走り出しても周囲は人、人、人。
ずっと先まで西湘バイパスを埋め尽くす人。周囲のペースに合わせて走る。

右手前方遥か遠くに江の島が見える。あそこまで走ってもどって来るのかと思うと、気が遠くなる

早くもハーフのトップが反対側車線を戻ってきた。上位は拓殖大、城西大など箱根駅伝でおなじみの大学が来た。ついつい箱根駅伝を応援してるノリで「頑張れ」と声援を送る。

ハーフ10位くらいで猫ひろしが来た。早いなあ。周囲から「猫頑張れ」の声援が起こる。

まもなく10キロ通過。1時間3分(自分がスタート地点を通過してからのタイム)、目標のキロ6分より少し遅いペース。人が多すぎて自分のペースで走れない。

練習では10キロ過ぎから調子が上がってくるのだが、今日は今一つ体が重い。
14キロを過ぎようやく3分の1。
この辺りから右足アキレス腱に痛みを感じ始める。予想より早く痛みが来た。25キロか30キロあたりで来ると思っていたのでちょっと予想外。

ここから1キロが遠く感じ始めた。こんなところから足が動かなくなるとは、かなりショック。とにかく淡々と走るしかない。

鵠沼橋の手前で右手に江の島が間近に迫ってきた。突然の江の島の出現にようやくここまで来たかと、また力が蘇った。

しばらく走ると江の島入口が折り返し地点。ここはまだ半分には達していない。折り返すと反対車線に往路を走る人達が途切れることなく続く。

20キロ地点で2時間7分、足を痛めた割には10キロからイーブンペースで順調に来てる。
そろそろ栄養補給をしないと後半スタミナ切れを起こす。今日は塩飴2個とソイジョイ1個をポケットに忍ばせてきた。まずは塩飴をなめる。

この辺りから給水所で水分だけでなく、レーズン、チョコレートも取るようにした。
21キロを過ぎようやく半分。ここからは大会では未知の領域になる。

相変わらずアキレス腱の痛みが続いている。25キロあたりから歩く人がポツリポツリ出始めた。
練習でいつも辛くなるのはこの距離から。少しの上りでも足が上がらなくなる。

30キロ3時間14分。練習で走った30キロと同タイム。あの時は30キロでもう一歩も走れなかったが、今日は辛いけどまだいける。完走に向け自信が出てきた。

マラソンは30キロからが勝負だとどの本にも書かれている。
ここで持参したソイジョイを食べ、給水所でパンとバナナを摂取した。もう一度気合を入れ直し残り12キロを目指す。

31キロ過ぎから急に足が軽くなり、アキレス腱の痛みも消えた。快調に少しペースを上げて前を走る人をどんどん追い抜いていく。これはいけるぞ。

栄養補給をしてエネルギーが充満したのが利いたようだ。

4時間30分は正直厳しいかと思っていたが、30キロすぎてこれだけ余力があればいけるかもしれない。

30キロ過ぎてこんなに走れる自分が信じられない。

突然の出来事だった。

33キロ過ぎ右ひざが急に痛み出した。何の前触れも無く、突然の痛み。
最近練習で膝の痛みは出ていなかっただけに、全く予想していなかった。予想していないだけにショックは大きく、焦った。

34キロではもう走れなくなって歩くしかなかった。立ち止まって道端で屈伸をして走り出すが、200メートルも走ると痛み出し、走れない。

肉体的に精神的にも辛かった。目標タイムを達成できない悔しさ、そして一番辛かったのは最後まで走り切れず歩いてしまったことだ。

歩いていると後続のランナーに次から次へと抜かれていく。情けなく、つい無理して走り出すが長く続かない。

1キロが人生の中で一番長く感じた日になった。残り8キロ、とにかく最後まで走ったり、歩いたりを交互に続けながらでも完走しようと、ただ前を見つめて行くことにした。

長い長い距離を走りようやくゴールの大磯プリンスホテルが見えてきた。

40キロを4時間37分で通過。10キロを83分もかかっている。キロ8分20秒と大ブレーキ。しかしここまできたら5時間は切りたい。

41キロ地点で救急車がランナーをかき分けサイレンを鳴らしてやってきた。路肩で救助員に介護され男性が倒れていた。ここまで来てのリタイアはさぞ無念だろうと去年の東京マラソンの自分を思い出した。

残り1.195キロは歩かずゆっくりでもいいから走り切ろうと最後の力を振り絞った。会場への上り道のカーブを上っていくと、ついにゴールのゲートが見えた。

思わず目頭が熱くなった。去年の東京マラソンでリタイアしてから1年。ずっと悔しい思いを胸に秘め、今日のこの日の為に練習を重ねてきた。

目の前にあこがれのフルマラソン完走のゴールが近づいてくる。もう膝の痛みも忘れ、ただ胸を熱くしながらフィニッシュラインを越えた。

時間は5時間8分。ネットでは4時間55分。目標の4時間30分には及ばなかった。でもやりきったという満足感が悔しさを覆った。

ゴールしてから完走者だけに送られるメダルを首に掛けてもらった。メダルに刻まれた「Finisher」の文字。
この一文字を求めて1年間頑張ってきた。

湘南国際3


沿道の声援は本当に力になったし、スタッフの皆さんのサポートもすごく嬉しかった。皆に支えられてゴールできたことを、本当に感謝したい。

走り終えた後、またフルマラソン走りたいと思った。



「JustGiving」で湘南国際マラソン4時間30分以内の完走にチャレンジしています。

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