…しかし、アカデミー賞ってもうメジャー映画にしか賞をあげないのね。それも放映局が絡んでいる作品には大量に賞をあげちゃうってーのはどーよ。いや、大好きなひろ子ねえさんが助演賞受賞ってのは別に問題ないよ。でもねぇ…。
ま、こんなことはかなり前からわかっていた。13年前に日本の主要映画賞を総なめした某独立系映画(それはリッチー岸谷主演のタクシー映画だ)が、一応日本最大の映画賞らしいこの賞には箸にも棒にも引っかからなかった頃から、この賞に大いなる違和感を抱いていたわけだし。じゃ、実際日本で一番正当な映画賞っていったいなんだろうか?権威ではキネ旬ベストテンなんだろうけど、あれはあくまでも雑誌社主催の賞だし。…となると、やはりブルーリボン賞か?うーむ。
ちなみにワタクシ、キネ旬始め今年の日本映画賞の主要部門を総なめした『パッチギ!』も、日本アカデミー賞大部分受賞の『三丁目の夕日』も観ておりません。すみません。両方とも、今後観る予定もありません、さらにすみません。

と日本のアカデミー賞にたらたらと暴言を吐いている暇はなく、いいかげん本題(こらこら)。本日発表の本場アカデミー賞について愛とツッコミ。
うーん、作品賞は『クラッシュ』ねぇ…。お正月に『ボクカレ』を観に行った新宿武蔵野館で予告がかかっていて、しんどそうな話だけどキャストがいいね(といってもサンドラ・ブロックよりサンディ・ニュートンの方が好みだし、ブレンダン・フレイザーやマット・ディロンもいいけど、『ER』でのゲスト出演もよかった『ホテル・ルワンダ』のドン・チードルも出ているしね)って印象だったんだけど。いや、重要な作品だってのは充分よくわかるんだけど…、なんかさぁ「ゲイムービーには絶対作品賞やらなーい」っていうアカデミー賞協会の思惑がもろに出てしまったゆえの受賞に感じるよー(すっげー暴言)。

もちろん、李安さんの監督賞受賞には大納得&大感激。詳しくは中華blogに書いたのでパス。こうなったらますます観たくなってきたよ、脚色賞と作曲賞も受賞した『ブロークバック・マウンテン』。
主演男優賞は『カポーティ』のフィリップ・シーモア・ホフマン。日本じゃ「誰それ?」だろーな、きっと。『ブギーナイツ』『ハピネス』『マグノリア』で御馴染の、ヨワヨワでオタク傾向にあるキャラを演じさせたらピカイチのフィリップさん、まさかここまで来るとは…。いやぁ感慨深い(こらこら)。しかし、去年に続いて実在の人物を演じた俳優にまた与えられたなぁ。それを言ったら今年は主演女優賞も実在の人物を演じているし。その主演女優賞のリース・ウィザースプーン(『ウォーク・ザ・ライン』。結局見逃しそう…)の受賞はきっと堅かったんだろうね。そのへんにはコメントしなくてもいいだろう。堅かったんだから(笑)。
ジョージ・クルーニーレイチェル・ワイズの助演賞受賞は素直に喜ぼう。(ホントはミシェル・ウィリアムズの助演女優賞を期待してたんだけど)『ER』のロス先生が大好きだったせいか(?)、ジョジクルは主演より助演で獲ってくれた方がなんとなく嬉しい。今度は監督賞を狙うように(笑)。でも受賞作の『シリアナ』より監督作の『グッドナイト&グッドラック』の方が観たい。
レイチェルはメジャー的には『ハムナプトラ』の図書館司書役なんだろうが、ワタシはウィンターボトム監督作品『アイ・ウォント・ユー』のけだるい美容師役が好きだった。彼女、演技派でありながら肉感的で不思議な色気のある女優さんだと思っている。同じイギリス出身でも、ケイト・ウィンスレットとは違う雰囲気を持っているのよね。
日本的に大いなる期待が集まっていた『ハウル』は長編アニメ賞受賞ならず。てーか『ウォレスとグルミット』はオスカー(これまでは短編アニメ部門だが)常連だもんね。
『SAYURI』は衣装デザイン賞ですか…そうですか。でもいくらデザインはよくても着物の着つけはやはりもう少し勉強するべきです。まったくもう。

しかし、日本のアカデミー賞とはやっぱり違うわけで、主要部門賞はうまい具合に分散したね。そうじゃなきゃやっぱりバランスが取れないのね。ふむふむ。
今年はノミネーションがあまりにも地味(=インディーズ系ばっか)で全く注目されていなかったって言うけど、裏を返せばハリウッド超大作が飽きられているっていう立派な証明でもあるんじゃないかね。もちろん、ハリウッドってーのは売れれば勝ちってところだからオスカーの威光なんかどーでもいいって思っているのかもしれないけど、実際には興行収入が落ちているってニュースも聞くんだから、ここは見直しを図ったほうがいいのでは、なんて日本の端っこのパンピーが言っても無駄だと思うけど言っておこう(笑)。

今年もNHK-BSで放映される受賞式の総集編が楽しみ。李安さんのスピーチはもちろん、へんなドレスウォッチングもしたいし(爆)。