In the groove for life

毎日をノリで生きたい、中華趣味女子もとはしの日々の記録。

大型連休まで含めての、卯月の月例報告

 新年度を迎え、継続業務と新業務が並行し、人前業務時間が増えたが、昨年ほどの疲れは感じない。まあその分休むときは休むように努力してるからか、いや単に慣れただけかもしれん。
でも今年に入ってからは耳鼻科やら眼科やらと病院にかかることが多く、今も検査結果待ちの案件がひとつ。
もうええ歳ですからね、無理しないように気をつけます。

 とか言いつつも、すいませんこの春は寒いにもかかわらずかなり遊びました。
ライオン前後編のイベントとか、春恒例の紺スタこと紺屋町かいわいスタンプラリーとか。
連休は本格的に移転した実家に帰省し月に吠える。のライヴを初めて見たり、1年ぶりに朋友と再会して香港カフェに行ったり、シカオちゃんデビュー20周年記念大型フェス・スガフェス!を楽しんだりして過ごしたりしてました。
 それぞれについて書きたいけど、時間もあまりないのでとりあえず月例報告くらいはってことで。

◯先月映画館で観た映画
『3月のライオン 前編』
『LION ライオン 25年目のただいま』
『T2 トレインスポッティング』
『ゴースト・イン・ザ・シェル』
『愚行録』

『3月のライオン 後編』
『ネオン・デーモン』
『ムーンライト』
『牯嶺街少年殺人事件』

 ライオンの感想でも書いたけど、この春は異常に観たい映画が多くて大変だった。それは今でも続いている。なんでだ。まあそれはそれとして、先月観た中ではライオンを除いては再見となるクーリンチェと、やっぱりムーンライトがよかったですね。後者はまだ上映続いているので、週末に時間見つけてまた観に行きたいな。

◯先月読んだ本
…なし。


マジか、いくらなんでも月間0冊なんて信じられないんだけど。
いや、読んでなかったわけじゃないのだが、なんなんだこの状況。

◯今月映画館で観た&観る予定の映画
『イップ・マン 継承』
『百日告別』×2
『アシュラ』
『私の少女時代』
『3月のライオン 後編』(ちなみに3度目)
『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー:リミックス』
『メッセージ』
『美しい星』
『たかが世界の終わり』

連休に東京で葉問観れた。よかった。詳しくは中華blogで。
告別は実は東北初上映。客の入りが心配だったけど、思ったよりは入っていて安心。しかし、映画祭上映とカットが変わってたのはほんとうだったな。あの場面は残したとしてもまずいとは思わなかったんだけど…(とあえてここで書く)
どうも気力がないと観られない韓国映画もひさびさ鑑賞。しかしバイオレンスにやな感じは抱かなかったものの、血みどろで殴りあうようなクライマックスを見せられても、香港映画ほどときめかないよ…。

◯今月読んだ&今読んでいる本
『ILC/YOHOKU』
小川一水・柴田勝家・野尻抱介
『大奥』(14)よしながふみ
『おかん飯3 てんこもり編』西原理恵子・枝元なほみ
『アレンとドラン』(1)麻生みこと
『夜廻り猫』(2)深谷かほる
『ともしびをかかげて』ローズマリ・サトクリフ
『夢中見 夢で会いましょう』張維中

読了してたり、今まさに読んでいる本が混在しているので、感想は来月の月例報告にて。
気になった作品はこの2作。

アレンとドラン(1) (KC KISS)
アレンとドラン(1) (KC KISS) [コミック]

題名を見て、「ああ、ウディとグザヴィエじゃん」とピンときたのでつい買ってしまったシリーズ。
アート系映画が大好きな大学生林田(リンダ)ちゃんと、彼女を「サブカル(笑)」と鼻で笑う人間観察好きな先輩エドガーこと江戸川の今どきくさい恋物語。林田ちゃんはこじらせ女子というわけじゃなくて、単に趣味に生きたい一匹狼を装いつつも、実は映画の話ができる仲間が欲しいだけのぼっち女子。そんな自分の趣味を優先しながら、鼻で笑われつつも自分を気にかけてくれるエドガーには好意を抱いているのだが、これが一体どんなふうに展開するんだかおばちゃんは気になる。
もっともこのおばちゃんは、彼女のみならずエドガーでもすら青臭くてしょうがない。まあ、自分とほぼ同世代のシネフィル中年で、現在は林田ちゃんの映画仲間と認定されてる平良先生の存在がなかなかに気になるもんですけどね。


祝・手塚治虫文化賞短編賞受賞!
昨年夏に第1巻が出たときは、多忙ゆえblogで感想書けなかったので、ここで改めて。
『エデンの東北』や『ハガネの女』で知られる福島出身のマンガ家・深谷かほるさんが、息子さんのために描いてTwitterにアップしていたというマンガが、いつしかタイムラインに流れるようになってきて読むようになった。現在は講談社の青年漫画誌合同サイトモアイにて連載中だから、Twitterが見れなくても読めるよ。
シンプルな描線&8コマで描かれる人生&猫生の日々の哀歓。安易に助けてもらったり癒やされるだけじゃない深さもあって、忙しい毎日に押しつぶされそうになるときはどこかのページを開いてる。シリアス一辺倒じゃない、脱力感も時々あるのが実にいいよ。ねばぎば、ねばぎば。

 最後にご報告。
昨年秋に引き続き、今年も文学フリマ岩手に参加いたします。
透明度の方はバックナンバーのみの販売になりますが(あとは相方が無念の欠席…よって一人店主で頑張ります)、書局やさぐれとしては、以前透明度で書いていた香港小説『麻煩偵探』の新章をなんと7年ぶりに書いています。
で、当初予告していた台南旅行記の第2弾ですが…もしかしたら間に合わないかもしれませぬ、すみません。
もし間に合わなければ、ART BOOK TERMINAL TOHOKUへの出品か夏以降に参加する一箱古本市で販売いたします。何卒、宜しくお願いいたします。

3月は仔羊のように去っていく。

 題名のように3月も過ぎ去り、すでに5月も中盤を過ぎようとするこの頃だけど、まだ続きます『3月のライオン』感想。後編は、盛岡ロケから地元イベントを中心にあれこれと。

 原作でも非常に印象深かった零ちゃんと宗谷名人の盛岡での記念対局。
盛岡駅や対局の舞台であるホテル大観がいい感じに描かれていて、この場面はぜひ盛岡で撮影してほしいな、大友さんの地元だからってのを別にしても是非是非、と思いながら情報を集めていたのだけど、昨年の6月に盛岡ロケが行われ、縁あって1日だけ大観での対局前夜祭のロケに参加することができた。本当は仕事を休んで平日のロケにも参加したかったのだけど、振替業務を立て続けに入れられたので涙をのんで断念した次第。

↑ロケ参加の記念品は手ぬぐい。

 前夜祭ロケでは観客としてエキストラ参加。本当は将棋関連の宴会らしく和服を着たり、職場のカメラを借りて取材記者やってもいいかなと思ったけど、その前日まで上京していて準備できなかった。そんなわけで知人の皆様と共に立席の前方にポジションを確保し、零ちゃんと宗谷名人の入場から退場までの撮影を見守った。撮影は昼過ぎから午後10時まで。
 初めてのエキストラ体験だし、ライヴの撮影現場が経験できるなら別に見切れててもいいや、と開き直ったので、滅多にない機会に浮かれる観客のおばちゃんとして役を全うしましたよ。その一方でカメラや操演や若いスタッフの動きもみていろいろと勉強してました。撮影は長時間だったけど、屋内だったしそれほど疲れることはなかったかな。岩松了さん演じる神宮寺会長がホントにあの会長そのままで「いやあみなさんお疲れ様ですー」と声をかけながら通って行ったのが印象的。もちろん零ちゃんも宗谷名人も神木くんと加瀬くんではなく、ほんとにそのままだったのがすごかった。これぞまさに大友的役者論実践編か!と感動。



 上の写真は後編公開に合わせて記念対局が撮影された南昌荘でのセット再現。
対局はこの市内屈指の歴史的建造物が選ばれたわけなんだけど、数年前の5月にふらっと入った時に、居心地の良さと庭園も含めての美しさに、何かのドラマか映画のロケに使ってもらえないだろうか、とずっと思っていた(某朝ドラのロケ地だったそうだが観てなかったし)。そんな折だったし、同僚がこのロケに参加していたと後から知ったので、戻ってきてからいろいろ聞いちゃったよ。
 特別展示を見に行った時は、管理者さんから撮影の様子を聞くことができ、後編の中でも屈指の名場面が美しく撮られていたのを思い出して、脳内再生しながらニコニコしてしまったわ。

 その後はロケ終了後のエキストラが一同に介した慰労会や大友さんを交えた前夜祭などが行われ、スタッフの皆様、盛岡広域FCの方、大学映研の学生さんやシネフィルの先輩、映画館の皆様、イベント主催を一手に引き受けた〈映画の力〉プロジェクトの皆さんともいろいろと交流した。映画を撮るためには、本当に多くの人が動くものだと改めて実感。ワタシも今よりもっと若かったら映画の現場に入ってみたかった…などと一瞬思ったけど、貧血で倒れちゃったら元も子もないか(苦笑)。
 それってもしかして映画撮りたいの?とか思われちゃうかもしれないけど、うーん、物語が思いついてもそれを映像に変換できるかどうかってのがねー。そんなわけですみません、某先輩(苦笑)。

 そして迎えた前編公開。恒例の最速上映は翌日に休めない仕事が入り、翌週の神木くん&大友さん舞台挨拶は澳門行きと重なってと初っ端からかなり悔しい出だしだったのだけど、盛岡ロケは後編だったので、そっちのイベントに期待をかけることになった。それがね、もうすごかったのですよ。
 4月21日20時台からのレイトショーで前編を、そして日付が変わった22日0時から後編上映の、久々のイッキ見イベントだったのだけど、わんこそばの東家さん特製のお弁当(舞台挨拶時に用意されたお弁当をハーフサイズで再現とのこと)を予約して前編を観ながら食べた。美味しかったわ。


↓こちらは市内の老舗・梅月堂さん謹製のふくふくだいふく。
劇中のふくふくだるまよりやや大きめかな。頭がこしあんで、胴体がつぶあんでした。



↓これは南大通のひだまりカフェによる限定の王将ショートブレッド。



 これらが限定品として劇場販売され、さらに劇中でもちらっと写った、零ちゃんがお土産として川本家に買ってきた(と思われる)かもめの玉子のおふるまいまであった。気分はなんとも楽しい夜のピクニック。 
 大友さんの同窓生が中心となって結成された映画の力PJは、るろけん京都編二部作上映からずっと新作公開のためにイベントを企画されていて、すっと参加してきたのだけど、今回はロケからも協力していたということで(後編のクレジットに名前が掲載されていますよ)特に力が入っていました。地元のお店に協力してもらったというのもありがたいし、これは本当に嬉しかったです。

以下の写真3枚は映画館の下にあるカフェのコラボメニュー。
これは前編公開時限定、唐揚げ&温泉卵のせのライオンカレー。



こちらは現在継続展開中のあんみつ二種。
上は全部のっけ、下はコーヒーゼリーベースのにゃんみつ。
好みは全部のっけの方でしたね(*^_^*)





 そして先日、前編舞台挨拶に続き、再び大友さんをゲストに迎えてのティーチインが開催。
ワタシも質問できたけど、だいたいこんな感じのお話があった。(諸事情により一部だけ)
・盛岡のロケ地はスタッフと回って意見を聞いた中で決定。新緑の季節に零の成長を表現するのに最適と思った
・原作と映画は別物。熱烈なマンガ好きに取って映画は二次創作物だが、映画人にとってマンガは素材である。映画とマンガはメディアとして成立方法が全く違うから比べられない。
・零と島田さんの師弟的関係(実はこれが我が質問)には、七人の侍のある老侍と若者の場面を反映。師弟と言っても権威的ではなく、フラットな人間関係で響く言葉にした。零と林田先生の場面は緩急で言えば緩だが、実は劇中本質をついている言葉が多い。
・誠二郎は原作では結構重さがあったが、映画では軽さを出したかった。彼はただのろくでなしではなく、三姉妹の母(写真で登場の奥貫薫さん)の夫でもある。現場では笑いが絶えなかったので、音楽は3シーンのうち2シーンは明るめにつけ、零がキレる場面では少し重くした。
・菅野祐悟さんとは初コンビ。150曲作成。シーンとタイトルを指定。
・駒音に違いを感じる。プロは音が同じに聞こえるが、役者は打つ時に感情を込める。低音はズーンとして、高音はキーンと聞こえるように調整。
 質問も音楽や効果音、小道具に関するものが多くて、何度も観る楽しみを覚えさせるものばかりで面白かった。その他、大ベテラン山本英夫さんのカメラワークや現場で見たSTRONG遠藤さん率いる操演の効果等も何度も観て楽しめる。
 SNSでは原作と違うと言われて正直凹んだのもあるが、それでも前編で書いた通り、原作の精神は大いに生きている。登場しなかったキャラだって、妄想キャスティングして場面の間に挿入することだってできる。ええ、ワタシも妄想しますよ、あかりおねいちゃんをめぐる島田さんと林田先生の邂逅とかね。

 今年も春からヒット作がひしめき合っているので、リピート鑑賞もなかなか難しいし(今ヒットしてるあの映画とかアレとか完全スルーしているんだけど、それでもちょうどアート系でもいい作品来ちゃってたからなあ)、これから何回観られるかわからないけど、ライターさんたちの評価もよかったし、何よりもこれまでの大友作品の集大成的な面のある映画になったと思っているから、ささやかでも上映を続けてもらって、時間があればまた観たい。
 そして、地元で映画をバックアップする楽しさもこれで味わうことができた。もちろん、好きな映画を思いっきり観られて勧めていければいいんだけど、好きな監督が好きな原作を地元で撮影してくれるという絶好のチャンスだったのが本当によかった。

 いつもながら、大友さんとPJの皆さんには、本当に感謝しています。
  そしてまた言ってしまいますが、次回作も楽しみです。

3月はライオンのようにやってきて、

 原作と全く違う展開を見せている映像作品でも、両方それぞれ好きというものが幾つか存在する。
我が最愛の映画であるブレードランナーはまさにそれだし、日本のTVドラマを挙げてもIWGP火消し屋小町など数多く、最近では守り人も。そうそう、原作はかなりあとになって読んだのだけど、ハゲタカも両方好きですよ。
 もちろん、映像化作品が原作と違う展開をすることを嫌う人はまだまだ少なくない。でも映画版ハチクロのときに書いたけど、映像に携わるクリエーターたちが愛とリスペクトを込めて作り上げれば、たとえ原作通りでなくても成立するし、その解釈が自分の感覚と合えば、もう両方支持してしまうのだ。しかしこれは諸刃の剣で、良かれと思った原作変更に全然愛を感じられずに嫌悪感を持ってしまう作品も生まれる。なおさらそれが自分の好きな原作ならね。今までここで書いてきたのでは、ミカエルとか(せっかく谷垣さんがスタッフにいるのに!)とかMWとかレディ・ジョーカー(思い入れ強すぎて文章が長いし、コメント欄を読んでてももう過剰すぎるといま思う)とかだな。なお、LJはWOWOWのドラマ版は映画よりもずーっといい出来でした。加納さん(石黒賢)はミスキャストだなとは思ったけど、全体的にタイトにまとまっててよかった。

 さて、原作から大胆に作り替えてドラマ&映画化した出世作『ハゲタカ』を、両者の根底に流れる精神性は全く同じものとして作った映画監督の大友啓史さんの最新作が『3月のライオン』二部作。
 独立直後のるろけん3部作から『秘密』『ミュージアム(そういえばblogで感想書けなかったな…)』まで、1作を除いてマンガ原作が続いていて、いずれもかなりのアレンジを加えつつも、どれも平均的に成功を収めているので、近年では「マンガ原作の名手」と呼ばれているのをどこかのネット記事で見た。昨年の3月に一報を聞いたときは、この記事の通りもう嬉しくてしょうがなかった。原作もずっと読んでいるから思い入れもあるし(今読み返すと結構誤読してる1巻の感想をリンクしておきますが)、穏やかな日常と熾烈な将棋の世界の融合をヒューマンドラマとして描くのに大友さんほど適した人はいないと思っていたからだ。そして原作の羽海野チカさんもきっと大友さんの作風がお好きなはず、とこれまた考えていた。でもハゲタカはご覧になっていなかったのね。


 原作マンガが好きな理由は、天才の孤独を描きながらも、その孤独を決して否定せず、なおかつ孤独でありながらも人は人と触れ合うことで成長できるということだと思っている。それを描く手段として選ばれたのが将棋であり、美味しいものなんじゃないかと。だからただの将棋マンガじゃないし(語弊があるように聞こえたらすいません)、同時にほっこりマンガでもない。両者が程よく融合したヒューマンコミックだと思う。もちろん、あの可愛い絵柄で将棋という職業を選んだ人間たちの業を描き続けたことは本当にすごいし時々恐ろしくも感じるのだが、読んでて疲れることはないし、どんなに切ない展開になっても楽しく時々考えながら読めた。
 
 一方、大友さんはるろけん三部作だったり、プラチナや秘密やミュージアムなど、映画監督になってからは強烈かつものすごい力技を仕掛けてくるような作品が続いていたので、そんな彼がこの作品を手がけることに驚いたり、抵抗感を抱いた人も少なくないと思う。だけどTVドラマからの大友さんのキャリアを知っている身としては、企業買収をエンターテインメントとして描いたり、複雑な歴史を抱えて生きてきた沖縄の人々のスピリットを朝ドラで軽やかに描き出してきたことを知っているので(これはもちろんちゅらさんね)、むしろ映画化には最適な監督で、何も心配することないとは思っていた…一部を除いて。
 実はそれはキャスティング。神木くんの零ちゃん、倉科カナちゃんや清原果耶ちゃん、新津ちせちゃん(新海誠監督の娘さんだとか!)が演じた川本三姉妹、蔵之介さんの島田さん、加瀬くんの宗谷名人、一生くんの林田先生、みんなどんぴしゃりだったし、原作では前半に登場する英明の後藤さんもいい男でよかった。しかしこれだけこれだけいいキャスティングが揃いながら、現朝ドラヒロインの有村架純嬢が香子を演じることになり、三姉妹以上に前面に出がちになっていたのがワタシには違和感であった。いや、別にミスキャストというつもりは全くない。あまちゃんでの若き日の春子のイメージがまだあるし、香子はあのキャラをさらに凶悪にした感じでいけるので、悪くないんじゃんって思ってた。だけど、香子はヒロインじゃないのだ。キャストクレジットの2番めにおかれても絶対ヒロインじゃない。なーんか龍馬での加尾の扱いみたいになるんじゃないのー?などと心配するくらいだったのよ。

 蓋を開けてみると、香子はやはりヒロインじゃなかった。もちろん花瓶でもなく、零ちゃんとの意味不明なラブシーンもなく安心した(サービスだろう薄着のシーンはあったけど)。で、原作では少ししか触れられない彼女と父親の香田さん(トヨエツ)が原作以上に、それに伴って後藤さんも思った以上に前面に出てきた理由は前後編を通して観てわかった。盤上では孤独な棋士という職業の業や、そんな棋士を支える人々の群像を、原作の精神を活かしつつそれとは違うものを目指すためには、零ちゃんが育った背景を丁寧に描くことが重要と思ったのだろうな。そんな彼が生き抜くために後にした幸田家にも、もしかすれば光の道を進むための別の一手があったのかもしれないという可能性を示すことで、これが零ちゃんだけでない、この物語を生きる人々全ての群像劇としてのクローズアップだったのかなと思った。彼らにも救いがあったのはよかったよ。
 かといって川本三姉妹だって劇中で冷遇されていたわけではない。孤独な魂を抱えた零ちゃんを暖かく招き入れ、ほっこりしつつもそれぞれの運命にはしっかりと両足で立って立ち向かう力を持っている。確かに彼女たちは零ちゃんの女神でもあるけど決して完璧な存在ではなく、ひなちゃんは理不尽ないじめに歯を食いしばり、あかりおねいちゃんは家長として、突然戻ってきた妻子捨男こと実の父誠二郎(いせやん!)と対峙する。ひなちゃんのエピソードは原作でもキツくて胸が痛み、映画ではかなり整理されてはいたものの、ひなちゃんの個性を強調するにはあれくらいでよかったと思うし、おねいちゃんも血や肉を持ったキャラクターとなったので、それぞれ人間性が引き立った。彼女たちもそれぞれの孤独の中でそれぞれのやり方で生きてきたのだ、と痛感した。
 その他、島田さんが前編で見せた強烈な三局、神の子らしい浮遊感を漂わせながらちゃんと人間であった宗谷名人、いい感じに頑張ってたスミス(中村倫也)&一砂(尾上寛之)コンビなど、いろいろ言いたいキャラはいっぱいありすぎて困る。染谷くんが特殊メイクで怪演した二海堂くんにもっと活躍してほしかったけど、そこは文句言わないようにしよう。さらにきりがなくなる。

 そして神木くんの零ちゃんは、誰も認める通り完璧で、もう零ちゃん以外何者でもない唯一無二の存在だった。もちろんそこには大友さんの役者論が強く生きているのがよくわかるし、神木くんの情熱も強く伝わる。特に盛岡・南昌荘を舞台に展開される宗谷名人との記念対局では、ロケーションの良さも相まって、観ているこちらもその場にいるような高揚感を味わったものだった。いい場面だった。

 他にもいろいろいいたいので、とりあえずここで一旦感想止めます。
実は盛岡ロケにもちょっとだけど参加し、貴重な映画の現場を見られるという経験をしたので、それや上映イベントについてのことをまとめて、今月中にもう一度感想アップします。

 最後に、こんな感想を引用して締めますね。ああ、いろんな見方ができるのだなあ、と感心したのでした。


 

春風や闘志いだきて弥生の月例報告

 寒さも一段落し、新年度が始まりましたが、年度末からちょっと体調を崩しております。
それでも元気がないほどではなかったので、春休みの澳門&香港修学旅行は元気で行けましたけどね。
その他にも仕事が厳しくなって、心身ともに凹むことも多くなってきましたが、何とか立て直したいです。
じゃ、月例報告へ。

◯今月映画館で観た映画
『ラ・ラ・ランド』
『The NET 網に囚われた男』
『ブルーに生まれついて』
『MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間』
『アイ・イン・ザ・スカイ』
『息の跡』
『3月のライオン 前編』
『人魚姫』
《救殭清道夫》

ちょっと頑張っていろんなジャンルを観てみた。
太字になってない3作品は後ほど感想書くけど、それ以外だと陸前高田の種苗店さんを撮ったドキュメンタリー『息の跡』がよかったな。陽気でエキセントリックだけど、その裏に哀しみや辛さを背負いながら、外国語で震災のことを伝えるご主人の話。
ラストの作品は香港で観ました。

◯先月読んだ本 by the private library of yasagure - 2017年03月 (2作品)
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…なんかねー、最近読めてません。そんな中で読めたのが昨年亡くなられた吉野さんの短編集。
小説にも負けず、かなりエッジが効いて刺さる物語ばかり。
もっと読みたかったよ、吉野さん。実家が近かったというのも亡くなられてから知っちゃったし(泣)。

◯今月映画館で観た&観る予定の映画
『3月のライオン 前編』
←おかわり
『LION ライオン 25年目のただいま』
『T2 トレインスポッティング』
↑ここまでは観た
『ゴースト・イン・ザ・シェル』
『愚行録』
『3月のライオン 後編』
『ネオン・デーモン』
『ムーンライト』
『牯嶺街少年殺人事件』

洋画の方のライオン(こう言わないとわからんな)とトレスポは奇しくもダニー・ボイルつながり。
トレスポには懐かしさもノスタルジアも感じなかったけど、マークたちと同世代ゆえに親近感は強かったな。
そして今後の楽しみはライオン後編とムーンライトとクーリンチェ。

◯今月読む予定の本
『夢中見 夢で会いましょう』張維中
『ILC/TOHOKU』小川一水・柴田勝家・野尻抱介


ILCとは国際リニアコライダーのこと。
岩手の北上山地が建設候補に上がっていて、それが決まっても完成するのは遥か未来なのだけど、そんな世界を小説にすると…という3人の小説家によって書かれたアンソロジー。
張さんのエッセイと平行して、とりあえず読みます。

これまで使ったきたPCは10年前の夏に購入したもの。この時代だと当然Vistaだが、承知の通り今月でサポートが切れる。かなり重くなっているけどまだ使える。でもアップグレードはもう無理かな。
そんなわけで夏頃に新しいPCを買いたい。これまでデスクトップ&ボードが続いたけど、久しぶりにモバイルPCにしたい。友人が使っていたMacBook Airを触らせてもらったけど、それほど難しくもなさそう。
仕事PCでちゃんと仕事できるようになったので、プライベートはもうマックにしてもいいだろうか。

March comes like a lion...で如月の月例報告

 年度末は気が重い。今年は久々に仕事で凹む案件が複数あって、春だというのにブルーな気分。
…というか、まだこっちは雪がもりもり降っている。来年度は今年よりも仕事が増えるのでますますブルーになること決定。楽しく働けないのはストレスが溜まる。いくら世間の流れがアレだからといえ、そこで避けられるのは悔しいものである。
と、ちょっともにょった書き方で申し訳ないけど、月例報告行きますわ。

◯先月映画館で観た映画(今月は例外あり)
『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』
『ザ・コンサルタント』(機内上映鑑賞)
《擺渡人》
《健忘村》
『ヒッチコック/トリュフォー』
『エヴォリューション』
『トリプルX:再起動』
『雨にゆれる女』
『彼らが本気で編むときは、』


1月が全く観れなかったので、ちょっと頑張った。
コンサルタントは劇場で観てなかったのだけど、SNSでの評判が良かったので飛行機の中で観た。
意外なネタをうまく使っていたけど、主人公と同じ状況にある皆様はどう観たんだろうか?
彼らが本気で、TGBTネタも合わせて日本社会の中の母子関係とその問題を描き出していて、ワタシは1月に観た湯を沸かすよりは好意が持てたんだけど、あの描き方でもダメと思う人もいることが勉強になった。多様性を知ることは大変だけど大切である。でも荻上監督、これでまたほっこり路線に戻っちゃダメだよ。

◯先月読んだ本 by the private library of yasagure - 2017年02月 (2作品)

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これと後は阿信の『浪漫的逃亡』も読んでます。こちらは中華の方で感想を。
ワイルドサイドは期待が大きすぎたかなあ。ドラッグが絡む猥雑な話だから難しいかもしれないけど、映画化でもして少し整理したら見通せるかも。どうですか日台合作で映画化とか。品行方正じゃないからこそ、映画化したら面白いと思うのだよ。

◯今月観た&これから観る映画
『ラ・ラ・ランド』
『The NET 網に囚われた男』
『ブルーに生まれついて』
『MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間』
『アイ・イン・ザ・スカイ』
『息の跡』
『3月のライオン 前編』
『人魚姫』


実は最後の2本以外は全部観てます。なんか狂ったように観ているなあ。何があった自分。
ラ・ラ・ランドは…まあ、悪くなかった。先月観たトリプルXも以下同文。
ライオンはね、昨年も書いたようにもう問答無用で楽しみなんだけど、いろいろと(強制終了)

◯今月読んだ&読んでいる本
『夢中見 夢で会いましょう』
張維中



昨年の4月に参加した不忍ブックストリートのイベントでお話を聞いた日本在住の作家&編集者・張さんのエッセイを本格的に読んでます。前半では自らも東京で経験した震災のことも述べられているので、時期的にもちょうどいいのかなと思って。先に挙げた阿信のエッセイに続いての中文書籍で、ところどころ分かる単語を拾いながらの読書ですが、それでも充分いいかな。香港に行く前には読了したいです。

 仕事でもミスが増え、抱える業務が増えて本業がおぼつかない苛立ちや悔しさとか、平日はとにかく忙しすぎて
ヘトヘトになったりするけど、今年度もあと僅か。ネガティブになるのは程々にして、春休みの香港&澳門の修学旅行まで頑張るしかないです。社会情勢から自分の体調まで悩ましいこともまたいっぱいあるけど、正気を保って行きていかねば。

旅するための我的おぼえ書き

 先月はMayday(五月天)武道館ライヴで上京し、その翌週は台南旅行と、長距離移動の多い月でした。
そしてこの春休みは、4年ぶりの香港&10年ぶりのマカオ旅。ここしばらくで旅の仕方もずいぶん変わってきたし、いろいろ面白いこともあったので、ここでまとめておぼえ書きふうにまとめ。

 昨年2月以来、東京で夜遅く行動したり、翌日遠出するときにはBOOK AND BED TOKYOに泊まるようになり、すっかり定宿化。五月天ライヴの時も翌日は横浜に行くつもりだったので予約したのだけど、4カ月ぶりに行ってビックリだったのが、増床していたこと。




フロントが8階に移動し、その奥のベッドは全てブックシェルフ。しかもフロントからアルコールが注文できるバーも新設されていてビックリ。聞けば昨年11月にリニューアル増床したとのこと。いやー全く知らなかった。知ってたらもっとゆっくり滞在していたところだった。でも増床のお陰で予約が取れやすくなったと聞いて安心。
8階に泊まりたい場合は予約時に希望を出せば押さえてくれるというので、今度泊まる機会があればリクエストを出そう。で、その今度っていつだ?

今回の台南旅行は3泊4日と短かったし、長距離移動もあったので、20年ぐらいぶりに機内預かりなしの移動にチャレンジ。最初はリュックサック&ショルダーで行くつもりだったのだけど、容量の関係でリュックからボストンバッグに変更。下着はモンベルの速乾性アンダー2セット、宿にタオルがないと聞いたので、東京でも使った同じくモンベルのマイクロタオルと大荷物の自分にしてはかなり減らしたつもりだったのだが、それでも荷物は確実に増えるので、これを持っていったところ、便利だった。しかも帰りも機内預かりなし。いやあよかった。



薄くて軽いけど背負いやすく、タブレットを入れても中身は安定。レンタサイクルにかごがないときに、これに買ったものや荷物を入れて移動するのもいいかも。春休みの旅行にも持っていきます。
で、台南の宿なんだけど、最初エクスペディアでユーザーレビューに「部屋にバスタオルもフェイスタオルもないから持っていった方がいい」とあったので、ああホステルタイプなのねと準備していったのだが、しっかりあったよタオル一式が。これまではレンタルしていたらしいけど、きっとブーイング多かったんだろうなあ。
でも何かあった時のために、これからもマイクロタオルは持っていくつもりよ。五月天ライヴでかなり使えたし、(フェイスタオル売ってたんだけど、ケチって買わなかったのよ)マフラータオルサイズを買ったので、防寒にもなりそうだしね。

今年も2年前と同じように、仙台から成田経由で台湾に行ったのだが、以前と違うのは、乗り換えの待ち時間。前は早く着いたので時間が余りまくり、空港からイオンモール成田まで行って映画を観たのだが、今回は14時前に着いて18時搭乗。これ、一見かなり時間が余っているように思うのだけど、ここから映画を観て戻るまでには足りないのである。だからどうしようか、とひとまずコインロッカーに荷物を預け、北ウイングのショッピングモールをぶらぶらしていた。そしたらクレカ利用者のためのラウンジと共に、有料制で誰でも使えるトラベラーズラウンジ・ラシュランを発見。お金はらってもいいから休みたいわーと行くと、国内便乗り継ぎ利用者はなんとタダで使えるとのことで、喜んで利用。あいぽんやiPadやバッテリーを充電し、ブランケットにくるまってまどろんだり、お茶を飲んだりして待ち時間を過ごした。奥の方にリクライニングチェアもあったんだけど、先客がいたので諦めた。今度仙台便を利用するときは、到着したらすぐ荷物を持ってラウンジに向かおう。

 旅は楽しい。だからこそあまり疲れたくないし、使えるものは使いたいなあ。そんなわけでこのおぼえ書き。
次の旅、実は深夜便で移動するので、これまた疲れないような心がけをしたいもんである。

ええかげん冬から逃亡したい…睦月の月例報告

 えー、ご報告いたします。
先月下旬、人生初のインフルエンザA型罹患宣告を受けて、即日自宅軟禁の刑をくらいました。
「ワタシ、インフルってかかったことなくてー(∀`*ゞ)エヘヘ」とかアホウのように言ってた自分は本当にアホウである。幸い、高熱で寝込むまでには至らなかったが、頭痛が結構キツかったわ。
 そして回復後は仕事もそれ以外もいろいろあって、五月天の武道館ライヴに行ったり、その翌週に台南まで逃亡…もとい旅してきましたよ。映画もたくさん観たし、書きたいネタは溜まってきたけど、それは来月末までに中華blogの方に書きますね。
 ほんでは月例報告いきます。

◯先月劇場で観た映画
『湯を沸かすほどの熱い愛』
『沈黙』
『ドクター・ストレンジ』

久々に1か月5本以下になった…まあ、観たい作品も少なかったし、インフルで軟禁されていたしね。
ちなみに先日行った台北で、湯を沸かすはこんなタイトルで上映されていました。



◯先月読んだ本 by the private library of yasagure

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帰省でも本が読めたので多いです。
台湾少女は感想書きますね。

◯今月劇場で観た&観る予定の映画
『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』
《擺渡人》
《健忘村》
『ヒッチコック/トリュフォー』
『エヴォリューション』
ここまでは観た。後ほど中華blogに感想書きます。
『ラ・ラ・ランド』
『トリプルX:再起動』
『雨にゆれる女』
『彼らが本気で編むときは、』

あと、新作は機内上映で『ザ・コンサルタント』を観てます。
今年も下旬に異常に封切りが多いけど、なんとか観られるように頑張ろう。

◯今月読んだ&今読んでいる本
『ワイルド・サイドを歩け』東山彰良←読了
『浪漫的逃亡 遊日非流行指南』五月天阿信←読了


『流』の直木賞受賞前後から東山彰良作品をなにか読みたいと思っていたうちの候補だった作品。主人公がゲイの美少年、親友が日本育ちの台湾人、そして台湾からきた最強最悪のドラッグをめぐる青春バイオレンス。
そして阿信の本は再読です。やっぱり五月天を聴いてから読んだ方がすんなりと入るもんでね。

なんか紹介だけで終わっちゃってすいません。
今年の初めにblogは1ヶ月に5回は記事を書くと言いつつも、これが今月初めての記事ですよ、はい。
でも中華の方のネタは映画もコンサートも本も旅行記もたんまりあるので、そっちを頑張ります。
まずは五月天ライヴのことからかしら。

そろそろ地元の劇場でアジア映画を観させてよ!とマジで叫ぶ2016年映画生活振り返り。

 何なのこの題名、気が触れたの?と問われたら、ああそうさ、オレはもとからおかしいさ!と張り切って言うさ!
一応念を押すけどな、この場合のアジア映画は香港映画と台湾映画だからな!韓国映画は歴史ものとかアイドルものが地元の新宿武蔵野館的な劇場で細々と上映してくれているけど、残念ながらそっちに全く興味ないもんですいません。

 といきなりブチ切れてデスロード走ってる状態ですが、気を取り直して昨年の劇場鑑賞作品を振り返りますよ。
昨年劇場や映画祭で観た本数は104作品、通った回数は112回でした。
久々に100本超えしましたが、そのうち地元以外の鑑賞を差し引くと多分90作くらいです。
では、今年も洋邦別に10本上げていきます。これを土台に、地元映画館やcocoなどの投票を行います。

洋画編

ハドソン川の奇跡



 最近年1本安定した新作を発表してくれるクリント御大作品だけど、久々に入れた気がする。
あまりの安定感なので、いつもスルーしてしまうからか?上映時間も短いし、しっかりまとめられているのがよかった。最近2時間超えの作品が多いからなあ。

ボーダーライン


 米国・メキシコ国境での麻薬カルテルとの闘いの非情さを、甘さ抜きでビシバシと描いたのがよかった。
評判のいいドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品初見。今年はテッド・チャン作品の映画化『メッセージ』と、続編なんか本当にいらなーいとずっと言い続けてきた『ブレードランナー2049』の2作品が公開されるので、ちょっと気をつけておかねば。しかしまさか今になってブレードランナーの続編って…(長くなるのでいずれ別記事で)

シング・ストリート 未来へのうた


 これまた安定のジョン・カーニー。やっぱりアイルランドでの話の方が面白いかな。
時代的にも親しみがあって楽しかった。昨年は80年代ポップスを支えたアーティストが多く亡くなって残念だったけど、80年代リスペクトは広がってほしい。

キャロル



 女同士の恋愛ものというより、どちらかと言えば『テルマ&ルイーズ』にも通ずるハードボイルド。
恋愛の困難さは、あの時代で女性が生きる不自由さもイコールであったりするし。

オデッセイ

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 「ジェイソン・ボーンだから火星に取り残されてもしぶとく生き残れんじゃないの?」と思ったらその通りだった話。原作も面白かったですよー。いい具合に刈り込んでいるので、映画の補完としても読めます。

ディーパンの闘い

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 一昨年のカンヌグランプリ作品。主人公がスリランカの内戦を生き延びたゲリラなので、アジアンノワール的な要素もあって興味深い。フランス映画との相性はあまりいいとは思えないのだが、以前『君と歩く世界』も選んだので、ジャック・オーディアール監督とは相性がいいようだ。
ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー


 先に「まさか今になってブレードランナーが」と書いたけど、これも「まさか今になって」案件かつ、あのシリーズ初のアジア人キャストにまさかド兄さん&姜文さんが!案件。詳細はリンク先に書いてるので省略。

サウルの息子


 ここ数年、ドイツとその周辺で第二次大戦をテーマにした作品が多く登場してきて(邦題に『ヒトラー』がつけばもう確実に)、観るようにしているのだけど、その中でも特に衝撃が大きかったのがこれ。戦時下/収容下で失う人間性やそれを僅かにつなぐものなどを追体験した。こんなこと、もう二度と起こしてはいけないよ。

スポットライト 世紀のスクープ


 観た当初は「なぜこれがオスカーで作品賞?」と多少なりとも思ったのだけど、件の「文庫X」こと『殺人者はそこにいる』と、日本の調査報道の第一人者と言われる清水潔さんの著書を続けて読んで改めて納得した。ブレイキングニュースだけが報道じゃない。地道な調査と裏付けから真実は見えてくる。それを心に念じて物事を見たい。

エクス・マキナ


 昨年はSF映画にいいものが多くて嬉しかった。『リリーのすべて』で助演女優賞を獲ったアリシアたんことアリシア・ヴィキャンデル(「ビカンダー」よりこっちの表記を希望)のハマりっぷりもいいし、彼女をめぐるドーネルくん&オスカー・アイザックのSWコンビの一種の攻防にもドキドキした。そしてAIであっても女性って(強制終了)

邦画編

オーバー・フェンス


 函館(あるいは佐藤泰志)三部作としては海炭&そこのみの方が上なんだけど、映画的には非常に満足した作品。感想でも書いてるけど、うまい具合にフランス映画的なエッセンスが効いててそこが気に入っている。優ちゃんの身体表現が久々に発揮されているのもいい。

怒り


 こちらは映画的にというより、各キャストの熱演にやられたクチ。それがあるから同じコンビの『悪人』より評価するんだけどね。そしてキミはやっぱりすごいよ、ぶっきー。

この世界の片隅に


 「昨年はアニメの年だった」というのがしきりに言われていて、某君の◯はも結局観てしまった。その文脈はパヤオちゃん新作不在の中でこれだけポストパヤオ的なクリエイターがいることに注目されたってのもあるんだけど、やっぱり映画はアニメと実写をちょっと分けて考えたいところがある。アニメと実写を一緒くたにすることは、売り上げだけで作品の善し悪しを判断する危険性にもつながるから。
 だけどね、SNSでこのアニメのクラウドファンディングが話題になり、ノーネンちゃん(注:改名後の名前も尊重しますが、ワタシは彼女を今後もそう呼び続けます)が主演に決まり、ご本人目当てで先行上映を観に行ってかなり衝撃を受けたのは事実。とかく売り上げとマーケティングが幅を利かせてますますつまらなくなる大多数の邦画&アニメ界に投げ込まれたこの大きな波紋が、今後の映像界の希望になってほしい。
 しかしこれを観て本来なら原作を読まねばならないのに、なぜかぜんぜん違う方向の本(『荒神』宮部みゆき&『荒神絵巻』。もしかしたらあとで感想書くかも)を読み出したのは次の作品の影響です。

シン・ゴジラ


 これも観に行ってよかった、いやむしろかなりどハマりした作品(笑)。
カントクくんこと庵野さんはキライじゃないけど(なんせ評判の悪かったこれ観てるので)、エのつくアレは全く好きじゃないのよーって思ってたし、大して期待してなかったんだけど、初日に観た人が大騒ぎしてたので観たらもう面白くて面白くて。続編はいらないけど、怪獣映画で語る社会批判としては久々にいい作品だった。

淵に立つ



 日本の若手映画人が三大映画祭になかなか行けない難しさが語られた年だったけど、カンヌで評価されたこの若い監督の作品は、邦画でありながら非常に普遍的なテーマと語り口だったので興味深かった。日本政府は明治維新の映画化なんかにカネ出さんでいい。クールジャパンとかいわなくていい。文化庁と文科省と経産省もっとまともな人材をつけて、日本のクリエイターを海外にどんどん紹介しなさい。ったくバ(炎上材料撒いてるので強制終了)

セトウツミ


 好きな監督にはとことん甘くてすみません、なんだけど、短い時間で映画的に無理めのネタをいかに映画にもっていくかという実験がなされているのが興味深くて。もちろん、池松&菅田コンビの息の合い方も面白い。
立嗣さんもすっかり「男子映画の名手」になったなあ。

永い言い訳



西川美和さん自ら書いた原作が直木賞候補にもなった作品。こっちでは先月公開されたばかりで、原作が地元書店主催の「さわベス2017」文庫部門4位に選ばれてます。人間に対するシニカルさは相変わらずだけど、ちょっと眼差しが優しくなったかな?と思うのはお互いに歳をとったからでしょうかね。

海よりもまだ深く


 ウニまちも父になるもよかったけど、やっぱり是枝さんなら阿部ちゃんとのコンビ作が面白いな。
彼もコンスタントに新作を出してるので、どうもいつも入ってしまってすいません。ホウちゃんや台湾に縁が深い人なので、ついつい仲間意識で見てしまうの(笑。参考としてこれをどうぞ)

団地



 東西団地対決かよ(笑)。じつはこの監督&主演コンビの『顔』が好きなんですよ。
一見すごいシニア向け作品なんだけど、実はかなり思い切ったことやってるので、そのパンクさが気に入っております。だってこれだけおばさんおじさんが出ているのにSFなんだよSF!
これなら阪本&藤山(確かに台湾のコメディエンヌ・林美秀に似てると思う)コンビで大阪を舞台にしたゴジラもアリなんじゃないかと思ったりする。

恋人たち



 昨年のキネ旬日本映画ベストワンですが、地元では年明けの公開でした。
無名の俳優のアンサンブルで描かれるままならない人生と、その先にかすかにある希望の物語。
売れるだけ、派手なだけがいい作品じゃないという見本。こういう映画やクリエイターももっと大切に観ていきたい。

 昨年は総じて邦画にいい作品が多く、それはワタシも認めるところだし、某◯の名は以降、シネコンに若い観客が増えたので頼もしくは思うのだけど、それに対して洋画の低調(含むアジア映画)が目立つ感じがして、洋画派としては本当に残念な傾向である。誰だよ洋画観るのはマニアックとか言ってる若者は。

 せっかく映画館に通うようになったのなら、売れる作品だけじゃなくもっと冒険してもいいと思うよ。それでつまらない作品に当たっても、損したと思わないでほしい。自分にとってつまらない作品は、誰かにとっては思い出に残る作品だろうし、寝ちゃってしまった作品を切り捨てててもいけない。どこかで引っかかる部分がある作品だってある。そういう感性を大切にして、これからも若者には映画館で映画を観てほしいし、自分もそういう気持ちを持ってスクリーンに向かいたい。

 なお、今年はあまり中華電影を観ていないので、こちらにランクインしてないのが残念だけど、通常通り中華blogで中華電影ベストは行います。UP予定は旧正月周辺。それまでに録画してた未見作品等も観られるといいな。

新年快樂 萬事如意で師走&年末年始のご報告


 あけましておめでとうございます。まずは実家で取れたおミカンをどうぞ。

 昨年は仕事内容がガラッと変わってしまい、それに加えて平日夜はクタクタで機能しなかったり、休日はストレス解消で映画観まくったり、相変わらず寝不足&運動不足とハードな年でした。
 さらに実家移転もありで、一時期はマメに実家にも帰ってました。この年末で初めて新宅に泊まったけど、やっと布団が入ったくらいの進捗状況。完全移転は春の連休あたりらしい。でも、徒歩で最寄り駅まで行けるし、かなり便利になるんだけどねー。
 あと、ここしばらく長い休暇で実家に帰ると、前半は倒れるのはもうそろそろなんとかした方がいいぞ、自分。

 では、月例報告行きます。

◯先月劇場で観た映画
『高慢と偏見とゾンビ』
『永い言い訳』
『男と女』
『この世界の片隅に』
『エブリバディ・ウォンツ・サム!!』
『PK』
『ローグ・ワン スター・ウォーズストーリー』
『ダゲレオタイプの女』
『ストームブレイカーズ 妖魔大戦』

 本当はねー、帰省ついでに仙台に寄って『湾生回家』と『私の少女時代』おかわりをしてこようと思ったんだけどさー、上映時間が合わなかったり、途中下車したらかなり高く付くことがわかって、前者だけでも東京で観ようと思ったのよ。そしたらこっちも時間が合わなくて、もうギブアップ。もう腹をくくって、2月の地元上映時になんとか時間作って平日観ます。はああ、もうねー。

◯先月読んだ本 by the private library of yasagure - 2016年12月 (5作品)
powered by Booklog
 『台南』はこちらで長い感想書いてます。『キン・フー』も近日感想をblogにUP予定。
『殺人犯はそこにいる』がきっかけで読んだ『南京事件』、これはいろいろと興味深かった。
これもblogに感想書きます。

◯今月観る予定の映画
『湯を沸かすほどの熱い愛』
『誰のせいでもない』
『ガール・オン・ザ・トレイン』
『奇蹟がくれた数式』
『アズミ・ハルコは行方不明』
『沈黙』
『ドクター・ストレンジ』

 思えば10年前のこれこれがきっかけで、ワタシはマーティン・スコセッシが大嫌いになった。
「意外と面白かったじゃん」とか「それでも巨匠じゃん」とか言われてもダメ。そもそもオリジナルに全く敬意を払ってなかったのがすっごく嫌だった。でも同じアジアでも日本にはこういう思い入れがあるのだから、なんだかなーとか複雑な気分になってる。でも観たいんだよなあ、沈黙。だって台湾ロケだもの(おいおい)。
これがオスカー獲っても構わないけど、それならその代わりに作品賞取り消してよ、『ディパーテッド』の。

◯今月読んだ&今読んでいる&これから読む予定の本
『荒神』宮部みゆき
『台湾少女、洋裁に出会う』鄭 鴻生←読進中

年越し読書だった『荒神』、面白かった!
シンゴジと『この世界の片隅に』にハマった身としては、今読んでおかなきゃって思ったからなおさらなんだろうけどね。ところで宮部さん、シンゴジは観たのかしらん。


片隅を思い出したのは、連載時の挿絵と単行本の装画をこうの史代さんが描かれていたから。
全話をカラーで描かれていたけど、新聞掲載時にはモノクロになってしまったものも少なくないらしい。そんなわけでこの絵物語もいずれは読む予定。

 ここ数年は、「今年の心得」をblog上で書いていたのだけど、なんか毎年似たり寄ったりになっているので、今年はここで宣言しません。でも、その代わりにこれを言います。

 打つより書いて(描いて)記録すること。

 
というわけで、数年前から心得を手帳に書いているのですが、それと同時に「やりたいこと」を手帳に書き(参考としてこれを)、何かあったらすぐメモをとることにしました。最近受験生と一緒に勉強しているってこともあるんだけど、アナログ作業は手が空いていればすぐできるからね。ちょっとした原点回帰であったりもします。

 そんなわけで今年も相変わらずですが、頑張ってblog更新しますので、今後とも宜しくお願いいたします。
おじぎ

場末のブロガー、ますます場末感を増すこの冬の定例報告

 2ヶ月ぶりのblog更新となりました。大変ご無沙汰しております。
この秋から冬は怒涛のように過ぎていきました(泣)。国体ボランティアをやって、その後は仕事に追われてさあ大変。職場でも責任が重い業務についちゃったし(偉くなったわけじゃない)、平日は帰宅も遅く、その反面休日は何もないのでせっせと映画通ってしまって、とにかく暇がない。もちろんTIFFフィルメックスも参加したし、この秋は地元や仙台でもいろんな映画イベントがあったので、それにも参加した。
 そして9年前に購入したPCも来年春のvistaサポート終了を見越してそろそろ買い換えだろうかと思っている。
 
 そんなこんなで言い訳していくとキリがないけど、この忙しさは当分続くし、来年度はもっと忙しくなると思う。
でもどんなに短くても、近況報告程度でいいから、書き続けていきたいなあ。
では、3か月分まとめて報告行きます!

◯この3か月間で劇場や映画祭で観た映画
・10月
『鏡は嘘をつかない』
『ハドソン川の奇跡』
『ジェイソン・ボーン』
『何者』
『セトウツミ』
『君の名は。』
以下TIFFで鑑賞。
太字になってない作品は後ほどblogで感想書きます。
(ここより以下の作品も同じ)
『メコン大作戦』
『シェッド・スキン・パパ』
『ゴッドスピード』
『見習い』

・11月
『この世界の片隅に』
『オーバー・フェンス』
『シング・ストリート』
『ミュージアム』×2
以下3作は仙台国際ココロヲ・動かす・映画祭で鑑賞。
『珈琲哲學 恋と人生の味わい方』
『レイジー・ヘイジー・クレイジー』
『私の少女時代』
以下3作はラヂオもりおか音楽映画祭で鑑賞。
『AMY エイミー』
『ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』
『ジャニス リトル・ガール・ブルー』
『淵に立つ』
『聖の青春』
以下4作は東京フィルメックスで鑑賞。
『大樹は風を招く』
『タイペイ・ストーリー』
『侠女』

・12月(11日までに観た映画)
『高慢と偏見とゾンビ』
『永い言い訳』
『男と女』
『この世界の片隅に』
『エブリバディ・ウォンツ・サム!!』
『PK』

…なんかもう、こうやってタイトル書き出しただけでもクラクラしてます。情けないことに。
中華電影はもちろん感想書くけど、それ以外もなにか書きたいです。特に『この世界の片隅に』。
でもうまく言葉にできるかなあ。短くてもなんか書きます。

 そして、この秋は地元で好きな映画を観ることについてあれこれと考えてしまった秋でもありました。
このへんも今年中にはなんとか書きたいです。

◯この2ヶ月間で読んだ本
by  the private library of yasagure

- 2016年10月 (3作品)

 2016年11月 (1作品)
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ええ、本も全滅でした。
職場で自己啓発書やノンフィクションのオススメを聞かれるようになったので、そのへんもカバーしたくはあるんだけど。いやーもう最近専業がなかなかねー。

◯今月これから観る予定の映画
『ローグ・ワン スター・ウォーズストーリー』
『ダゲレオタイプの女』
『湾生回家』
『私の少女時代』

 ローグ・ワン!もう今年の冬はこれしかないでしょう、ローグ・ワン!
SWにあまりハマってないワタシが思わず燃え上がるのは、言うまでもなく我らが宇宙最強ドニー・イェンの活躍が、地元のスクリーンで全国同時に堪能できるからですよ!これと来年2月の『トリプルX 再起動』でド兄さんの名前が全国に轟き渡って知名度をどんどん上げてくれたら、こっちでも『イップ・マン3』が観られる可能性が高くなるのよ!だからみんな観てね、ローグ・ワン!
 湾生と少女時代(再見)はこの年末に仙台で上映してもらえるので、帰省の途中で寄って観るつもり。『小さな園の大きな奇跡』も仙台上映が決まったのだけど、31日(!)からなので、こっちに戻る途中に寄って観るかな。もうそうしないと観る機会が本当にないんですよ、中華電影好きにはつらいです…。
 あ、湾生は来年2月にこっちにも来るのだけど、ちょうど忙しい時期なので先に観ます。本当にすみませんルミエールさん。

◯今月読んだ&これから読む予定の本
『殺人犯はそこにいる』清水 潔←読了
『ウェブで政治を動かす!』津田大介←読進中
『台南 「日本」に出会える街』一青 妙
『「南京事件」を調査せよ』清水 潔


 えー、すでに10月に読進中として出していたこの本ですが、じつはこれが、地元のさわや書店フェザン店が仕掛けた「文庫X」の正体本です。
自分はなんでも読むので、何も言わないでタイトル上げてても問題ないかと思いましたが、今まで感想は我慢してました。感想はこっちに書いてあるけど、調査報道の仕方や司法の問題点などが書かれていて興味深かったです。
そして、清水さんの最新刊がこれ↓この年末で読む予定です。 

「南京事件」を調査せよ
「南京事件」を調査せよ [単行本]


来年も台南に行くことになったので、妙姉さんのこの本も買いました。
そしてこちらの本も舞台が統治時代の台南だそうなので購入予定。


 ふう、これだけ書くのもなかなか大変ですな。
今年は本当に全く書けなかったので、来年はもう少し書きたいです。
これからは中華blog(注:本館は終了しました)の今年観た映画の感想に専念しますが、時間があったら映画祭のことや身の回りのこと等も今月は書きます。
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