Root Down



部屋の大掃除で溢れ帰っているCDを整理する。100円コーナーで買ったCDの何と多いことか。んで、それらをハードオフにお持ち込み。1枚10円とか20円。でも捨てるよりは良いわね。
 
んで、ついでだからとCDコーナーを見てたら目に止まったのがこれ。ジミースミス、名前だけは知っていた。キーボード奏者ですね、覚えているのはそれくらい。それでもお迎えしたのは彼が弾いているのがピアノじゃなくてオルガンだったから。
 
私は70年代ハードロックのファンです。当時、ハードロックのキーボードといえばシンセサイザーではなくハモンドオルガンが鉄板でした。これが第二の理由。
 
そして第一の理由はスミスが左手をあげてポーズを決めてるジャケットが凄く格好良かったから。ほらぁ何となく見た瞬間に「これだ」とくるアルバムってあるじゃないですか。まぁ直感に従ってガセを掴むなんてよくある話ですが、これがズバリ当たりだと新たなアーティストが加わるので音楽好きには愉悦のひと時。そしてこのアルバムは「ド当たり」。
 
オープニングを飾るsagg shootin his arrow。ノリノリのドラミングに続いてスリリングな展開が楽しめます。オープニングに相応しい疾走感溢れる好ナンバー。ロックファンならすんなり入れます。
 
二曲目はドラムのシャッフルに合わせてポップなフィーリングのfor everyone under the sun。これがまたゴキゲン。タイトルと同じ、さぁみんな太陽の下で。なにするかは人それぞれでしょうが。彼のクルクル回るキー捌きが軽快なこの曲を一層ハッピーにさせてくれます。
 
3曲目は飛ばして(スローブルースは苦手)、4曲目はアルバムタイトルのroot down。シンプルなベースラインから入る極上のグルーブナンバーです。ジャズよりも六本木辺りのクラブで流れるほうが似合ってます。というか、そもそもこの界隈から火がついたと聞いてます。まぁジャズもその始祖ではダンスミュージックの一面がありましたが、このアルバムが出た時代には既に踊れないジャズがメインストリートになってました。そして更に40年以上を経てクラブシーンで見直されるとは。使われてる器材など現代では時代遅れの骨董品ですが、この格好よさは時代を超越してます。
 
5曲目lets stay together。実は私、このアルバムでは一番のお気に入りなんです。タイトルが「一緒にいようよ」。中身も曲名にそぐわないベリーハッピーなもの。二人の門出を祝福するかのようなメロディーは結婚式にも使えそうです。オリジナルは分かりませんがジミーのオルガンが見事にマッチしてます。客席のザワメキが適所に入り盛り上がります。
 
そしてslow down sagg。多分、コンサートのラストナンバーかアンコールだと思いますが、これもジャズというよりノリノリのロック。自分はroot downよりスピード感のある1曲目やこっちの方が好みなのよねぇ。ドラムソロやベースソロも楽しめる。更にラストのスミスのソロの展開が実に面白い。段々と曲調が変化して行って完全に違う曲に変貌します。その曲がdeep purpleのkentacy womanの間奏で奏でられるjohn loadのソロに似ていてpurpleファンとしては二度美味しい。
 
最後はroot downの別バージョンで締めくくられます。
 
個人的には2,5曲目を除けばジャズと言うよりブルースロック、それもジミヘンドリックス時代のブルースロックに近いと感じます。それゆえにギターが弱点かな。ジョンロードのオルガンスタイルが好きで69年頃のロックが好きな方に是非聴いて欲しい。