2017年12月11日

LOGAN/ローガン(ネタバレあり)


X-MENシリーズのスピンオフ、ローガンことウルヴァリンを主人公にした単独映画の第三弾にして、ウルヴァリンシリーズの最終作。

ウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンと、プロフェッサーX(チャールズ)役のパトリック・スチュワートは、本作でシリーズを降板することが決定してます。


えっとね、前から言ってますけど、基本、コミックヒーロー映画って
大の大人がバカみたいな格好して、正義だのミュータントだの超能力だのやってる
わけですから、実際のところは
ギャグと紙一重
なわけですよ。
アチラの映画の場合、クオリティが徹底してるので、ギリギリ、笑わないラインで作られてる。
その上で、我々見る側が脳のスイッチを「これは真面目な映画だ」側に切り替えるから、笑わないで見られるわけです。
どっちかっていうと、映画全体のクオリティよりも、映画のディテールなどで、客の脳のスイッチの切替に失敗していると、笑える映画になってしまう可能性が高い。
まあ、その極端な例が邦画の「キャシャーン」とか「破裏拳ポリマー」とか、極めつけは「ガッチャマン」のように、ただのコスプレコントになっちゃうわけです。

ヒーローブラックコメディ「ウォッチメン」は、この「コミックヒーローものの実写化における、観客の脳のスイッチの切替を意図的にやめると、果たしてどういうことになるか」という優れた発想の傑作でした。

で、X-MENシリーズってのは
目から怪光線とか
頭にバケツかぶった念動力者とか
変身おねえさんとか
どうしても、キャラが「あんまりといえばあんまり」すぎるんですよね。
なのに、ブライアン・シンガー監督は現実派なんで、シリアスに演出しすぎるので、逆にギャップが凄くて、私にとっては
ボーダーラインを完全に「ガッチャマン」方面に踏み越えてしまってるシリーズなんですよね。

要するに、X-MENを笑わずに見るのは、非常に困難!!

「現実にヒーローがいたら、それはコントだよね」という前提の映画「キックアス」のマシュー・ヴォーンが監督した、「X-MEN ファースト・ジェネレーション」は、さすが「キックアス」の監督らしく、意図的に「この格好でこの能力って、もうお笑いだよね?」ということを理解した「ひっそりと小馬鹿にするセンス」を映画に入れてきていて、シリーズ中別格の作品になっていましたけど、それ以外は、ま、基本、笑える。

笑えるけど、別にその笑いを楽しめる方向の笑いじゃないです、いわゆる「苦笑」なのでね。
だってアレっすよ、目から怪光線出す人とかが、シビアぶってなんか深刻なこと言ってたりするんですよ、ぷぷ〜っ
一応ね、メジャーなヒーローシリーズだから全部見てますけど、だからX-MANシリーズは、あんまり好きじゃないんですよね。

で、本作は、シリーズ中でもトップクラスの馬鹿映画
ウルヴァリンがパチンコ屋で追いかけっこしたり
やけにCG合成がショボい新幹線の屋根でバトルしたり
夏の漁村からちょっと走ったら冬の土地に行きついたり
あげくの果てに銀ピカのサムライロボスーツとバトルしたりという

日本ロケ映画『ウルヴァリン: SAMURAI』から監督のジェームズ・マンゴールドが続投とあって、かなり心配してたんというか、ぶっちゃけ、
全然期待してなかったというか
お笑いに対して「さあこいっ!」的なスタンスで挑んだ

んですが
意外なことに、これが真面目に面白かった
間違いなく、突出して、シリーズナンバーワン!



本作の何が良かったかって、今までのコミックヒーロー映画とは全く雰囲気が違い、一言で言うと
スーパーバイオレンス・ロードムービー
になっているのです。

ローガンはアダマンチウムの中毒かなんかで、かつてほどの強さはなく、治癒力も衰えて、ゲホゲホ咳したり、ヨロヨロしたりで、疲れ切ってる。
そのローガンが、アルツハイマーを患ってボケボケのチャールズの面倒を見ている
という、とてもじゃないが
ヒーロー映画にはあるまじき設定
・・・っていうか、ヒーロー映画じゃないですから、これ。

チャールズは、なんせ人の脳と交信できるミュータントですから、アルツハイマーでボケてると、力が暴走しちゃって、世界中の人の脳を破壊できちゃったりするわけですよ。
核兵器以上の殺人兵器となりうる者が老人ボケで暴走しそうになってる
って、ちょっと、これほど怖いケースはないですよね。
そこで、廃墟みたいなタンクに閉じ込められて、ずーっと薬を投与して押さえているという、笑えない状態。

どん底設定。

暗いよ_| ̄|○ il||li


これね、ローガンもチャールズ自身も、チャールズは死んだほうがいいってのは分かってるんですよ
でも、いざとなると殺せないし、死ねない、という。
ローガン自身も、もう疲れ切っていて、死にたがってたりもする。
なんとも、やるせない切ない話ですよねコレ。

正義のミュータントだのヒーローだの特殊能力を持ってる人も若いうちはいいが、歳食って頭がぼけると、野放しにしたら大変な危険性をはらんでいる、という
なんか気分が滅入る映画
スーパーマンが歳を食ってボケを患ったらどうなるんだろうね、と考えさせられたり。
コミックもので、ここまでロコツに現実的に描いちゃって、いいんだろうか、とちょっと思いますね、越えちゃいけない一線を越えてるというか。

こういう風に、最初、ヒーローが患ってる、みたいな映画って結構あるんですよ。
あるけども、普通は、最後は何らかの理由で元気になったり、華麗に活躍して終わるじゃないですか。
要は、あとでアゲるために、わざとサゲてるわけですよ。
けど、本作は、ずーっと下がりっぱなし。
最後の最後のほうで、一応はファンサービスみたいにちょこっと頑張る以外、ずーっと、どん底のまんまですからね、救いようがないですわ
最後のバトルは、ローガンを助けたミュータントの子供達が、ローガンのヒゲを剃って、例のウルヴァリンスタイルにしてしまって、その姿でバトルするんですが、まあ、「これが最後なんで、やっぱりウルヴァリンの勇士を見せておく」という、ファンサービスの意味合が強いですね。

私、スチュアワートのファンですので、久々にきっちり出演してくれるのは嬉しかったんですが、終始ぼけ老人のまま死ぬのは悲しかったですね。

えーっとさ、一応、ファンにとってはヒーローじゃないですか、それがヒサンなまま死ぬってのは、こう「カーク船長の死に方があまりにショボかった」ときぐらいのガッカリ感ですよね。


さて、お話は、ミュータントが根絶されつつある未来。
こっそりと隠れて暮らしていたローガン達が、ひょんなことから、実験でローガンのDNAを受け継いだ娘と出会い、3人で迫害から逃れたミュータントたちの集落があるとされる場所に向かう旅をする。
その行く先々で、地元民や追ってくる組織とトラブルにあう、という話。

元々、X-MENのミュータントは「人種」の暗喩なわけでしたが、今回は、既にミュータントが根絶されつつある未来の話ですので、迫害はされてますけど、人種差別的な描写の側面は薄いです。

でね、ローガン達に絡んでくるのが、ローガンのクローン以外、ほとんど、普通の人間なんですよ。
その人間を、ローガンたちが
鉄の爪で切り裂き、串刺しにし、腕を切り落とし、首をはね飛ばす
という、すさまじいまでの殺人っぷり。

血しぶきぶしゃ〜!
腕がぽ〜ん!
生首がゴロゴロ〜!
体が爆裂してば〜ん!
頭が半分吹っ飛んでば〜ん!

てな具合です。

もはや完全にスラッシャー・ムービーです、フレディ・クルーガーです。
もう、全然どっちが悪役かわかりゃしない残虐っぷりです。
普通に考えて、こんな人たち、危険すぎて野放しにできないですよね(笑)

ローガンの娘も、いたいけな子供のくせに、普通に人間を惨殺しまくってます。
というか、数えたわけじゃないけど、たぶん娘のほうがローガンよりたくさん人を惨殺してます。
切り落とした敵の首かかえてたりしますからね。
ラストでのローガンのクローンとの戦いは、なんせローガン死なないもんですから、血しぶきをまき散らしながら
延々と手の爪でざっくざっくざっくざっくざっくざっくざっくと刺しまくり続けるという
・・・壮絶すぎです。

あと、それまで追いかけ回されていたミュータントの子供達が、相手が悪党とはいえ、容赦なく寄ってたかってなぶり殺すラストも凄かったですねぇ。
これ、劇中では、子供達は「未来への希望」的なスタンスで描かれてますけど、映画を見ていると
こんな容赦ない子供達が支配する未来は暗黒だろ!
としか思えないんですよね(笑)

そんな過激な描写が頻発するので、ばっさりとR指定映画ですよ。

過激だけど、要は、家族の映画でもあります。

ちょっと泣かせつつ、超残虐という、なかなかにナイスな映画に仕上がっております。
ただまあ、スラッシャー映画が苦手な人は、明らかに「13日の金曜日」全シリーズより過激ですので、見ないほうが身のためです。


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ヒュー・ジャックマン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2017-10-18







grandmst2000 at 09:39|PermalinkComments(0)洋画 

2017年11月30日

ジャスティス・リーグ(ネタバレあり)

久しぶりに映画館に行って見てきました。

・・・と思ったんですが、よく考えたら前作の「ワンダーウーマン」も映画館で見てました、ついこの前じゃん。


私もアレです、人生半世紀超えまして、この年齢だと、「夫婦50割」つって、どちらかがオーバー50歳だと、映画1100円で見られるんですよ、ちょっともの悲しい側面もありますが。
映画代が安くなったのと、車を持ってすぐ映画館に行けるようになった、割と近場に大型ショッピングモールが相次いで開業して3カ所ぐらい映画館が出来たという、諸条件が重なって、最近はよく映画館で見てます。

結局ですね、「ワンダーウーマン」も感想書いていないし、「バットマンVSスーパーマン」もエクステンデッド版のBlu-ray見たらまた感想書きます、みたいなフリしといて、結局書いてないんですけどね。
BDは買いましたし、見ました、実は感想も書いてあるんですが、載せてません。


ていうのは・・・って映画と全然関係ない話、してるんで、また長くなりますけど、まあいいです、どうせ誰も映画の話は期待してませんからw

前から書いてますが、ブラウザで直にブログに感想を書き込むと重いのと、たまに落ちてワヤになるんで、テキストエディタで書き上げてから、コピペするようにしてるんですけど、第一に、基本、私は「文を書くのが好きで好きでしょうがない」ので、載せることが目的ではなく、「書くことそのものが目的」化してるので、書き終わった時点で、熱意が終了するんですw
第二に、ペーストしてから整形したり画像貼ったりするもんで、その作業が結構面倒くさい、というのがあります。
第三に、ペーストしてから、また推敲してしまうので、その作業も面倒くさい。
こうした理由により、実は感想を書いてあるが、ブログにはのっけてない「感想お蔵入り映画」が、おそらく載っているものの30倍、いや、オーバーではなく、もしかしたら50倍ぐらいはあるかもしれませんが、そのぐらい眠ってます、ま、要は書いてもほとんど全て載せてない、ってことです(笑)。


さて、「ワンダーウーマン」の感想は、ぶっちゃけ、イマイチでした。
やっぱ、私、前から何度も言ってますけど、女性監督の映画って駄目ですわ。


さあ、やっと本作の話題です。
今回は、予備知識なく前作(以後、前作とは「ワンダーウーマン」ではなく「バットマンVSスーパーマン」を指します)を見た人には「え? 何、このシーン?」みたいな感じで、全く意味不明に、一瞬だけレックス・ルーサーの集めたミュータントファイルとして紹介されたフラッシュ、サイボーグ、アクアマンがいよいよ登場します。

メインキャストは、死んだお父さんのケビン・コスナー以外は、ほぼ続投。
ロイスもスーパーマンのお母さんも登場、編集長はお休みです。
ルーサーも刑務所で休養中、ラストのネタフリだけに登場します。
ゴードン本部長も登場。
監督は前作同様、オタク帝王ザック・シュナイダー。
なんとなんと、音楽は前作から変わって、ダニー・”バットマン”・エルフマンだぁ! やたー!!(後述)
バットマンとエルフマンの最強コンビ復活です!!

あらすじ。
『バットマン vs スーパーマン』での戦いで、自らの命を犠牲にして世界を救ったスーパーマンの行動を目にし、バットマンことブルース・ウェインは「信頼」の重要性を実感した。彼は戦いで出会ったアマゾン族の王女ダイアナ・プリンスと共に特殊能力を持った他の超人たちを集め、アトランティスセミッシラS.T.A.R.ラボに存在する「マザーボックス」を手に入れようとするステッペンウルフとその手下パラデーモンによる脅威を向かえ撃つ
(Wikipediaより)

マーベルのヒーローチーム「アベンジャーズ」は、まずヒーローの単独映画をやってからチームを結成しているので、単独映画を見ていれば、みなさん、なじみのあるキャラなわけです。
ま、スパイダーマンは「アメージング」とは別人でしたので、単独映画は後から公開になりましたけどね。
それに対して、今回の「ジャスティス」は、単独映画がスーパーマンとワンダーウーマンしかない。
バットマンはメジャーなキャラだけど、バートンやノーラン監督版とは別人なんで単独映画はないですしね。
唯一、フラッシュはテレビシリーズになっているので、一番ポピュラーに紹介されているキャラと言えます。
アクアマンとサイボーグに至っては、全く単独映画がないので、どうしたって本作の中で紹介シーンを作らざるを得ないわけで、かなり、詰め込みすぎと言えます。

そんなわけで、結構、ツッコミ始めるとキリがないぐらい、構成に難のある映画ですけど、案外面白かったんです。
雰囲気は前作の感じを保ってダークっぽい落ち着いた雰囲気ですが、そんな感じは表面的なところだけで、前作のどんより暗い感じよりは、かなりマイルドになってる。
ストレートなヒーローチームものになっているので脳天気に楽しめる感じです。

で、各ヒーローの紹介シーンは、尺の都合で非常に少ない、やはり辛いです。
アクアマンの存在は、まあ昔からこんな民族がいた、みたいなアレなんで、まだしも「あ、まあ、とにかく、こんな人がいるんだね」ぐらいの感じで受け入れられなくもないですが、サイボーグの場合、誕生経緯がほとんど描かれていないので、さすがに唐突です。
フラッシュに至っては、テレビドラマがあるので、もはやキャラ紹介する気すらありませんw

余談ですが、フラッシュは日本人はあまり知名度がないですが、これまでも何度かドラマになってまして、アチラでは割とポピュラーなヒーローなので紹介が端折られてるせいもあると思います。
私は結構、昔から好きなキャラで、昔、マーク・”ルーク・スカイウォーカー”・ハミルが悪役トリックスターをやっていたパイロット版が良かったですねー。

▲ルークも落ちぶれて馬鹿な格好で強盗なんかやってます(笑) この、超速で走るフラッシュがパチンコ玉ばらまかれて転ぶという、ドリフのコントまがいのネタは凄かったですねー、腰砕けです。


そんなわけで、キャラ自体は不可解な印象が強いと思いますが、前作のように「暗黙のネタフリ」みたいなのがあまり多くないので、前作より分かりにくい感は薄くなってると思いますし、単純にヒーロー集めの過程とバトルを楽しめばいい映画で、結構、このストレートさは、最近のヒーローものでは少ない良さではないかと。
ヒーロー集める過程、楽しかったですよ。
でもネットに全部上がってるんで、事前に見飽きてしまいましたけどね、やっぱ映画は情報見ないで見に行ったほうがいいね。

まあ、どうせコレ、いっぱいカットされてるんだろうから、BDで30分長いエクステンデッドエディションとか出ると思うけど。


死んだスーパーマンが登場するのは、前作から生き返るだろうことは分かっているので、なんのサプライズもないんですけど、正直、コレに関しては、殺す意味あったのか? って感じは否めません。
原作では、スーパーマンの脳天気なキャラが時代にあわなくなってきたので、一度殺そうという意図があったはずなんで、それなりに殺すことに意味があるんですよ。
けど、本作の場合は、ただ、全く同じキャラが死んだと思ったら、すぐに生き返ってくるだけですから、あんまり死んだ意味がないんですよね。
なんかこう
ただでさえ前半は新キャラの紹介が忙しいのに、その上スーパーマンが存在していると、スーパーマンのドラマまで入れないといけないから収まりきらないので、殺して、しばらく出てこないようにしとけ
という都合で死んでるようにしか思えないんですよね(笑)

一応ですね、制作側の説明では「スーパーマンの死によって、バットマンの人間性が変わった」ということなんですけど、そもそも、前作でそこまでバットマンの描き込みがないのと、我々ぐらい歳食ってると、バートン監督版やシュマッカー監督版、ノーラン監督版などのキャラが全部脳内でミックスされてバットマン像を形成しているので、あんまりそうは思えません


致命的に駄目なところは、敵がショボすぎるところですかね。
なんかビジュアルからショボいんですが、世界を滅ぼすような敵のはずなんですが、世界が危機に陥いる前にヒーローチームが阻止しちゃって、全然、世界的な危機感がないんですよ。
要は、こういう壮大な敵が登場するときにつきものの、強大な力を見せつける大破壊シーンがほとんど無いんで
ホントにコイツそんなに強いのか?
みたいな印象で、せいぜい強さが
スーパーサイヤ人どまり
で、恐ろしさがイマイチちゃんと描かれてなくて、役不足って感じです。

本作の敵は、前作からずっとネタフリされていたので、ちょっと拍子抜けの感じです。
ぶっちゃけ、前作のドゥームズデイのほうが、ずっと強そうでした。

同時に、前作ではあれだけ超人相手に健闘していたバットマンが、あんまりボス戦で活躍しないのも
主にバットマンの活躍が見たいだけの私
にとっては、少しガッカリでした、いや視点が偏ってますが。
でも重武装の改造バットモービルは格好良かったです。

バットウイングはワンカットしか登場しなかったので悲しかったですが。
新メカの四つ足ロボと、輸送機は、特に魅力がなかったんで、どうでもいいですw

あと、なんで前作の重装甲スーツを使わないんだ? って疑問もありますな、なんか事前に「今度は進化したバットスーツが登場する」って聞いてたんですが、全然新しくなった感じがしませんでした。

あ、そういえば前作の荒廃した未来のネタフリシーンで登場した、バットマンのゴーグルスタイルが登場します。
色々憶測を呼んだシーンで、あれは未来の二代目のバットマンではないか、などの推測もとびましたが、普通にアフレックでした。

それと、今回登場するゴードン本部長(J・K・シモンズ)は「歴代で最も似ている」という評価も高いだけあって、雰囲気がすごい良かったですねー。


あとね、映画見てて、ずーっとツッコミ入れたかったんですけど、廃炉になった原発が敵の根拠地になってるんだけどさ、そこに攻め込むんですよ。
あのさ、廃炉って、放射能がないわけじゃないよw
超人はともかく、基本生身のバットマンとフラッシュと一部生身のサイボーグは、被爆して次回作で死んだりしないのか?


一番良かったところはどこかというと、音楽です。
私、映画好きなんですけど、映画音楽って興味ないんですよ。
あくまで映画音楽は、映像とあわせてひとつだと思ってるんで、単独で聞くことに興味がないんですが、唯一の例外がダニー・エルフマンの音楽。
本作の音楽は、そのエルフマンが担当しているんで、それ自体素晴らしいんですが
なんと、バットマン史上、最も有名なティム・バートン版の「バットマン」のテーマ

クリストファー・リーヴ版の「スーパーマン」のテーマ
が、BGMにさりげなく埋め込む形でフィーチャーされてるんです!!
また、大スクリーンでこのテーマを聞ける日が来ようとは! 涙ちょちょぎれるかと思いました。

▲ジャスティス・リーグ版バットマンのテーマ。

スーパーマンといえばアノ音楽、というのと同じぐらい、バットマンのイメージそのものとなったバットマンのテーマは、元々、エルフマンの作曲ですからね〜、ご本尊がアレンジしてんですから、そら良いですわ。
映画見てる最中に最初にバットマンのテーマが流れたとき、思わず反射的に「うひっ」とか言っちゃいましたよ。
未確認ですけど、どうもサントラではもっときちんと入ってるみたいですね。

もう、どんなに映画がクソだったとしても、これだけで許します、私。
ああ、ファンってバカですね(笑)

ただまあ、そーいうファンサービス的な意味だけじゃなく、バットマンの実写版歴史において、バートン版の功績は計り知れないし、スーパーマンもリーヴ版がなければ存続してないわけで、こういう映画を撮るなら、先達にきちんと敬意を払った態度は、制作者は必ず見せないと駄目だと思うんですよ。
そういう意味で、こういう風なことをやってくれる、というのは、絶対に必要なことだと思うし、その点でもノーラン版バットマン3部作には、バートン版への敬意が見えずに嫌いだったんですが、やはりオタクであるザック・シュナイダーは、ノーランと違って、そのへんの押さえ方はエライと思います。

オタクといえば、今回は、サラリーマンスタイルのケントが、危機を発見して、メガネ外してシャツをはだけてSマークが現れる、おなじみのシーンもちゃんとやってくれてます。

ラストはルーサーの再登場で、ヴィランチームを結成しよう、というところでエンド。
次回は、ヴィランチームとヒーローチームのバトルになりそうです。

うーん・・・期待したら超期待外れだった、ヴィランチーム映画「スーサイド・スクワッド」があったので、ちょっと心配だな。
ホントに駄目な映画だったからなぁ、アレ。

ところで、回想のバトルシーンにちらっと出てくる、緑色の光線で戦ってる人って
前に映画が大ゴケしたので、映画化の際にメンバーから外された可哀想な「グリーンランタン」ですかね?



grandmst2000 at 22:00|PermalinkComments(0)洋画 

2017年11月20日

『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団(ハヌマーンと7人のウルトラマン)』(ネタバレあり) 後編

さて、やっとこさ映画の話にたどり着きました(笑)

ところでこの映画、原題は『ハヌマーンと7人のウルトラマン』という意味ですが、この当時
ウルトラ兄弟7人いないじゃん?
と思われますが、登場するウルトラの母がカウントされてます、いや、兄弟じゃないだろ親子だろw
なんでもタイでは6は縁起の悪い数字なので、無理矢理7にしたらしいです。

あ、そうそう、前回書き忘れましたが、なんと前回触れた「ハヌマーンと5人の仮面ライダー」は、本作の続編という位置づけで、一部登場人物などが同じです
世界観おおざっぱにもほどがあります
が、日本にも「ウルトラマン対仮面ライダー」という作品があるので、まあオマツリだと思えばいいでしょう。

面倒くさいんで、ストーリーはWikiの概要を引用すると
仏像泥棒に殺害されたコチャン少年が、ウルトラの母の導きでインド神話に登場する白猿ハヌマーンとして復活し、ウルトラ6兄弟(ゾフィーからウルトラマンタロウまでの6人)とともにタイに出現した怪獣軍団と戦う。
という映画です。

ウルトラマンとタイトルはついてますが、ウルトラ兄弟が出演するのは、ほぼ冒頭とクライマックスだけです、主にハヌマーンの映画なんですが、セットや小道具は、全部ウルトラリーズに使われた本物で、音楽などは冬木亨の名曲、ウルトラセブンのBGMなどが主に使われていますので、なんとなくウルトラっぽいんですよね。
小道具のデキはいいし、特撮も日本での撮影なので、違和感なく見られるレベルです。
14]
▲特撮は気合い入ってます、普通にいいです。

09]
▲セットもおなじみ、どこかで見たアレをそのまま使ってます


この映画に登場するハヌマーンはアチラの「ラーマヤーナ」などにも登場する伝説の白ザルの神様です。
が、なんせビジュアルがアレなんで、ウルトラ兄弟と並ぶと日本人感覚では浮いてることこの上ありません。
こいつが、卍スタイルで空を飛んだり、女の精霊?とちょっとエロい感じの追いかけっこをしたり、あげくに太陽(の精霊?)を説得して返してしまったり(ビジュアルは太陽と会話してて凄いです)、とにかくもう
普通に神様同士が会話するのが当たり前
という基準で話が進みますので、日本人感覚からすれば、もう無茶苦茶ですけど、やはりこの映画が凄いのは、そうした
カルチャーギャップ部分
だと思います。

47]
▲くだんのハヌマーン飛行シーン。決してこれはギャグではありません。全く空力無視してるのが凄いです。普通に宙に浮きます。

そのギャップの数々ですが、まず、中身は半分コントです。
冒頭あたりから
ぶっさいタイ人がZATの隊員服を着て丁々発止のコントを繰り広げるので、見るのが嫌になることウケアイ
です。
いや、「タイ人がぶっさい」と差別的なことを言ってるのではなく、「ぶっさいタイ人」なのです、ホントに。
ZATの制服の下に女性用水着を着てるとか、モンティパイソン顔負け。
ウルトラマン見てるつもりで、そんなギャグが飛び出しても、脳がノリについていけないのですが、日本語版だとおなじみの脱力系声優さんたちが見事にマヌケで気の抜ける声を当てているので、もうたまりません。
22]
▲どうです、この顔、特に左、完全に「原人」でしょ? この人たちがZATの制服を脱ぎ捨てて、女性用水着になって川で「きゃっきゃうふふ」やるんですよ、このシーン、いったい誰得なの? で、恐ろしいことに、このシーンに「この2人はロケット研究所だかなんだかのエリート隊員である」的なナレーションがかぶさるんですよ。いや変態のエリートだったら分かりますけども。

次に、基本、「はじめに仏像」「神様ありき」で物語が進むのが、仏教文化の国ならでわで、かなり違和感です。
近年の「マッハ」シリーズでも、一作目なんかは盗まれた仏像を取り戻しに行く話でしたね、あらすじ、おんなじじゃん(笑)
ホント、タイの映画ってなんでも仏像が物語のコアになってたりしますけど、ここはまだ、タイ映画をたくさん見てると慣れてきてるので、まあ理解できるんですよ。

このへんのカルチャーギャップは最初から覚悟して見てるので問題ないんですが、その予想の斜め上を行ってるのが、善悪観念というか、悪に対する感覚みたいなところです。

まず、主人公であるブッダを敬うコチャン少年が
泥棒のジープに掴まってるところを、頭打ち抜かれて血糊どばどば

で、それを見たウルトラの母が、生き返られてくれるんですけど、でっかい手が少年の遺体をすーって持って行ったら、周りが「泥棒〜!」「返せよ〜!」みたいな大騒ぎ
完全にウルトラの母、悪役、遺体泥棒扱いw
いや、そりゃ常識的に考えたら、いきなり謎の手に遺体を盗まれたらそうだけど、そこはヒーロー映画なんだから、日本の演出だったら、喜ぶところじゃないのかと。

で、ハヌマーンに生まれ変わる?わけですが、ここからが凄い。
どうも日本以外の東南アジアの国では
悪いやつはどんどん殺していいじゃん
っていう思想のようですね。
ヒーローとしての考え方が違うようで
巨大ヒーローでもさ、正義の味方なんだから残酷なのとかヒキョウなのは駄目だよね、子供向けだし
って考えるのは日本人だけみたいなんですよ。
正義の味方が守るべきライン
が存在しないみたいなんですよね。
ハヌマーンが「悪人は地獄行きだ」「死ね〜、死ね〜」とか「おらおらー」みたいに、オモシロ半分に3人組の泥棒を追い詰めていくのがもう不謹慎でイヤらしい。
で、あげくに悪党の1人を指ではじいて木にぶつかりまくって木の下敷きになって死ぬのはまだしも、もう1人は踏み潰して殺してしまい、1人は握りつぶしてしまいます、ひでえ!
以前少し触れた「インフラマン」も全く同じで、巨大化して怪人踏み殺すんですよ、アレはご丁寧に「ぶちゅっ」って汁が出る始末だったと思います
正義の巨大ヒーローが人間踏みつぶすのは日本ではギャグ漫画しか許されませんが、アチラの思想では普通に「アリ」みたいなんですよね。
まあ合理的に考えれば、そりゃ巨体で悪を倒すなら踏み殺すのが簡単ですよ、確実に倒せるし、確かに簡単で間違ってないけど、日本人にはどうにも馴染めません。

52]
▲ハヌマーンの右手に注目、人握ってます、決して救出シーンじゃないです、これから握りつぶすところです(笑)

更にひどいのが、クライマックスの戦闘。
ウルトラ6兄弟とハヌマーンが共闘して、怪獣を倒すんですが、首と腕を切り落として殺すのは、まあセブンにもあったので、まだいいとして、首なし腕なし怪獣がコント風に踊る? というギャグセンスがかなり理解できない。
おまけに、顔の肉を引っこ抜いて骸骨にし、両腕を引っこ抜いて骨にするという発想。
最後は謎のビームで全身白骨化。
ハヌマーンが持っている武器でぶすぶす怪獣を刺すのもなんかエグい。
33]
▲骨になった怪獣の頭。おまけに左右から腕を引っ張られ、ひっこ抜かれて白骨化。どうですかこのセンス。正義の味方がコレをやるというのは、どうしたものか。

このへんのビジュアルも相当に凄いんですけど、きわめつけは、俗に
ウルトラリンチ
などと言われる名シーンです
これがこの映画の伝説化に決定打となってます。
7人で寄ってたかって怪獣(なんとゴモラ)を突き飛ばし、地面に転がし、這って逃げ回る怪獣を輪になって蹴っていたぶる暴虐ぶり。
2人で両脇を抱えて無理矢理起こしたところに、ハヌマーンが後頭部に釘バット攻撃(いやバットじゃないんだけどそうとしか見えない)して、おまけに石をぶつける
いじめにあったことがある子供なら、完全にトラウマがよみがえるレベルの凄惨ないじめ模様です。
48]
▲ハヌマーンの金属バット殴打。普通にリンチです。虐待です。横綱白鵬もびっくりの暴虐っぷりです。


この
寄ってたかって7人のヒーローが怪獣をいたぶり倒す
という感覚が、日本人には全く理解できません。

日本版とタイ版は音楽とか効果音違うんだけど、バットのシーン、どう聞いても「金属バット」の音にしか聞こえない効果音なんですよね(笑)
あと、ゴモラの声がゴジラだったり、「アリガトウアリガトウサンキューサンキュー」とか喋ってたりしますわ(笑)

めでたしめでたしで、立ち尽くすウルトラ兄弟の前でハヌマーンが珍妙な踊りを踊り狂うんですが、ちょっと狂気を感じます。
最後に、ウルトラ兄弟1人ずつに「ありがとうウルトラマン」とハグするシーンがあるんですが、ウルトラ兄弟、表情変わらないにも関わらず、どうしてもウルトラ兄弟が
突然予定外の従軍慰安婦が登場していきなり抱きつかれたトランプ大統領
のように、ひどく困惑して嫌そうな顔をしているように思えてならないんですよ
トランプさんの「あいつ(文大統領)は何を考えてるんだ 何なんだあいつは!」の声が聞こえてきそうな感じです。
映画のホンペンの効果ってすごいですね(笑)

でも、アレなんです、スーツの中に入ってる人が違うのか、何か日本版よりアグレッシブなアクションが見られるので、そこが良いんですよ。

っていうかね、主人公、ブッダを敬愛する少年なはずなんですけどね、私の知る限りでは
ブッダの教えは、こんな残虐じゃないだろうと(笑)

えーっと、まあ、タイのノリについていけなくて、途中で止める人が大半じゃないかと思うんですが、「マッハ」や「チョコレート○○」シリーズなんかを見てる人は、そこそこ耐性がついているので大丈夫かと思います。
ネタとして完璧に面白いので、一度見てみるといいですよ。


grandmst2000 at 23:40|PermalinkComments(0)