「何か仕事無いっすかねぇ〜」って嘆いていたら、EBRD(欧州復興開発銀行)の方に「それではタジキスタン国の首都ドゥシャンベへ赴き、あちらの会社にコンサルして来なさい」と言われた。
嬉しかったのだが、タジキスタンなんて行ったことが無かったし、外務省のホームページには腸チフス,パラチフスや細菌性の食中毒,ノロウイルスに注意とか、内戦の影響がまだ有って、夜間の外出注意などと書かれている。ちょっとビビったのだが、おっとり刀で行ってきました。
渡航前に情報を探したのですが、タジキスタンに関する情報は極端に少なかったので、体験した事をここに書いてみます。何かの参考になれば。長文。

渡航前:
タジキスタン入国にはビザを取得します。詳しくは大使館のホームページに載っています。

ビザの取得に関する注意点として:
1. 料金がかかります。例えば3ヶ月のマルチエントリービザは1万2千円です。申請用の書類が揃ったら、発行手数料千円を足した合計1万3千円を振り込みます。振り込み明細の原本は提出しますので、必要な人は予めコピーを取っておく事。
2. 大使館はいつでもビザの申請を受け付けてくれる訳では無い様です。従って準備が整ったら、大使館に電話し、いつ申請に訪れて良いか聞きます。何回か掛けて留守電の場合は、その日は諦めましょう。大使館員が電話に出たら、ビザ申請の旨を伝え、いつ大使館に行けば良いかアポを取ります。僕の場合対応してくれた大使館員とは英語での会話でした。
3. 指定された日時に伺い、申請します。パソポートを預けます。発行まで1周間程度掛かる様です。携帯の番号を教え、準備出来次第連絡をもらいます。電話が来たら、受け取りの日時を確認して、ビザを受け取りに行きます。

航空券:
準備して頂いた航空券はトルコ航空のものでした。まあ安全で比較的サービスが良い航空会社なんですが、イスタンブール経由となります。イスタンブールまで行って、半分戻ってくる様な。ディスカウントエコノミーでの長旅。お尻大丈夫か?また、イスタンブールとドゥシャンベ間は週に2回しか運行していないので、それに合わせると:

行き:日曜日10:25成田発TK51→イスタンブールアタチュルク着16:40
アタチュルク発20:35TK254→ドゥシャンベ着(翌日)4:30
帰り:木曜日6:30ドゥシャンベ発TK255→アタチュルク着9:00
アタチュルク発(翌日)1:10TK52→成田着19:55
なんていうスケジュールになります。

行きはなんとかなりそうなのですが、帰りはアタチュルクでレイオーバーが16時間も有る!どーするんだろう?当初はトルコ空港が提供する無料のツアー、touristanbulに参加しようと思っていたのですが、直前に観光客を狙った自爆テロが有ったので、家族から猛反対を受けました。サテサテ…

ホテル:
「自分でagodaとかで予約してね。あ、日当は限られているからそのつもりで。」って言われたので、agodaで最安値のホテルを探す。Lotus Hotelを予約しました。

その他:
テロとか強盗とかはあまり気にならなかったのですが、水が良くないとか衛生面が気になったので、セイロガン糖衣Aと手ピカジェルを用意。まあ、生水は飲まないので大丈夫とは思ったのですが、念のため。

成田出発〜アタチュルク出発まで:
いつもどおり成田エクスプレスに乗り、成田に着いたらチェックインして、旅行保険を掛け、外貨に両替します。
何処かに「病院事情があまり良くなく、下手したら治療にタジキスタン国外に行かなければならない」などと書かれていたので、旅行保険は治療時に重点を置いて。まあ、どれも同じ様なものでしたが。
また、タジキスタンの通貨はソモニというのですが、そんなものは日本に無いので米ドルを持って行きます。ドゥシャンベでの両替事情は後程。

後は、普通に飛行機に乗って、寝たり、飲んだり、映画観たり、ウダウダします。
イスタンブールのトランジット時に雪が振りました。東京が大雪だった日ですね。TK254までバスで行ったので、タラップを上がる際横殴りで雪が吹き付けて来たので参りました。機内に入った時はずぶ濡れ。雪の影響で1時間遅れの出発となりました。

ドゥシャンベ到着:
入国したら皆で税関申告書を記入するテーブルに殺到します。同じ内容を左右に記入し、入国審査に提出します。片方は帰ってくるので、保管し、出国時に出国審査に提出します。記載方法は地球の歩き方 中央アジア サマルカンドとシルクロードの国々 2015〜2016
なんかに書いてあります。
で、入国審査や税関を通り、外に出る前に荷物をX線検査に通して(テロ対策?)、自動ドアが開くと…白タク系の人達が殺到してきますので、心の準備を。僕の場合は迎えを頼んでおいたのでOK。

ロータスホテル:
新しいホテルみたいです。ホテルは城壁?刑務所の塀?みたいな塀に囲まれています。入り口に着くと大きなゲートが開いてやっと入場です。この辺りのホテルはどれもこんな塀に囲まれているのか?と聞いた所、ここだけだそうな。
壁は薄いけど清潔な良いホテルだと思う。また次回来る事が有れば、ここを予約するでしょう。

外観:
DSC_1044

塀:
DSC_1045

部屋からの眺め。遠くに綺麗な山並み:
DSC_1042

室内:
DSC_1031
DSC_1033
DSC_1034

ドゥシャンベ市内:
道路はボコボコ。埃っぽい。
DSC_1046

乗合タクシー:
DSC_1048

信号機は変わるまでの残りの秒数を表示。便利:
DSC_1047

国家宮殿と国旗:
この旗竿と国旗は世界で一番高い旗竿と世界で一番面積が広い国旗としてギネスに登録されているそうな。なんか無駄な労力を形にした感じ。
DSC_1068

タジキスタン風チャーハン「オシュ」:
DSC_1069

この唐辛子のオイル漬けメチャ辛い:
DSC_1070

食事にはめちゃくちゃ甘いレモンティーが付いてくる:
DSC_1071

東京の公園にありそうな遊具:
DSC_1073

タジキスタンの景気や両替に関して:
現地の人に聞いた話です。ソビエト連邦時代はまあまあなんとかやっていたみたいです。美しい山に囲まれている為、リトル・スイスと呼ばれ、ソ連からそれなりに観光客が来たりしていたそうです。しかしソ連から独立した後、1992年に内戦が始まった事も有り(現政権は安定している様ですが)産業の発展が停滞している感じです。特にこの内戦は大変だったみたいで、敵味方が入り乱れ、いつ、誰に殺されるか解らない状態だった様です。
最近は8百万人強の人口の内、2百万人程度がロシアに出稼ぎに出ている様です。これは国内ではあまり仕事が無いのと、失業者対策が無い為。しかし、ロシアの景気低迷に押され、出稼ぎ者の多くが職を失い帰国しており、失業者が急増し、景気は悪化しています。
これに伴い通貨ソモニが対米ドルで急落しています。手元の「地球の歩き方」では1米ドル=5.84ソモニ(2015年4月1日現在)とありますが、2016年1月中旬では1米ドル=8.5ソモニ前後です。
対策として、政府は市中の両替所を全て閉鎖し、(公式には)両替は銀行でしか行えません。しかし、ソモニの価値が急落している為米ドルの需要が増し、ブラックマーケットが出来ている様です。ブラックマーケットの両替レートは銀行より10%程度良いとの事です。
個人的には滞在中ソモニを必要とする場面が無かったので、両替しませんでした。必要ならホテルのフロントマンと個人的に交渉して良いレートでソモニに替えようと思っていました。

タジク人に関して:
これも聞いた話なのですが、この地域(中央アジア)に最初に入植したのはタジク人(の先祖)なんだそうです。隣国ウズベキスタンやカザフスタンなどの歴史はもっと新しく、そういった意味ではプライドを持っています。誇り高き人達です。また、ゲストは手厚く持てなすのがタジク人のしきたりだそうです。中央アジアの最貧国と言えども、このあたりをちゃんと考慮して相手しないと、良い関係を築くのは難しいでしょう。
因みに、女性は美しい人多いです。子供達も美男美女が多いですな。可愛い。

インターネット接続:
ロータスホテルにはWi-Fiが完備されています。しかし、フェイスブック等のソーシャルネットワークには接続出来ません。ISがソーシャルネットワークを使って戦闘員を勧誘したので政府が接続を制限しているからです。見たところ、フェイスブック、ツイッター、インスタグラム、リンクドインには繋げられませんでした。
もー、どーしてもソーシャルネットワークしたい人は予めVPNをパソコンやスマホにインストールしておいて下さい。現地の人達もそうやってアクセスしています。

タジキスタン出国。ホテル→ドゥシャンベ空港→イスタンブールまで:
さて、仕事を終え、予定通り出国です。当日は朝早く空港に着きたいので、前日の夜にホテルに空港までの車をお願いします。フロントマンに尋ねると、「公式(部屋付けにすると)10米ドル、非公式(今キャシュで払う)だと5米ドル」だと。なるほどねぇ。こっちは固定の日当なので、安い方が良い。非公式の方がお互い儲かるんだろう。大体車で10分程度の空港まで10ドルは高い。と、言うことで「非公式」でお願いしました。
翌朝、ちゃんとしたタクシーが来て問題なく空港に到着。朝早い為か、トルコ航空のカウンターのお兄ちゃんも、税関のお兄ちゃんも皆感じ悪い。あ、出国審査で、税関申告書の半分を渡します。

因みに待合室の無料Wi-Fiはソーシャルネットワークに繋がります。
DSC_1079

朝早いからガラガラ。飛行機も空いていました:
DSC_1080

搭乗ゲートの先、飛行機に乗る直前でも搭乗券とパスポートをチェックされます。私服のオヤジが僕の搭乗券の半券に何だかのスタンプが押していないと、イチャモン付けて来ました。何だコイツ。しかし、周りを見ると、皆は搭乗券の半券にスタンプが押してあります。僕の場合は確か係員に渡した大きい方の半券にスタンプが押してあったので、英語でその旨説明したのですが、通じたのか通じないのかなかなか通してくれません。最後でこれかよ。
もうアタマに来たので、再度説明し、一歩も動かぬ覚悟を示す為鼻先5センチで石になってやったら、渋々通してくれました。列も長くなっていたし。日本人だと分かったら金持ってると思って(特に入出国時に役人が)意地悪してくるのが居るんだろうなぁっとは思っていましたが、やっぱり居ましたね。今考えてみると出国審査や税関の奴らとグルだったんだな。

イスタンブール・アタチュルク空港ホテル(TAV Airport Hotel):
まあ無事にイスタンブールに到着。16時間のレイオーバーをどうするか考えて居たのですが、結局空港のホテルに泊まる事にしました。調べてみるとTAV Airport Hotelは国際線出国ロビー直結のエアーサイドと、一旦空港ビルを出て、シャトルバスで行くランドサイドの2つに別れて居る様です。agodaなどで予約出来るのはランドサイドの方です。エアーサイドはホテルのホームページから直接予約します。エアーサイドは何だか非常に高いのですが、利便性を考えて悩みに悩んでエアーサイドを予約しました。ネットにはエアーサイドの情報が少ないので、写真を少々貼ります。

TAV AIRPORT HOTELの看板どおりにトルコ航空のラウンジ方面に進みます。
DSC_1081

トルコ航空のラウンジの右下にホテルのフロントがあります。エレベーターで。
DSC_1082

フロント:
DSC_1084

室内。清潔だけど窓が無い:
DSC_1083

帰国:
ホテルでよく寝た後は、普通に飛行機に乗って、帰国。

以上。