nasu                                        
最近のマイブームが自転車であるというのはここでもちょこちょこ挙げてきたけど、自転車と聞いて思い出してしまうのがこの中編アニメ映画だったりする。ちょうど先日、ケーブルの「日本映画専門チャンネル」で放映されていたので、久々に観た次第。

ジブリの『千と千尋』、浦沢直樹さん原作作品『YAWARA!』や『MASTERキートン』に参加した
高坂希太郎氏が脚本と監督を務め、3年前のカンヌ映画祭監督週間に、日本アニメとしてはじめて出品された『茄子 アンダルシアの夏』は、絵柄が絵柄なせいかどーもジブリアニメと勘違いされそうなんだけど、ジブリアニメじゃないんですよー、天下無敵のアニメスタジオ、マッドハウスの製作なんですよー(笑)。





茄子 アンダルシアの夏

世界三大自転車レースのひとつ、ブエルタ・ア・エスパーニャ。このレースのコースになっているアンダルシアの小さな村出身のぺぺ・ベネンヘリ(大泉洋)はベルギーのチーム「パオパオビール」に所属してアシストを務めているレーサー。チームの監督はぺぺにアタックを命令し、彼は優勝目指して一気に飛ばす。チームの花形レーサーと衝突し、不振にもあえいでいる彼をスポンサーはリストラしようとしているが、生まれた村を飛び出したぺぺには自転車しかないということを充分に自覚している。ぺぺが故郷の村を通過する時、村では彼の兄アンヘル(筧利夫)とぺぺのかつての恋人カルメン(小池栄子)の結婚式が行われていた。ぺぺがレースに参加することを知った兄たちと結婚式の参列者はいっせいに街道に繰り出す。その時、レースは思いも寄らない方向に展開をみせるのであった。

…と書いてみても、内容自体はかなりあっさりした短編。原作の黒田硫黄氏は野崎歓先生のお弟子さんとしても有名(か?)で、この映画のもとになった『アンダルシアの夏』も読んだけど、マンガもかなりあっさり、というよりほとんど変更なし。変わっているといえば絵柄かねー。先に書いたように高坂氏のキャリアがキャリアなのでジブリタッチといわれているけど、脇のキャラはちょっと浦沢作品っぽい。(ジブリ+浦沢)÷2ですな。

茄子 (1)

映画に毛が3本!


スクリーンで観たときは、自転車レースの描き込み方のすごさ(さすが監督がアマチュアレーサーだけある)に「すげー」と思いつつ47分が過ぎていったんだけど、改めて観るとうーん、人生だねー、なんだかシミジミしてしまう作りになっているなー、なんて思ってしまった。
幼い頃から自転車の魅力に取り付かれ、日々奪い合いながら育っていった兄弟。弟は自転車を勝ち取り、不毛の荒野に囲まれた故郷から脱出するが、そのかわりに最愛の人を兄に奪われる。兄は愛する人とともに故郷に残りながら、ライバルであった弟を愛し、気にかけている。お互いに人生を賭けた瞬間が故郷の村で交差し、それぞれに最高の時を迎える。それぞれの口から過去が語られるが、それは必要最低限であってくどくなく、観客は彼ら兄弟の30年くらいの人生が一気に凝縮されたような印象を、この47分に観ることができる。短いけど、えらく濃い中編なのである。実写で長編リメイクも出来そうだけど、なんとなくスペイン語吹き替えで観たい気分もあるぞ。カルメンの声はやっぱりペネロペか?(笑)

カンヌの監督週間に出されたのは納得。ジブリ作品はカンヌ向きじゃないような気もするし(偏見か)。
マッドハウス作品はわりとマニア受けする作品が多いような気がするし、これもマニア受けするといえばそうかな。でも、オトナの人に気楽に観ることをオススメしたくなるなぁ。ジブリが苦手な人とか、原作を知らない人にもすすめられると思うんだけど、どーだろうか?

そーいえば、銀河高原ビール特製のパオパオビールが当時限定発売されていたんだけど、味は見事なまでに銀河高原ビールだったよなーなんてことを思い出したりする(^_^)。