2011年08月

2011年08月28日

親切なクムジャさん

ある男に娘を人質に取られ、誘拐殺人犯の身代わりとしてイ・クムジャは13年を刑務所で過ごす。優しく美しい彼女は「親切なクムジャさん」と慕われていた が、全ては復讐のためだった。刑期を終え、復讐鬼と化したクムジャは娘と再会し、先に出所した仲間の協力でついに男を手中に収め、復讐を遂げようとした瞬 間、驚愕の事実を知る。「親切なクムジャさん」の本領発揮は、そこからが始まりだった…。

◆2005年 ヴェネチア国際映画祭特別賞三冠受賞
◆2005年 韓国青龍映画賞 最多8部門ノミネート&作品賞・主演女優賞受賞
(Amazon.comより)


パク・チャヌク監督は、韓国映画で、俺が唯一、名前で見る映画監督だ。

「JSA」「復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」
など、衝撃作を発表し続け
コイツの映画ってちよっとヤベすぎんじゃね?
と、あちこちで賞を取りまくり、アジアのみならず、世界的にもビミョウに(アジア人なので欧米で見ている人少ない)注目される奇才、パク・チャヌク監督は、今の映画界において突出した才能だと思う。


本作は、「復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」に続く、俗に言う「復讐3部作」の三作目なのだが、俺が今までこの映画を見ないでいたのは、主人公が女性だったから。
でもって、放置しているうちに、うやむやで監督がこの人だと忘れてしまったのだ(笑)

以前に何度も書いているが、俺の個人的な嗜好で、女性クリエイターは信用してないのだけれど、それには、監督だけではなくて、俳優も含まれる。
要するに、俺は、女性が主人公の映画は、ほとんど、面白いと思ったことがないのだ。

それだけでも避ける理由には充分なのだけど、パク・チャヌク監督の場合
この監督の映画は、どえりゃー渋い男を描くもんだ
と思っていたので、毛色が違ってとまどっちまって、更に二の足を踏んで、放置してた。

放置プレイの間に、日本版の予告を見たのも、見ないでそのまま忘れた原因になっている
「クムジャさん、クムジャさん、なにやってるの?」
「ふ・く・しゅ・う」
みたいなの

こんな幼稚園児が考えたみたいな駄目な予告見たら、どん底まで見る気もなくすってもんだ
確か予告を見て、「ああ、これはきっと駄目な映画なんだ」って思った記憶がある(その時点では、もう、頭の中で監督と作品名が繋がってないので、その時点で「忘れる引き出し」にしまい込まれた)
どう売っていいのか分からない内容なのは、とてもよく分かるけれど、だからって、いくらなんでも、この予告はなかろう
ま、見ないと、そのすさまじいまでのセンスのなさ加減が分からないと思いますが、DVDに収録されてるんで見てください。


そんなわけで、避けてたのだけど
早く見るべきだったと後悔した。

例によって、大傑作!!

ちょい役の遺族の人たちが、とんでもなくいい味出してんなぁ、と思ったら、演劇の先生だそうで、なるほどな。



今までの作品を見ても分かるとおり、おそらく、パク監督は
心に相当、ドロドロズルズルグチャグチャしたものを抱えている
あるいは、少なくとも
かつて一度は抱えたことのある人間
なんだろうと思う。

もちろん、世の中には
ドロドロズルズルグチャグチャしたものを抱えている
人間なんて、それこそごまんといるし
自称クリエイターの中にも、いや、そういうジャンルに限って、死ぬほどいたりする
だから、そういうこと自体は、クリエイターとしては、何のアドバンテージにもならない
そんなの、偉くもなんともないし、むしろ、それ自体はネガティブポイントでしかない

パク監督が突出しているのは、そうした
ドロドロズルズルグチャグチャを根底に折り込みながらも、アートシアター系の「監督マスターベーション映画」ではなく、それを超一級のエンターティメントにまで昇華する才能である


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▲エンターテイメントつーか豆腐。なんやしらんが豆腐です、ええ。

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▲きっついっすよねー、冒頭からこの顔は。これだけでこの映画にヤラれちゃいます。
まあ誰とか何とか気にしないでいいです



それも、あくまでも、ドロドロズルズルグチャグチャから派生した行為をエンターテイメントにするのではなく、本質的にドロドロズルズルグチャグチャそのものをそのままエンターテイメントにしてしまう
たとえば、欧米のリベンジ映画は、復讐に至るドロドロはあっても、メインはあくまで復讐劇であり、「復讐の過程」をエンターテイメントとして描くが、パク監督の作品は復讐三部作でいえば、「復讐したい心」をエンターテイメントにしてしまうのである

韓国映画には、確かに韓国特有の民族性があるが、パク監督の映画に見られる特異な感覚は、ほとんどが韓国人という部分に依存していない
常に、どの民族(それなりに民主思想のある)でも分かりやすい、もっと根底にある、人間に共通の部分が主題になっている
それが、どの国の人にも分かりやすいから、映画祭でも絶賛されやすい理由なんだろう
まあ、一言でいって
ムナクソ悪くなるぐらい、いや〜な感じ、なのだ(笑)


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▲刑務所内部はピンク。今回、原色使いまくりのデザインで、いつも以上にコミックテイストが強い。

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▲でも大丈夫。いつものノワール風渋渋映像も、出るところにはちゃんと出ます!



相変わらず、話の構成力というか、物語の語り口も他の作品同様に絶妙
先にあらすじを読んでしまうと、ああ、そういう話なのか、って納得してしまうけれど
例えば、「オールドボーイ」で、全然話の着地点が分からなかったように
あるいは、「渇き」で、さりげなく徹底的に、バンパイヤなのに一切キバを写さなかったり、逆に鏡に写しまくってみたりといういつものヒネクレぶりも手伝って
全く予備知識なしで見ると
いったい何をしてて、話がどこに向かってて、どこに着地するのか、っていうのが、さっぱり読めない映画なのだ
最初はパズルのピース集めで最後に完成する映画だから、一度、パズルのピースが全部組み立てられた状態を知った上で、また見直すと、また面白い


自分の話と絡めるとしんどいので、特に関連性は言及しないが、これはかなり心が痛い映画だ。

人間というのは、生命があれば、生きているというものではない。
表層がどれほど元気そうで、肉体がどんなに元気でも、それだけでは生きているとは限らない。
生きていても、死んでいる状態というのはよくあり得る
そういう状況においては
(特に復讐に限らず)どのような手段であっても、ある種の物事に自分なりの形でケリをつけない限り、どうしうようもない。
この先、生きていくとか肉体的に死ぬとか、そういうことを考える以前に、まずは何十年かかってもケリをつけざるを得ないこと

というのがある。

この映画は、つまりは、そういう映画だ。




こういう状況を実感をもって理解できる人間は、この映画の根底に流れる物を理解できるから、そういう人には、この映画は強烈な存在として君臨するだろう。
物事が、ある種の根底にまでいってしまうと、映画技法だとか文法という部分の優劣での評価を飛び越えて、とにかく存在として成り立ってしまうのである


一方で、それが理解できない人には、この映画は、単にちょっと、いやかなり変な表現ばっかりの、復讐映画に写る。
本作では、パク監督のコミック的な映像演出が、いつも以上にコミカルで誇張されているため、表層だけしか見ない人が見ると、かなり妙なものに見える。
人面犬に代表される、時々現れる異様にシュールな表現にまどわされることも、それに拍車をかけるのだろう。
「オールドボーイ」主演、今回は悪役のチェ・ミンシクは、これを
平易な演劇論に慣れている観客は首をかしげる
と表現している

その人が、前者であるか、後者であるかによって、この映画の見方は全く異なる。
妙に評価が二分されていると思える理由は、そこにあるのだと思う。

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▲これが人面犬のシーン。まあ、それだけ。つまりマンガです。深い意味はありません。



好悪どちらにしろ、この映画で表層面で優劣を語れる人は幸いである

逆に、残念ながら、この映画の「とってもいや〜な感じ」が分かってしまう人は、一度は人生で相当に辛い思いを経験したことがあるだろう。

だから、出来ることなら、この映画のことは、一生分からないほうが、たぶん幸せなのである




国内パッケージは、予告に負けず劣らず、センスが爆砕してます。下の韓国版と見比べてください
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▼こちらが韓国版パッケージ。・・・もはやおんなじ映画じゃないだろう、コレ
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grandmst2000 at 22:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0) アジア映画 

2011年08月21日

ロビン・フッド

リドリー・スコットが監督を手がけ、あの“グラディエーター”を生み出した、ラッセル・クロウとの5度目の競演!
ラッセル・クロウ、ケイト・ブランシェット、ウィリアム・ハートのアカデミー賞受賞俳優の豪華競演!

【ストーリー】
12 世紀末。イングランド獅子心王リチャード1世が率いる十字軍遠征隊の中に、数々の武勲を打ち立てた弓の名手、ロビン・ロングストライドがいた。フランス軍 との戦闘でリチャード1世が落命したと知ると仲間とともに部隊を離れるが、王の側近たちがフランス軍の闇討ちに合う現場に遭遇する。そこで倒れていた瀕死 の騎士ロバート・ロクスリーの遺言、ノッティンガム領主の彼の父に剣を届ける約束を果たすため、ロビンたちはノッティンガムへ向かう。そこでは、彼の新た な人生が待ち受けていた・・・
(Amazon.comより)


邦画やハリウッド映画の才能がない連中が、よくやらかしがちなのが
従来のXXXのイメージを壊す
新しいXXX像を作る

って言って、なんか勘違いして原点に敬意を払わず台無しにしちゃうこと。

なんでも壊せばいいってもんじゃないだろう!
って気付よ、お前、と突っ込みが入るタイプですが
そんなわけで、そういう映画です



粗野で粗暴なラッセル・”世界喧嘩紀行”・クロウが主人公ロビンという時点で
嫌な予感150%満載
なんですけども、案の定、というか、案の定以上に
粗野で粗暴なラッセル・クロウが、ガチンコで剣で人殺してるだけ
という

コレは「ロビン・フッド」というのはどっかでタイトルが間違ってしまって、ホントの原題は
「グラディエーター2」なんだと思います、たぶん

だって、ロビンフッドっていったら
美しい緑の装束でヤサ男っぽくて弓で敵をバタバタ倒す義賊
っていうイメージでしょう?
この映画は
汚い緑じゃない装束の粗野なムキムキ男が敵をぶんなぐってバタバタ倒す上に義賊でもない
という・・・あらためて列挙してみると、あらためてスゴイと思いましたが、共通点、敵倒すとこだけじゃん!


なんせ、「ロビン・フッド」と言いながら、その実体は「ロビン・フッド ビギンズ」、つまりロビンがロビンフッドになる前の前日譚で、早い話が
それ全然「ロビン・フッド」じゃないやん!
って話で、題名からして間違ってる
「ロビン・フッド」は義賊になってからの伝説名ですから、映画の時点ではロビン・フッドじゃないんですよコレ
バットマンがバットマンになる前のお話で、画面にバットマン出てこなかったら、そら題名に「バットマン」って入れたら詐欺だと思います、それは「ブルース・ウエイン」というタイトルにすべきだと思いますが、つまりそういうことです

つーか、それどころか「ロビン・ロックスリー」ですらないんですよ!
え? どういうこと? かっていうと、なにやら粗暴で粗野なオッサンが、たまたまロックスリー(最もポピュラーな伝説では、この人が後にロビン・フッドになる人)が死ぬ場面にいきあわせ、こりゃしめしめとばかりに、ロックスリーになりすます、っていう詐欺の話

最初、ロックスリーが死んだときには混乱しましたよ、だってロビン・フッドになるはずの人がいきなり死んでんだもん。
いきなり主人公死んだらびっくりするよな、そら(笑)
しばらく、話の流れがわからなかった

なので、中身も全然「ロビン・フッド」じゃありません! そらもう、いさぎよいほどに!

(っていうか・・・ロビンになる前の若い頃の話であるはずなのに、主人公がゴリゴリの歳食ったオッサンってのはどうなんだ)


なんせ
弓の名手と言いながら、ほとんど弓を使わずに剣で戦ってしまうロビンって・・・・ロビン伝説全否定!


ケビン・コスナーがロビンを演じた「ロビンフッド」は、ユーモアとアクションとシリアスのバランスが取れている上に、ロビン像が素晴らしい逸品で、あの映画で新しいロビン像が完成したと思う
あの映画のケビンが実に適役なのは、それなりにたくましい上に、適度な線の細さ、優雅さ、知的っぽさが備わっている点にある。

ロビン・フッドは、イメージを壊さないように、絶対に線が細くて優雅で知的さを持っていなくてはいけません

そこそこマッチョでありながら、凶悪なほどマッチョじゃない。
誰にでもガチンコ勝負で勝てるわけじゃない
そこで「弓という軽量で小回りが効いてその上比較的強力な武器が強い味方になっている」という感覚で、無意識レベルで自然に説得力が生まれてくるわけである


が、なんせ
ラッセル・クロウは野生のゴリラで知能指数ゼロみたい
なんで
別に弓なくてもいいやん! 剣で戦ってれば
っていうか
剣もいらねえんじゃね?拳で殴り合ってれば?
みたいな話になっちゃってる

先にも述べたけど、この映画では、ロビンは領主ロックスリーの品のある息子ではないΣ(゚Д゚;
早い話がどういう映画かっていうと、
つまり粗暴で粗野なオッサンが上流階級なりすまし詐欺するという話なのだ

弓を使ってる理由ってのが、この映画では
こりゃ遠くて剣が届かないので弓使わんと仕方ねえなぁ、的な
はなはだ消極的な使用理由になってるようにしか見えない。


「ドラゴンボール・エボリューション」は、ぼくらのドラゴンボールがハリウッドに誘拐されたら、思いっ切り整形されて別人になって帰ってきた、みたいな映画だったが、この映画も
僕らのヒーロー・ロビン・フッドがハリウッドに誘拐されて、救出してみたら整形手術されたうえにロボトミー手術されたゴリラになってた
みたいな感じ


で、とにかくこの映画無駄に長い

あんまり長いんで計ってみたけど
冒頭にちょこちょこと戦闘シーンがあって、途中で1分ぐらい襲われたロックスリーを助けるシーンがあるにはあるが、ほんとにわずかなんで、それを計算に入れないとすると
冒頭のロビンが戦う戦闘シーンが9分目ぐらいで終わって、次に襲われる村を助けに行くシーンが、2時間3分目ぐらい
2時間近く、アクションシーンがない
普通の映画ならその時点でもうエンドクレジット流れてるよ、てかDVDのメニューに戻ってるよ!

好き嫌いは別としても、この構成の時点で、客観的に見て明らかに駄目なんじゃないかと思うが、なぜこの映画を評価する人がそんなにいるのか、そこが不思議
スコットってやたら持ち上げられるけど、実は昔から「物語を語るのがヘタなのを映像で誤魔化してる」人だから、それが悪化してると、まあこんなもんかもしれないが。



リドリー・スコットは、「エイリアン」や「ブレードランナー」の奇才と言われるけれど(俺はそれは言い過ぎだと思うけど。駄作も多いし)、映画監督のくせに映画を全否定した「ブラックホーク・ダウン」を見たときに
なんかジェームズ・キャメロンと同じように変な方向にいっちゃってて、あ〜、ひょっとしてこの人はもうそろそろ終わりなんではないだろうか
と(「グラディエーター」とかも駄目だったし)思ったんだけれど、本作はまさにその終焉的な感じがする作品だ


「ブラックホーク・ダウン」は、スコットが「プライベート・ライアン」の戦闘シーンを見てショックを受けて
ちっきしょーオレも負けるもんかー!
って言って作ったらしいけれど、本作を見ると
どうやら、スコットの「プライベート・ライアン」コンプレックスは、とんでもなく根深いものがあるようだ
だって
ラストの戦闘シーン、まるごと「プライベート・ライアン」のノルマンディシーンの中世版劣化コピー!

もう、しまいにゃ、そっくりな揚陸艇まで出てくる始末(笑)

そんな明らかに歴史的にあり得ないもの出してまでマネしたかったんですか?

ちょ・・・おま・・・誰も気にしないB級映画ならともかく、世界に名だたるトップクラスの有名監督が、その臆面もないパクリ具合は・・・ええの?ほんとにそれやっちゃって?・・・・って、見てるこっちが戸惑ってどうしていいやらわかんなくなった。


かつてのスコット作品には、好き嫌いは別として、何かこう、一種独特の輝きみたいなものが見られたものだが、本作にはそういうのが全く微塵も無い
実に凡庸で平凡、たぶん言われなければ、スコットファンでも、スコットが監督だって気付かない始末だ。
まあ、でも考えてみると、若い頃にも「テルマ&ルイーズ」とか、全く輝きのない凡作もあるし、「ブラックレイン」だって我ら大阪人には嬉しいので騙されちゃうけれど、冷静にあれを、もしも他の国の設定だと思って考えたら、かなり盛り上がりがなくてダラダラしたつまんない映画なので、要はバラツキが激しい監督だってことで、コレが年齢的なもので以後ずーっと駄目かどうかはまだ分からない。

とりあえず「エイリアン」の新作に期待してみよう。

だけど、だいたい、日本じゃもの凄いマイナーだからみんな知りませんが、SFファンの間じゃ有名な話、
「エイリアン」ってまんま名作ゴシックSF「パンパイアの惑星」のパクリ
ですから、元々、あの人の映画ってそんな独創的なもんじゃないですよ。
要は、どっかから持って来たネタを料理するのが上手、っていう、よくアニメの監督とかにいるタイプですよ



ところで、この手の映画見る度に毎回毎回書いてもう
いやになってくるんだが
伝説とかおとぎ話とかで、元々、優雅で品位のあるようなキャラを、今の人の独断的な間違った「リアル」で、薄汚いヒゲづらのオヤジが、筋肉もりもりでボンデージ風のコスチュームをまとって粗野な振る舞いをするキャラにしてしまう最近のハリウッド方式は、いいかげん、やめて欲しい
伝説とか、おとぎ話に、この種の「リアル」はいらねえんだよ
嘘っぽいからこそ、伝説であり、おとぎ話なんだから。
人々の間に定着して愛されているからには、それなりの理由があって、その姿には絶対的な敬意を払いつつ、いかにブラッシュアップしていくかが、作家の役目だと思うので
ただ敬意もなく壊すだけなら、北村隆平だって出来る
壊し方
っていうことを熟考できる知能がない人は、伝説ネタ物をやっちゃ駄目だと思う。


弓っていう武器は、今のデジタルで描くと相当に格好良くなる素材だからこそ、期待が高い
我々は、既にいくつかの素晴らしい弓映画を見ているから、そのぶん、失望も大きい
「ロード・オブ・ザ・リング」のレゴラスの戦闘シーンの格好良さたるや、並大抵ではなく、まさにあの優美さと美しさが、我々の持つ伝説のロビンのイメージそのものだと思う
ああいうイメージで、もう一度、ピーター・ジャクソンにでも、優美で美しい「ロビン・フッド」を撮って欲しいもんであるなぁ。


スコットは、「ロビンフッド」映画には面白いのがないから、俺が撮るとのたまって撮ったそうだが、
俺が見た「ロビンフッド」映画の中では、コレが一番面白くなかったですヨ、ええ

まー、ケビン版を未見の人は、これを観るぐらいなら、ケビン版の「ロビン・フッド」を見たほうが120倍いいと思う。


この映画、こう考えることもできる。
ロビン伝説を違う形で解釈したのではなくて、一種のパラレルワールドSFなんだと。
実際に、この世界では、本来、劇中で死ぬロックスリーが、後にロビンフッドになるはずの人であった
ところが、その人が死んでしまったために、妙なオヤジがロビン・フッドになりすましてしまったという、違う歴史のある世界
要するに、偽物のロビン・フッドが存在する世界
ロビンはニセモノで、知能指数も低そう、極めて酒や女にもだらしなさそうでモラル意識低そうだから、この先、当然、伝説にあるような義賊、ロビン・フッドは存在しなくなり、なにやら倫理観に欠ける盗賊団のようなものに堕落して、ロビンは悪の盗賊団の首領みたいに悪の代名詞になる
そういうSF設定なんだと。
そう考えたら、ラッセル・クロウの、ヤミクモなニセモノ感も、なんだか納得がいく・・・・わけあるかぁあ!




短気な男さラッセル・クロウ
演技の前に好きなのが〜、喧嘩だよ〜♪
というわけで
▼粗野で粗暴ってのはつまりこういうこと



▼知らない人が多いようなので、話題に出したついでに、エイリアンのパクリ元も載せときます
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▲元ネタになった、「バンパイヤの惑星」の宇宙船シーン

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▲「エイリアン」。シルエットも似てるしアングルまで同じ。65年の映画なので、ちゃっちいけど、基本はスモークたきまくりの惑星とか、異様な異質感とか、雰囲気も似てるんですよ、コレが。
このカットはたぶんあまりに似てるんで、オマージュ的な意味で
わざとマネしてるんだと思う。

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▲謎の巨大エイリアンの宇宙船を調査にいくシーン。
ここの場面も、「エイリアン」で宇宙船の側面にあいたハッチ?から入るシーンとそっくり(手前に巨大エイリアンの骨がある)

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▲宇宙船の中には、骸骨になった巨大エイリアンの死骸が横たわっていた、いったい何にやられたんだろう・・・ってプロットそのまんまですな。
ええ、だって敵が人間をのっとる生命体、という以外は、プロットがほぼ同じですからね(笑)
(ちなみに「バンパイヤの惑星」はイタリアン・ホラーの父と言われるマリオ・ヴァーバの異色SFで、名作と名高いのだが、なぜか日本では不遇で、ソフト化すらされとりません。「エイリアン」がパクリだとバレるとヤバいから?(笑))

▼もうこのビジュアルの時点で映画が間違ってますよね・・・なんだろう、このゴリラ
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grandmst2000 at 11:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 洋画 

2011年08月20日

抜け毛スプレーアタック!

実家にいる猫が一匹お亡くなりになった
寿命的なものではあるようだが、まだ10歳ぐらいなので、割と早い死と言えよう。

最後の方は、餌を食べなくなって3週間ぐらい生きていたので、見ている側は相当辛かったろう
他人を怖がる猫なので、苦しいときに脅かしては可哀想なので、俺は見に行かなかったんだけどな。

うちの実家の猫は全部「元野良」っていう理由もあるんだろうけど、どういうわけか、それにしても異常に人見知りなのばかり。
死んだ子は、たぶんトータルで30分も目撃してない。
他に今まで死んだ子も、4匹いるが、全部そんなもんというか、15分ぐらいのとかもいるだろう。
平均的に見ても、やはりこれは変で、臆病な猫ばかりが集まってくる。

よほど、臆病な猫に居心地がいい場所なんだろうかなぁ

無理矢理話を繋げると、母は元々、大の猫嫌いだった。
今のように猫馬鹿になったのは、家にいついた猫たちのおかげである
で、母が猫馬鹿なおかげで、ウチの猫は拾われたのであるから、死んだ猫は間接的にウチの子の命の恩人ということになる
と言う風に、無理に話をつなげて、ウチの猫に言い聞かせても、当然、聞いちゃいないのである

動物の死はいつだってしんどいけれど、今はウチにも猫がいるので、実感度が違うのであるなぁ



閑話休題



猫を飼うのは初めてじゃないけれど、20年近く飼ってないと、記憶が歪められてたり、改ざんされてたりする部分がたくさんある。

その最たるものが、抜け毛である

初抜け毛の季節は強烈すぎです!


まあ、猫飼いの人にとっては、なんてことない恒例行事でしょうけども、20年ぶりに味わうと、こりゃ強烈だわ。

予想と違ったのがショックで。

フェレレットの抜け毛というのは、季節の変わり目におこって、毛が生え替わると、抜け毛は終わって、そのまま安定してほとんど毛は抜けないのだ
だから、猫も、その延長上で規模が大きくなったようなの想像してたのだけど、とんでもなかった

春からずーーーーーーーーーーーっと抜け続けですがな、猫の抜け毛は終わらんのか!

DSC04900
▲あたちは抜けなくてエライでしょ。いや、その代わりウンコばらまくけどな


猫ってこんなんだっけ?
と記憶をまさぐってみても、どうも様子が違う
個体差はあろうが、それでも記憶と違いすぎる
よく考えると、昔の猫は、外に出歩いていたのだった
外で大量に毛を落としてきたのか
そういえば、実家の外出猫も、家の中ではあんまり毛を落としてない

もう、アレすね
服はもれなく植毛済
食べ物はもれなく猫毛トッピング

みたいな
また、俺は「いっつも黒ずくめ」とか言われるぐらいに、黒が好きなので、目立つ目立つ
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▲一瞬でも抱っこの代償は高くつく


空気中を毛がふわふわ舞い散る様はなかなか美しい・・・わけないw

ネットで、抜け毛でサッカーボールみたいなの作ってる人とか、そんな写真がいっぱいあったけど、やってみたくなる気持ちがよく分かる。
いったい、どんだけ抜けてるのか、貯めてみたくなるよな、コレは。

1匹でもコレなのに、家の中で5匹とか飼ってる人って、どうなってんだろうなぁ

ウチの場合、ブラッシングが嫌いだ、というのが、かなり致命的になってる気がする。

空気清浄機を買ってみたり、色々対策をこうじてみたが、ネットで調べてみても、これといった対策はないようで。

人類が火星まで行き着こうという時代に、やっぱコロコロ最強!、みたいな消極法しかないとは、なんとも情けない


完璧な猫の抜け毛対策考えたら、ノーベル賞取れるか、特許で一生暮らせますね。


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▲自然現象だからゆるしてちょー、クサクサしゅきしゅき(媚び売り中)

2011-08-01-054
▲あか〜ん、やっぱクサイわ




grandmst2000 at 17:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0) ペット 

2011年08月14日

THE WALL LIVE IN BERLINは義務教育にすべきDVDである

ニュース聞いてたら、ベルリンの壁が築かれてから、今日で(もう昨日か)50周年だそうで

あれからもう50年も経つのかぁ

とかって
つい先日正月だったと思ったら、なにやら真夏になってる、毎度時間感覚が極端におかしい俺はしみじみ思ったりするけど
いや、生まれてねえけどな

なんとなく、崩れるところを見てると、そんな気がしちゃうのな

あれはビジュアル的に、若い頃、最も「世界が変わる」っていうのを感じさせてくれたイベントだった。

まあ、そのインパクトの大半は、史上最大のウッドストックを超えたと言われる(途中から客が押し寄せてほとんど無料ライブになってしまったので、観客数が集計できてない)
ロジャー・ウォーターズのザ・ウォール・ライブ in ベルリン
のせいなんだけども。
俺の無人島アルバムナンバーワンはThe WALLだし。


▼冒頭で挨拶をしてるのはベルリン市長他。最初の「In The Flesh」のパフォーマーは、ドイツ出身のスコーピオンズである。




で、なんか、普段から割とベルリンの壁な我が家なのである

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▲なぜかTHE WALLのベルリンの壁ポスター


こんなのもある
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▲なぜかベルリンの壁崩壊記念オブジェ
単なるセメントの廃棄物が高い値段で売れるとあって、オイシイ商売なので、当時ニセモノがいっぱい出回った
本物にはドイツ政府の保証シールがついてる。


時間と言えば
コイツを拾ったのは、つい先日だと思っているんだけど
2011-08-01-068
もうすぐ1年経つんだなぁ、コレが。驚愕。


コイツといえば、モニタ壊れ疑惑だが、交換してみたら、ちらつきはおさまった
・・・・が、ドット欠けみたいに赤い点がわずかに出るのが、治らない
色々いじくりまくって調べた結論として・・・
ちょっと最初から頭をよぎっていた嫌な予感なのだけど・・・

コイツがケーブルをかじりまくって、ケーブルが内部断裂してショートしていたようである(T^T)


ゆるちて? かわいい?
2011-08-05-023
かわいこぶって許してもらおうとしてもダメ!


トリで歌われるTide is turnigは、唯一、Pink FloydのアルバムThe WALLの収録曲ではなく、ロジャー・ウォーターズのソロアルバムの曲なのですが、俺のフェバリットソングの一曲でございます


ザ・ウォール~ライヴ・イン・ベルリン~ [DVD]
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ザ・ウォール [DVD]
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grandmst2000 at 11:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 音楽 

2011年08月11日

無駄無駄無駄無駄ぁ〜!

あまりの暑さのためか、モニタがいきなりぶっ壊れた(>_<)

きっと熱のせいにちがない

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▲猫もこんなんなるぐらい暑いにゃぁ〜(だらしなさすぎ)


画面がいきなり四角くチラつきだす。

最初、ビデオカードが壊れたんだと思った。

いや、実は、モニタのせいかなぁ、とも疑っていたのだが、なにぶん入力がDVI
今、手元にDVI出力できるPCが他にないので、他のPCをDVIで繋いで確認してみれないのである。
ねんのため、一応、D-SUBでは違うPCを繋いで確認してみたのだが、そのときは異常はなかった。

なので、ビデオカードを買って交換してみた

久々にビデオカードを変えてみて、はじめて気づいたんだが、ウチはDVI接続二台でマルチモニタ
最近はDVI端子二個付きって、すんげえ少ないんですね(゜◇゜)
HDMIとか無駄でうざったい仕様を権力が強制しやがるから、どんどん余計なことになる

その条件で探したら、無駄に高くなってしまった

で、交換してみたら、治らず

ビデオカード、無駄無駄無駄無駄ぁ〜(;_;)

仕方ないので、今度はモニタを買う

ああ、なんて無駄な出費だろう
(なんか俺はしょっちゅうこういうことをやってる。考え無しなのだ。まあ今回に限っては、テストする方法がなかったので仕方ないが)

いいかげんビデオカードを買い換えたいと思ってたのと、GeFroceが嫌いなのを嫌々使ってたので、理想のATIに交換できたので、よしとしよう、と自分を慰めてみる



まあ、出費は痛いが、このモニタは7年ぐらいフルに酷使したので、そこそこもったか、と思わないでもない
ずいぶん映像が暗くなってきている
今月はHDDを買う予定だったのに、それどころではなく、予算オーバーしてしまった(>_<)


蛇足だけど、壊れたのはBenQのモニタ
俺はBenQのファンなのだ
東南アジア製品をいまだに低く見るのは世界中で日本人だけが持つ悪い癖だが、韓国や台湾のトップブランドは、(経験上に過ぎないが)国産よりも遙かに使い勝手がいいし画質がいいし長持ちする(っていうか国産製品にも中身BenQのOEM多いけど)。
国産はすぐダメになる。
BenQいいすよ、三菱やシャープよりよっぽどいい(あくまで経験上)。

アジアの世界有数のメーカーは、技術アドバンテージもすごいし、販売数が桁違いだから、当然積み重ねてるものも桁違いに違う、そこは製品で最も重要なポイントだ。
俺は今では国産より東南アジア製品の方を信用している、いいかげん根拠のない国産信奉はやめたほうがいい
だいいち、どうせほとんどの製品は中身はアジア製なんだから。

今回もBenQが欲しかったんだが、最安がなかったのでACERで我慢した、なにぶんビンボなので1円でも安いほうがいい・・・って買ってから気づいたんだが、BenQってAcerの子会社じゃん、中身一緒か?


しかし、久々にファンレスのビデオカードに買い換えてみたのだけど
静かだなぁ!
最近はCPUや筐体のファンは元から静かなので、ビデオカードのファンがノイズの大半を占めてたんだなぁ、と初めて実感した。



こういうときって、なんか立て続けに壊れやすいんだよなぁ、くわばらくわばら


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▲あたち見つけました。洗濯機の中って冷たくて涼しいんでしゅ。モニタも洗濯機に入れとくといいでしゅよ(余計なこと覚えた。洗濯できない)


grandmst2000 at 13:43|PermalinkComments(0)TrackBack(0) コンピューター | ノンジャンル