アントニオ寺島氏が西武デパート屋上で旗揚げしたUWF学生プロレスも今年で30年目。その30周年記念として行われた特別興行。会場は山田組の本拠地である西大島のすぐ傍である東大島の小松川さくらホール。かつてはZERO1、NEO、闘聾門JAPANが使ったこともある会場。

観衆は100人くらいと思ったよりかは少な目。UWFのOBは多数詰め掛けたが、UWFからプロになった選手で来ていたのは山田太郎と加藤茂郎くらい。あとはUWFのOBらしい格通の安西グレイシーの姿も。他団体の学プロ選手やアマチュアの選手もあまり来なかった模様。

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開場隅にはUWFのヘビー、Jrヘビー、ライトヘビー、タッグのベルトが揃って展示。どうやら全部揃ったのは10年ぶりらしい。この揃い踏みにはOB勢も驚き。
ちなみに現在は選手数に対しベルトが多すぎるとの理由でヘビー級以外のベルトは封印されているらしい。

第四試合で行われる綱引き…ならぬ世界初の縄引きマッチのカードを決めてから興行開始。
@選手代表、二代目ピンクローターの挨拶

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ローター「1980年創立以来、78年と言う説もありますが、記念すべき年にこのような形で興行が出来ることを光栄に思います。
私たちは一生懸命練習しようやくこの場に立つことが出来ます。その成果を厳しくもまた暖かく見守っていただけたら幸いに思います。それではUWF関東学生プロレス30周年記念興行を行います」


第一試合:UWF伝統の第一試合
×ちゅー☆やん(法政1)[3'43 逆エビ固め]博多華丸大キチガイ○(東海1)

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共に元気いっぱいに入場。裁くレフェリーは明らかに選手よりも強そうな「おっぱい性人」

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試合が始まると二人ともリングを全力で一周してからロックアップ。華丸がヘッドロックからスリーパーに捕らえると、ちゅーやんも腕を取って切り返しフロントネックロック。腕の取り合いから足を刈ったちゅーやんはステップオーバートーホールドに捕らえるが、これは華丸も決め返すと足へのエルボードロップからレッグロック。ちゅーやんは首4の字で切り返すも、華丸は更に切り返しクロスレッグロッグ。ちゅーやんロープエスケープ。
チョップ合戦を制したちゅーやんはショルダータックルで吹っ飛ばすも、追撃は華丸がヒップトスで迎撃。すかさずボディスラムで投げ飛ばすと一気に逆エビ固め。これががっちり決まるとちゅーやんもたまらずギブアップ。勝利した華丸はセミファイナルのカードにエントリーされることに。


※若手らしい元気溢れる試合。僅か4分の試合でしたが十分気持ちが伝わる好試合だったと思います。
あと個人的には逆エビ含め基本的な技ががっちり決まればすぐにでも試合は終わる、長くやるのが良い試合と言う訳ではないという基礎中の基礎をこの試合で改めて実感させられたような気がします。


第二試合:OBバトルロイヤル!
○コッペパンベイダー(拓殖OB)[約6'30 ボディスプラッシュ]アウトサイダー根岸×(東海OB)
退場順:ボッキーコングJr(代アニOB)、ダンシャク(法政OB)、アグネスチャンリンシャン(東海OB)、あそこさとる(東海OB)、パソコン(日本工学院OB)、よしだくん(亜細亜OB)、ヘンチーナ(法政OB)

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OB勢によるOTRありのバトルロイヤル。人が多すぎるので個々の細かい説明は割愛。図式的にはベイダーとその他大勢と言う形。裁くレフェリーは「ただのおじさん」
コールが終わるとヘンチーナはその他大勢と握手するが、ベイダーとは拒否。

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ゴングが鳴るとベイダーがロープワークからリング中央で後ろ受身。すかさず全選手が押さえ込むが、ベイダーはいとも簡単に8選手を吹っ飛ばしクリアー!するとベイダーは一番の若手である橋本真也オマージュのボッキーに「やってみろ!」と指示。ボッキーコングJr.は同じく後ろ受身を取ると全選手がフォール。当然ボッキーは返すことが出来ず3カウント。
浅子覚オマージュのあそこさとるの串刺し攻撃を身軽にかわしたマスクマンのよしだくんはクルッと回って欽ちゃんジャンプ。これには思わず全員飛んでしまう。

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これまた橋本オマージュのダンシャクが長身のアウトサイダー根岸にDDTを決めるとフォールに行くが、これはベイダーがカット。全員でダンシャクの上を歩くとダンショクたまらずギブアップ。
ピンクのコスチュームで一際目立つアグネスチャンリンシャンは根岸に対しカニバサミからロメロスペシャルに捕らえるが、ここでヘンチーナがアグネスをフォール。カウント3でアグネス退場。
数珠繋ぎヘッドロックを5人が決めると、ベイダーは端のヘンチーナに頭突き。この衝撃が端まで伝わってあそこがダウンし押さえ込まれて3カウント。

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ベイダーに襲われるパソコンだったが、ドラゴンスクリューで動きを止めると武藤敬司オマージュならではのシャイニングウィザードを披露。数珠繋ぎハンマーロックでそれぞれを捕らえあうとウエーブからなぜか一番端のパソコンが吹っ飛び押さえ込まれて3カウント。
根岸とよしだくんが見なかったことにしたい攻防を繰り広げると、根岸が丸め込みを連発。対するよしだは太極拳式逆さ押さえ込みを見せると選手、セコンド、レフェリー全てがスロー。しかしカウントもスローで2止まり。

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ここでヘンチーナが割って入るとよしだに電波投げ。更に電波投げ2で選手、セコンド、レフェリー吹っ飛ばすとよしだを押さえ込み3カウント。残ったのはベイダー、ヘンチーナ、根岸の三人。
ベイダーはヘンチーナにブレーンバスター、バックドロップを決めるが押さえ込むのはなぜか食らった側のヘンチーナ。ベイダーの串刺し攻撃を迎撃したヘンチーナは拝み渡りを見せるが、これは足を滑らせ転落。OTRで失格に。
ベイダーは根岸に対しラリアットからベイダーハンマーを決めようとするが、これは根岸がかわして自分に誤爆。根岸は丸め込みと見せかけ馬飛びをするとベイダーも交互に馬飛び。根岸も続けて飛ぶが、飛んだ先にはトップロープが。根岸がロープに頭をしたたかに打ち付けるとすかさずベイダーがボディスプラッシュを決めて3カウント。ベイダーの勝利となった。


第三試合:OB8人タッグイリミネーションマッチ
スーパーしみず(東海OB)&×マッキ―(文教OB)&IN金玉スダレ(専修OB)&口臭力(早稲田OB)[15'46 山田組の一人残り]ハレタコーガン○(法政OB)&でかい一物(城西OB)&オナルドファック(法政OB)&山田マスク(構成員A)

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山田組と正規軍によるOTRありのイリミネーションマッチ。当初は山田組会長山田馬之助が参戦予定だったが急遽欠場により謎のマスクマン山田マスクが参戦。どことなくつい最近までUのヘビー級王者だった人に似ていたのは気のせいか。こちらも健康プロレス参戦選手が多いので個々の紹介は割愛。レフェリーは「でくのぼう」

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試合は山田組の奇襲からスタート。ハレ物はしみずを捕らえるとOTRを狙うが、しみずはどうにか堪えることに成功。一物の串刺しドロップキック、コーガンのバックエルボーからリングを滑り降りて鉄柱急所攻撃を決めると、そこへオナルドと山田マスクが同時顔面ドロップキック。
山田マスクの追撃をキチンシンクで迎撃したしみずはミドルキック、トラースキック、カウンター延髄蹴りと得意の蹴り技でたたみ掛けるが、トドメのスーパーキック(カウンターミドルキック)は山田マスクがかわして電光石火のスクールボーイ。これが決まって3カウント。まずはしみずが退場。
ここで長州力オマージュの口臭が飛び込むとリキラリアットを叩き込み山田マスクから3カウント。山田マスク退場。

○山田マスク[2'08 スクールボーイ]スーパーしみず×
○口臭力[2'21 リキラリアット]山田マスク×

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コーガンとのタックル合戦を制した口臭はコーガンのドロップキックをすかすとリキラリアット。口臭はスダレとタッチ。
太鼓の乱れ打ち、その場飛びボディスプラッシュ二連発、マッキーのサンセットフリップ、ドロップキックと攻め込まれるコーガンだったが、続く口臭のバックドロップは急所蹴りで阻止。すかさずオナルドがリングインするとオナルドのトラースキック→コーガンのミリオンダラ-バスター→その状態で固定しつつのオナルドのスライディングニーの波状攻撃。

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オナルドは手鼻かみ攻撃で口臭を挑発するが、追撃は口臭がキチンシンクで迎撃。長州そっくりのバックエルボー、ブレーンバスター、スリーパーで攻める口臭だったが、オナルドはチンクラッシャーで脱出すると口臭をレフェリーにぶつけてレフェリーを追い出す。
すかさずハレ物&オナルドがトリプル顔面ドロップキックを叩き込むとオナルドがトラースキック。しかしこれをキャッチした口臭は一気にサソリ固め。ハレ物もカットに入ろうとするが、これはスダレ&マッキーのキンタマッキーがカットしてアルゼンチンバックブリーカー&メキシカンストレッチ。関節技の三重奏が決まるとオナルドもたまらずギブアップ。オナルド退場。
ここで口臭は一物目掛けて真空リキラリアット。もう一発狙うが今度は一物がかわしてそのままオナルドの下げたロープから転落し失格に。口臭退場。

○口臭力[7'37 サソリ固め]オナルドファック×
○でかい一物[9'20 オーバーザトップロープ]口臭力×

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気が付けばハレ物vsキンタマッキーのタッグ屋対決に。トレイン攻撃、スダレのサイドスープレックス、キンタマッキーの連続エルボードロップ、スダレのターボドロップ、バックドロップ&ネックブリーカーの合体攻撃からスダレがキン肉バスターを狙うが、これは失格したオナルドがカット。一物はすかさず急所攻撃を叩き込むとコーガンとタッチ。
スダレのフラングショルダーを決めれば、コーガンも負けじとビックブートからのレッグドロップで応戦。更に一物のスクリューDDTからコーガンがアックスボンバーを叩き込むと、コーガンのレッグドロップから一物がテキサスクローバーホールド。これが決まるとスダレもたまらずギブアップ。正規軍残るはマッキー一人。

○でかい一物[11'49 テキサスクローバーホールド]IN金玉スダレ×

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ハレ物はサンドイッチ急所攻撃を叩き込むとオナルドのドロップキック、一物のダイビングヘッドバット、コーガンのサスケスペシャル(略)セグウェイの見事な波状攻撃。そしてコーガンがトドメとばかりにアックスボンバーを放つが、これはマッキーがケブラドーラコンヒーロで迎撃。そしてカットに入る一物を電光石火のラ・マヒストラルで丸め込むと一物返せず3カウント。これで試合はコーガンとマッキーに託されることに。
マッキーはソバットから見事なジャーマンSHを決めるが、これはオナルドがレフェリーを突き飛ばしカウントを阻止。ならばとマッキーは後方回転エビ固めで丸め込むとここから丸め込みの応酬へ。コーガンは急所蹴りで動きを止めるとトドメのデスバレーボムを狙うが、マッキーはこれを切り返すと再びジャーマンの体勢へ。だがコーガンはこれを振り払いロープに投げ飛ばすと、ドンピシャのタイミングでオナルドが山田組の看板で殴打。山田組の看板真っ二つ!
その隙にコーガンがコブラクラッチクラッチで丸め込んで3カウント。コーガンの一人残りで山田組の勝利となった。

○マッキ―[13'11 ラ・マヒストラル]でかい一物×
○ハレタ・コーガン[15'46 コブラクラッチクラッチ]マッキー×

試合後、コーガンはUWFのタッグのベルトを奪い取ると、健康プロレスのタッグベルトを持つキンタマッキーに挑戦をアピールして退場していった。


※正規軍は全日本の外人レスラーや長州ムーブで、一方の山田組は得意の絶妙な連携を駆使して一進一退の攻防を展開。さすが試合巧者が揃っただけあって好試合になりましたが、中盤口臭を中心に噛み合わない攻防やミスもチラホラあったのが残念だったかなと。

あと山田マスクの中の人は是非山田組に入って欲しいところですね…キャラ的に全く合わない気もしますが。

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UWFの創始者であるアントニ寺島氏の挨拶を経て第四試合へ。






第四試合:現役vsOB全面対抗戦シングルマッチ三本勝負 縄引きマッチ

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興行開始前に行われた綱引きならぬ縄引きで決まった現役vsOBのシングル三本勝負の対抗戦。組み合わせは先鋒がマグナムvs佐々木の早稲田対決。中堅がヤンキーvsクラノのこれまた東海対決。大将がゼロ年代最強の王者である健遅漏vsローターと言う形に。裁くレフェリーは「崖の上のホモ」


先鋒戦:○マグナムDOUTEI(早稲田OB)[8'03 コブラツイスト]佐々木コンジロームJr×(早稲田1)

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ゴングと同時にマグナムがナックルで殴りかかると佐々木もこれに応戦。しかし強烈な逆水平でダウンを奪ったマグナムはスリーパーから切り返しに合わせて腕ひしぎ逆十字。これを逃れた佐々木は串刺し式のチョップを放つが、一旦距離を取って突っ込むとマグナムがカウンターの逆水平で迎撃。
マグナムはショルダータックルで吹っ飛ばすが、佐々木も負けじとドロップキック連発で応戦。串刺し式の正拳突きから得意のフィッシャーマンを狙うが、これはマグナムが堪えてボディスラム。起き上がりこぼし式逆水平からジャーマンを狙うマグナムだったが、佐々木がこれを堪えると不完全ながらもジャパニーズレッグロールクラッチで丸め込み。カウントは2。
佐々木の反撃のドロップキックをスカしたマグナムはランニングネックブリーカーを決めると再びジャーマンを狙うが、これを堪えた佐々木はオーバヘッドキック。佐々木はボデイスラムからフィッシャーマンSHを決めるがカウントは2。二発目は堪えられてもミドルキックで攻める佐々木だったが、マグナムはバックに回ると一気にジャーマンスープレックス。食らった佐々木も立ち上がって張り手で応戦するが、追撃をキチンシンクで迎撃したマグナムはがっちりコブラツイストに捕らえると佐々木も耐えることが出来ずギブアップ。まずはOB軍が一勝。


※重厚でストレートな攻めを見せるマグナムと、空手仕込みの打撃を主体に攻める佐々木との一戦とあってか激しい攻防が展開。しかし実力差がありすぎたか佐々木の底力が引き出される前にコブラで決まってしまうことに。出来ればまた来年以降に、佐々木が成長してから再戦してもらいたいなと。


中堅戦:×ジミーヤンキー(東海OB、第49代ヘビー級王者)[11'17 ミラクルエクスタシー]テレホンクラノ○(東海4、第52代ヘビー級王者)

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手四つの力比べから腕の取り合いへ。巧みな切り替えし合いからヤンキーが下から蹴りを叩き込みブレイク。ロックアップから再び腕の取り合いとなるもこれはヤンキーがすぐにロープエスケープ。ヤンキーがバックに回るとクラノは東海大学の大先輩MEN'Sテイオー風のセカンドロープを使ったアームロックで切り返す。

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ヤンキーはスリーパーに捕らえると監獄固めに移行し技を極めつつその場でジャンプしてダメージを与える。続けてボディスラムで投げ飛ばすが、掴み起こそうとするヤンキーからするりと抜け出したクラノはキャメルクラッチ。更にフライングメイヤー、リバースインディアンデスロックと攻めるが、これはヤンキーが下から蹴って逃れて東海のお家芸スピニングトーホールドでお返し。しかしクラノも下から蹴って逃れるとMEN'Sテイオーばりの鉄柱足4の字を敢行。
低空ドロップキック、串刺しバックエルボーと攻めるクラノだったが、二発目をかわしたヤンキーはお返しの串刺しバックエルボーからハーフハッチスープレックスホールド。カウントは2。ならばとダイブを狙うヤンキーだったがこれはクラノがカットしコーナー上での卍固め!

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クラノは更にスライディングフロントハイキックを叩き込むとMEN'Sテイオー直伝ミラクルエクスタシーを狙うが、これはヤンキーが腕投げで回避。クラノは即フロントハイキックを叩き込むが、これをキャッチしたヤンキーはドラゴンスクリューから足4の字固め。クラノどうにかエスケープ。
ヤンキーはエルボー、クラノは張り手で激しい打撃戦を展開。共にローリングの張り手とエルボーを同時に叩き込むとダブルダウン。
クラノの串刺し攻撃をかわしたヤンキーは飛びつき雪崩式フランケンシュタイナーを決めると一気にジャーマンSH。しかしカウントは2。

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ならばとヤンキーはドラゴンスープレックスを狙うが、これはクラノがサムソンクラッチで丸め込み回避。ヤンキーも低空ドロップキックからUWFOBである怨霊の怨霊クラッチで応戦するがカウントは2。クラノの逆さ押さえ込みを堪えたヤンキーはもう一度ドラゴンスープレックスを狙うが、クラノは更に切り返すと卍固め。ガッチリ決まるも最終的に体勢が崩れてしまいブレイク。
このチャンスにクラノは背中へのフロントハイキックを叩き込むとブサイクへの膝蹴り、トラースキック、ハイキックからミラクルエクスタシー!これが決まるとヤンキーも返せず3カウント。これで現役軍が一勝。勝負は大将戦までにもつれる事に。


※東海大学出身同士と言うことで東海名物とも言えるMEN'Sテイオームーブを織り交ぜながら試合を展開する両者。試合は互いにテクニックを駆使し、一進一退の攻防の末にクラノが制することに。なんというかある意味で一番30周年記念興行っぽい試合だったんじゃないかなと。


大将戦:×吸いカップ健遅漏(法政OB、第50代ヘビー級王者)[14'26 スタイルズクラッシュ]2代目ピンクローター○(東海休学中)

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試合が始まると間合いを取りつつ反時計回りに回る両者。ローターは組みに行こうという素振りを見せるが、健遅漏はただ歩いてるだけなのにも関わらず物凄いプレッシャーを掛けローターを近寄らせない。ようやく組み合うもロープに押し込んだのはやはり健遅漏。共に体を入れ替えあうとローターがロープに振ってドロップキックを狙うが、これは健遅漏がロープを掴んでスカしていく。ローターは追撃に合わせもう一度ドロップキックを放つとスリーパーで捕獲。健遅漏はこれを切り返すとストンピング、重爆キック、お腹への強烈な張り手と無表情で無慈悲な攻撃を連発。しかし続くドロップキックをローターがドロップキックでやり返すとようやく反撃開始。
串刺しジャンピングバックエルボー連発から浅めながらも低空ドロップキックを叩き込むと、続けてサッカーボールキックを放つがこれをキャッチした健遅漏はストンピングから強烈極まりないフットスタンプで圧殺。ローターたまらず場外へ。

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ローターの上がり際を急襲した健遅漏が強烈な串刺しバックエルボー&チョップを叩き込むとローターは崩れ落ちてダウン。どうにか起き上がったローターは一発目はかわされるも二発目のドロップキックを健遅漏の弱点である左足をヒットさせると健遅漏の動きが一気に止まってしまう。この隙にローターは串刺しドロップキックからカシン式タランチュラで絞めあげると場外戦へ持ち込む。

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ローターはひな壇を上がると狭い椅子の間でのドラゴンスクリューから、椅子の上からのダイビングフットスタンプ!
実況「やめてくれ、我々も保険に入ってないが、備品も保険に入ってなーい!お前らは壊れてもいいが、備品は壊すな!」
ローターは更にひな段通路を疾走して追撃を狙うが、これは健遅漏があっさりラリアットで迎撃。健遅漏はスタスタと先にリングに戻るが、後から戻ってきたローターはそのままリング下へ潜り込む。突如大音がすると健遅漏がそちらに目をやるがそこにはリング下にあった一斗缶が。するとローターは反対側から現れるとリングに滑り込んでスクールボーイ。カウントは2。

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健遅漏のレフトハンドのラリアットをガードするローターだったが、健遅漏はすかさず右手でローリングラリアットを決めてマットに叩き付ける。ここで健遅漏は急角度バックドロップを叩き込むがカウントは2。更にもう一発狙うが、これを切り替えしたローターはデュランダルからファルコンアロー。これをキックアウトされると両者ダブルダウン。

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先に起き上がったローターはコーナーに登ってダイブを狙うが、健遅漏はこれをカットすると雪崩式超滞空ブレーンバスター!これはお見事!すかさず投げっぱなしジャーマンから無造作なPKを叩き込みフォールに行くがカウントは2。ならばとパワーボムを狙う健遅漏だったが、ローターはこれをウラカンラナで切り返すと逆討ち。カウントは2。更に丸め込み連発からローリングクラッチ、そしてそこからスタイルズクラッシュに移行して叩き付けると虚を突かれたか健遅漏は返せず3カウント。ローターの逆転勝利により現役軍の勝利となった。


※試合はやはり最強王者であった健遅漏が終始圧倒。しかしローターは健遅漏の攻めに耐えつつも正攻法ではなく頭を使ったトリッキーな攻めで応戦。この策が功を奏したかローターが逆転勝利することに。ローターがよく耐えたといった感じの試合だったと思います。


セミファイナル:NEXT!
○潮吹豪(慶応2)&ビシバシM太郎(武蔵2)[14'55 逆片エビ固め]マン毛ソルジャー(駒沢5)&博多華丸大キチガイ×

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第1試合の勝者である華丸と筋肉ムキムキのマンソルに対するは潮吹&M太郎の同期コンビ。潮吹&M太郎は客席後方から現れると、M太郎は「UWF最高ー!行くぞー!」と叫びながら、潮吹はコーナーに登って大見得を切ってからリングイン。裁くレフェリーは「就職活動中ハローワーク伊藤」

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先発はM太郎とマンソル。ロックアップは力で勝るマンソルがロープに押し込みクリーンブレイクから筋肉アピール。バックの取り合いから腕の取り合いとなるが、これはM太郎がトリッキーな切り返しを見せ自コーナーに押し込み潮吹とタッチ。マンソルもグラウンドの攻防から自コーナーに連れ込み華丸とタッチ。
タックル合戦から潮吹が突き上げるようなドロップキックを叩き込むとM太郎とタッチ。

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M太郎はサーフボードストレッチに捕らえるが、これは切り替えし合いから華丸がカンガルーキック風の蹴りを叩き込み脱出。しかしM太郎はすぐに華丸を捕らえると髪を掴んでの時間差河津落としを決めて潮吹とタッチ。

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潮吹のボディスラム、ダブルニードロップ、場外へ落とさんばかりの踏みつけ攻撃、潮吹&M太郎のダブルエルボーからM太郎がボディスラムを狙うが、これは華丸が堪えて逆に投げ飛ばすとマンソルにタッチを求める…が、これはすかさず潮吹が分断しタッチを阻止。ダブルブレーンバスターから潮吹が串刺しバックエルボー、ドロップキック二連発とたたみ掛けるとマンソルがのっそりとリングインするが、カットも出来ずあっさり潮吹に追い払われてしまう。

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潮吹の追撃を見事なドロップキックで迎撃し自力で窮地を脱っした華丸はようやくマンソルにタッチしようとするが、これもM太郎に分断され阻まれてしまう。
だがM太郎のビンタや延髄蹴りを食らってもなおも襲い掛かった華丸は、カットに来た潮吹とM太郎を誤爆させると不完全ながらも二人まとめてフランケンシュタイナーで投げ飛ばしようやくマンソルとタッチ。

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マンソルはスピアーを連発し二人を蹴散らすとM太郎にアルゼンチンバックブリーカー。これを堪えたM太郎はノビのあるフライングクロスボディで応戦するとセントーンで追撃。更にどどんを狙うが、これはマンソルが切り替えしフルネルソンバスターの体勢へ。M太郎がこれを堪えるとマンソルは抜き手っぽい謎の動きで動きを止めるとネックハンギングボム。だがM太郎はこれも堪えるとデュランダルから変形どどんを決めて潮吹とタッチ。

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潮吹はスリングブレイドを叩き込むが、追撃はマンソルが膝付き式ネックハンギングボムで迎撃。これをカウント2で返されるとマンソルはもう一発狙うが、ここで華丸が「俺が行きます!」と猛烈にアピール。マンソルは華丸に後を託す。

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華丸は打点の高いドロップキックを連発するが、追撃は潮吹がスリングブレイドで迎撃。ここでM太郎が飛び込むと3Dから潮吹がクレイドルショック。押さえ込むがこれはマンソルがカット。ならばと潮吹はハイフライフローを狙うが、これもマンソルがカットし雪崩式ブレーンバスター。ここでM太郎が飛び込むとフライングボディアタックを放つが、これをキャッチしたマンソルは一気に肩に担ぐと豪快なF5!M太郎を分断し改めて華丸に後を任せる。
このチャンスに華丸はエルボー連打から見事な浅井DDTを決めるがカウントは2。

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ならばと華丸はもう一回狙うが、これを堪えた潮吹はトラースキック一閃。しかしそのまま押さえ込まず華丸に張り手を促すと張り手合戦を開始。これを制した潮吹は半月、顔面トラースキックから急角度の逆片エビ固め。これが決まると粘り続けた華丸も耐え切れずギブアップ。


※試合は終始異常にテンションが高いM太郎と華丸を中心に展開。勿論ただ無駄に声を張り上げるだけでなく気合も伴い、また基礎がしっかりしていているから攻防も見ごたえ十分。その上思った以上にドタバタした感じもなし。M太郎は更に独特なフォームの技の数々と何ともいえない表情で試合をより一層盛り上げる。
マンソルは序盤スピアーがハリケーンミキサーになったり、抜き手っぽい謎の動きを見せたり、カットに入って固まったりとアレなところを見せるが、終盤に放った187からのF5は説得力十分。あの一発で全てのアレっぷりを帳消しにした感じがします…多分。
潮吹はそんな個性的な3選手をコントロールしつつ、1年生の華丸との攻防では厳しい攻めを見せ先輩としての強さを見せ付ける。これがまたなんとも頼もしい限り。

それぞれが個性を発揮して、時々それが全く噛み合わなかったりするものの、それが全て良い方向に作用したなんとも激しく面白い試合だったと思います。個人的にはこの興行のベストバウト。また大活躍を見せた華丸はこの興行のMVPだったと思います。


メインイベント:UWF認定世界ヘビー級選手権試合
○きしだくん(早稲田2)[19'31 ラリアット]金玉乱太郎×(明治4)

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30周年記念興行のメインはやはりUWFヘビー級選手権。王者きしだくんの初防衛戦の相手は今年で引退する金玉乱太郎。裁くレフェリーは「花嫁募集中ハローワーク伊藤」
実況「独身の上に職探してます」
解説「…何もない状態ですね」
実況「レフェリーもある意味戦いの人生です」

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きしだが握手を求めるべく差し出した手を乱太郎が蹴り上げ試合開始。まずは乱太郎が右手を挙げ手四つを誘うが、きしだは逆の手を出したり、目線を逸らしたりと付き合おうとはしない。これは早稲田のタイトルマッチできしだ自身がクラノにやられた焦らし方。
改めて手四つから腕の取り合いとなるときしだが捕らえてヘッドロック。これは乱太郎はそのままロープに押し込みクリーンブレイク。手四つと見せかけガットショットを叩き込んだ乱太郎はテイクダンするとグラウンドからフロントネックロック。きしだはこれを切り返すとグランドヘッドロック、首投げ、袈裟固めと攻めるが、乱太郎はこれを丸め込んで回避。

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乱太郎はまたしても手四つを誘うと、きしだもこれに応じ手四つから腕の取り合いへ。乱太郎は背後に回るとエルボースタンプから走りこんでの攻撃を狙うが、これはきしだが逆水平で迎撃。きしだは首投げ、胸板へのチョップからスリーパーに捕らえるが、これは乱太郎がチンクラッシャーで脱出。

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乱太郎はロープに叩き付けると踏みつけ攻撃から串刺しエルボー、走りこんでのストンピング。続けて串刺し攻撃を狙うが、きしだはこれをかわすと串刺し逆水平からボディスラムの体勢へ。しかし乱太郎はこれを堪え切り返すとキャメルクラッチで捕獲。

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ここから乱太郎はマット叩き付け、場外に出ての鉄柱叩き付け、右腕に椅子を盛っての椅子殴打、リングに戻って脇固め、右腕へのストンピング、ロープを使ったアームロックとラフを交えつつきしだの右腕を潰しに掛かる。続けて乱太郎は大暴走(コーナーに座る相手へのサンセットフリップ)を狙うが、これはきしだがかわして自爆。

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流れを引き寄せたきしだは痛む腕を堪えながら串刺し逆水平を放つとタックルからボディスラムの体勢へ。しかし乱太郎はこれを堪えると変形タズミッションで捕獲。そのまま腕を固めつつロープに固定すると逃げ場のないきしだにフライングショルダータックル。更にもう一発狙うが、これはきしだがサイドバスターで迎撃。

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きしだはジャンピングニー、スライディング式ジャンピングニーから逆エビ固めを狙うが、これは乱太郎が下から顔を掻き毟り阻止すると、のしかかるようなフライングショルダータックル。乱太郎はエルボー、きしだは逆水平で打撃戦を展開するが、これを制したきしだはココナッツクラッシュからスパインバスター。更に乱太郎にキックアウトされてもすぐに逆エビ固めで捕獲するが、乱太郎はどうにかエスケープ。

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きしだのラリアットを切り返した乱太郎は得意のバックドロップを狙うが、これはきしだが首投げで回避。すかさずスパインバスターで追い討ちするもカウントは2。ならばときしだはラリアットを狙うが、これをかわした乱太郎は一気にバックドロップ。更にきしだをコーナーに叩き付けた乱太郎は大暴走を決めると渾身のバックドロップホールド。これで決まった…かと思われたが、レフェリーの伊藤が無駄な側転アピールからカウントを取った為に3カウントならず。セコンド陣が全員エプロンに上がって抗議するが伊藤は一切無視。実況「(側転は)婚活アピールですね」

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激しい打撃戦から乱太郎がビンタを放って動きを止めるも、追撃はきしだがカウンターのラリアット。乱太郎もバックドロップでやり返そうとするが、これを振り払ったきしだはもう一発ラリアット。そして最後はロープを往復しての渾身のラリアットを叩き込むと乱太郎も返すことが出来ず3カウント。きしだが30周年記念興行の大舞台で初防衛を果たした。

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試合後、きしだくんがマイクを持つ。
きしだくん「皆さん今日はUWF関東学生プロレス30周年記念興行にお越し頂きありがとうございました、この30周年記念興行でメインを張るって決まってから毎日プレッシャーで挫けそうでしたけど、今日乱太郎に勝って本当に試合やって良かったです。
今日自分達がこのリングでプロレスが出来たのも30年間UWFに貢献してくれたOB&OGの皆さんのおかげです。ありがとうございます。今UWFでは現役の数も減って、少ない中やってますけど、この血を絶やさず40周年、50周年とやっていけるように頑張っていくので宜しくお願いします」
ここでクラノがリングイン。
クラノ「僕はもう4年なんでベルト挑戦はしないです。現役全員上がって。
今日はお忙しい中、ご来場頂きありがとうございました、特にOB&OGの方に関しては色々とご協力をお願いしました。おかげさまで皆様のご好意を多数受けることが出来ました。本当にありがとうございました。

ただ先ほどきしだくんが言っていた通り、今これだけの人数でやっています。昔と比べたら人数も減ってしまっています。プロレス停滞期としてしょうがない部分もあるかと思います。技術面で見ても昔と比べると劣ってしまってると個人的には思います。
30年目を迎えてどん底に落ちてしまっているのかなと思います。だから現役、君たちにはどうかUWFをしっかり支えていって欲しいです。頼む」
クラノは現役の選手たちに深々と頭を下げる。

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クラノ「そしてOB&OG方に関しましては、情けない現役ではありますが、今後も暖かい目で見守って見守って頂けたらと思います。そして今日見に来ていただいた一般の方々、今後ともUWFを宜しくお願いします。今日は本当にありがとうございました!

私ももう4年生で明日からはOBとなります。OBの方々お手柔らかにお願いします。最後は未来を担う彼らに託したいと思います」
クラノはそういうときしだにマイクを託す。最後はきしだの音頭の元、「1、2、3、ダー!」をみんなで唱和して興行は無事終了となりました。




※挑戦者の乱太郎はラフを交えつつ右腕殺しできしだくんの得意技を封じようとし、対する王者きしだくんは攻められてもなお右腕を酷使して逆水平チョップやラリアットで応戦。最後は接戦の末にきしだくんがラリアット連発で乱太郎をねじ伏せた…そんな感じの試合。
良い試合だとは思うんですが、やや単調であり且つ爆発的な盛り上がりを見せた早稲田大学興行でのクラノvsきしだくん、明治大学興行での乱太郎vs健遅漏に比べるとやはり今ひとつ盛り上がりが欠けていたように正直感じました。やはり早稲田や明治での激戦を見た自分としてはもっと熱く激しい試合が出来るだろう…と思ったりする訳で。



興行時間は全8試合で約2時間半。UWFらしいスムーズなサクサク進行。
全体の感想としては、正直いつものUWFの興行の延長線と言う感じで30周年と言う特別感はあまりなかったように感じました。なんと言うか30周年のお祭り興行と言うよりかは、OBにUWFの今現在を見てもらうお披露目的興行と言う意味合いが強かったような気がします。
また学園祭興行のような凱旋試合、引退試合等の盛り上がる特殊なシチュエーションがない分、これが等身大のUWFの姿だったような気がします。勿論それでも十分面白かったのですが。
ですがやはり30周年特別興行と言うことでサプライズ…プロで活躍するOBの試合が見たかったのが本音ですね。

ちなみに興行終了後の実況解説の話では、35周年興行をを北沢タウンホールでやるんだとか。本当かどうかわかりませんが、これはこれで期待したいところです。にしても5年後って何してるんだろう…生きてるのかな俺w


【おまけ】

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