In the groove for life

毎日をノリで生きたい、中華趣味女子もとはしの日々の記録。

March comes like a lion...で如月の月例報告

 年度末は気が重い。今年は久々に仕事で凹む案件が複数あって、春だというのにブルーな気分。
…というか、まだこっちは雪がもりもり降っている。来年度は今年よりも仕事が増えるのでますますブルーになること決定。楽しく働けないのはストレスが溜まる。いくら世間の流れがアレだからといえ、そこで避けられるのは悔しいものである。
と、ちょっともにょった書き方で申し訳ないけど、月例報告行きますわ。

◯先月映画館で観た映画(今月は例外あり)
『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』
『ザ・コンサルタント』(機内上映鑑賞)
《擺渡人》
《健忘村》
『ヒッチコック/トリュフォー』
『エヴォリューション』
『トリプルX:再起動』
『雨にゆれる女』
『彼らが本気で編むときは、』


1月が全く観れなかったので、ちょっと頑張った。
コンサルタントは劇場で観てなかったのだけど、SNSでの評判が良かったので飛行機の中で観た。
意外なネタをうまく使っていたけど、主人公と同じ状況にある皆様はどう観たんだろうか?
彼らが本気で、TGBTネタも合わせて日本社会の中の母子関係とその問題を描き出していて、ワタシは1月に観た湯を沸かすよりは好意が持てたんだけど、あの描き方でもダメと思う人もいることが勉強になった。多様性を知ることは大変だけど大切である。でも荻上監督、これでまたほっこり路線に戻っちゃダメだよ。

◯先月読んだ本 by the private library of yasagure - 2017年02月 (2作品)

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これと後は阿信の『浪漫的逃亡』も読んでます。こちらは中華の方で感想を。
ワイルドサイドは期待が大きすぎたかなあ。ドラッグが絡む猥雑な話だから難しいかもしれないけど、映画化でもして少し整理したら見通せるかも。どうですか日台合作で映画化とか。品行方正じゃないからこそ、映画化したら面白いと思うのだよ。

◯今月観た&これから観る映画
『ラ・ラ・ランド』
『The NET 網に囚われた男』
『ブルーに生まれついて』
『MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間』
『アイ・イン・ザ・スカイ』
『息の跡』
『3月のライオン 前編』
『人魚姫』


実は最後の2本以外は全部観てます。なんか狂ったように観ているなあ。何があった自分。
ラ・ラ・ランドは…まあ、悪くなかった。先月観たトリプルXも以下同文。
ライオンはね、昨年も書いたようにもう問答無用で楽しみなんだけど、いろいろと(強制終了)

◯今月読んだ&読んでいる本
『夢中見 夢で会いましょう』
張維中



昨年の4月に参加した不忍ブックストリートのイベントでお話を聞いた日本在住の作家&編集者・張さんのエッセイを本格的に読んでます。前半では自らも東京で経験した震災のことも述べられているので、時期的にもちょうどいいのかなと思って。先に挙げた阿信のエッセイに続いての中文書籍で、ところどころ分かる単語を拾いながらの読書ですが、それでも充分いいかな。香港に行く前には読了したいです。

 仕事でもミスが増え、抱える業務が増えて本業がおぼつかない苛立ちや悔しさとか、平日はとにかく忙しすぎて
ヘトヘトになったりするけど、今年度もあと僅か。ネガティブになるのは程々にして、春休みの香港&澳門の修学旅行まで頑張るしかないです。社会情勢から自分の体調まで悩ましいこともまたいっぱいあるけど、正気を保って行きていかねば。

旅するための我的おぼえ書き

 先月はMayday(五月天)武道館ライヴで上京し、その翌週は台南旅行と、長距離移動の多い月でした。
そしてこの春休みは、4年ぶりの香港&10年ぶりのマカオ旅。ここしばらくで旅の仕方もずいぶん変わってきたし、いろいろ面白いこともあったので、ここでまとめておぼえ書きふうにまとめ。

 昨年2月以来、東京で夜遅く行動したり、翌日遠出するときにはBOOK AND BED TOKYOに泊まるようになり、すっかり定宿化。五月天ライヴの時も翌日は横浜に行くつもりだったので予約したのだけど、4カ月ぶりに行ってビックリだったのが、増床していたこと。




フロントが8階に移動し、その奥のベッドは全てブックシェルフ。しかもフロントからアルコールが注文できるバーも新設されていてビックリ。聞けば昨年11月にリニューアル増床したとのこと。いやー全く知らなかった。知ってたらもっとゆっくり滞在していたところだった。でも増床のお陰で予約が取れやすくなったと聞いて安心。
8階に泊まりたい場合は予約時に希望を出せば押さえてくれるというので、今度泊まる機会があればリクエストを出そう。で、その今度っていつだ?

今回の台南旅行は3泊4日と短かったし、長距離移動もあったので、20年ぐらいぶりに機内預かりなしの移動にチャレンジ。最初はリュックサック&ショルダーで行くつもりだったのだけど、容量の関係でリュックからボストンバッグに変更。下着はモンベルの速乾性アンダー2セット、宿にタオルがないと聞いたので、東京でも使った同じくモンベルのマイクロタオルと大荷物の自分にしてはかなり減らしたつもりだったのだが、それでも荷物は確実に増えるので、これを持っていったところ、便利だった。しかも帰りも機内預かりなし。いやあよかった。



薄くて軽いけど背負いやすく、タブレットを入れても中身は安定。レンタサイクルにかごがないときに、これに買ったものや荷物を入れて移動するのもいいかも。春休みの旅行にも持っていきます。
で、台南の宿なんだけど、最初エクスペディアでユーザーレビューに「部屋にバスタオルもフェイスタオルもないから持っていった方がいい」とあったので、ああホステルタイプなのねと準備していったのだが、しっかりあったよタオル一式が。これまではレンタルしていたらしいけど、きっとブーイング多かったんだろうなあ。
でも何かあった時のために、これからもマイクロタオルは持っていくつもりよ。五月天ライヴでかなり使えたし、(フェイスタオル売ってたんだけど、ケチって買わなかったのよ)マフラータオルサイズを買ったので、防寒にもなりそうだしね。

今年も2年前と同じように、仙台から成田経由で台湾に行ったのだが、以前と違うのは、乗り換えの待ち時間。前は早く着いたので時間が余りまくり、空港からイオンモール成田まで行って映画を観たのだが、今回は14時前に着いて18時搭乗。これ、一見かなり時間が余っているように思うのだけど、ここから映画を観て戻るまでには足りないのである。だからどうしようか、とひとまずコインロッカーに荷物を預け、北ウイングのショッピングモールをぶらぶらしていた。そしたらクレカ利用者のためのラウンジと共に、有料制で誰でも使えるトラベラーズラウンジ・ラシュランを発見。お金はらってもいいから休みたいわーと行くと、国内便乗り継ぎ利用者はなんとタダで使えるとのことで、喜んで利用。あいぽんやiPadやバッテリーを充電し、ブランケットにくるまってまどろんだり、お茶を飲んだりして待ち時間を過ごした。奥の方にリクライニングチェアもあったんだけど、先客がいたので諦めた。今度仙台便を利用するときは、到着したらすぐ荷物を持ってラウンジに向かおう。

 旅は楽しい。だからこそあまり疲れたくないし、使えるものは使いたいなあ。そんなわけでこのおぼえ書き。
次の旅、実は深夜便で移動するので、これまた疲れないような心がけをしたいもんである。

ええかげん冬から逃亡したい…睦月の月例報告

 えー、ご報告いたします。
先月下旬、人生初のインフルエンザA型罹患宣告を受けて、即日自宅軟禁の刑をくらいました。
「ワタシ、インフルってかかったことなくてー(∀`*ゞ)エヘヘ」とかアホウのように言ってた自分は本当にアホウである。幸い、高熱で寝込むまでには至らなかったが、頭痛が結構キツかったわ。
 そして回復後は仕事もそれ以外もいろいろあって、五月天の武道館ライヴに行ったり、その翌週に台南まで逃亡…もとい旅してきましたよ。映画もたくさん観たし、書きたいネタは溜まってきたけど、それは来月末までに中華blogの方に書きますね。
 ほんでは月例報告いきます。

◯先月劇場で観た映画
『湯を沸かすほどの熱い愛』
『沈黙』
『ドクター・ストレンジ』

久々に1か月5本以下になった…まあ、観たい作品も少なかったし、インフルで軟禁されていたしね。
ちなみに先日行った台北で、湯を沸かすはこんなタイトルで上映されていました。



◯先月読んだ本 by the private library of yasagure

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帰省でも本が読めたので多いです。
台湾少女は感想書きますね。

◯今月劇場で観た&観る予定の映画
『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』
《擺渡人》
《健忘村》
『ヒッチコック/トリュフォー』
『エヴォリューション』
ここまでは観た。後ほど中華blogに感想書きます。
『ラ・ラ・ランド』
『トリプルX:再起動』
『雨にゆれる女』
『彼らが本気で編むときは、』

あと、新作は機内上映で『ザ・コンサルタント』を観てます。
今年も下旬に異常に封切りが多いけど、なんとか観られるように頑張ろう。

◯今月読んだ&今読んでいる本
『ワイルド・サイドを歩け』東山彰良←読了
『浪漫的逃亡 遊日非流行指南』五月天阿信←読了


『流』の直木賞受賞前後から東山彰良作品をなにか読みたいと思っていたうちの候補だった作品。主人公がゲイの美少年、親友が日本育ちの台湾人、そして台湾からきた最強最悪のドラッグをめぐる青春バイオレンス。
そして阿信の本は再読です。やっぱり五月天を聴いてから読んだ方がすんなりと入るもんでね。

なんか紹介だけで終わっちゃってすいません。
今年の初めにblogは1ヶ月に5回は記事を書くと言いつつも、これが今月初めての記事ですよ、はい。
でも中華の方のネタは映画もコンサートも本も旅行記もたんまりあるので、そっちを頑張ります。
まずは五月天ライヴのことからかしら。

そろそろ地元の劇場でアジア映画を観させてよ!とマジで叫ぶ2016年映画生活振り返り。

 何なのこの題名、気が触れたの?と問われたら、ああそうさ、オレはもとからおかしいさ!と張り切って言うさ!
一応念を押すけどな、この場合のアジア映画は香港映画と台湾映画だからな!韓国映画は歴史ものとかアイドルものが地元の新宿武蔵野館的な劇場で細々と上映してくれているけど、残念ながらそっちに全く興味ないもんですいません。

 といきなりブチ切れてデスロード走ってる状態ですが、気を取り直して昨年の劇場鑑賞作品を振り返りますよ。
昨年劇場や映画祭で観た本数は104作品、通った回数は112回でした。
久々に100本超えしましたが、そのうち地元以外の鑑賞を差し引くと多分90作くらいです。
では、今年も洋邦別に10本上げていきます。これを土台に、地元映画館やcocoなどの投票を行います。

洋画編

ハドソン川の奇跡



 最近年1本安定した新作を発表してくれるクリント御大作品だけど、久々に入れた気がする。
あまりの安定感なので、いつもスルーしてしまうからか?上映時間も短いし、しっかりまとめられているのがよかった。最近2時間超えの作品が多いからなあ。

ボーダーライン


 米国・メキシコ国境での麻薬カルテルとの闘いの非情さを、甘さ抜きでビシバシと描いたのがよかった。
評判のいいドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品初見。今年はテッド・チャン作品の映画化『メッセージ』と、続編なんか本当にいらなーいとずっと言い続けてきた『ブレードランナー2049』の2作品が公開されるので、ちょっと気をつけておかねば。しかしまさか今になってブレードランナーの続編って…(長くなるのでいずれ別記事で)

シング・ストリート 未来へのうた


 これまた安定のジョン・カーニー。やっぱりアイルランドでの話の方が面白いかな。
時代的にも親しみがあって楽しかった。昨年は80年代ポップスを支えたアーティストが多く亡くなって残念だったけど、80年代リスペクトは広がってほしい。

キャロル



 女同士の恋愛ものというより、どちらかと言えば『テルマ&ルイーズ』にも通ずるハードボイルド。
恋愛の困難さは、あの時代で女性が生きる不自由さもイコールであったりするし。

オデッセイ

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 「ジェイソン・ボーンだから火星に取り残されてもしぶとく生き残れんじゃないの?」と思ったらその通りだった話。原作も面白かったですよー。いい具合に刈り込んでいるので、映画の補完としても読めます。

ディーパンの闘い

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 一昨年のカンヌグランプリ作品。主人公がスリランカの内戦を生き延びたゲリラなので、アジアンノワール的な要素もあって興味深い。フランス映画との相性はあまりいいとは思えないのだが、以前『君と歩く世界』も選んだので、ジャック・オーディアール監督とは相性がいいようだ。
ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー


 先に「まさか今になってブレードランナーが」と書いたけど、これも「まさか今になって」案件かつ、あのシリーズ初のアジア人キャストにまさかド兄さん&姜文さんが!案件。詳細はリンク先に書いてるので省略。

サウルの息子


 ここ数年、ドイツとその周辺で第二次大戦をテーマにした作品が多く登場してきて(邦題に『ヒトラー』がつけばもう確実に)、観るようにしているのだけど、その中でも特に衝撃が大きかったのがこれ。戦時下/収容下で失う人間性やそれを僅かにつなぐものなどを追体験した。こんなこと、もう二度と起こしてはいけないよ。

スポットライト 世紀のスクープ


 観た当初は「なぜこれがオスカーで作品賞?」と多少なりとも思ったのだけど、件の「文庫X」こと『殺人者はそこにいる』と、日本の調査報道の第一人者と言われる清水潔さんの著書を続けて読んで改めて納得した。ブレイキングニュースだけが報道じゃない。地道な調査と裏付けから真実は見えてくる。それを心に念じて物事を見たい。

エクス・マキナ


 昨年はSF映画にいいものが多くて嬉しかった。『リリーのすべて』で助演女優賞を獲ったアリシアたんことアリシア・ヴィキャンデル(「ビカンダー」よりこっちの表記を希望)のハマりっぷりもいいし、彼女をめぐるドーネルくん&オスカー・アイザックのSWコンビの一種の攻防にもドキドキした。そしてAIであっても女性って(強制終了)

邦画編

オーバー・フェンス


 函館(あるいは佐藤泰志)三部作としては海炭&そこのみの方が上なんだけど、映画的には非常に満足した作品。感想でも書いてるけど、うまい具合にフランス映画的なエッセンスが効いててそこが気に入っている。優ちゃんの身体表現が久々に発揮されているのもいい。

怒り


 こちらは映画的にというより、各キャストの熱演にやられたクチ。それがあるから同じコンビの『悪人』より評価するんだけどね。そしてキミはやっぱりすごいよ、ぶっきー。

この世界の片隅に


 「昨年はアニメの年だった」というのがしきりに言われていて、某君の◯はも結局観てしまった。その文脈はパヤオちゃん新作不在の中でこれだけポストパヤオ的なクリエイターがいることに注目されたってのもあるんだけど、やっぱり映画はアニメと実写をちょっと分けて考えたいところがある。アニメと実写を一緒くたにすることは、売り上げだけで作品の善し悪しを判断する危険性にもつながるから。
 だけどね、SNSでこのアニメのクラウドファンディングが話題になり、ノーネンちゃん(注:改名後の名前も尊重しますが、ワタシは彼女を今後もそう呼び続けます)が主演に決まり、ご本人目当てで先行上映を観に行ってかなり衝撃を受けたのは事実。とかく売り上げとマーケティングが幅を利かせてますますつまらなくなる大多数の邦画&アニメ界に投げ込まれたこの大きな波紋が、今後の映像界の希望になってほしい。
 しかしこれを観て本来なら原作を読まねばならないのに、なぜかぜんぜん違う方向の本(『荒神』宮部みゆき&『荒神絵巻』。もしかしたらあとで感想書くかも)を読み出したのは次の作品の影響です。

シン・ゴジラ


 これも観に行ってよかった、いやむしろかなりどハマりした作品(笑)。
カントクくんこと庵野さんはキライじゃないけど(なんせ評判の悪かったこれ観てるので)、エのつくアレは全く好きじゃないのよーって思ってたし、大して期待してなかったんだけど、初日に観た人が大騒ぎしてたので観たらもう面白くて面白くて。続編はいらないけど、怪獣映画で語る社会批判としては久々にいい作品だった。

淵に立つ



 日本の若手映画人が三大映画祭になかなか行けない難しさが語られた年だったけど、カンヌで評価されたこの若い監督の作品は、邦画でありながら非常に普遍的なテーマと語り口だったので興味深かった。日本政府は明治維新の映画化なんかにカネ出さんでいい。クールジャパンとかいわなくていい。文化庁と文科省と経産省もっとまともな人材をつけて、日本のクリエイターを海外にどんどん紹介しなさい。ったくバ(炎上材料撒いてるので強制終了)

セトウツミ


 好きな監督にはとことん甘くてすみません、なんだけど、短い時間で映画的に無理めのネタをいかに映画にもっていくかという実験がなされているのが興味深くて。もちろん、池松&菅田コンビの息の合い方も面白い。
立嗣さんもすっかり「男子映画の名手」になったなあ。

永い言い訳



西川美和さん自ら書いた原作が直木賞候補にもなった作品。こっちでは先月公開されたばかりで、原作が地元書店主催の「さわベス2017」文庫部門4位に選ばれてます。人間に対するシニカルさは相変わらずだけど、ちょっと眼差しが優しくなったかな?と思うのはお互いに歳をとったからでしょうかね。

海よりもまだ深く


 ウニまちも父になるもよかったけど、やっぱり是枝さんなら阿部ちゃんとのコンビ作が面白いな。
彼もコンスタントに新作を出してるので、どうもいつも入ってしまってすいません。ホウちゃんや台湾に縁が深い人なので、ついつい仲間意識で見てしまうの(笑。参考としてこれをどうぞ)

団地



 東西団地対決かよ(笑)。じつはこの監督&主演コンビの『顔』が好きなんですよ。
一見すごいシニア向け作品なんだけど、実はかなり思い切ったことやってるので、そのパンクさが気に入っております。だってこれだけおばさんおじさんが出ているのにSFなんだよSF!
これなら阪本&藤山(確かに台湾のコメディエンヌ・林美秀に似てると思う)コンビで大阪を舞台にしたゴジラもアリなんじゃないかと思ったりする。

恋人たち



 昨年のキネ旬日本映画ベストワンですが、地元では年明けの公開でした。
無名の俳優のアンサンブルで描かれるままならない人生と、その先にかすかにある希望の物語。
売れるだけ、派手なだけがいい作品じゃないという見本。こういう映画やクリエイターももっと大切に観ていきたい。

 昨年は総じて邦画にいい作品が多く、それはワタシも認めるところだし、某◯の名は以降、シネコンに若い観客が増えたので頼もしくは思うのだけど、それに対して洋画の低調(含むアジア映画)が目立つ感じがして、洋画派としては本当に残念な傾向である。誰だよ洋画観るのはマニアックとか言ってる若者は。

 せっかく映画館に通うようになったのなら、売れる作品だけじゃなくもっと冒険してもいいと思うよ。それでつまらない作品に当たっても、損したと思わないでほしい。自分にとってつまらない作品は、誰かにとっては思い出に残る作品だろうし、寝ちゃってしまった作品を切り捨てててもいけない。どこかで引っかかる部分がある作品だってある。そういう感性を大切にして、これからも若者には映画館で映画を観てほしいし、自分もそういう気持ちを持ってスクリーンに向かいたい。

 なお、今年はあまり中華電影を観ていないので、こちらにランクインしてないのが残念だけど、通常通り中華blogで中華電影ベストは行います。UP予定は旧正月周辺。それまでに録画してた未見作品等も観られるといいな。

新年快樂 萬事如意で師走&年末年始のご報告


 あけましておめでとうございます。まずは実家で取れたおミカンをどうぞ。

 昨年は仕事内容がガラッと変わってしまい、それに加えて平日夜はクタクタで機能しなかったり、休日はストレス解消で映画観まくったり、相変わらず寝不足&運動不足とハードな年でした。
 さらに実家移転もありで、一時期はマメに実家にも帰ってました。この年末で初めて新宅に泊まったけど、やっと布団が入ったくらいの進捗状況。完全移転は春の連休あたりらしい。でも、徒歩で最寄り駅まで行けるし、かなり便利になるんだけどねー。
 あと、ここしばらく長い休暇で実家に帰ると、前半は倒れるのはもうそろそろなんとかした方がいいぞ、自分。

 では、月例報告行きます。

◯先月劇場で観た映画
『高慢と偏見とゾンビ』
『永い言い訳』
『男と女』
『この世界の片隅に』
『エブリバディ・ウォンツ・サム!!』
『PK』
『ローグ・ワン スター・ウォーズストーリー』
『ダゲレオタイプの女』
『ストームブレイカーズ 妖魔大戦』

 本当はねー、帰省ついでに仙台に寄って『湾生回家』と『私の少女時代』おかわりをしてこようと思ったんだけどさー、上映時間が合わなかったり、途中下車したらかなり高く付くことがわかって、前者だけでも東京で観ようと思ったのよ。そしたらこっちも時間が合わなくて、もうギブアップ。もう腹をくくって、2月の地元上映時になんとか時間作って平日観ます。はああ、もうねー。

◯先月読んだ本 by the private library of yasagure - 2016年12月 (5作品)
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 『台南』はこちらで長い感想書いてます。『キン・フー』も近日感想をblogにUP予定。
『殺人犯はそこにいる』がきっかけで読んだ『南京事件』、これはいろいろと興味深かった。
これもblogに感想書きます。

◯今月観る予定の映画
『湯を沸かすほどの熱い愛』
『誰のせいでもない』
『ガール・オン・ザ・トレイン』
『奇蹟がくれた数式』
『アズミ・ハルコは行方不明』
『沈黙』
『ドクター・ストレンジ』

 思えば10年前のこれこれがきっかけで、ワタシはマーティン・スコセッシが大嫌いになった。
「意外と面白かったじゃん」とか「それでも巨匠じゃん」とか言われてもダメ。そもそもオリジナルに全く敬意を払ってなかったのがすっごく嫌だった。でも同じアジアでも日本にはこういう思い入れがあるのだから、なんだかなーとか複雑な気分になってる。でも観たいんだよなあ、沈黙。だって台湾ロケだもの(おいおい)。
これがオスカー獲っても構わないけど、それならその代わりに作品賞取り消してよ、『ディパーテッド』の。

◯今月読んだ&今読んでいる&これから読む予定の本
『荒神』宮部みゆき
『台湾少女、洋裁に出会う』鄭 鴻生←読進中

年越し読書だった『荒神』、面白かった!
シンゴジと『この世界の片隅に』にハマった身としては、今読んでおかなきゃって思ったからなおさらなんだろうけどね。ところで宮部さん、シンゴジは観たのかしらん。


片隅を思い出したのは、連載時の挿絵と単行本の装画をこうの史代さんが描かれていたから。
全話をカラーで描かれていたけど、新聞掲載時にはモノクロになってしまったものも少なくないらしい。そんなわけでこの絵物語もいずれは読む予定。

 ここ数年は、「今年の心得」をblog上で書いていたのだけど、なんか毎年似たり寄ったりになっているので、今年はここで宣言しません。でも、その代わりにこれを言います。

 打つより書いて(描いて)記録すること。

 
というわけで、数年前から心得を手帳に書いているのですが、それと同時に「やりたいこと」を手帳に書き(参考としてこれを)、何かあったらすぐメモをとることにしました。最近受験生と一緒に勉強しているってこともあるんだけど、アナログ作業は手が空いていればすぐできるからね。ちょっとした原点回帰であったりもします。

 そんなわけで今年も相変わらずですが、頑張ってblog更新しますので、今後とも宜しくお願いいたします。
おじぎ

場末のブロガー、ますます場末感を増すこの冬の定例報告

 2ヶ月ぶりのblog更新となりました。大変ご無沙汰しております。
この秋から冬は怒涛のように過ぎていきました(泣)。国体ボランティアをやって、その後は仕事に追われてさあ大変。職場でも責任が重い業務についちゃったし(偉くなったわけじゃない)、平日は帰宅も遅く、その反面休日は何もないのでせっせと映画通ってしまって、とにかく暇がない。もちろんTIFFフィルメックスも参加したし、この秋は地元や仙台でもいろんな映画イベントがあったので、それにも参加した。
 そして9年前に購入したPCも来年春のvistaサポート終了を見越してそろそろ買い換えだろうかと思っている。
 
 そんなこんなで言い訳していくとキリがないけど、この忙しさは当分続くし、来年度はもっと忙しくなると思う。
でもどんなに短くても、近況報告程度でいいから、書き続けていきたいなあ。
では、3か月分まとめて報告行きます!

◯この3か月間で劇場や映画祭で観た映画
・10月
『鏡は嘘をつかない』
『ハドソン川の奇跡』
『ジェイソン・ボーン』
『何者』
『セトウツミ』
『君の名は。』
以下TIFFで鑑賞。
太字になってない作品は後ほどblogで感想書きます。
(ここより以下の作品も同じ)
『メコン大作戦』
『シェッド・スキン・パパ』
『ゴッドスピード』
『見習い』

・11月
『この世界の片隅に』
『オーバー・フェンス』
『シング・ストリート』
『ミュージアム』×2
以下3作は仙台国際ココロヲ・動かす・映画祭で鑑賞。
『珈琲哲學 恋と人生の味わい方』
『レイジー・ヘイジー・クレイジー』
『私の少女時代』
以下3作はラヂオもりおか音楽映画祭で鑑賞。
『AMY エイミー』
『ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』
『ジャニス リトル・ガール・ブルー』
『淵に立つ』
『聖の青春』
以下4作は東京フィルメックスで鑑賞。
『大樹は風を招く』
『タイペイ・ストーリー』
『侠女』

・12月(11日までに観た映画)
『高慢と偏見とゾンビ』
『永い言い訳』
『男と女』
『この世界の片隅に』
『エブリバディ・ウォンツ・サム!!』
『PK』

…なんかもう、こうやってタイトル書き出しただけでもクラクラしてます。情けないことに。
中華電影はもちろん感想書くけど、それ以外もなにか書きたいです。特に『この世界の片隅に』。
でもうまく言葉にできるかなあ。短くてもなんか書きます。

 そして、この秋は地元で好きな映画を観ることについてあれこれと考えてしまった秋でもありました。
このへんも今年中にはなんとか書きたいです。

◯この2ヶ月間で読んだ本
by  the private library of yasagure

- 2016年10月 (3作品)

 2016年11月 (1作品)
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ええ、本も全滅でした。
職場で自己啓発書やノンフィクションのオススメを聞かれるようになったので、そのへんもカバーしたくはあるんだけど。いやーもう最近専業がなかなかねー。

◯今月これから観る予定の映画
『ローグ・ワン スター・ウォーズストーリー』
『ダゲレオタイプの女』
『湾生回家』
『私の少女時代』

 ローグ・ワン!もう今年の冬はこれしかないでしょう、ローグ・ワン!
SWにあまりハマってないワタシが思わず燃え上がるのは、言うまでもなく我らが宇宙最強ドニー・イェンの活躍が、地元のスクリーンで全国同時に堪能できるからですよ!これと来年2月の『トリプルX 再起動』でド兄さんの名前が全国に轟き渡って知名度をどんどん上げてくれたら、こっちでも『イップ・マン3』が観られる可能性が高くなるのよ!だからみんな観てね、ローグ・ワン!
 湾生と少女時代(再見)はこの年末に仙台で上映してもらえるので、帰省の途中で寄って観るつもり。『小さな園の大きな奇跡』も仙台上映が決まったのだけど、31日(!)からなので、こっちに戻る途中に寄って観るかな。もうそうしないと観る機会が本当にないんですよ、中華電影好きにはつらいです…。
 あ、湾生は来年2月にこっちにも来るのだけど、ちょうど忙しい時期なので先に観ます。本当にすみませんルミエールさん。

◯今月読んだ&これから読む予定の本
『殺人犯はそこにいる』清水 潔←読了
『ウェブで政治を動かす!』津田大介←読進中
『台南 「日本」に出会える街』一青 妙
『「南京事件」を調査せよ』清水 潔


 えー、すでに10月に読進中として出していたこの本ですが、じつはこれが、地元のさわや書店フェザン店が仕掛けた「文庫X」の正体本です。
自分はなんでも読むので、何も言わないでタイトル上げてても問題ないかと思いましたが、今まで感想は我慢してました。感想はこっちに書いてあるけど、調査報道の仕方や司法の問題点などが書かれていて興味深かったです。
そして、清水さんの最新刊がこれ↓この年末で読む予定です。 

「南京事件」を調査せよ
「南京事件」を調査せよ [単行本]


来年も台南に行くことになったので、妙姉さんのこの本も買いました。
そしてこちらの本も舞台が統治時代の台南だそうなので購入予定。


 ふう、これだけ書くのもなかなか大変ですな。
今年は本当に全く書けなかったので、来年はもう少し書きたいです。
これからは中華blog(注:本館は終了しました)の今年観た映画の感想に専念しますが、時間があったら映画祭のことや身の回りのこと等も今月は書きます。

秋は芸術だけじゃなかった。長月の月例報告

 この秋はえっらく忙しい。
お盆が過ぎてからイベント(含む文フリ)が続き、前期〆前に一度倒れ(やれやれ)、何とかやっつけた後に恒例の展示会、今月になって国体のお仕事少々、今年から携わっている文化芸術系仕事も来週からいろいろとある。そして下旬はTIFFなんだから、忙しくしている間に月日はあっという間に過ぎて行くわな…。
 平日はめっちゃ忙しくて、それでも連休は取れるというおかしな日程。
 こんなかんじで気がついたら年末を迎えるのかしらね、と戦きながら月例報告行きませう。

◯先月劇場で観た映画
『野火』
『ディアスポリス』
『エクス・マキナ』
『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』
『秘密 THE TOP SECRET』
『怒り』『オーバー・フェンス』
『すれ違いのダイアリーズ』
『後妻業の女』
『シアター・プノンペン』

 先月は5日連続で観たりして忙しかったのだが、久々に感想を書きたくなった作品もあって嬉しかった。
また、南部さんが下旬からアジア映画(含む邦画)特集を始めてくれたので、あーアジア映画観たいアジア映画観たい、本当は香港映画や台湾映画が観たいけど、この際もうアジア(別に日本なくてもいい)なら何でもいいと思ったので好機だった。しかし中劇のヒマラヤは見逃してしまいそうである。
 南部さんには今後もこの企画を続けていただきたい。来年はムヴィオラでヤスミン・アフマドのタレンタイムが、ビターズ・エンドで待望の牯嶺街リマスター版が日本公開されるしね!

◯先月読んだ本 
by  the private library of yasagure - 2016年09月 (3作品)
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 これに、文フリで買ったアンソロジーや小説なども入ります。
『人生は〜』、これが初高橋秀実作品なんだけど、えらくとりとめのないエッセイでツイストしまくってた。面白くないってわけじゃないんだけど、それってちょっと強引じゃない?ってことで。
 ここ数か月、ネカフェに行く機会も増えたので、そのときにはなるべくマンガを読むようにしている。そこでやっとウニまちの最新刊に追いついた。映画を観てから読むと、いい具合に原作のエピソードを取捨選択していたんだなと気づく。来年公開されるライオンもうまい具合にセレクトされていれば嬉しいよ、ワタシは。


◯今月観た&観る予定の映画
『鏡は嘘をつかない』
←観た
『ハドソン川の奇跡』
『ジェイソン・ボーン』
『何者』
『セトウツミ』
『シング・ストリート』
『オーバー・フェンス』>地元でもう一度観るのよ
+TIFFで上映される作品

あと『あなた、その橋を渡らないで』と『お父さんと伊藤さん』と『カラテ・キル』と『トランボ』も余裕があれば観たいのだけど、そこまで観られる余裕があるかどうかよくわからん。あと今月半ばで終わる巨大不明生物映画ももう一度観たい。
それよりもTIFF…これを書いている時点でまだスケジュールが発表されていません。上京の日程が組めないんだけど(泣)

◯今月読んでいる&読む予定の本
『殺人犯はそこにいる』清水 潔←読了
『男は邪魔!』高橋秀実←読進中
『ブギーポップ・アンチテーゼ オルタナティブの乱逆』上遠野浩平

このところノンフィクションが続いてます。
ただ忙しいので、あまり積読(特に小説)は増やさないようにしています。
予定の本を消化したら、職場に新しく入った文庫をいろいろ読んでいきたいな。

 しかし、忙しい忙しいと言っているときに限って何かやりたいと言いだす現象に名前をつけたい。
新しいことよりも、blogとか中断しているシリーズの再開など、今までやってきたことを続けていくのが一番いいことだけど、それすらできないほど忙しいのはと冒頭に戻るのでした。

怒り/オーバー・フェンス

 今年は、日本映画がえらいことになっていて、正直戸惑っている。 売れているのは前々からだが、面白い作品がかなり多いのだ。
 ワタシは外国(特に中国語圏)映画の方が好きなのだが、今年はどうも洋画自体いいなあと思う作品が少なく、なにより今年は香港映画の上映が激減したのにかなり心が折れている。一応言っておくが当地ではなく、全国的にである。
 そんな不満を抱きつつも、ついついシンゴジをリピート鑑賞しちゃって本当にすみません。だって面白いんだもの。あはははは。3回観ちゃいましたよ。実は秘密も5回観ちゃったんですけど、これはワタシが大友組サポーターだからしょうがないです。いろいろ言われてることも知ってるし、そのような批判だって甘んじて受け入れてますよ。
 あ、今ものすごく売れている某アニメは観る予定ありません。ワタシは元アニメファンだけど、熱い時期はもうかなり昔に過ぎちゃっているので。

 そんな初秋に立て続けに観た日本映画2本がこれまたよかったので、こちらでまとめて感想を。

 まずは、吉田修一原作で、『悪人』を映画化した李相日監督による新作『怒り』
吉田修一作品は、本だと最近は『路』『太陽は動かない』を読んでる。映画化作品なら『さよなら渓谷』を観てるよ。

怒り(上) (中公文庫) [文庫]

 八王子で起きた夫婦殺人事件と、その1年後から始まる3つの物語。
 父の洋平(謙さん)に反抗して家出をし、歌舞伎町で風俗嬢をやっていた愛子(あおいちゃん)は連れ戻され、千葉の港町に戻る。そこで彼女は、最近漁協で働き始めたという寡黙な青年・田代(マツケン)に会う。
 東京で働く優馬(ぶっきー)はシングルライフを謳歌し、男漁りをしては一夜限りの関係を続けていたが、新宿のサウナで出会って関係を結んだ直人(綾野)を放っておけなくなり、家に連れ帰ってしまう。
 そして、東京から沖縄にやってきた高校生の泉(すずちゃん)と同級生の辰哉(佐久本宝)は、離島の廃屋に住み着いたバックパッカーの田中(未來くん)と出会って仲よくなる。
 愛子は田代を、優馬は直人を愛するようになるが、そんな二組のカップルに突如沸き起こる疑念。そして泉に起こる悲劇と、それをきっかけに急速に接近する辰哉と田中。

 題名の「怒り」とは、殺人事件の起こった八王子の家に血で大きく殴り書きされた一文字に由来するものだけど、映画自体はそのような雰囲気に支配されるものではなく、むしろ穏やかに物語が進み、その中で様々な感情が渦巻いていくような作り。題名すなわちテーマではないのは、『悪人』とも一緒かな。とはいえ、沖縄の米軍基地反対運動や、事件のそもそもの発端など、背景としての怒りは大小様々に描かれている。むしろ、テーマは「信頼」。安易に言われがちな愛とか絆じゃなくて信頼。目の前に現れ、親しくなった人をどれだけ受け入れられるか、そしてその信頼がどこで躓いてしまうのか。
 彼らの前に現れた身元不明の3人の中に殺人事件の犯人がいるが、それが一体誰なのかというミステリー的な楽しみもあるが、それぞれの思惑も描かれるので、犯人探しもあまり重要じゃない気はする。一方、彼らを受け入れる側が、それぞれまっとうとは言いがたい事情を抱えた人たちなので興味深かった。

 落ち着きがなくて情緒不安定で甘えん坊な愛子は、割と心当たりのある子で、実際いたらもっとヤンキーっぽくなるかもなと思ったけど、そんな愛子にあおいちゃんが見事にハマってた。彼女がエモーショナルなだけにマツケンの田代は受け役に回っていたけど、それで正解だと思う。一緒に観た友人は、彼女たちのエピソードが一番好きと言ってた。
 沖縄編ではすずちゃんも体当たりで頑張ったけど、これが映画デビュー作となる沖縄の劇団所属の男の子、佐久本くんが見事だった。未来くんをスクリーンで観るのは本当に久々だけど、相変わらずの身体能力の高さに惚れぼれ。
 そして一番の楽しみだったのが、ぶっきー&綾野編。予告を見て「えっ、ぶっきーゲイ役なの?しかも綾野と愛しあうの!なにそのブロークバック!」と異常に心がざわめいたんだけど、いやあよかったよかった。ぶっきーには前々からゲイ役をやってほしかったし、公開前からのあちこちの発言で彼がかなり思い入れたっぷりに演じてたことがわかったもんで。相変わらずラブシーンは濃厚だし(参考としてジョゼ虎感想)、リアルさももちろんあるんだけど、陽気さとその心の中に抱えた悲しみのバランスが絶妙だった。綾野のゲイ役は世之介でもやってたから別に驚きはしなかったけど、まさかああいう全裸見せられるとは思わなんだ。まあその事情は最後でわかってなるほどとは思ったが、心がもぞもぞしたわ。初めてブエノス観て冒頭のシーンでやっぱりそんな気分になった。

 ともかく、言及しなかった謙さんも含めてキャスト全員が熱演。感情大爆発なクライマックスは評価分かれそうだけど、現代的でスタンダードな作品だと思う。悪人も観てはいるけど、ワタシはこちらの方が好きかな。

 次は、『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』に続いての佐藤泰志作品の映画化となる『オーバー・フェンス』。今回は芥川賞候補になった短編を映画化。函館ロケ、脚本の高田亮さん、撮影の近藤龍人さんはそこのみと同じだけど、今回の監督は『苦役列車』『もらとりあむタマ子』の山下敦弘さん。次回作『ぼくのおじさん』も近日公開。



 
 そこのみ同様、短い函館の夏を舞台にした物語。
離婚して故郷に戻った中年男白岩(ジョー)は、職業訓練校で年齢も境遇も異なる同級生たちと建築を学び、再就職を目指している。そんな彼を気に入った若い代沢(翔太くん)はキャバクラに連れて行き、そこで働く女サトシ(優ちゃん)を紹介する。鳥の真似が得意で自由奔放なサトシに白岩はひかれるが、むやみに近づくと癇癪を起こす彼女。白岩自身も家庭を顧みなかったことで離婚に至ったという傷を持っているので、このまま彼女を愛してしまったらいいかどうかためらってもいる。
 
 実は地元では10月下旬からの公開なのだけど、その時期TIFFが入るのでおそらく観られない可能性が高く、連休に日帰りで行った仙台で鑑賞。
 上のようにあらすじを書いてはみたものの、実は意外とゆるい話。白岩とサトシの恋愛と、職業訓練校の人間模様が同時進行する。クライマックスも意外とあっけない。そして、これまでの佐藤泰志映像化作品に比べると、どこか明るさや希望が全面的に出されている。それは前二作と比べて、キャストも監督もメジャーに寄ったからなのかもしれないけどね。でも、それでいい。映画として希望にあふれているものはやはりいいもの。
 ジョー演じる中年男も、優ちゃん演じる鳥女も、心の奥底で闇を抱えている。その闇はお互いに理解し合えないものなのだろうけど、そこから這い出そうと必死でいる。たとえ相手を拒んでも、いつしかかけがえのないものになっていて、いっしょにいたいと思う。そのアプローチが他愛なくても、気持ちを届けたい。過去にケリを付けた白岩がサトシと向き合う場面にはそんなものも感じたし、そこからの展開も派手ではないけどそれがよかった。
 
 あとね、この規模の邦画には珍しく、邦画らしくない(と言ったら語弊があるかな)映画的瞬間がいっぱいあって面白かった。サトシの激情とエキセントリックさには『ベティ・ブルー』を思い出したし(とはいえ、あの映画ほど悲劇的にはならない)、彼女と白岩が一緒にいるときに起こる様々な現象(上のポスターがヒント)は突拍子もないけど、実にその雰囲気によくあっていた。彼らの関係やこのような展開は『ポンヌフの恋人』っぽくもあるなあと思ったら、実際にジョーもそれに関連したことを言ってましたよ。山下監督はリアリズムを大切にする演出をする人だと認識しているけど、こういうチャレンジもして、それがちゃんと効果上げていて好感を持てた。

 ジョーは随所で中年呼ばわりされる割にはまだまだキラキラしてる気があるが、考えたら4号で出会ってからもう16年経ってて、こっちも歳をとっているわけだからなあ(苦笑)。ちょうど10年前だったゆれるの時もなんかしみじみしながら観ていたけど、10年ごとのキャリアの区切り的な作品なんだろうね。
 優ちゃんはエキセントリックなキャラもこなせるから安心感あるけど、今回はクラシックバレエのキャリアを生かした身体表現が見られてよかった。翔太くんはいい感じにつっぱった弟キャラで、訓練校建築科一の美形で思わずニヤニヤ。例えるならシンゴジの巨災対における志村くんみたい(わかりにくい例えだなあ。志村くんといえばケンタで共演した高良くんだが、彼ほどわんこキャラではないか)
 訓練校の面々だと義太夫はん(元ネタはこれ)こと有起哉さんだったり、かつてジョーや翔太くんが演じていたような若者だった満島真之介くんもよかった。彼らの生き方にも触れられていたのもよかった。意外なところでは間准教授こと塚本晋也監督も意外な役で登場。役者としてもノッていて、ついつい探したくなりますな。 

 こんな感じでいい日本映画を立て続けに観られて満足満足。この2作でどちらがいいかと聞かれたら間違いなく後者がよかったっていうんだけど、今のところ両方とも今年のよかった邦画ベストの上位には確実に入りますね。ええ、その上位2本の後にはきっとシンゴジも入れちゃうんだけどね(^_^;)。なんせ、この2本を観るまでは、断トツで我的今年のベストだったもんで。あはははは。

「オラほの街の映画祭」の明日に向かって

 映画祭の秋がやってきましたね。

 来月は東京国際映画祭、その次は東京フィルメックスと、この時期は毎年東京で行われる大規模な映画祭に参加して、普段地元では観たくても観られないタイプの映画を思う存分観て楽しんでいます。
 ふりかえって、市内繁華街に5館14スクリーンある我が街は、うち4館7スクリーンが一つの通りに集中しているため、「映画の街」などという別名を持っております。この街で働き始めた頃から、自転車や徒歩で通える範囲に映画館があることに魅力を感じて通うようになり、その中でも特に香港映画にハマって上映サークルに参加し、ついにはこんなblogを始めるに至ったのはいつも話してること。 

 すなわち、ワタシの香港映画好きは、この街に香港映画をよくかけてくれた映画館があったことから始まっているので、ここにきたおかげだということをひしひしと感じている。しかし、そんな映画の街では、長年続いてきたあの映画祭が、今年ついに休止になってしまった。

 もりおか映画祭本年度は休止へ 準備体制整わず(岩手日報)

 この映画祭に対して今までいろいろ言ってきたことは、ここだったりここその2その3)だったり、ここその2その3)とかここで書いている。2008年からは市出身の映画人特集中心で行くということで、最初の2年は相米さんだったり撮影監督の栃沢正夫さん(楢山節考などを担当)の特集など、日本映画クラシック好きにはそれなりに注目されることはやっていたのではないかと思う。また、リンクもした通り、2009年は大友さんが映画監督デビューされた年で、この映画祭で初めてお会いした。あの時はまさか本格的に映画監督として活動されるとは思ってなくて、大好きなドラマを映画にしてもらえてとにかくありがたいという気持ちでいっぱいいっぱいだったなあ。そして、その3年後に谷垣さんまで盛岡にやってきて下さったのもこれまた嬉しかった。
  とはいえども、肝心の映画のラインナップには不満しかなかった。
旧作と邦画が中心で、新作の洋画(しかもアート系&中国語圏映画)好きな身としては、あまりにもこれは食指がそそらないし、自分みたいなのは映画ファンと見られていないのか、いやそれ以前にこの映画祭、いったいターゲットはどこにあるの?と長年思っていた。

 盛岡は映画の街と呼ばれている。一時期はメジャー系だけでなくミニシアター系も1〜2ヵ月待てば来たし、欧米だけでなくアジア映画もちゃんとフォローしてくれたから、量だけでなくかける映画の質もいいと思っていた。それと比べると、映画祭のラインナップが毎年あまりに貧弱(あー、ついに言ってしまった)でがっかりだった。
 とどめはいつもTIFFと重なること。地元は大事だと思うし、いろいろ非難はあっても、地元の映画館では絶対かからないラインナップにはかなわない。
 ただ、ここしばらくの映画公開状況を見ていると、邦画メジャーがガンガン儲かっていることもあって、アート系の公開が軒並み遅れている。香港映画はもうすでに上映されなくなってしまったし、一時期あれほどかかりまくっていた韓国映画だって公開の機会がかなり減った。映画鑑賞の観客層が明らかに変わったというのもあるのだろうな。市民の映画祭なら、以前なら来ていたのに滅多にかからなくなったミニシアター作品も拾ってかけてくれたら嬉しいのだけど、そういうのも全くなかった。
 そしてFBで地元映画祭にかつて関わった皆様と知り合いになり、いろいろ聞いてみると、映画祭の裏には実にお役所的な事情が裏にあったこと、そして肝心の市側にどうも映画に対する思い入れがないということが見えてきて、それがとどめだった。あーあ。

 一方、県内では宮古や釜石で映画祭が立ち上がり、一戸のカシオペア映画祭ももう長い間やっている。特に沿岸では唯一の映画館であるシネマリーンが閉館することになってしまい、今後は巡回上映で興行を行うらしい。シネマリーンは震災時に上映を積極的に行ってきたことで毎日映画コンクール特別表彰されたばかりなのに、非常に惜しいことである。そのフォローとしての開催が背景にあると思う。
 そんな県内の現実がありつつ、肝心の県都の「映画の街」が、こんな残念なコトになっているのは非常に寂しい。

 映画祭は、映画ファンあってのものだと思う。TIFFだって、ワタシたちのような映画ファンが喜ぶラインナップを揃えてくれるから、外野であれこれdisられても毎年行く。まず第一に魅力的なラインナップがあって、そのオマケにゲストやイベントがあればそれでいい。
 加えて地方映画祭なら、その地方独特なテーマで開催してもいいし(以前のミステリー映画祭みたいのとかね)、毎回異なるテーマで特集を組んで、市民に映画の様々な見方を提示したっていい。ただ消費するのではなく、観た映画がずっと心に残るようなものがあればいい。
 そのためには、映画祭は映画好きな市民が積極的に関わって作り上げていけるようであればいいのだ。

 ワタシは他の人から見れば非常に偏ってて我儘な映画オタクに見えるだろう。でも決して自分勝手に映画を観ているだけじゃない。自分に映画の楽しさを教えてくれたこの街のために、何かをしたい。
 もし映画祭が市民主体で開催されるようなら、ワタシは喜んで協力したい。一番の願いは自分の好きなジャンルを多くの市民に観ていただきたいけど、いきなりそれが実現できないのはよくわかっている。なら、土台作りからしっかり固めて、この街の映画文化の発展のためになりたい。

 という宣言をしておきますが、どうしたもんじゃろなあ…(^_^;)
 ま、田舎の香港映画ファン的には、今後も色々頑張ります。


今年のオレの夏はこの間終わったぜ…葉月の月例報告

 この夏はいろいろと忙しかった。
 梅雨明け前の石巻一箱古本市から始まり、秘密イベント4連発、実家では親の手伝い(ゆえにあまり遊んでないのだが)、職場イベント、塚本晋也監督トークつき野火アンコール上映、そして先に書いた文フリ岩手への参加。
夏も夏休みも短かったが、これに加えて若者たちの相手もしていたから、めっちゃ疲れた…。
ほんと、体力なくなってきたわー。

では月例報告。

◯先月劇場で観た映画
『帰ってきたヒトラー』
『シン・ゴジラ』×2
『秘密 THE TOP SECRET』×4(!)
『モンスター・ハント』@新宿
『ゴーストバスターズ』

 予想通りの少なさというか、仕事と原稿に追われて下旬の上映をことごとく落としたというか。
帰ってきた…はまあ予想通りの展開だった。参院選前に上映してくれれば、なおさら背筋が凍ったと思うよ。
 ゴーストバスターズは楽しかった!本国上映ではいわゆるPC的な側面でブーイングもされたようだけど、主人公たちと同じ年代のつうねんじょせいとしては実に痛快だったし、シモネタをバンバン投下しても下品にはならない、むしろウェルメイドなコメディであったのがよかった。ラストにはちゃーんと讃えられるしね。まあそうこう考えてもそれを全てムジョルニアでぶち壊して塵に帰すような兄上ことクリヘム(クリス・ヘムズワース)の大馬鹿秘書っぷりも圧巻ではあった。クリヘムには普段から愛はないけど(笑)、嫌いではなかったわ。

◯先月読んだ本 by the private library of yasagure - 2016年08月 (1作品)

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すみません、なんとこれしか読んでいません。
先月はホントに忙しくて、実家の往復も夜行バス使ったくらいだったもんで。
それはともかく、今年の本屋大賞作品は、『舟を編む』と同じ職業モチーフの小説だけど、森に足を踏み入れるような味わいがあってステキでした。宮下奈都さん、今度盛岡にも来られるそうですよ。

◯今月観た&観る予定の映画
『野火』(アンコール上映)
『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』
『エクス・マキナ』
『後妻業の女』
『ディアスポリス』
『怒り』
『すれ違いのダイアリーズ』
『シアター・プノンペン』
『ヒマラヤ』

 実はイベント準備&原稿作成に追われてて、観るはずだったブルックリンと裸足の季節を捨てたので凹んでます。そして下旬にフォーラムの限定上映がまったくないのにも凹んでます。それに合わせるかのように、南部さんと中劇さんで上映予定の映画にいくつか興味をひかれたので、連休中はそっちに浮気するかなあ。もうね、おめはんは。(あえてボカしてる)って映画がめっちゃ混みで、すごいことになってるんだもの。幸い観る気はないからいいんだけどね。
あ、あともう一度ずつ、シンゴジと秘密は観たい。後者は来週までだから、そっちが優先。

◯今月読んでいる&読む予定の本
『人生はマナーでできている』『男は邪魔!』高橋秀実
『イーハトーヴの夢列車 第1回文学フリマ岩手開催記念アンソロジー』


そんなこんなで忙しいので、読む予定の本はこんなもんですみません。
後者は明らかに自費出版なんですが、かなり読み応えがあります。

 最後に、ここでもアナウンスしておきます。
2002年5月にニフティで開設した個人HPの本館が、今月末を持って閉鎖になります。
現在中華blogでは、本館の一部データを移行しておりますが、このblogから貼ったリンク(特に古い記事)は多少切れますのでご了承下さい。もちろん、中華同様このblogも継続していきますので、よろしくお願いいたします。
 言ってみれば自分自身のポータルがなくなるってことになるのだろうけど、今後はSNSが名刺代わりになるのでしょうね。時代も流れていくものです。

 ではではこのへんで。今月もいろいろありそうなので、何かあったらまた書けるようにしますね。
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