知人らから過払金返還請求権を譲り受けたと偽って消費者金融を相手に本人訴訟を起こし、実質上は代理人として非弁活動を繰り返した疑いが強まったとして、大阪地検特捜部は19日、弁護士法違反容疑などで、大阪高裁の元職員で旅行代理業の男(43)から近く事情聴取する方針を固めた。男は提訴に際して虚偽の内容の公正証書を作成するなど、裁判所の職務経験で得た法律知識を悪用したとみられるという。

 関係者によると、男は平成19~20年、複数の知人から消費者金融に対する過払金返還請求権を譲渡されたと偽り、大阪地裁などに約10件の本人訴訟を相次ぎ起こした。

 この際、男は自分を債権者、知人を債務者とする虚偽の公正証書を作成したり、過払金返還請求権の差し押さえを申し立てたりして、自分に請求権があることを正当化していたという。しかし実際には相談を受けた知人らのために代理人として、活動していた疑いがあるという。

 一連の訴訟では当初、和解が成立するなどして債権回収に成功。しかし、消費者金融側が全面的に争った昨年2月の大阪地裁判決は、男の行為を「合法的な権利行使の外形を整えて提訴に及んだ事案であり、弁護士法違反に当たる」と認定し、請求を却下した。

 信用調査会社によると、男は大学卒業後、大阪高裁で事務官として勤務していたが、退職後に個人開業し、大阪市平野区で旅行代理店を経営。携帯電話販売なども営んでいたという。

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