
ブギーポップは笑わない
一見すると、美少女が正義の味方に変身して学園の危機を救うというよくありがちな学園ファンタジーっぽいのだが、思春期の少年少女の持つどうしようもない不安を、都市伝説と魔物に重ね合わせて描いた、リアルな感情が伝わる青春小説になっていたのにビックリした。その後は、この作品の設定を踏まえつつ、人間世界を密かに統制しようとする秘密結社「統和機構」から放たれ、特殊能力を持った「合成人間」の暗躍と、それに対抗する組織「アクシズ」との対立、そしてそれらが「世界の敵」となったときに現れる「死神」ブギーポップの戦いを描く長編シリーズとなっている。そんな特撮ドラマ的設定と化しても、基本ラインは全く変わっていないという恐ろしいシリーズ。
最近、久々の正編『ロスト・メビウス』を読んだこともあって、そろそろ映画版もみてみようかなーと思いレンタルしたのだった。アニメ版もあるらしいけど、それは遠慮しておこう。
ブギーポップは笑わない
深陽学園高校に噂される、ある都市伝説。「黒服に身を固めた死神“ブギーポップ”が現れて、口笛を吹く時、生徒が行方不明になる」と。その深陽学園では、今まさに次々に生徒が行方不明になる事件が続いていた。
3年生の竹田啓治(川岡大次郎)は2年生の宮下藤花(吉野紗香)と付き合っている。ある日、竹田は道端でボロを身にまとい傷ついた男(寺脇康文)を見かける。そのとき、黒いマントに身を包んだ人物に「キミは泣いている人を助けないのかい?」と声をかけられる。その人物は藤花の顔をしていたが、「ボクは宮下藤花ではない、ブギーポップだ」と言う。その後しばらくの間、ブギーポップは竹田の目の前に現れるようになる。
竹田のクラスメイト、紙木城直子(三輪明日美)は1年生の木村明雄(沢木哲)と弓道部の田中志郎(笠原秀幸)と同時に付き合っていた。明雄はその関係に複雑な思いを抱きながら、直子にひかれていた。ある日、明雄は直子に学校に連れて行かれ、彼女がかくまっているあの傷ついた男「エコーズ」を紹介される。しかし、数日後にエコーズは学校から姿を消し、彼を探しに行った直子もまた失踪する。直子の親友、霧間凪(黒須麻耶)は必死に彼女を探す。
2年生の凪は学校では問題児だが、クラスメートの末真和子(清水真実)は彼女にひかれていた。末真は5年前、連続殺人犯に狙われていたというトラウマを持ち、勇敢な凪の姿に安心感と恋のような感情を抱く。
そんな凪に勇敢にも告白し、あっけなく振られたのが1年生の早乙女正美(高野八誠)。「強いものに殺されたい」という願望を抱く彼は、自分の望みをかなえてくれそうな人物と作法室で出会った。彼女の名は百合原美奈子(酒井彩名)。しかし、その正体は人間を喰らう魔物「マンティゴア」であり、体内に人間の感情を響かせて強力なエネルギーを放つ特殊能力を持つエコーズが捜し求めていた「自分の邪悪なコピー」だった…。
エンディングに流れるスガシカオの『夕立ち』(好きな歌なんだよ、コレが)が心地よく響いてきて嬉しい、という個人的趣味は置いといて、うーむ、頑張ってはいるけどまだまだね、という感じの出来だった。
もともと原作が、エコーズとマンティゴアの事件を5つの視点から描いていたものだったんだけど、ある意味原作どおりとはいえ、もーちょっと映画ならではの工夫はしてもらいたかったかな。例えば、途中まで複数視点で進めていって、事件の核心に迫ったところで視点を集約するとか。その方がよかったんじゃないかな。最初の竹田のパートで、ブギーが「事件はもう終わったんだ」って言った時点で、あっけにとられた人(特に原作未読者)も少なくないんだろうし。
あと、特撮が…これが作られたのは5年前だけど、せっかく東映(厳密に言えば東映ビデオ)製作だから、お家芸のヒーローもんのノウハウが活かせればよかったのに。いっそヒーローもののノリを入れても!なんて言ったら怒られるか。なんつーか、角川他の『ねらわれた学園』の路線でもなければ、この当時から流行だったJ−ホラーにもなりそこなってしまったって感じでちょっと残念。
キャスト。う、みんなあまり知らないよ…。とりあえず、知っている人&ツッコミたい人のみコメント。
吉野紗香ちゃん、当時は17歳だったのね。藤花の時のかわい子演技はやや?なんだけど、ブギーの時の演技は顔も雰囲気も変わって凛々しい。こーゆーかなり非現実的なヒロインを演じるのなら、きちんと演技にメリハリがなければいけないね。ハニーの時のサトエリにも思ったけど。…ところで紗香ちゃん、今は何やってるの?
日本ホラーに欠かせない三輪姉妹の妹、明日美ちゃん。すみません、最初彼女だとはわかりませんでしたm(_ _)m。まぁ無理もない。彼女がカラダを張って演じた『発狂する唇』がトラウマだから…。
志郎役の笠原秀幸君って、あの『大地の子』で、陸一心の少年時代を演じた子だよね。大きくなったなぁ。…今はもっと大きいか。
正美役の高野八誠君。最近観た『柳生十兵衛七番勝負』では、ちょっと反抗的な忍者を演じていたっけ。ちなみに初めて彼を観たのは『仮面ライダー龍騎』のミステリアスな占い師・手塚海之(たしか、これで「みゆき」と呼んだはず。うろ覚えざんす)だった。…なんか濃い、雰囲気が。ホストかキミは、と感じるのはワタシだけか。
一番のワル(笑)を演じる彩名ちゃん。…あのぉ、アナタが今世紀最悪の伝説的駄作と呼ばれる、あの『デ○ル●ン』でヒロインを演じたのですか?
寺脇さんのエコーズ、最初キャストを聞いたときは浮くんじゃないかと思ったけど、意外とハマッていた。いや、小汚くて顔がわかりにくいんだけど(それは役柄上しょうがないって)。
そして、黒須麻耶ちゃん演じる凪。男前で手足が長くてとってもカッコいい。でも、ワタシはキミに言いたいことがいっぱいある。
髪の毛伸ばしてくれ、凪。ライダースーツは身体にフィットしたオーバーオールタイプ(つまりつなぎ)を着てくれ、凪。そして一人称は「オレ」と言ってくれ、凪。
ま、そんなとこかな。なんのかのツッコミつつも楽しんでたりするんだ、コレが。
でも、今これをリメイクするとしたら、どんなキャスティングでできるかなぁ…。





