!患者中心のリハビリテーション 全職種の能力を引き出し、患者さんのQOLを改善せよ! (Gノート増刊) [ 佐藤 健太 ]これが総合診療流!患者中心のリハビリテーション 全職種の能力を引き出し、患者さんのQOLを改善せよ! (Gノート増刊) 楽天ブックス


しかし、それ以外にも他のイベントをきっかけとした個人的つながりや、自分はつながってないんだけど所属している組織に昔いた人から声がかかってとか、色んな形で「リハに関連したイベント」の声が掛かるようになりました。




たくさんありすぎて自分でもわからなくなってきたので、時系列で整理してみます。


うちの病院に来たのが2011年で、その年からリハフェローの研修も始めていました。


2013年頃から声がかかり始めたようで、最初はリハ卒後4年目の研究の相談がありました。

当院回リハ病棟患者全例のMNA-SF調査が行われ、その結果「めっちゃ低栄養いるわ!」というのがうちのセラピスト集団で共有され、その後から今に至るまで「回リハ入院患者に対して、全症例にMNA-SFでの低栄養スクリーニング」が行われるようになり、低栄養に気が付かずにハードリハして返って弱らせるという案件はほぼゼロになりました。

また、それで終わりでなく、「MNA-SFでスクリーニングすると多くの人が引っかかりすぎて、全例NSTにかけられないから返っていみなくね?」という次の疑問もでてきて、大量のスクリーニング陽性者を重症度別に分類して現場セラピスト、病棟管理栄養士・看護師、NSTチームがそれぞれ分担していい感じに全体関与する仕組みを作ろうという議論までは持ってくることが出来ました(具体化していくための壁がたくさんあって気が遠くなりますが、壁までたどり着けたのは大きな前進です)。

さらに、当時研究していた若手セラピスト君が他の関連病院では今や主任を張っていて、今度その病院でリハ栄養を盛り上げるための(というか医者にもっと関心を持ってもらうための)イベントの相談もされたりして波及効果が広がっています。


2015年にも、マッチョな4年目PTから、今度は運動耐容能をみるSPPBの全例調査について相談してもらえ、最初はただデータ集めて解析しました研究になりそうでしたが、最終的にはうちの回リハかんなの疾患別でのSPPBと在院日数やバリアンスとの関係が見えて、より早期の退院を検討するための材料になったりしていました。


2017年には、2013年の研究の発展版として、「全例最初にMNA-SFとるけどさ、その後の栄養状態の経時的モニタリングしてないよね。包括支払い病棟だからしょっちゅう血液検査出来るわけでもないからよくわかんないし・・・」という問題に対して調査が行われました。

結果として、「リハによって筋力やADLが大きく改善した人達でも、1~2ヵげつ以内に血液データが大きく動くわけでもないから持ち出し覚悟で全例採血するとか意味ないし、むしろ俺らセラピストがみれる体重変化や筋量変化とかが相関ありそうだから、俺ら頑張ればよくね?」みたいな結果がでたり

まあ、短期間のフォローではたりないけど、老健退院者のその後もみてみるといろいろ面白そうだぜということがわかってきて、将来は超急性期→回リハ→老健や施設と継続的にモニタリングできる仕組みやモニタリング項目の選定につながっていきそうな広がりも感じられました。


どれも、学術的な妥当性はやや脇においておけば(4年目の短期間でやる簡単な研究なのでそれでいいのです)、結果的には現場の切実な問題がきちんと言語化され、実際に測定され、その結果をみた驚きや納得が現場で共感し拡散され、現場の空気感が代わり、そしていくつかは実際に現場のプラクティスが変わった! みたいなのをこの数年で目の当たりにしました。




また、少し変わり種では、先日紹介した「看護学教授とその学生たちによる当院現場看護師解析研究」と似たテイストで、「リハ系教授による、当院総合診療後期研修医達解析研究」もありました。

2015年にお声掛けいただき、研修医達を集めて、まずは教授からの濃厚なレクチャーを受け、その前後での変化や、総合診療医のリハ学習ニーズなどを質的解析で検討した研究です(先日正式にPublishされたのでようやくここに書けます)

理学療法化学というリハ系雑誌の、2017年4月号に掲載されました。

原著「総合診療専攻医のリハビリテーションに対する意識と教育研修のあり方—質的研究—」です。
aaaaa
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/32/2/32_301/_article/-char/ja/


これも、現場の指導ニーズを、外部の、しかも多職種の視点で分析していただけたお陰で、今後自分がどのようにリハのエッセンスを、今の時点でそこまで明確されたリハ学習ニーズが気づかれていない若手たちに伝えるかを考える上でけっこうなインパクトがアリました。

更に今後は、研修医側だけでなく、セラピスト側の検討も行われる可能性があり、結果次第では「医師・セラピスト両者にとって、過度に負担にならず、潜在的ニーズに合致して相互にとってよい刺激を与え合える」ような研修環境構築のヒントを、勝手にもらえる可能性がでてきました。

すごい!!



ここまでの、リハ系職種による研究によって、自分や現場にガシガシ影響がでてきている!!というだけでもけっこう満足していたんですが、今年の2018年はさらにアクティブな、自分主体で外に打って出る感じのイベントのお声掛けが増えてきています。

誰かが背後で何かを操って、自分を何かいい感じに育てて何者かにさせようと暗躍しているんじゃないかと勘ぐってしまうくらいです。ちなみに「暗躍」って好きな言葉です。



一つ目は4月ころに企画されている、プライマリケア連合学会の病院総合医委員会(自分もこれの委員です)と、同学会若手医師部会コラボの学習企画です。

まだちゃんとした宣伝がでていないのと、オチを言ってしまうとつまらないので詳しくは説明出来ませんが、単なる内科学とか総合診療学だけでなく、その中の自分の出番で「リハ的視点、リハ的深み、リハ的面白さ」を上手く提示できるような役回りを担えそうです。

何名かの講師を立てて、協力・分担・リレー形式で一つの事例を深めまくるもので、他の先生方が超有名総合内科・診断学の神様みたいな人や、若手で台頭してきたなんでもやっちゃえる家庭医療の新星みたいな人達なので、敢えてその中で他の人と被らないように自分の見せ方を考えた結果「内科診断学にリハ医学を溶け込ませるとすげーぞ!」的なところを上手く伝えられればいいなぁと思いました。

どうなるかまだ見えていませんが、頑張ってみます。

これは、学会の委員会で議論していて急に出てきた企画で、当たり前のように自分が講師になる流れにただただ身を委ねていたらこうなりました。誰かに命令・推薦された記憶すらなく、とても自然な流れでこうなってました。不思議。



2つ目は、これも4月の最後にある、日本在宅医学会の第20回記念大会でのシンポジウムです。
無題
http://www.20zaitaku.com/


自分の出番は、
2018年4月30日 10:20〜12:00 第6会場
シンポジウム20:地域リハビリテーション〜リハ職のみなさん!飛び出せ地域へ〜
です。

在宅診療に命をかける様々な専門家の集う学会で、リハはちょこっと、在宅もちょこっとな自分が登壇するのは相当な場違い感がありますが、敢えて空気は読みすぎずにいきます。

「包括ケア病床のある地域密着型中小病院で働くリハ認定医ももっている病院家庭医」という立場で、病院のこと、総合医のこと、総合×リハの拡張性、Health promoting hospitalの可能性や、普段やっている多職種共同学習・地域連携などにもふれながら、学会参加者のみなさんが普段聞きなれない・あまり考えつかないような視点を提示して、その後の全体ディスカッションの幅が広がるような役回りを担えればと思います。

他のシンポジストとしては、理学療法士や作業療法士などで、行政側で働いていた(いる?)人や専門誌に記事書いちゃうような先生方なので、いろんな視点の組み合わせでいい感じになりそうです。

この企画は、大会長の先生が、「地域リハビリテーション」の視点でなんかいい感じの企画をしたいと考えていて、そんな折に冒頭で紹介した「患者中心のリハビリテーション」の本を目にしていただいたようで、他のお知り合いの先生にわざわざ私の連絡先を聞いてご連絡いただいたという流れでした。

やっぱり何か書いて世に出してみるものですね。

あと、普段の自分を知らない状態で、出版物だけみて依頼いただいたということは、何倍かよそゆきの背伸びした自分に対する期待感からの依頼だとおもうので、その期待を裏切らないように、というかいい方向で期待を裏切るくらいな感じで貢献できればと思います。



3つ目は、6月に開催される日本リハ医学会第55回学術集会での、「総合診療×リハビリ」コラボ企画のシンポジストです。
無題1
http://www.congre.co.jp/55jarm2018/


今までも、プライマリ・ケア連合学会側のほうにリハの若手が来てくれてのコラボイベントはずっとあったみたいですが、今回はプライマリ・ケア連合学会の家庭医・総合医がリハ学会側に参加してのコラボイベントとのことです。

出番は、6月29日金曜午後(予定)

セッション名はパネルディスカッション 若手医師のための企画「若手医師に聞いてもらいたい、患者アプローチとリハビリテーションのハナシ」です。

メンバーのバランスもよく、普通にかなり勉強になるセッションになりそうです。

座長は、佐賀医大リハ科の先生と、亀田ファミリークリニックのリハ×家庭医療両方いけるあの先生です。 

演者は4人で
若手総合内科医から「総合診療医が教える 明日から使える回復期病棟での発熱のミカタ」
自分(中堅病院家庭医?)から「リハ医に必要な総合診療的知識(ICFの生活機能以外を深掘りする方法)」
そしてリハ医から「リハ医に必要な内科的知識」と「リハ医に必要な整形外科的知識」です。

自分のところでは、ICFの健康、個人因子、環境因子を理解するための家庭医療学的理論体系・ツールや、これらの要因の組み合わせ方(複雑性や統合ケア)などを、事例ベースで紹介することで、リハ専門医を目指す人達が「あれ?家庭医療も勉強したほうがおもしろくね?」と思ってくれることを目指してみます。

まあ、普段院内で、総合診療後期研修医相手にやっているレクチャーがベースにあるので、あれをちょちょいときれいに整えて、いつもの調子で喋れば、外部・他学会の人からみたら相当面白い(やりすぎたらついてこれない?)くらいにはなるかなとタカをくくっています。
もう少し時期がちかくなったら真剣に考えます

これも、「総合診療×リハビリ」の本を出版する時、座長の先生に原稿執筆を依頼していたのが縁で、昨年のプライマリ・ケア連合学会の会場でも簡単にご挨拶する機会があって、今回連絡を頂いたという流れだと思います。
別に「今回原稿お願いしたんだから、今度はこっちに仕事回してよね」というお願いをしたわけでも、内心にそういう下心があったわけでも無いんですが、自然に繋がって活動が広がっていく感じは心地よさすらあります。


この3つだけでも「いやー、2018年すごいな。何だこの勢いは!?」と思ってたんですが、先月更に追撃のお誘いがありました。


4つ目になりますが、7月に道内で開催される、北海道リハビリテーション学会で「総合医からみた生活期リハについて」の教育講演(!!)をするよう司令を頂きました!
無題2

http://rehab-med-hokudai.jp/do-reha/

この学会は、日本リハ医学会の北海道支部(あっちはリハ医師の集まり的な感じ。認定医更新単位稼ぎになんどか地方会に参加したことはあります)ではなく、北海道の医師や多職種からなる独自の学会だそうで、どちらかというと多職種が元気に参加し、発表し、交流しているようなイメージだと思います。

さすがに、リハ認定医しか持っていないほぼ8割方総合診療医の自分が教育講演するのは結構ビビりましたが、話を伺った感じでは医師以外の多職種(セラピストや看護師)の発表も多い学会で、自分の他にもう一人の教育講演する人も医師以外だと聞いて少し安心しました。
道内のリハ・看護系なら、上の方で書いた研究関係でお知り合いになった先生方や、うちの法人のリハ関係者もいるかもしれないので、そこまでアウェイ感はないかもしれません。

なにより、今回お誘いいただいた先生は、もともとうちの法人のリハ医をしていた先生で、直接一緒に働いたことはないですがお噂はかねがね同世代の先生方から聞いており、この学会の偉い立場でもあるということで、大いなる流れと勢いを感じてなされるがままにお引き受けしました。

この先生からは、昨年もお誘い頂いていて、そのときは「日本リハ医学会で地域リハ・在宅リハを盛り上げていく組織を作っていくので、その偉い人に紹介するから顔出せ」的な、これまたなんだかすごい話でしたが、医師体制や他の予定で参加できずお断りしていました。
その引け目もあったかもしれませんが、今回は他の3つのイベントのイメージが頭にあったり、リハ関係のコラボ研究の面白さが身にしみていた時期でもあり、最初に頂いた電話の時点で二つ返事で引き受けてしまいました。

たぶん1時間くらいの持ち時間ということらしいですが、自分の経歴や資格が基準を満たせばリハ関連学会の単位認定もされるよう調整中らしいです(自分の話をきいて、学会の資格取得・更新の単位が認定されるって、書いてみるとなんだかすごい話ですね…)



どの話も、誰かのお誘い、お導き、引き合わせなどが介在していたり、他の視点から考えると絶望や悪い知らせだった(詳しくは書けませんが)はずなのにそれが二転三転してひっくり返ったら自分のやりたいことに化けてたり

リハビリ認定医とったり、リハビリ×総合診療の本だしてからしばらくたちましたけど、なにかの大いなる力なり流れなりが動き始め、同時多発的にいろんなことがおきる2018年になりました。



一連のイベントおわったら振り返ってみて、今とはどういう風に違った世界が見えてくるのか、それを踏まえて次にどこへ行くのか考えてみたいです。




ちなみに、それと関連があるわけではないですが、いま医者が足りない影響もあって病棟直接主治医対応する数が一定いるんですが、その患者のなかで「リハ的要素の大きい患者」がけっこういて、これも何かの偶然なのかと不思議に感じています。

単に、ほぼリハのみの症例や、リハの評価や計画立案が難しそうな症例は、忙しい時期にリハ知識まだ少ない若手が担当するよりも自分がちゃちゃっとやっちゃったほうがみんなの負担少ないと判断して、意識的に自分で担当しているのかもしれませんけど。


他の病院から回リハ病棟転院の紹介があり、回リハ病棟に空床できるまでのつなぎとして内科の一般病床や地域包括ケア病床でうけて、担当するケースがけっこう面白いです。

内科的合併症の有無や病状の評価をしておいてセラピストがどの程度負荷かけてよいのかの安全管理しておいたり、

骨折症例では骨粗鬆症に対する1~6ヵ月もつ点滴をしておいて時間稼いだりとか、

老年症候群、特に認知症の病態評価して、かかわりや教育上の注意点を整理しておいたりとかの、アシスト的な仕事はけっこう楽しいです。


けっこうマニアックな部位の脳卒中で、特殊なリハが必要だからそっちで総合医×回リハでいい感じにやってとねじ込まれた症例でも、内科学的診断、老年・精神医学的評価、そしてリハ評価・嚥下評価を詳細に行い、その全体像を統合して、セラピストや他科専門医とも相談して方向転換して、けっきょく回リハじゃないほうがより適切という結論になったり。

他、在宅や外来で、徐々に弱ってきてギリギリの生活になってきていて、内科治療学だけではどうにもならない人たちがいて、肺炎や心不全で入院して2週間弱で通り過ぎていく間に問題点を整理して、介入方法を整えて戻していったり

そもそもリハ的疾患や主訴でなくてもICFで評価することで、非がん終末期ケアの論点整理ができて、臨床倫理的に非常に難しい問題でもあっさり方向性が決まってきたり


まあとにかく面白いです。

この2ヵ月くらいで、次のリハ認定医更新のレポート症例全部確保できたんじゃないかってくらい多彩でした。(更新って症例レポートいるのか把握してないので調べないとな)




そんな感じで、リハを楽しんでいますが、それでも自分の働き方や心の中のアイデンティティは「総合診療医ど真ん中」でぶれてないのが、また一層面白いなぁと思います。

傍からみていても、自分のことを「あ、リハ医だ」と思う人は、学生や研修医でもいないと思います。


この感じが、Subspecialを持ったがゆえにSubgeneralっぽくなってしまう現象ではなく、その地域のニーズに合わせて特別な関心領域を深めつつ常に総合診療を実践し続けた「Generalist with specialinterest」の境地なのかなと思ったりします。

総合医になった後やその前に「とりあえず自分が頼りにできるサブスペを持っておこう」ではなく、「常にジェネラルをやりながら、必要に応じて必要な分だけ関心とニーズに応じて付け足していけばいいんだよ」ですね。

だいたい、今の時代の総合医が20年先どころか、5年先に必要とされる能力すら予測しきれないんだから(そもそもキャリアも読みきれず5年後にどこで何してるかもわからないし)、先に用意しておくなんて無理な話ですよね。



話がそれました。

総合医ですが、リハ的活動が広がるダイナミックな2018年がやってくるぞ!!というお話でした。

がんばります!!


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看護学生による当院看護実践の研究抄録が届きました。大学との連携、看護学×家庭医療学など色んな可能性が見えてきた衝撃的な経験でした

先日、「旭川医大の地域看護学講座の教授・看護学生」による、「当院こども診療所看護師」を対象とした現場の智を解析しようとした質的研究の抄録が届きました。

出来上がったものを目にすると、やはり感慨深いです!!


まだ全文は見れていないので、詳しい批判的吟味や内容紹介は出来ませんし、web上では公開されていないので(看護学生の卒研だからしょうがないですね)、なんとなくふわっと想像してください。

抄録みたい人は、行ってくれれば共有しますよ。


ざっくり説明すると、うちの病院のある地域は、札幌市内でもトップクラスの社会経済的状況のよろしくない人達のおおい地域なんですが、日常的に内科外来や小児科診療所に運び込まれる問題もまあそれはそれはかなり多彩で深く複雑なものがたくさんあります。

最初、医師が研修として足を踏み入れるとそのディープさにびっくりしますが(慣れる人は慣れるし、だめな人はずっとダメだったりします)、そこで働き続けてきた看護師さん達は、それはそれは鮮やかに対応しているんですよね。

その、経験と直感で行われているナイス看護なんですが、経験と直感に基づいているが故に言語化して外部に発表することはなかなか出来ておらず、新人看護師や中途採用看護師に効率よく伝達することは難しいのです。

そんな話を、地域分析の企画で旭川医大地域看護講座の教授とお話しているときに「お、それ面白いねぇ!」と注目していただき、実際に看護学生達を引き連れて研究しに来てくれ、インタビューを行い、質的分析を行い、まとめてくれたというわけです。



「なんで、そんな場末の地味な病院の看護師の能力について、大学の教授が目をつけるきっかけがあったんだ?」という部分の経緯をもう少し説明するとですね・・・

自分が昨年のプライマリ・ケア連合学会地方会で、白石地区の地域分析結果をプレゼンしたのがたぶんきっかけです。

それを見に来ていたその講座の教授と看護学生が関心をもってくれまして、後日連絡をいただきました。

とてもよいお話だったので、とりいそぎ師長室の総師長・副総師長に繋いだところ乗っかってきてくれて、

日時と場所を設定して、教授・看護学生たちと師長室の面々の面談をセッティングし、あとはトントン拍子に進んだようで、最終的にはうちのこども診療所看護師を対象にして「相対的貧困率の高い地区の地域密着型中規模病院における小児科外来の熟練看護師が行う親子へのケア実践」という質的研究をまとめてくれましたというわけです。


振り返ってみると、全然別件とはいえ「学会で活動報告を発表したこと」で、大学の人達の目に止まったというのが大きいので、やはり「自分の活動や関心は、形にして、内部学習会だけでなく外部に発表する」事そのものの意義は大きいなぁと思います。


抄録読んでみましたが、「ベテランさんの職人芸」みたいになって伝承・発表困難な看護師の能力を、外部の研究のプロの目線と技法を借りて部分的にでも言語化できたのは大きなことだなと感じています。

師長室もたいそう盛り上がっていて、単に「研究されて嬉しい!」でおわりではなく、結果を現場にフィードバックして若手看護師育成に活かしたり、他の部門でも同様の試みをしていきたいと言っていました。

医者の立場からそういうことしてよと要求してもなかなか難しいものですが(うちの法人は壁がほぼ無いとはいえ、さすがに師長室の中に入り込んで外から注文つけ放題とはいかないですね)、外部の目線が入ったこと、同じ看護師達による研究であること、よそでの成功例の直輸入でなく「普段自分たちがやっていること」の強化・伝播であることなどが、意識変容につながりやすい要因なのかもしれませんね。

……なるほど。書きながら「そういうことだったんだ、あのリアクションは」と今気づきました。外部によって研究してもらうことのメリットは大きいですね。



そんなこんなで、わたしがこの数年目指してきたことが、とりあえず一つ形になって感慨深いです。

外部の研究のプロのちからを借りて、面白い現場と、とても味わい深いスキルを持つスタッフがいる勤医協の舞台を貸して、他に例のない斬新な研究をしてもらうことで、学術界にインパクトを残しつつも、

その結果を現場にフィードバックして「現場の実情にそった、質改善や教育の仕組み」を作り、「この地域の、この患者・住民達が直面している課題」に対するより最適な活動を展開していく


というスタイルの第一歩が実現したと感じられて、けっこう感動しています。



また、抄録集を眺めて他の学生たちの研究もさっとみてみましたが、改めて「看護学部の研究は、家庭医から見てどれも面白い!」という感想も、改めて持ちました。


なかなか、今の環境で働きながら、札幌市内の医学部の社会人大学院生になって、公衆衛生とか学びながら研究スキルを高める。というのは難しいなと感じていました。

北大とかでそういうコースもあるんですが、割とハードそうで仕事のほうが一定犠牲になりそう(かなりセーブしないと無理だけど、セーブしたぶんを他の人に任せられるほどは人手が足りていない)なので、「んー、後5年後くらいかなぁ。5年経った頃に、新しいことを深く学ぶ余力が残っているかなぁ」と、毎年同じようなことを繰り返し考えています。

また、一般論としての公衆衛生を学びたいとか、公衆衛生の学術界で名を馳せたいわけではなく、現場で家庭医療を深めるために実践と研究が融合したスタイルを習得したいので、ちょっとイメージと違う感じもします。


そんななかで今回の看護学部の人達とのコラボを経験することで、「医学部でなく看護学部の教室に所属して、多職種協働学習の経験値を高めつつ、家庭医療×看護学での研究手法を身につける」というのは、実は自分のキャリアや関心からいうと、ちょうど真ん中のドンピシャな気がしてきました。

そういえば、自分の家庭医療のお師匠様は、もう何年も前からそんな活動してましたね。当初はなんで「看護なんだろう?」と疑問でしたが、なんかわかったような気がします(思い上がりと思いますけど)。


そういう意味では道北勤医協は非常に条件がよく(今回お世話になった旭川医大があるので、地理的条件も非常に面白い。もちろん看護学講座だけでなく、あそこの医学生達への教育イベントもとても面白いのでなお都合が良い)、今回の経験をきっかけにしてまた新たな関わり・展開を妄想したいなと思いました。

数年以内に今の病院を捨てて北に移動してやるぜ!と言い出すわけではないですが、視野を広げると色んな可能性があるんだなと思えたのは大きな収穫です。


札幌市内でも看護系の大学・教室いろいろあるけど、どこがどんな活動していて自分の関心と親和性高いか知らないなぁ、そういえば。

今度市内で看護系の学会とかあったら顔出して見ようかなと思います(今回自分が発表して声かけてもらえたように、自分が参加して面白いの見つけたら声をかけるという逆パターンから何かがうまれるかもしれませんし)

看護系学会のどれが面白いかとかスケジュールとか、どうやって調べたらいいんすかね?師長さんたちにきいてみるか。


うん、面白くなってきましたヽ(=´▽`=)ノ




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研究成果を英語で発表するか否か

2015年ころに書きかけていた下書き記事を見つけてきました。


当時悩んでいた、「自分で研究するとして、それを論文として発表するときは”原則英語雑誌”に投稿すべきかどうか」というテーマについてグダグダ書いてました。



そのきっかけとなったのは、以下の記事です。


星空の海にただよえば
【RCT】冷凍したイカやサバを使っても寿司の味は落ちない(Clin Infect Dis 2015; 60: e43)"‪
http://yaplog.jp/dacho_okbokujo/archive/1915








いつも勉強に活用させていただいている感染症や集中治療系の論文のアブストラクトを日本語解説し、その後に個人的解釈や解説を付け加えてあるサイトで、とても参考になりますよね。

今回紹介されている研究も、内容はとても好きなもので非難する気は全くないですが、これを当時読んで「んー、これもやっぱり英語論文なのかなぁ、そうかなぁ」とモヤモヤと考えてました。




この研究を「感染症専門医が英語で海外の感染症雑誌に出すのがベストだったのか」がわりと長いこと、1ヶ月位ずっと引っかかってしまったんですよね。

この研究イケてないわということを言いたいのではなく、「もし自分が同じ研究をやっていたとしたら、どういう思考過程で、どの媒体にどのような形で発表するだろうか?」という仮想実験をずーっと頭のなかで考えながらモヤっていました。。



私は以前読んだこのブログ(毎日精いっぱい生きる事が一番の修行なのですII)の「インパクトファクターと読者数(academic value vs fidelity)」という記事がとても気に入っていて、迷いが生じたらこのページをまた読んで、「うん、そうだよね」と納得するのを繰り返しています。

学術活動は「広まってなんぼ」というか「読んで欲しい対象読者に伝わって、その人の行動がかわり、地域が変わらないと意味ないんじゃない?」ということを、講演や執筆や研究するときにはできるだけ意識するようにしています。



そんなことを常に考えている自分の目で、冒頭に紹介された論文を読むと、こんな感想をいだきます。

「魚を生で食べよう」という人は英語圏の人たちよりもアジア圏、特に日本人が圧倒的に多いんじゃないかと思うので、「日本語で書いて日本の雑誌に投稿」がいいんじゃないかという気がします。


その後自分のブログで日本語化して公開とか、こうやって他の人が日本語で紹介してもらえるところまで計算すればよいのかもしれませんが、学術界で評価される必要性がキャリア上全くなければ最初から日本語で、且つ広く読まれる媒体を選ぶのも一つの手だとおもいます
(もちろん、あの論文の筆者は大学教授なので、もちろんインパクトファクターも重要だとおもいますので、この論文が英語で発表されたこと自体に異を唱えるわけではないですよ。自分の立場だったらの話です)。



また、やり方というか、主研究者を誰にして、発表媒体をどうするかも少し工夫出来るかもとも思ったりします。


感染症専門「医」が主研究者をやるのではなく、管理栄養士や調理師など(できればその業界で割と名前が知られている人)が主研究者になって、自分はアドバイザー・共同研究者として名を連ねる(名前だけでなく専門性の担保に貢献する)。


そして、調理関係者が最も読む雑誌(多くの現場で定期購読されていたり、ページビューがめちゃくちゃ多いアルファブロガーに乗せてもらったり)に出すのが、最も手っ取り早く「日本の寿司業界がかわり、日本の無駄なアニサキス症が減る」という最終アウトカムに直結するような気がします。




そんなことを考えてしまうので、良い研究ネタがあっても「自分がやるのが最善ではない」と思ったら、研修医や他職種に振ってみたり、SNSやブログでつぶやいてみて誰かもっとふさわしい人にやってほしいな(自信がなければ自分も手伝うから)というスタンスを取ることが最近は多いです。



というふうに考える癖がついてしまったこともあり、少し前行った研究(海外のエビデンスって日本の中小病院でぶっちゃけどうなのよ?という低栄養と予後に関するコホート研究)は、「何が何でも日本語で出そう」と思っていました。ブログでそのように宣言したこともありました。


でも多くのお世話になった研究関係者の勧めや、「一度は英語論文を書く経験を積んでおきたい」という完全に自分視点の理由で英語で書いてしまいました。
結果的にアクセプトされ、学会賞もいただくことができ、Pubmedにも掲載されました!


でも、その論文は、うちの病院のリハセラピストや管理栄養士は誰一人読んでない、というか存在を知らないんですよね。

スゲー意味ねーなぁと思ってしまいました。



まあ、自分で院内学習会開いて伝達したらいいのかもしれませんが、自分の学術的功績を院内で宣伝するのってなんだかなぁと一歩引いてしまうので、NST主催の学習会でチラチラ引用する程度です。




そんなこんなで、「偉そうなこと(学術界の業績よりも、現場がどう変わるかのほうが大事だぜ!!的なこと)を行っておきながらも、ちょっと調子に乗るとぜんぜん違うことをやってしまうなんて、自分の志がこんなにもふにゃふにゃだったなんてがっくり」と思っていたところに、冒頭の論文をみたり、それ以外にも「英語論文こそ正義!」みたいな主張を当時次々みていて、モヤモヤが大きくなっていた感じでした。懐かしいなぁ・・・



というわけで、今後もぶれながらいろいろやっていくと思いますが、「日本の現場で役に立つ研究を、日本語でまとめ、学術誌以外も選択肢に入れて積極的に発表していく」ことの意義を改めて胸に刻み、このブログやSNSもその延長のつもりで日々頑張っていきたいと思います。


英語論文書くのが嫌だーという本音に対するいいわけでは無いんですよ。たぶん。




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久しぶりに量的な臨床現場の研究してみます。普段の主観を数値に置き換えて眺め直すの、けっこう好きなんだなぁと再認識

久しぶりに研究してみます!!!

超久しぶりです。



病棟の低栄養と転帰との関係を調べて学会発表したのが、最後は2014年のJPCA。
http://blog.livedoor.jp/gp_ken-portfolio/archives/cat_434055.html
→論文化済

外来の複雑さなどの分析を調べたのは、2015年のJCPAでした。
http://blog.livedoor.jp/gp_ken/archives/8855201.html
→論文は書いたけど、Acceptされず協会内の学術誌に載せてもらおうかと最後のあがき中

あとは、去年のJPCA北海道地方会で、地域分析についての簡単な発表をしたくらい。
http://blog.livedoor.jp/gp_ken/archives/cat_109510.html
→これはどっちかというと活動報告的なので、論文にはしないかな。


ブログの「臨床研究・学術活動」のカテゴリ選んだのも久しぶりでちょっとドキドキしてしまいます。



今回はちょっと目先を変えて、継続的な外来と訪問診療の患者をテーマに、急変予防や臨時入院についての調査をしようかなと思っています。

Ambulatory care-sensitive conditionsという概念やフレームを使って、実際うちの外来・在宅患者はどの程度急変し、そのうちどの程度が予防可能で、そういった予防し得たかもしれない事例のうち実際に予防の手を尽くせていたのはどれくらいか。

そして、その結果を踏まえて、当院のかかりつけ患者の健康に責任を持った医療活動を展開するためには何をすればよいのか。


そんなことを明らかにするために、まずは現状調査をしてみようかなと思うようになりました。

うちの患者が急変したときに受けてくれる病院が、「あいつらは急変しても見なくて楽でいいよね」と事あるごとに言ってきてイラッとしたり、でもたしかに急変を予防したり、急変後に自院内で完結できるような早期対応をするために手を尽くせているかというと穴もたくさんある状態ではあります。

それに対して、対抗心やイラツキをエネルギーにして何かやるというのは、やっていて心も体もボロボロになるし、改善できたたところで相手方に感謝されたり褒められたりすることもなく虚しいです(急変で迷惑をかける頻度が減るだけで、何か目に見える良いことが相手におこるわけではないですからね)。

ただ、連携室の室長だったり、在宅診療部に管理部として関わったり、内科科長として外来患者のアウトカムに責任を感じながらやっているなかで、「何かはしなきゃ、したい」という気持ちはずっとあるままくすぶって。


一方で、そろそろまた研究したいなぁという思いがでてきてり、一方で知り合いや憧れている人が何処かの医学誌に論文掲載されてるのを見て凹んだりふてくされたり、そんな行ったり来たりを繰り返していました。

色んな人に助けてもらったり、一緒にやってみたりしながらなんとかやっていきたいというのはずっと考えてはいることですが、自分個人の内側から生まれでて強い情熱が惹きつけられるような「自分がひねり出したリサーチクエスチョンに、徹底的に個人的にこだわり抜いて追求する」というあの楽しさも忘れられません。

そういえば、過去にやった研究達も、「いま自分の周りでは何がおきてるんだ? 思いつきや勢いでなく、真に重要な取り組みにエネルギーを注ぎたい!」というどこから沸き起こってきたのかわからない情熱に突き動かされて、気がついたら研究計画書を書き始めてしまっていた。みたいな感じでした。


そんな外的、内的、その他もろもろのタイミングがたまたま噛み合う中で、今週金曜日の「朝のワンポイントレクチャー」(医局の全科全医師が持ち回りで、自分の科のトピックスなどをわかりやすく数分で伝えるイベント。10年以上続いてますね)の担当が当たりました。

最近は「どっかで発表した資料を使いまわして終わり!」で済ませることにしてたんですが、今回は発表したいと思えるような直近のアツいネタが思いつかず困っていました。


そんな時に、ちょうど昨日の当直があまり呼ばれず時間ができ、JPCAの演題募集が延期になり、ちょうど12月は急変が多かった時期だったためハイリスク事例に絞ってデータが取れそうだなと思っていた時期でもあり、「ん、やるか!?」と急にスイッチが入ってしまいました。

昨日朝1時間早くおきて先行研究や日本語のテキストなどをかき集めてさっと目を通して、夕方に30分程度で結果・結論以外の抄録をかきあげて、あとは夜中のスキマ時間3時間程度かけて12月入院した60例の全サマリー・カルテなどを眺めながらエクセルにデータ入力し、今朝の30分位で抄録に結果と結論書き足してエクセルの表も簡単につくって完成させちゃいました!

その気になれば出来てしまうもんですね。


今回は急変ですでに病棟に入院しちゃった事例をもとに、過去の要因を遡るケースコントロール的な視点で、かつパイロット的に実現可能な範囲で1ヶ月分だけ調べてみましたが、それだけでも多くのことが見えました。

先行文献みてアウトカムや暴露因子等をきめて調査したんですが、手間の割にアウトカムと関連なさそうな項目や、調べてみても欠損データが大きすぎて手間の割に解析が出来なさそうな項目が見えたという意味では、今後本格的な調査する前の「調査の仕方」を考える上で有用でした。
できれば、予約外来+訪問診療全例をコホートして1年間前向きに調査したいので、最初の計画の制度をちゃんとあげて「3ヵ月やってみたけどやっぱ無理」とか「面白くないな」とかいって途中で止めたくないですしね。

また、たった1ヵ月でも、先行研究と対比しながら色んなことを考えることが出来るデータがでて、それをもとに「2年前から構想中だったあれが実現したら現場がかわるかも!?」と思えたり、「今進めているあれを、ちょろっとだけこうしたらこんなことが起きるかも」と思えてとても楽しく、やる気も出てきました。


「研究のための研究」、「学術界での立ち位置を高めるための研究」ではなく、「現場での臨床のレベルを高め、自分の能力や意欲も引き上げ、病院や部門単位で最大の成果を上げるための、カイゼン行動につなげる前提の調査」はとても楽しく、性にもあっているなぁと思います。

やっぱり、後期研修終了後のフェローシップ・FDとかでも、「現場レベルでの、思いつきではなく理論や方法論をきちんと用いて、地に足の着いた現場調査やニーズ評価ともすり合わせた活動」を課題にしたり、その課題を通した成長を促すための仕組みみたいのはあったほうがいいんだろうなぁと思います。

自分にとっても、家庭医療専門医取得→1回目更新がおわり、2回目の更新に向けて「研究エントリーのポートフォリオ」を書き始めるような気持ちで、「自分の成長や学びにもつながる形」で続けたいなという気持ちになれていてとても心地よいです。


まあ、まだなんちゃって研究で、統計解析処理もほとんどしてないのでこのままではどこにも出せませんが、また次の機会には12ヶ月分のデータを取りきって、季節変動や曜日・時間帯要因も加味した検討してみたいなと思います。

1ヶ月分のデータ収集で3時間なら、12ヵ月分で36時間=1.5日分もかけるようなヒマは今後一生ないとおもうので、現在の電子カルテシステムや、各事務部門がルーチンで出しているエクセルデータなども上手く拾い集めながら省エネでやれたらいいなぁとも思います。
だいぶ、院内の情報の流れは見えてきたきもするので、程よい資料が見つかるはずです。
また、そういうふうに本格的にデータ取る段階までいけそうなら、倫理委員会にちゃんとした研究計画書をだして承認も貰おうかなと思います。


そしてそして、病棟の後ろ向き解析はわりとどうでもよいパイロット研究でしか無いという感覚なので、出来上がったものは地方会でちょろっと発表するか、ハードル低めの学術誌か法人の医学雑誌に出して締まって済ませてしまい、本番の「外来・在宅患者の前向き検討」を2年計画くらいで形にできればいいなぁと思います。

これも項目決めて、計画きちっと出来たら、普段の日常業務の中で取れるデータをもとにして地道にデータを収集して、いい感じに形にしたいと思います。

こっちはちゃんとできたら、全国学会で発表したり、それなりのレベルの学術誌に投稿して(そしてRejectされたりしながら)深めていきたいなぁと思います。



うん。よかった。やりたいことが決まって。

しかも、仕事の延長線上で、今の働き方をより良いものにするための前向きな(現場の現実から逃げるためのものではない)テーマ設定になって、我ながらとても良いなぁと思います。



あと、いまメール何名かに送っていますが、書籍もひとつ、今年中にきちんと書き上げて世に出したいと思いますのでご期待下さい!

色々と感じる閉塞感や絶望感は消えませんが、それに愚痴をいったりひねた態度をとっても事態が好転するわけでもないので、まあ前向きに、できれば生産的に取り組んでいきたいものですね。



でわ!!!










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地方会口演「病院家庭医が 地域ケア に踏み出すために」の発表資料公開

先日(2017年6月24日)に開催された、プライマリ・ケア連合学会 北海道ブロック支部 地方会で発表した、地域分析がテーマの口演発表の資料をシェアします。


6分の発表時間に膨大なデータをいれてしまったため早口となり、また時間オーバーしてしまったため質疑応答の時間が短くなり、しかもその後ワークショップの準備ですぐに会場からいなくなってしまったため「質問したかった」とか「資料もう一度じっくり見せて」というご意見を複数頂いたため、公開することにしました。

170624 Hpca口演「地域分析」佐藤健太 共有用 by けんた on Scribd




今後論文化していくことを目指す学術発表であれば、原則はweb上への学会発表スライド公開すら自己剽窃と取らられることがあるようですが、今回のは分析結果とは言え活動報告に近くてPeer review付きの学術誌に投稿するような内容ではないのでいいかなと思いました。

もしまとめるならアクションリサーチの体裁でだとおもいますが、どうやってまとめたら体裁が整って学術誌に掲載誌てもらえるレベルになるのかの知識が皆無なので、それはおいおい勉強していこうと思います。

活動報告のかたちのままでも、プライマリ・ケア連合学会の実践誌の方(学術誌よりもフランクな、総説や活動報告や連載などがあるやつ)になら投稿できるかもしれませんね。
(いちおう先日届いた夏号巻末の投稿規定みるとイケるように読めますが、実際どうなんですかね)



内容としては、「病院家庭医」なのに地域に出ていけないという個人的背景と、そうは言っても社会的困難事例が次々搬送される現実を「背景」として簡単にまとめて、

「結果」としては、病院のある白石区内でのハイリスク地域とハイリスク年齢層を推測できそうなデータを、マクロな公開データとナラティブな関係者からの聴取データ、ミクロな当院内部で解析したオリジナルデータを絡めあわせながらまとめました。

「考察」としては、歴史的にも「貧困の再生産」の視点からも、成人や高齢者医療をするためにも「小児や母親へのアプローチ」が必要なことが見えてきました。



それぞれのデータは、バラバラの目的でバラバラの時期にできたものです。

しかし、同じ地域・同じ病院で一つの目標を持ってずっとやってきて見えてきた視点を縦糸にして繋ぎ直していった結果、結論としてたどり着いたのが

「いま病院として力を入れつつある子ども食堂や高齢者サロンの重要性」や、

「自助・互助・共助ともつらい地域において、地域包括ケアシステムに主体的院関わろうとしている当院のスタンス」など、

今の病院の方向性や戦略に合致するところにまとまったのはけっこう新鮮な驚きでした。


まあ、そういうのを意識しながら臨床したり学会発表しているので、その結論に落ち着いたのはかなり自分の主観が入って誘導したともおもいます。
ので、量的研究の立場で「科学性・客観性がどうこう」と言われるとそうとう肩身が狭いですが、質的研究・アクションリサーチの視点ならむしろありかなとも思ったりします。



また、最後に参考としてだしている「地域格差対策の7原則」もわかりやすく、病院として地域健康増進に関わる戦略を考える上での参考になるかなと思っています。

http://www.iken.org/project/sdh/pdf/15SDHpj_part1_main.pdf




赴任から6年経ってようやく「現状が見えてきた」所止まりかと思うとため息しかでませんが、それでも現状は見えてきたし、自分の指示した範囲でしか動かないのではなく「自分の意志や指示とは無関係のところで、偶発的・同時多発的に同じ方向性に向いた活動が出はじめる組織で勤務できている」ことは結構感動モノという気もします。

将来の野望の一部として、「健康増進に力を入れた、持続可能で発展性のあるまちづくり」がありますが、そのために自分がスーパーヒーローになって牽引するパターン(そして自分がいなくなってもとに戻る)は違うんですよね。

自分は「触媒」としていろいろを誘発しつつも実際は他の人達が自発的・無意識的に健康増進的アクションを自然と、そして連鎖反応的にし続けて、自分がふといなくなっても誰も気づかずに健康的な町が維持・発展していくというところを目指しているので、けっこう自分的には深いところがふるえる体験でした。



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【学会参加報告】第8回JPCAin高松の個人的参加メモと、関連webページリンク

学会の参加報告記事をアップします。



1週間経ってしまいました。

普段は帰りの飛行機で原稿まとめて、病院への提出フォーマットへの転記と、総合診療グループ内での共有すませて、そのあとこのブログにもアップロードしていたんですが、

今回は帰りの飛行機ではかなり力尽きていてパソコン画面開く気になれず、戻ってきてからも1週間暇な時間がとれずでこんなになってしまいました。



今日もあんまり余力はないので、簡単に済ませます。



個人的に取ったメモのうち、他の人の研究発表内容を削除して、個人名も気づいた範囲で削除したバージョンです。
もし、「この内容はまだ公開しないで」とか、各所に差し障りのある内容・表現があればすぐに修正しますのでご連絡ください。

2017年5月12日JPCAin高松二木会公開用 by けんた on Scribd





あとは、自分が発表や運営に関わった3つのイベントの、関連webサイトのリンク張っておしまいにします。


1つ目は、社会的健康決定要因に関連するワークショップ
セッション:プレコングレスワークショップ
企画名:退院前カンファレンスを変えよう〜LIFE SUPPORT カンファレンスのススメ〜

全日本民医連 総合診療医若手医師部会
https://www.facebook.com/groups/255224448191496/
→民医連の病院で働く「たぶん自分はまだ若手」と思っている総合診療関係の方(医師に限らず)は参加随時募集中なので、ご連絡ください。現在他職種含め55名です。



2つ目は、学会の病院総合医委員会主催の、病院総合医による病院総合医のためのワークショップ
セッション:ワークショップ 3
企画名 今後の病院総合医が地域で生き残るための変化とは

日本PC連合学会(JPCA) 病院総合医 委員会HP
https://pc-hospitalist.jimdo.com/pc%E5%AD%A6%E4%BC%9A-%E9%AB%98%E6%9D%BE2017%E3%81%AB%E3%81%A6/
→今後も関連情報を集積していく予定です。このページの管理担当にもなってしまいましたので、要望やクレームあれば教えてください。



3つ目は、学会の男女共同参画委員会メンバー主催の、ワークライフバランス・出産育児支援関係のシンポジウム
セッション:シンポジウム18
企画名:「総合診療医」が生き残るために シーズン3
~勤務スタイルの多様性受容のclass upを目指して~

日本プライマリ・ケア連合学会(JPCA) 男女共同参画委員会HP
https://www.primarycare-wlb.com/%E6%AC%A1%E3%81%AE%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88-%E6%97%A5%E6%9C%ACpc%E9%80%A3%E5%90%88%E5%AD%A6%E4%BC%9A-%E9%AB%98%E6%9D%BE/%E6%97%A5%E6%9C%ACpc%E9%80%A3%E5%90%88%E5%AD%A6%E4%BC%9A-%E9%AB%98%E6%9D%BE/

ちなみに、発表してきた「子育て中専攻医向け」の後期研修プログラムの病院ホームページはこちら
http://www.satsubyo.com/for_medical/education/program_family_practice.html





おまけで、事前にまとめていた参加予定のイベントの一覧と

第8回プライマリ・ケア連合学会学術大会in高松の、主催側じゃない参加したいイベント決めました


主催者側で関わった3つのイベントの抄録とかまとめたページです。

第8回プライマリ・ケア連合学会学術大会in高松の参加予定イベント



以上です。

リンク貼るばっかりの手抜きですいません。




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高松へ行ってきます!

いろいろと不安を残しつつも、なんとか準備と備えはできたと思うので出発します!

高松で開催される、プライマリ・ケア連合学会へ!


7時半に自宅でて羽田経由で会場入りは14時半という、7時間の移動で開始前から疲弊しそうですが、できるだけくつろいだ気分で向かって体力・気力温存しますよ

メールも全部みて、論文RSSも全部既読にして、担当セッションの準備もたぶん万端なので、あとはマンガや小説読んだり、昼寝したりして過ごしても大丈夫なはず…。


では、みなさん、会場で!!





出番や参加イベントはこっちにまとめてます
http://blog.livedoor.jp/gp_ken/archives/9545462.html

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プライマリ・ケア連合学会北海道地方会に、一般演題が採択されました!!

今週末はプライマリ・ケア連合学会(JPCA)の全国学会で諸々発表などありますが、来月にはJPCA北海道地方会があります。



関連webページはこちら
http://jpca-hokkaido.jp/第5回北海道地方会開催のお知らせ


チラシ文面をコピペします。
=====================
日本プライマリ・ケア連合学会北海道ブロック支部  第 5 回北海道地方会
 
【日  時】:平成 29 年 6 月 24 日(土)13 時 30 分〜18 時 10 分
【場  所】:かでる2・7(北海道立道民活動センター  札幌市中央区北 2 条西 7 丁目)
【参加費】:支部会員  ¥2,000    非支部会員  ¥4,000    学生・初期研修医  無料
 
【プログラム】
1.   開会のご挨拶(13:30  〜  13:40)
2.   総会  (13:40  〜  14:00)


3.   学術発表  (14:00  〜  15:00)
「口演(一般演題)」
「じぃんとしたり,グッときた事例や実践のポスター発表会」
※詳細は募集要項をご覧下さい.

4.   ワークショップ,シンポジウムなど  (15:10  〜  16:40)
①   ワークショップ1:
旭川医科大学看護学科教授  照井レナ氏監修!
「IPE de IPW  〜かかりつけチームになる!〜」

②   ワークショップ2:
「退院前カンファを変えよう  〜LIFE SUPPOT カンファのすすめ〜」と題して
健康の社会的決定要因(SDH)についての実践的な知識を学びます!

③   ワークショップ3:
「指導医との上手な付き合い方〜隣の芝生は青いのか?プログラムの壁を越えた専攻医
ぶっちゃけディスカッション」
地方会初の専攻医による企画!  北海道内専攻医のオリエンテーションも兼ねています。

④   レクチャー:  
人気企画「日常診療アップデート」
関節リウマチ,パーキンソン病,高尿酸血症,逆流性食道炎の 4 部構成でお送りします。

⑤   レクチャー:  
重要トピック「ポリファーマシー」をテーマに 3 部構成でお送りします!

5.   基調講演(16:55  〜18:05)
「これからの日本の医療,特にプライマリ・ケアについて(仮題)」
厚生労働省医政局医事課  課長補佐     久米隼人氏  をお招きします!

6.   閉会のご挨拶(18:05  〜  18:10)

7.   懇親会(18:30  〜  )
別会場にて開催する予定です。
 
■多職種でプライマリ・ケアを学ぶことができる貴重な機会です。
非支部会員の皆様も大歓迎!ふるってご参加下さい!
 
第 5 回北海道地方会  実行委員長  山田康介
(副支部長,更別村国民健康保険診療所)
=====================
こんな感じ。

もう5回目になるんですね。。。





自分の出番は2つになりました。

もう専攻医でもフェローでもないので、内部で発表の機会もらえることはないし、振り返ってもらえることもないので、外部の学会・地方会・講演会とかで発表して、よその人にコメントもらうことで「振り返りながらの生涯成長するぜ!」という目標を立てていたので、頑張ってみました。

年1個発表すればいいやくらいでおもっていたので、調子に乗りすぎてちょっとやりすぎたかもしれません・・・(;´Д`)




1つは、講演(一般演題)です。

採択されたので、応募したときの抄録をコピペしちゃいます。

一般演題(口演) 
種別 :活動報告  
テーマ:地域包括ケア


演題タイトル
病院家庭医が地域ケアに踏み出すために

~マクロ・ナラティブデータによる地域住民・外来患者の分布分析~


抄録本文

【背景】
家庭医は診察室内だけでなく、地域の健康問題に取り組む専門家である。
しかし、病院勤務をしながら地域ケアに取り組むことは容易ではなく、「病院家庭医」を名乗る私も院内業務に忙殺されていた。
それでも地域に意識を向けつつ臨床や教育に取り組み続けたことで、徐々に地域の問題特性が見えてきた。
また、白石区から「札幌市10区のうち白石区は寿命を含む健康指標が最低であり、セーフティーネットも不十分」という報告が届いたことをきっかけに病院管理部を中心に問題認識が強まり、病院全体として地域ケアに取り組む機運が高まった。


【目的】
地域志向のケア(COPC)の第一歩として、既存の地域データを分析し、重点介入対象となる住民の地理的分布を明らかにする。


【方法】
マクロデータとして札幌市衛生年表・特定健診受診者質問結果・健康札幌21(第二次)データや白石区保健センター報・まちづくりセンター別人口動態を、
ナラティブデータとして近隣小学校長・養護教諭や当院長期勤続職員、住民代表からの歴史的背景や貧困世帯状況の聞き取りを、
ミクロデータとして当院内科外来全患者の世帯規模・保険種別・住所等のデータを収集した。これらをマップ上で重ね合わせることで、重点介入地域を推測した。


【結果】
外来通院者のうち高齢者は2km圏内に多く、菊水地域全住民の20~27%が受診していた。
小児と親世代は病院500m圏内に密集し、菊水地域全住民の3~13%が受診していた。


しかし住所マッピングでは、全年齢層でバス・地下鉄沿いに多く、歴史的に貧困層が多い裏通り居住者は少なく、特にハイリスクな東札幌からの受診者数は住民の0.1%弱だった。


外来患者に占める生活保護受給者は10%強(札幌市3.4%、白石区4.8%)、近隣小学校の就学援助利用者は25~50%もいたが、学校・企業関係者で無料低額診療制度を知っている者はごく少数だった。


【考察】
当地域は貧困世帯が多いが、受診者は近隣に集中し、アクセスの悪いハイリスク地域からの受診率が低かった。
院内で待っていても、社会的手遅れ事例が増えると予想される


【今後】
大学・NPOや地域住民組織と連携して、近隣高齢者の一斉調査を計画している。
また近隣学校や企業への無料低額診療制度を周知しつつ、子ども食堂や高齢者サロンをハイリスク地域で開設して、介入と情報収集を同時に行い、定期的にPDSAサイクルを回す予定である。


こんな感じのです。


なんとなく、民医連ぽい感じや家庭医っぽいかんじを意識してみました。

気を抜くとどうしても内科学的な分析に関心が向きやすいので、敢えてバランスをとるために頑張ってみているというのが一つの理由。

あとは、「この辺無視しててもかかりつけ患者達の健康アウトカムはよくならんな」と痛感しており、健康のもう少し上流を分析して手を出さねばと、臨床の感覚から自然とここまで押しやられてきたのも一つ。

それから、経営的課題で患者数を増やせという至上命題がありますが、他の一般的な病院みたいに「金になる患者を集めて、むしれるだけむしって、あと細かい問題は地域に戻せー」では芸がないので(すべての病院がそうとはいいませんが、超急性期の基準が厳しくなったのに合わせてそういう雰囲気は地域に増えてきているなぁとは感じます)、せめてうちくらいは「ほんとに困っている人に、まっとうな医療を提供する努力を重ねてみて、その結果として持続可能な経営に必要最低限な収益も確保できるか?」という個人的探究心(使命感?)もあって突き動かされたというのもあります。


「心優しいヤブ医者」は痛いですが(というか有害)、「赤字で潰れる優良病院」も残念(というか世の中に存在し続けられない)ですからね。

お医者さんは経営の話嫌いですけど、とっても大切。 

経営の話すると嫌われたりキレられるの、つらいっすよ。 「いやいや、あなたの給料、そこからでてるんですから」とは言わないですけど。
 
医学部や看護学部で経営について教えないの、なんでですかね? 今は教えてるのかな???

話がそれました。。。。



内容的には、すでに院内の責任者クラスの会議等では出した資料を焼き直すだけなので、せめて伝わりやすくわかりやすいスライドに落とし込むことと、当日までに追加データ等を集めても少しまともな内容にレベルアップできればと思います。

なお、大学関係者で、当院でとった地域データをもとに解析してくれた方もこの地方会で発表されるようなので、楽しみにしています。



もう一つは、依頼ワークショップです。

②   ワークショップ2:
「退院前カンファを変えよう  〜LIFE SUPPOT カンファのすすめ〜」と題して
健康の社会的決定要因(SDH)についての実践的な知識を学びます!


というやつです。

抄録は、全国学会でやるやつとほぼ同じなので、関心ある方は全国学会発表演題をまとめたコッチの記事をご参照ください。
http://blog.livedoor.jp/gp_ken/archives/9515110.html


医学的な話や、他職種連携と被らない、社会医学・地域医療系のネタで話できそうな道内の人ということで、ちょうど全国学会でそういうネタをやることを知っていた運営委員の方から推薦していただけました。

地域で働く診療所家庭医の先生方の方が適役がいそうですが、ワークショップ形式ですぐ準備できる人という手頃感で選ばれたんだろうと思います。来年は他の人の聞きたいっす。


今週末の全国学会にむけて、全国の同士と急ピッチで準備中です。

そこでは、「発表して満足して終わり!」ではなく、全国学会で得た経験や参加者からのフィードバックを吸収して、更にブラッシュアップして、各自が地元でWSして更に深めたり普及させたり、ある程度データが取れてきたらきちんとしたツール化して論文として発表したりしたいね!という話までしています(けっこうみんなバイタリティ溢れているし、能力も高いし、臨床現場の人も大学研究室の人もいるので、案外実現しそうなきがしています)。

みんなびっくりするくらい優秀で、当初イメージしていたものよりは数段面白くなってきているので、期待しといてください!


で、今回の地方会WSもこの流れの一貫で、一度全国でやったのを個人が地元に持ち帰っても再現できるかとか、繰り返しやることでブラッシュアップができるのかとか、地域性が異なると参加者リアクションがどうかわるのかとかをみてみたいなと思っています。

ファシリテーターとして、うちの専攻医数名も立候補してくれているので、若手にWS運営スキルを学んでもらう教育ツールとしてもいいかなと思っていたりします。



まあ、とりあえずは週末の全国学会に向けて、完全燃焼してきます。

ゴールデンウィークで3日休めたので、けっこうエネルギーは充電できていて、今日の外来も普段より早くかつ丁寧に出来た気がしています。



でわ!



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リジェクト論文の再投稿査読でポジティブなコメントをいただきましたヽ(=´▽`=)ノ

前に別の雑誌に投稿して「一発リジェクト」(完全アウト、修正後の再提出も受け付けませんよ状態)になった論文を、一念発起して別の雑誌に再投稿したのがちょうど一ヶ月前でした。

 
最初にメイン学会に投稿したときの浮足立った2016年2月5日の投稿はこちら
http://blog.livedoor.jp/gp_ken/archives/9166260.html 

その後しばらくダメージから回復できず1年が経ち、それでも時間を作り、己を奮い立たせて別の雑誌に投稿した2017年3月22日の投稿がこちら
http://blog.livedoor.jp/gp_ken/archives/9514783.html 

リジェクトとかアプセクトの違いはここに簡単にまとまってます。
http://academy.forte-science.co.jp/articles/details.cfm?id=5



最初見直した時「ん?たった1ヶ月で再投稿したなんて偉いじゃん!」と思いましたが、よく見たら1年と1ヶ月経過してました。

それだけダメージを受けて立ち直りに時間がかかったということです。


Google検索で「論文 リジェクト」まで入れると、自動検索候補提示で「再投稿」や「理由」「返信」よりも上に「落ち込む」が表示されるくらい、論文リジェクトの心理的ダメージは大きいのです。

それこそ人格全否定されたくらいな、これまでの医師人生の歩みを鼻で笑われたような、「お前、研究向いてねーわ。何調子乗ってんだよ」と言われたような気持ちになります。

査読者のコメントはとても真摯で紳士で素晴らしいと後日気づくんですが、とにかく凹みます。

 

それでも、色んなweb情報を読み込んで(それこそ「論文 リジェクト 落ち込む」で出てくる記事を中心に)、少しずつ自分を鼓舞して、なんとか立ち直れました。

このサイトにある言葉とか、超胸に響きました。
http://scienceandtechnology.jp/archives/12354 

一度リジェクトされただけであきらめてしまうのは、マラソンを走りながら、ゴールのわずか数センチ手前であきらめてしまうようなものだ。もし著者が掲載に強い意志を持っているならば、次に取るべきステップは、リジェクトのレターにあるコメントすべてを正確に理解することである。 (原稿がリジェクトされた時の対処法 根拠と経験に基づく見解 Karen L. Woolley, PhD; and J. Patrick Barron, BA. CHEST 2009; 135:573-577. Ronbun.jp 大鵬薬品工業株式会社)

あの、死ぬほど大変だったデータ収集や解析、学会発表や論文化の作業が水泡に帰すのか・・・と思うと、過去の自分の頑張りが哀れに思えて「よし、もう一花咲かせてやらねば」という気持ちになれました。


気持ちが前を向き始めたら、リジェクト対策についてより具体的に書いてあるサイトを見始めました。

投稿した論文がリジェクトされてもへこたれないために~論文を出すための10個のシンプルな原則
http://scienceandtechnology.jp/archives/7055

 
原稿がリジェクトされた時の対処法根拠と経験に基づく見解
http://www.ronbun.jp/chest/popup033/index.html 


 

そうすると次第に、「一発リジェクトされたけど、やっぱり投稿し公開される価値のある論文だとおもう。査読のコメントは、納得できるありがたいコメントと、そうは言ってもこのまま変更せず押し通さないと論文の価値が落ちてしまうと思えるコメントに別れるなぁ。この論文の良さをダイレクトに理解して受け止めてくれそうな学会はどこだろうか」と前向きに考えられるようになりました。

その後、該当する学会のwebサイトをみて、投稿規定を見て、過去の学会誌の論文を一通り読んで「よし、この雰囲気の雑誌なら通るだろう! ダメでも一発リジェクトでなくて、少し直したらアクセプトしてもらえる気がする!!」という気持ちが持てて、数日で直して一気に投稿してしまいました。



そして、投稿からちょうど1ヶ月経って、4日前に「査読のお知らせ」というメールが届きました。

その時は、二木会レクチャー・グループ会議でながら病棟当番しながらの、当直入って明けに臨床研修説明プレゼン入りーのという流れの中で余裕がない時期でした。

また、心身ともギリギリの状態でメールを開いて「リジェクトですー」て書いてあったら週明けまで乗り切れないとも思って、「そっ・・・」とメールソフトを綴じて置きました。


その後、もうかれこれ3週間休んでないせいか、めまいで4階まで階段上がれない体調のままなんとか日常業務を乗り越え、体力は回復しないけど気力が少し維持できるようになり、夜の会議まで1時間ほど空き時間ができました。

それでも査読結果メールを開く気になれず、先にIDATENとかTFCとかJSEPTICとかのメーリスの未読をパラパラみてみたり、仕事関係のメールに返信書いたりして時間つぶしてみましたが、意外とあっさりと処理が終わってしまい「あと未開封のメールはこれだけ」というところまで追い込まれてしまいました。

さらに、ちょうど医局に顔出してみたら冷蔵庫に美味しそうなチョコレートがおいてあって、一口頬張ったらなんだか幸せな気分が襲ってきてしまい、勢いで開封してしまいました。



もう、縮こまって、片目つぶって、ほんと恐る恐る添付ファイルを開き、「リジェクト」「不採用」の文字を探したけどどこにも見つからず。

仕方がないのでコメントを順番に読んでいくと、ずいぶんポジティブなコメントが並んでいて「ああ、これは最初褒めた後で、最後かその前で一気にトドメ刺しに来るパターンだな」と覚悟を決めて順番に読み進めてみました。

しかし、そんな欺くための文章とは思えないくらい文面は丁寧で、しかも「俺は、ここを強調したくて論文書いたんだよ!」というポイントを丁寧に拾って褒めてくれ、「ああ、ここは正直限界ですよね」というところもきちんとスルーせず指摘した上でLimitationの記載があるので良しとしてくれ、「もし直すならここかな」というところもその通り指摘していただけて、このまま確定でもいいよみたいなことが最後に書いてありました。

「ん?あれ??これって、もしかしてイケるやつか?」と1分後くらいに気づいたものの、このコメントにどう返信すればいいかわからず、よくわからない学会ホームページ上を右往左往して、ようやく査読への返信欄を見つけて記入して、確定処理して、ぽんと押して、先程再投稿が終わりました。

これって、もしかしたら数カ月後の学会誌に載るかもしれないなと先ほど興奮が遅れてやってきました。。。



まだ確定してないので具体的な研究名や雑誌名は言わないほうがいいのかなとか、まだ未確定の時点でSNSに投稿して色んなコメント貰ってから落選してもやだなとは思ったんですが、興奮冷めやらぬ過ぎてでブログに書いてみました。


後日、掲載が確定したら後日談を書くかもしれませんし、何の音沙汰もなく気づいたらこの記事が消えていたら察してやってください。。。



リジェクト後に投稿先変えての再投稿は人生初体験で、なんだか後ろ暗いような思いもありましたが、チャレンジしてみてホント正解でした。

身近に研究や論文作成のメンターがいない環境は、何するにしても手探りでおっかなびっくりですが、前に進めたときの喜びはほんとに大きいですね♪



まだまだ色んな仕事にまみれて、休みもとれずで押しつぶされそうですが、なんとかゴールデンウィークの休みまでは頑張れそうな気がします!!

でわヽ(=´▽`=)ノ
 

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第114回 内科学会総会・講演会の参加報告

内科学会総会・講演会に参加してきました。

http://www.naika.or.jp/meeting/nenji/



4月でまだバタついている時期ですが、金曜午前の一番混雑する外来をして午後に向けてもリスク・コントロールを十分してから出発し、土日の2日間参加しました。

それでも、「自分がいなくなった途端に荒れる」というジンクスはそこそこ発動して、残った人たちはほんとにお疲れ様でした。



参加の目的としては、
①総合内科専門医更新のための単位稼ぎと、
②内科学を勉強し続けるぜ!というモチベーション維持のための刺激集めと、
③当院の診療システム改善のためのヒント探し、
④東京いかないと会えない人にあってくることの4点でした。


どれも達成は出来ましたが、
①今後の単位は地方会参加や発表とe-learningとかで、
②勉強刺激は道内で開催される他流試合参加で済ませられそうだし、
③ヒントは学会誌や普段の論文チェックでいいし、
④東京に行くのは学会以外の用事がある時に対応するようにして、
わざわざ全国学会に行かなくても間に合わせられるようにしようかなと思いました。



やはり移動時間や交通費、宿泊費などのコストと、病院をあける間のリスク管理を考えると、費用対効果的に割に合わないなぁと思うんですよね。

また、得られる情報も査読通った論文に比べれば抄録だけで通る口演の質はどうしても下がりがちだし(批判的吟味に必要な情報が得られないことも多い)、教育講演はいいものが多かったけど「テキスト読めばいいかな」という内容ではあったので、学会来なくてもいいかなぁと思ってしまいます。
(全サブスペ医が一同に会するの場なので、「消化器内科専門医に伝えたい循環器内科最先端」というレベル設定になるのは当然で、それは第一線で働く総合医としては普段やっているレベルとそんなに違いが無いから仕方ないといえば仕方ないかなとも思いました)。


もちろん、どう頑張っても病院には行けないし家にも帰れない条件に追い込まれることで、普段ではありえないような集中力で勉強できたのは良かったですが、「今日は遠方の学会に参加したつもり」を発動すれば道内でもできるような気もします。


あとは、やっぱり「参加して聞くだけ」だと身にならないので、「発表して相互ディスカッション」しないとダメだなとおもったので、「演題発表しない学会には参加しない」縛りがいいかなとも思いました。

毎年どこかで何かは発表するぞ!という意識を持ちながら日常臨床に挑むだけでも、普段の診療の質は高まり、得られる情報や気付きのレベルも高まりそうだなとも思いますし。


それと、一般論レクチャーよりは事例ベースのディスカッションが一番の刺激だなとも思いました(今回参加して一番おもしろかったのは公開CPCでした)。

ので、身近にあるガンセンターやその他の地域内他院が主催する事例検討会系のイベントへの参加や、中央病院のCPCなどへの参加もできるといいですね。億劫なので消極的だった自分を恥じています。

あとは、やはり近隣診療所との連携事例のカンファがしたいので、医師会参加がマストかなぁとも思いました。
 



最後に、参加報告をコピペします。

各セッションへの内容メモは論文発表を視野に入れている口演とかの公表はまずいと思うのと、感想とかはわりと辛辣な内容も多いので割愛して、病院の参加報告に書いた内容と、参加した項目の一覧のみにしておきます。

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<病院提出用の参加報告>
参加前にもっていた目標から見て、具体的にどのような学びがありましたか

内科学会の総合内科専門医と指導医維持のための単位取得
→達成

 
 

苦手分野の簡単な学習
パネルディスカッション「難治癌の克服」し、若年白血病・リンパ腫、食道癌・胃癌、肺癌について、予防・診断・内視鏡治療や分子標的薬について学べた。マブ・ニブ製剤の勉強をし直そうと思った。どの演者もプレゼンスキルが高くて聞きやすかったし、今後知識のアップデートを続ける上での取っ掛かりとしてよかった。

またCPCでは強皮症について、プレリミナリー・シンポ・教育講演では特に抗血栓治療関係の理解が深まった。

 

あたらしい臨床や研究のネタ探し 
ポスターセッションに参加する時間とれず、一般演題(口演)も聞く暇がとれなかったが、プレリミナリーセッションの優秀演題からヒント(プライマリケアでできそうで面白そうなネタ)と、当院の診療の質改善に使えそうな気づきはいくつか得られた。

 

内科学の教育や指導環境検討
「内科学会ことはじめ(学生・研修医向けイベント)」に参加。優秀演題の口演はピンキリで、レベルの高いものは指導医の研究の代理発表みたいな感じで、低いものは病態生理や検査・治療根拠を理解していないまま原稿を読んだだけと思われるものもあった。また、フロアからの質問が教育的でなく、自分の能力をひけらかすためか、指導医レベルでの関心に基づく質問などが目につき、当院から研修医を参加させる教育的意義が薄いと感じた。
 
 

今後の医療・看護活動に生かしていきたいと考えられる内容はありましたか?

消化器癌の検診方法の見直し(ピロリ検査やその他リスクの調整、今後内視鏡書い直しのときのデバイスの検討)、連携医療機関の治療内容を細かくチェックして病型別に紹介先を具体的に提示できる仕組みの構築などしたいと思った。


抗凝固・抗血小板療法のエビデンスキャッチアップや、癌治療者・サバイバーの治療合併症評価(抗がん剤使用者での心毒性など)はきちんと対応していきたいと思った。



その他、特記すべき事項

花粉症の時期だったが、事前に点鼻ステロイドを使っておいたので無症状で過ごせた。


東京のため食べ物や観光はかなり充実だが、交通・宿泊費のコストと得られる知識を比較すると、毎年参加する必要はなく、地方会活用を検討したいと思った。


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<自主的なメモから一部抜粋>

日時:2017415日~16日の2日間参加(前泊)

場所:東京有楽町駅の東京国際フォーラム

主催:東京大学

 

交通:地下鉄・JRANA(楽天トラベルのパックを自分で予約安い・柔軟に選べる・ポイント貯まる)


宿泊:品川プリンスホテルNタワー(自分で選択したが大正解。空間の雰囲気、電源やWi-Fi、机や椅子の
快適さなど、合間で仕事するにはとても良い環境(クラウドワーカー向けですごく使いやすい!)

 



2017
415日午前

9時~10時半  :医学生・研修医の内科学会ことはじめ プレナリーセッション・優秀演題受賞者


10
時半~12時 :テキスト販売コーナー物色、ポスター閲覧(一般、研修医)


12時~13時  :昼食、交流

 
 

2017415日午前

13時~13時半:教育講演9「ピロリ感染診断・治療の最前線」


13時半~14時:会長講演「国民病である肝炎・宦官の病態解明と克服への歩み」


14時~16時  :パネルディスカッション「難治ガン克服への内科学の挑戦」


16時~18時:特別シンポジウム「理想の内科医像」(30分シンポジストプレゼン、

 0.事前アンケート結果

 1.地方中病院での総合内科の役割

 2.都市部大病院での総合内科の役割

 3.消化器サブスペにとっての総合診療

 4.診療所・在宅医療での総合診療

 5.女性内科医の立場から(消化器専門)
 6.東京医療センターの総合内科専攻医の立場から

 7.医学教育の立場から(自治医大松村先生)

 全体討論

 

2017416日午前

9時~11時    :シンポジウム「循環器領域における抗血栓療法」

 1.血栓形成メカニズムに基づいた抗血栓薬の選択

 2.我が国の疫学調査からみえてくる脳卒中の現状

 3.冠動脈疾患における至適抗血栓療法

 4.AF合併CADに対する抗血栓薬多剤併用

 5.AFによる全身性塞栓症予防の最前線(心臓血管研究所の山下武志Dr、研修医向け本書いてる人)

 6.AFアブレーションと周術期抗凝固

 7.VTEPE
 

11時~12時  CPC「心不全・呼吸不全・急性腎障害を合併した高齢発症全身性硬化症の1例」



2017
416日午前

12時~13時  :一般演題プレナリーセッション(優秀賞演題)

 1.医療訴訟における消化器病関連の診療ガイドラインの取扱

 2.トラスツズマブ関連心筋症の可逆性と心不全治療の有用性

 3.糖尿病歴50年超の1型糖尿病患者の臨床背景(さいたま記念病院 大谷先生)

 4.肺癌診断時のPET-CTによる、肺癌治療中の間質性肺炎増悪の予測に関する検討

 5.尿白血球定性試験陰性の熱源精査症例における尿培養実施の意義(昭和大学 総合内科)


13時~13時20分    :教育講演16「後天性血友病の診断と治療」


13時20分~13時40分 :教育講演17「膠原病と血管炎における腎障害の診方」


ポスターは10個くらいしか見れなかった


一般演題の口演は一つも聞けなかった

=================================== 

以上です。


 

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【読書記録】研究者を目指す人向け「行動しながら考えよう 研究者の問題解決術」と、その他オススメ関連書籍

「行動しながら考えよう 研究者の問題解決術」献本でいただきました!

Amazon

行動しながら考えよう 研究者の問題解決術 [ 島岡 要 ]行動しながら考えよう 研究者の問題解決術 [ 島岡 要 ] 楽天


 
羊土社さんのページはこちら
https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/book/9784758120784/index.html

目次

序章 悩める若手研究者とその卵たち12のケース

第1章 行動しながら考えよう―Thinking While Acting

第2章 ネガティブな感情を活用しよう―ネガティブな感情を避けるのではなく、自身の成功を導くものに転化させる方法

第3章 研究者は営業職。視点を切り替えよう―研究室内の上司-部下の関係を良好にするための方法

第4章 研究室での自分の立ち位置を分析してみよう―PI原理主義に染まって視野が狭くなった状態を脱却する方法

第5章 情報化社会だからこそ「暗記力」を強みにしよう―暗記力と理解力を鍛えて知的生産性を上げる方法

第6章 新しいことをはじめてみよう―進むべき道を探求し、自分で選んだことに自信を持つ方法

第7章 戦略的に楽観主義者になろう―失敗に対する耐性をつけ、研究を好転させていく方法



私自身は研究者ではなく臨床医なので、最初届いたときに「なぜ!?」と軽く動揺しましたが、前に羊土社さんでお仕事させていただいたので紹介候補にあがったとか、ブログで一応研究してみた!とか論文書いてみた!とか粋がっていたのを見つけていただいたとかでしょうか。

恐縮でございます・・・



本書の対象は、臨床しながらちょろっと研究かじってみました(*ノω・*)テヘ みたいな人にイロハを教えるものではなく、また王道のテキストみたいな感じでもないです。

一端の研究者として歩むことを決めた人や、研究者として頑張ってきたけどふとどうしようか悩んだ人とかが対象のようです。

自分のラボを持ったときとか、上司に論文チェックしてもらうための教室内での振る舞いとか、おそらく研究室とか大学医局とかに所属している人にとって重要そうな内容です。


最初に、12のケースがあって面白げですが、自分が完全に該当するケースはなかったです。

この12のケースを実例から選んで、インタビューして質的解析をして何か原則のようなものをみいだして 、それを臨床や他のジャンルに当てはめていくみたいな展開だったら自分好みでしたが、医学教育とか家庭医療以外の臨床医学分野では質的研究は知名度低いのかもしれませんね。

全体のトーンとしては、よくあるこの12のケースを引き合いに出しながら、著者ご自身の経験論からのアドバイスが色々とのっており、いわゆるビジネス本(私はこれで成功した系)に近い印象でした。

自分のまわりの家庭医系の人たちは、たいてい一時期にビジネス本を一定量読んでいてこの辺の知識は当たり前になっており、自分もそんな感じなので「おお、これは新鮮!」と言うのはありませんでしたが。


逆に普通の臨床医学系から研究者に転向しましたという人や、ずっと研究畑でやってきた人には面白いかもしれません。

文体も気軽な感じなので、ちょっと疲れたときに雑誌的にパラパラと軽く読める雰囲気にしてあるのも好印象です。



というわけで、恩を仇で返すようなレビューになってしまい大変恐縮ですが、「私には合わなかった。研究者の若手・卵が読むと面白いと思う。とくに、専門分野の真面目な勉強にあきたときに、気軽に読めるよ」というのが結論です。

 

ちなみに、自分が読んで面白かった、研究・論文執筆系の本もまとめて紹介しておきます。

おそらく、このブログの研究関係エントリ読む人は、ガチの研究者でなく総合や家庭医療をやりながら研究も学ばなきゃなぁというくらいの人のほうが多いと思うので、自分目線でのセレクトです。



批判的吟味のポイントを、ジョーク交えながら気軽に学べます。
なんでそれがダメなのか、ガチガチの正しい言葉で説明されると「ふーん」ですが、こういう口調だと「おお、たしかにダメだわ」と思えるので、雰囲気つかめます。


あるテーマで論文をレビューする方法について、集め方、整理の仕方など具体的に書いてあります。
看護師さん向けで、これだけでレビューアーティクルをかけるようにはなりませんが、大量に集めてきた論文の特徴をExcelで整理する方法はかなり役に立っており、後輩に論文レビューしてもらうときにもこの方法で教えています。




これは、ガチで面白く、かつ役に立ちます。
公衆衛生系の先生なので、臨床とはすこし視点が違うなとおもうところもありますが、逆に臨床医のぬるい感じではないので「ああ、疫学研究ってこうだよね」と背筋が伸びます。
が、本書の真髄はそこではなく、「本文よりも脚注の方が多い」ところがユニークです。要するに本筋よりも余談やおまけの方が充実しており、目線があっちこっちいって忙しいですけど楽しく疲れず読めます。

基礎から学ぶ楽しい疫学
中村 好一
医学書院
2012-12

同じ著者の別の本。こっちもおもろいです。



これは、研究を思いついて、抄録書いて、口頭発表して、論文いしていく全体についてわかりやすく書いてくれています。
今回頂いた本とは真逆で、臨床バリッバリにやっているひとが、教授とか指導医とかの支援もろくにない中で、どうやってモチベーションを維持し、具体的に研究を進めていくのかについて、すごく具体的に書いてあります。
採択されない理由、チェックリスト、読み原稿、リハーサル、指導者の見つけ方など、他の本ではあまり扱っていないところもあって、かゆいところに手が届きます。
孤独な臨床医が研究に対して前のめりになれるために、とても良い本です。



アクセプトされたくて買いましたが、私にはちょっと重たかったです。通読出来たかと言われると微妙なところ・・・



これは、基本から丁寧に書いてあり、これ一冊本気で読み切れれば知識面では穴が無くなりそうな、教科書的な感じでした。
だからといって「論文を書く素養も環境もある人向け」の高度なモノではなく、論文を読みたくなるまでの道のり、イントロダクションの読み方、研究テーマの選び方(FINER)など初心者が躓くところが一通り抑えてあります。
2個上の若手向けの本とこれの二冊があれば、とりあえず国内学会での発表や日本語雑誌への投稿くらいは最低ラインまで独学でとどくんじゃないかと思います。



卒後15年目くらいまでに何本かケースレポート書いて、年老いたり障害を負ってもほそぼそとケースレポートを書き続けられる人になりたいなと思っていて、その意気込みに対する最初の行動としてこれを買いました。
他にも似たような書籍やweb記事などは読んでいて、各準備はもう万端です。あとは症例と時間とやる気だけ・・・



あと、オーラルで発表するときのコツは、これで勉強しました。
TEDとかZENとかだけやっていても、学会発表では通用しませんしね(プライマリ・ケア連合学会以外の全国学会いくと、発表で笑い取ったりしませんからね)。
一般的なプレゼン本と比較してもわかりやすく、特に学会発表を医として作られた本なのでとても役に立ちました。



あとは、ポスター作りの本。喋りだけうまくても、ポスターのインパクトがないと厳しいですしね。


あとは、パワポ版。無事にセレクション乗り越えて、ポスター発表でなく口演を勝ち取ったけど指導者がいないとか、予演会だれも付き合ってくれないなら自力で学んでやるしかないです。



……書き出してみたら、けっこういろいろ本かって読んでたみたいですね。

その内容が身について、今後成果につながっていくかは、神のみぞ知る・・・





 

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第8回プライマリ・ケア連合学会学術大会in高松の参加予定イベント

今年2017年5月12日から14日に、高松で開催される、「第8回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会」に参加してきます!

 
 無題

大会の公式ホームページはこちらです
http://www2.c-linkage.co.jp/jpca2017/



今回、自力でオリジナル研究まとめたり、活動報告をまとめたりを演題登録期間までに間に合わせることができなかったので、ポスターや口演での発表はありません。

2014年にMNA-SF(栄養評価)に関する病棟患者予後研究で日野原賞候補演題で発表したのと、2015年に総合医の病院外来患者層や複雑性についての調査を口演発表したのが最後です。

前者は論文化までしたので、別ブログに学会発表スライドと論文のリンクを張ってます。
http://blog.livedoor.jp/gp_ken-portfolio/archives/cat_434055.html

後者はまだ論文投稿中なので、念のため学会発表スライドも公表はしておらず(他の雑誌に投稿してないという投稿規定に触れたら困るので)、無事アクセプトされたら上記別ブログにアップします。



その代わり、ではないですが、学会の委員会としてのお仕事や、他の人の委員会やプロジェクトなどから依頼されての発表とかが3つあります。

宣伝兼ねて公表しておきます。




1つ目は、社会的健康決定要因に関連するワークショップです。

全日本民医連総合診療医若手医師部会
という去年作ってみた組織(興味ある人はいつでも参加可能なのでご連絡ください)の有志で企画立案と応募して、ブレインチームとカンファ担当チームに別れ他職種も呼んで面白いのを作る予定です。

以下、抄録に掲載した内容です。超気合入ってます!
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セッション:プレコングレスワークショップ
企画名:退院前カンファレンスを変えよう〜LIFE SUPPORT カンファレンスのススメ〜
日 時:平成29年5月12日(金) 15:00〜16:30
会 場:第8会場(高松シンボルタワー タワー棟 4F BBスクエア)
==================================================
セッションタイトル(英語):
Let's start up the LIFE SUPPORT (Learning socIal Frailty and EnSuring an Upstream aPProach: Rules and Tactics) conference!
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【目的】
健康の社会的決定要因(Social determinants of health; SDH)についての知識を実臨床で応用し、健康問題に対するupstream approachを実践できるようになる
【具体的獲得目標】
①SDHの具体的な項目と科学的根拠について挙げることができる
②Social vital signs(SVS)の概念を理解し、評価項目と評価方法を挙げることができる
③SDHとSVSを念頭においた退院前カンファレンスの運営ができる
==================================================
【概要】
 健康格差や介護心中などの問題がメディアを賑わし、第一線で働く私達にとって患者・家族の生活上の問題を把握し必要な医療・社会的支援につなげる力が求められている。一方で、実臨床でSDHの体系的知識に基づいた支援に関する戦略的アプローチは未だ確立されておらず、多くの患者・家族および医療従事者が複雑困難な問題に直面している。この状況の解決策として、本ワークショップ開催者らは複数のセッティング(入退院時、外来、訪問診療)で使う事ができる、SDHの知識を導入したLIFE SUPPORTカンファレンスの開発に取り組んでいる。
 本ワークショップは、SDHという言葉に馴染みのない全ての方を対象とする。特に、「治療は終わったが退院できない」状況に悩む事が多い方や、退院支援について試行錯誤してきたが、さらに一歩前進したい方に受講をお勧めする。当日はSDHの概念と科学的エビデンスのある具体的な項目、SDHの危機に晒された人の早期拾い上げという視点で作成したSVSの概念とそのスクリーニングツールの使用方法について講義を行い、参加者のSDH関連領域の知識獲得を支援する。また、実臨床で適用できる医療及び社会的支援策を紹介し、LIFE SUPPORTカンファレンスの1つである退院前カンファレンスを体験する事で、実臨床での応用方法を参加者が体得できるようにする。
==================================================


2つ目は、学会の病院総合医委員会主催の、病院総合医による病院総合医のためのワークショップです。

日本プライマリ・ケア連合学会の専門医制度は、現状では診療所や地域で活躍する家庭医がメインの印象がありますが、「病院総合医委員会」というのがあって病院で働く総合医のための要請プログラムの施行事業を粛々と進めたり、毎年の学術大会で病院総合医向け企画をやっています。

委員会名やメンバー一覧についての、学会公式ホームページ情報はこちら
http://www.primary-care.or.jp/about/committee.html#i01

病院総合医要請プログラム認定試行事業などの公式ホームページ情報はこちら
http://www.primary-care.or.jp/nintei_ge/index.html

委員会の広報担当メンバー(自分含む)が作った外部ページで、あちこちに分散している病院総合医関係情報を全部集めようとしているページがこちら(まだまだ情報の集約ができていませんが、徐々に拡充予定です)
https://pc-hospitalist.jimdo.com/


以下、抄録の内容です。
==================================================
ワークショップ 3
企画名 今後の病院総合医が地域で生き残るための変化とは

日時 2017 年 5 月 13 日(土) 8:45~10:15
会場 第 5 会場 (サンポートホール高松 ホール棟 7F 第 1 リハーサル室)
企画責任者 川島 篤志(市立福知山市民病院 総合内科)
 ==================================================
【開催の目的】
当学会では病院総合医委員会を中心に、過去の学術集会やセミナーにて(2010 年~2016 年)、下記のテーマで議論を継続してきている:「あるべき病院総合医像を求めて」「病院総合医として期待される医師像」「ホスピタリストの紹介」「小病院の病院総合医の役割を考える」「病院総合医は地域医療をどう支えるか」「病院総合医セミナーin 東京」「病院総合医関連の認定医/専門医養成プログラムを検討する」「病院における総合診療科の立ち上げとその維持・発展について」「病院総合医体制の運営マネジメント・スキ ル 」
多 く の プ ロ ダ ク ト は 、 当 委 員 会 HP よ り 閲 覧 可 能 で あ る
https://pc-hospitalist.jimdo.com/
 
2017 年の学術大会においても、病院総合医に関連する議論が、様々なテーマで交わされることが想定
される。そのなかで、病院における総合医と地域との関連を意識するテーマを委員会企画として取り上
げた。
================================================== 
【概要】
2018 年は医療・介護報酬同時改定、第7次医療計画、新専門医制度開始と医療環境が激変する。各医療機関も生き残りをかけ病院機能を変化させ、地域包括ケアシステムの枠組みにおける地域の病院総合医としての役割が求められる。それは超高齢社会における疾病構造への対応だけでなく、社会・生活背景を見据えたプライマリ・ケア理論に基づく高いレベルの診療であり、共通言語が通じる病院外の医師との協働に他ならない。地域別(都市部、地方)・病院規模別(大病院、中小病院)・対象疾病特性によっても、病院総合医の診療スタイルに変化が生じていくはずである。既に一病院のみで完結する医療は終焉を迎えており、今後は病院外の医療・介護・福祉のステークホルダーとの適切な連携が、良質な医療につながると考える。当 WS では、様々な地域における病院総合医がどのような役割・機能を担うべく変化するのか、連携をキーワードに存在価値を考えていきたい。
================================================== 


3つ目は、学会の男女共同参画委員会メンバー主催の、ワークライフバランス・出産育児支援関係のシンポジウムです。

ワークライフバランスなどどこ吹く風で死ぬほど働いている自分が登壇する権利は無いのでは?と最初思いましたが、専攻医への支援環境を作ったがわの人としてシステム・制度面の苦労や工夫をプレゼンさせてもらいます。

男女共同参画委員会のホームページはこちら
https://www.primarycare-wlb.com/

自分が立ち上げ・運営に関わっている、育児中女性専攻医向けの研修プログラム、ゆったりしっかり後期研修プログラム『彩~いろどり~』のページはこちら
http://www.satsubyo.com/for_medical/education/program_family_practice.html


以下、抄録の内容です。
=====================================================
セッション:シンポジウム18
企画名:「総合診療医」が生き残るために シーズン3
~勤務スタイルの多様性受容のclass upを目指して~

日 時:平成29年5月14日(日) 13:45~15:15
会 場:第12会場(JRホテルクレメント高松 3F 大宴会場 飛天(東))
=====================================================
開催の目的:
個々の現場での取り組みの位置づけや、支援策を系統的に発展させる手がかりを、ダイバシティ・マネジメント(「多様性」を競争力へ変換する組織変革マネジメント)の視点から明らかにする
=====================================================
概要:
【背景】
本邦では、少子・高齢化の同時進行と女性の晩婚化・出産高齢化で、親の介護と子育ての同時(ダブル・ケア)負担世帯が増加し、女性に加え50代の男性の介護参加・介護離職の若年化が問題となっている。また、本人の健康問題もすべての者が直面しうる、長時間労働が困難となるリスクの1つである。
医師では女性の離職原因の7割が出産・育児であり、40代以降では本人の健康問題、介護も2割ほどを占める。このような時間制約のある人材を如何にして支えていくかが、医療現場を支える人材を継続的に確保する鍵であり、病院勤務医の長時間過重労働対策・勤務環境改善策は急務である。
【企画概要】
若年の医師のキャリア形成を妨げる出産・育児による離職への対応事例は、介護や医師個人の病気といった他の時間制約事例への応用が可能と考え今回取り上げる。
中小病院で3回の妊娠・出産を経て常勤で働き続けている矢部千鶴氏、専攻医のライフイベントと研修修了の両立を支援している後期研修プログラムの指導責任者である佐藤健太氏が、現場での経験や取り組み・工夫についての事例を発表する。
続いて、野村恭子氏が医師の労働環境実態についての調査研究を紹介し、清野佳紀氏が体系的な労働環境整備策の中での2事例の位置づけと取り組みの意義について述べる。
ディスカッションでは事例検討をさらに深め、出産・育児に限らずその他の時間制約事例にも活かせる工夫をとりあげ、明日からできる具体策について深める。
【対象】
支援者たる病院管理者、指導医、介護などリスクを持つ男性医師
女性医師・若手医師
【企画の特徴】
・理論に基づいた事例解析と一般化拡充可能性の検討
・医療現場へのダイバシティ・マネジメント理論の適用
=====================================================


以上です。

「主研究者としてオリジナルの研究して学会発表するわけではない」という点ではやや後ろめたさも感じたりはしますが、そもそも自分は研究者ではなく臨床家であり教育者であり管理者なので、そこはまあいいか(たまに、自分の診療内容や所属組織・周辺地域の調査結果をまとめて報告できれば十分か)くらいで思えるようになったので大丈夫です。

むしろ、自分の活動を振り返ってまとめて報告する機会をえたり、自分が関心持っている内容を仲間集めて学術面と実践面のバランスを取って深めながら普及し高めていくワークショップを運営したり、自分のライフワークであり立ち位置でもある「病院家庭医療」について学会の正式な委員会活動・学会ワークショップとして展開して関係者の疑問に答えたり現場の意見を学会に届ける役割を担ったりといった活動ができることは素直に嬉しいですね。

自分の考えや活動や立ち位置に対して、第3者、外部からフィードバックをもらえる貴重な機会で、研修医の肩書を失った総合医が生涯成長していく上ではこの上ない機会だと思います。

また、院内での独りよがりでなく、全国の仲間でとか全国学会で協働しながら活動していくスキルが高まり、その後の地域内での実践活動にも反映できる経験・知識・仲間が得られるのもとても貴重な機会だと思います。


一時期は、何のために学会活動頑張ってるんだろうか?と悩んでいたこともありましたが、ようやく今の自分のあり方と矛盾なくストレスなく楽しめて成長につながる活動の仕方に到達できた気がします。


どのセッションも面白いと思いますので、興味持たれた方はぜひご参加ください。

ワークショップは事前参加登録始まってますよ!
http://www2.c-linkage.co.jp/jpca2017/workshop/ 

3月29日締め切りで、人気ワークショップはすでに満員で入れなかったりするので、急いだほうがいいと思います。


でわ、当日会場でおあいしましょう!!

 

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日本語論文、書き直して再提出しましたよーヽ(=´▽`=)ノ

論文、ようやく書けました!

そして、学会の投稿フォームに必要事項記入して、【投稿確定】ボタン押しました!!


2015年に学会発表して、

その年の年末休みで頑張って論文化して

見直しとかしたあと、2016年2月に一度投稿したものです。

提出した当時のブログ記事ありました。
http://blog.livedoor.jp/gp_ken/archives/9166260.html


その後、 3月に一発不採用の通知がきて、しばらくちーんとしてました。

噂には聞いていましたが、相当メンタルやられますね、これ。



それでも、学会参加の移動時間など意識高めの時間帯をつかって、前に進む意欲は見せてました。

なんとか査読コメントを読み込み(一巡目は読むごとに心がえぐられましたが、三巡くらいするとようやく冷静に読めるようになりますね)、

直せる部分は直し、追加で必要な引用文献を探し、

そして、査読で否定的に指摘されていても「変えないほうがよい」と確信できたところは残して(明らかに引用文献を読んでないと思われる指摘がけっこうあったり)、

そんな感じでできることから手を付けて、ちょっとずつメンタルを立て直してきました。


また、他の投稿雑誌を探して、自分で何ヶ月分か読み込んで好まれるネタを掴んでみる努力をしてみたり、学術集会とかに参加して雰囲気を読み取る意欲をだしてみたり、研究関係者の人におすすめ雑誌などを聞いたりしていました。


そんなプロセスを経て前に進みつつ、ようやくGノート増刊の「総合診療×リハビリテーション」も脱稿し、2017年度の医師配置や新ルール確認や管理部的なもろもろの業務の対応をして、ようやく「あ、自分のためだけに使える時間だ!」と思える時間が発生したので、がーっと書いてしまいました。

今日のところは直すポイントのピックアップだけして全体の作業量の見積もりだけして帰ろうかなと思ってましたが、思っていた以上に興が乗って、2時間半ほどで一気に直してしまいました。


投稿先が違うと、行数・列数やフォントサイズの指定がちがかったり、本文の構成の指定がちがかったり、引用文献の表記ルールが微妙に違かったりするので、そのへん直すほうが手間でした。
 
終わってみればあっという間ですね。



さて、あとは採用されるかどうかは運を天に任せて(よき査読者に当たるといいなぁとおもいます)、ダメだったらもう少し投稿先のレベルを下げながら、「とりあえず論文として世の中に公表される」ところを目指したいと思います。

一臨床医がやったしょぼい研究なのでインパクトファクターとか相当どうでもいいですが、同じ関心領域の人たちにとって少しでも参考になり、後続する立派な研究者の人が立派な研究してくれればこれさいわいだと思います。


さ、帰ろう!!

 

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大学院生が当院に来てくれて「貧困と健康」についての懇談します

こんど、旭川医大の大学院生さんが、わざわざ当院まで、というか自分に会いに来てくれることになりました。


保健所の保健師さんとして働かれていた経歴があり、現在は学校で保健師養成にかかわりつつ、「貧困と健康」に関わるテーマについて学ばれているそうです。

アツいですね!



昨年度うちの後期研修医たちがネタだしして、管理部主導で、地域住民と職員が共同で行った地域独居者調査がありまして、それを今年の日本プライマリ・ケア連合学会学術集会の「地域ケアシンポジウム」で私が発表しました。

その内容を抄録集でみて関心を持っていただいたようで、道内の総合医イベントに参加されたときにうちのボスに声をかけていただき、私を紹介していただいたという経過です。
 

ボスからきいたときには「こんな小病院に何をしにくるんだ・・・?」という感じで最初は疑問・恐縮の嵐でしたが、病院の規模や肩書とかでなく、学会発表の抄録をみて関心を持っていただいたというのが何より光栄です。 

やっぱり、地域で地道に活動してるんだけど心の中や院内だけの自己満足で終えることなく、「外に発表する」という行為は大事ですね



大学院入ったばかりなので当然まだ専門家ではなく今現在進行形で学んでいる最中ということなので、地域ケアや研究手法の学び方について色々伺うことができたら面白いだろうなぁとおもいます。

また、もし当院の関心や取り組みとうまく話があい、テーマとして意気投合できるようであれば、大学の専門家にこの地域の(そうでなくとも道内のどこかの地域の)ちゃんとした研究をしてもらうことができ、学会でのきちんとした発表や、病院の改革に反映できるのではという下心・期待もあります。
 

もともと、自分で臨床研究を勉強してきた中で「臨床医がきちんとした研究を一から十まで独力でやるのはムリだ!臨床医として面白いフィールドやリサーチクエスチョンを提供し、大学の研究者にデータ収集と解析をやって貰う形を目指そう」と思っていたので、今回の出会いを大切にしたいと思います。

もちろん先方の都合や関心もあるので、これで確実に捕まえてうちの地域調査を手伝ってもらわねば!とまでは考えていませんが、それでも「大学で学び研究されている人との交流」という貴重な経験にはなるので、何にしても今後の当院の地域活動や学術活動の発展には生かされていくでしょう。 


当日は向こうの指導者の教授(ということは貧困や地域研究の専門家!?)も一緒にきてくださるようですし、ご本人もこの間研究テーマを深めて文献の読み込みもされているようなので、色々教えてもらえるというか刺激をもらえるだろうとワクワクしています。
 

また、せっかく遠路はるばる来ていただくので、中身の濃い、満足していただけるものにしようとかんがえて、事前に聞きたいことの一覧をいただきました(半構造化面接法みたいな感じでざっくりと)。

それを見ながら、管理部の医師・事務や、総合のスタッフ達に手持ちの資料をくれ!といってみたところ、自分の知らない者含めてわんさか出てきてびっくりしています

先程ざっくり整理して、当日お見せするものを取捨選択して印刷したところですが、「うち、やっぱりすげーな。頑張ってるんだね。でも、みんなの心の中と机や本棚の中にしまわれてるのがもったいないね」と感じました。

今回を機に、こういった分散し忘れ去られそうな活動と記録の断片を集めなおして、懇談でのやり取りで得た気付きも添えてまとめ直し、今後の地域活動を考える有用な資料にしていければと思っています。

そういう意味でも、外部の方との交流や、普段の活動を記録すること、活動をまとめて外に出すことなどは、単なる記録以上の意味があり、記録して発表すること自体が活動の質向上に寄与するんだなぁと実感しています。


あと、スタッフや研修医たちに伝えたところ、同席したい!!という人が複数出てきたのも嬉しいところです。

自分の予定があって週末の夜遅い時間の設定になってしまったため参加できない人もでましたけど、こういう活動は今回1回で終わるとは思っていないので、日時や場所や参加者を変えながら色んな形で交流や発表などを繰り返しながら、関わる人を増やしていき、じわじわとできることの高さと範囲を広げていければと思います。
 

次の課題は、地域住民というか非医療職とのこういう活動ですね~

ここも、取っ掛かりが複数でき、実績も小さいものだけどちょっとずつ蓄積できてきているので、今後に期待ですね。



もちろん、内部の管理運営がおろそかにならないように、病院の臨床現場で一生過ごすことに腹をくくったものとして、地に足をつけつつも目線は斜め上に向けた毎日を歩んでゆきたいと思います。
 
なので、研究活動も「学術の世界で認めてもらって名声を上げるため」ではなく「自分の臨床現場や周辺地域の健康問題を解決するために必要な知見を得るため」に行い、つねに「この研究・調査をしたら、この地域の誰の健康がどういう風に変わって、誰がどういう風に幸せになれるのか」という視点を真ん中に据えてブレずにやっていきたいですね。

 


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プロフィール

けんた

家庭医療をベースに病院で働く「病院家庭医」なるものを目指して爆進中です。
病名や年齢にかかわらずどんな人の悩みにも対応できる診療能力を身につけることを目指して、北海道各地の病院で初期・後期研修を受けました。

総合内科を中心に研修を開始し、途中から家庭医療学や医学教育学、臨床研究などに興味を持ちながら学習し、2011年に家庭医療専門医を取得しました。
現在は札幌市内の小規模病院で、家庭医療学をベースにした病院総合診療を行ったり研修医・学生・多職種の教育に関わったりしながら、プライマリケア医のためのリハビリテーションフェローシップに参加し学び続けています。

将来は病院をベースにしながらも病院内だけにとどまらず、各医療機関の連携、さらには教育、政治・行政、娯楽などを含めた広い意味での地域共同体を作っていく橋渡しをして、健康に楽しく暮らせる街づくりに貢献できたら面白いなと思っています。

日々の研修での気付きをつづりながら、何か大きな発見が得られないか、blogを通して模索中。

少しでも面白いなと思えた記事があったら、拍手アイコンを押してもらえると、モチベーションがアップしたりします。

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