なぜ「お行儀がよい」のかというと、すでにcocoに投票した、地元上映主体で決めた洋邦ベストだからです。
   まあ、つべこべ言い訳するのは後回しにしましょう。さっさと行きます、お行儀のよい(ここ強調)2013年の我的映画ベスト。

【外国映画編】

1・グランド・マスター


  はいはいはいはいそうですよ、贔屓に決まってるじゃないすか贔屓に!
秘宝読者とかは王家衛嫌いが多そうだし(と決めつけてしまって先日怒られてしまいましたが)、ベタなカンフー映画好きはこの映画が許せなくて個人blogでは続々ワースト入りしてるんでしょうね。実際ワーストに挙げたblogもいくつか知っているし。いいですよー、そんなの全く気にしません。たとえ世界中がこの映画を嫌おうが、ワタシが愛してるんだからいいんですよ、 文句あっかゴルァ!>逆ギレ気味
…でも王家衛には、そろそろ新たな活路を見出してほしい。過去への眼差しは今後も続けてほしいけど、製作スピードをアップして、出演俳優のバリエーションを増やす工夫をしなさい。もちろん女優もな!(再び逆ギレで強制終了)

2・ゼロ・グラビティ

   珍しく第1週の週末にきちんと観て、久々に感想まで書いた映画。
ところで3位と合わせて、今年気に入ったのがメキシコ人監督っていうのが面白い。しかし“スリーアミーゴス”のうちの残り一人、イニャン(ΦωΦ)ことアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥは元気なのか?

3・パシフィック・リム


 この映画に出会えたのも楽しかったなあ。幼い頃に弟と観ていたロボットアニメ群も思い出したし、日本でこの手の大人向け特撮作品を作ろうとすると、どうしてもマニアック&エロチックに偏ってしまうのが不満だったから、こういう作品がハリウッドでできてしまったことを恐れると共に、オタクの味方は海外にもいるんだよーってことを示してくれたいい映画だった。でもマニアの一部独占&無知による蔑みはやめてくれよ、ロケットパーンチ!

4・君と歩く世界


 絶望の淵にいる女と男が出会い、セックスで結びつき、やがてはお互いにかけがえのない存在となって再生していくという筋書きは割とあるような気が…。性愛ばかりの映画は得意ではないのだが、力強さのある恋愛ものでよかった。ラブストーリーが苦手な自分が珍しく気に入った作品。

5・ライフ・オブ・パイ


 もうすっかり世界の李安さんだねえ…。
今年はこれといいグラビティといい、3Dで観るべき映画とはこういうものだという作品が出たことがよかった。何でもかんでも立体にすりゃいいというわけでなく、3Dだからこそ語れる映画っていいよなあ。まあ、目が疲れるけど(笑)。

6・もうひとりの息子

 昨年の東京国際映画祭サクラグランプリ受賞作品。
子供の取り違えというテーマは『そして父になる』より先行しているし、文化や生きる環境の違いはこちらの方がはるかに大きい。でも、政治的なしがらみが邪魔をしつつも、互いのこと、互いの家族を理解しあい、二つの家族を結びつけようとする子供たちの努力に、映画を越えた先にある未来の明るさを信じたくなる。

7・世界にひとつのプレイブック


心の病の問題は難しい。日本ではそれが死に至る原因になりうるからデリケートな、というか腫れ物に触るような扱いになってしまう。だけど、引きこもっちゃいられない。思いっきりぶつかって、泣いて笑って恋をして自分を癒せ。助けてもらえるんだから。これもまた、希望の映画だった。

8・きっと、うまくいく


 実際面白かったのでランクインさせましたが、本当は『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』を盛岡のスクリーンで観たかった…。せっかく配給元が被災県対象の無料上映会まで企画してくれてたのに、どこかがやったという話も全然聞かなかったもんな。
SNSで関東と関西の同好の士の皆さんが、次々とインド映画の渦に巻き込まれていくのを、去年はただ指をくわえてじっと見ているばかりだった。中華圏映画の地元公開がガクッと減ったのも悔しいけど、この日本で一番寒い県庁所在地の雪と寒さを吹き飛ばせるほどの熱いインド映画の風なんかは全然吹いていないんだよ!どうよこの事実?(と愚痴は後の方で言うので強制終了)

9・サウンド・オブ・ノイズ


 9位と10位は掘り出し物作品。
東京ではレイト上映のみだったらしいが、こちらではラヂオもりおか音楽映画祭で上映されたので、評判を聞いて観ることができました。アイディア一発勝負っぽいけど、こういう驚きがある映画は大好きだし、貴重なもんだよ。

10・クロニクル


 ホラー映画によくあるモキュメンタリー方式で撮られた超能力少年もの映画。
80年代の超能力者SFが好きだったので、懐かしいノリで楽しく観た。でもあの時のようなカラッとした楽しさではない。家庭環境の違いや本人の深層意識が嫉妬や全能感を産み、力を持ったがゆえに親友を手にかけ、対立してしまう悲しみや切なさはまさに今の時代の痛みを含んだエンタメ的な楽しさがありました。

次点・アルゴ

まあ、作品的には2年前なので…ていうか、cocoでは過年度上映作品はエントリーできないんだよね。それが残念。というか、オスカー合わせじゃなくて東京と同じ時期に観たかったよ。ねえ。


【日本映画編】

1・舟を編む


 主要映画賞を続々受賞し、日本アカデミー賞では複数部門でノミネート(優秀賞受賞とも言われるが)されているけど、その評価は全くまっとうだと珍しく思ったくらい好きな映画。監督の石井裕也さんは香港で高い評価を受けているし、世界映画として誇っても充分なんだよ。なんせアカデミー賞外国語映画賞候補のエントリーに入ったのだから。

2・さよなら渓谷


 今年ほど映画監督の大森立嗣さんをずっと応援してきてよかったと思った年はない。長編商業作品はゲルマニウムからずっと観ているのだが、ゲルマもこれヤな映画だなーと思ったんだけど、嫌いと切り捨てるには惜しい何かがあって、監督の新作が出たら注目することにしたのがきっかけだったから。2年前のフィルメックスで観た『ぼっちゃん』とこの作品、12月にWOWOWで放映された初の連ドラ『かなたの子』のどれにも一本筋の通った信念を感じさせられ、この硬派な感じがいいんだなと再確認。これからクランクインの『まほろ駅前狂騒曲』はホントに楽しみ。
 弟ももう少しがんばれよ。これ以外の去年出演した映画はどれもスルーしたんだからね。

3・そして父になる


 2年前の秋の連ドラ『ゴーイング マイ ホーム』は実に是枝さんらしい作品だと思い、楽しく観ていたのだが、視聴率だけで善し悪しを判断するマスコミは低視聴率を理由にあれこれ言いくさっていたよなあ、確か。今回の受賞で是枝さんがやっと日本でも認められたことは嬉しいけど、結局マスはTV>映画なんだよな、ということも思っちゃったりして。手のひら返しを見た気分だったしさ。
あ、映画自体ももちろんよかった。オノマチ、今年大活躍の真木嬢、リリーさんも好演で。

4・地獄でなぜ悪い

 本音を言いますが、実は長い間園子温の長編映画を食わず嫌いしてました(苦笑)。
だってエロいしグロいし無駄に時間長いし、何から観ていいんだか分からなかったんだもの。でもこれは本当に面白かった。猟奇犯罪や震災や原発事故を観るのはしんどいけど、これはヤクザと映画というモチーフだったからね。まあキネ旬には入らなかったし、映藝じゃワーストにされちゃったわね。あはははははは。 

5・横道世之介


 祝・ブルーリボン賞作品賞&主演男優賞受賞\(^o^)/
2時間40分の長丁場を感じさせない、決して泣かせない、良質でよくできた青春映画。こういう正統派作品がもっと主流になってほしい。

6・フラッシュバックメモリーズ3D


これもまた、3Dで撮るべき、かつ観るべき映画だった。シンプルに以上。

7・箱入り息子の恋


 これをベストに入れる人は少ないと思うが、上方落語でいうところの「一生懸命なアホの面白さ」が好感もって描かれるのが好き。クライマックスはチャッピー主演のアホな香港エロ映画にも通じるおかしみがあるし。わかりにくい例えでスマン。

8・立候補

 折しも都知事選がスタートしているこの頃、案の定マックさんを始めとした、いわゆる泡沫候補も例によってウジャウジャ出てきている。でもそれは決してチャカしなんかじゃなくて、非常に真摯な気持ちで選挙活動をしていることがわかる。(ってそうなのか?本気で思っているのか?)
マックさんには今回も頑張ってほしいわー、投票できないけど。

9・HK 変態仮面


 これは以前も書いたけど、日本男子変身ヒーロー版『あの頃、君を追いかけた』である(笑)。ちょっと詰めが甘いと感じるところはあるけど、ここまで好きな女の子をひたむきに思う狂介って別に変態でもなんでもないじゃないか。彼とコートンは絶対友達になれると思うよ。なんと言っても裸族つながりだし(違)。

10・遺体 明日への十日間


 震災からまだ3年しかたっていない。この映画で描かれたのは、たった3年前のことだ。経済成長だとか中韓関係の危機の無用な煽りだとか情報秘密法とかで浮かれていても、我が県の沿岸地域ではまだ復興も進んでいないところが多いのだ。フジテレビと踊る大捜査線スタッフが作ったこの映画の善し悪しを論じることはできないが、あの出来事を忘れてほしくない、むしろ偉い人たちにはこれを重要視してほしいからこの位置にランクインさせた。

次点・グッモーエビアン!

 甲斐性なしの洋ちゃんや何もかもを犠牲にするアソクミや自らの将来の可能性を狭める主人公のハッちゃんに感情移入することはできなかったが、この映画の拾い物はハッちゃんの親友を演じたノーネンちゃんだ。『あまちゃん』が始まる前に彼女の演技を観られたのはラッキーだった。そんな意味もあっての次点。

 えーと、そもそもワタシが中華趣味でトニー&王家衛ファンなので、洋画1位は鉄板です。文句あるヤツいねーよな(こらこら)。それ以下の2本は洋画ファンの評価も高いし、邦画の上位5本も人気があったし、とってもいい映画だと思えた作品ばかり。今年は自分の好みがわりと一般的だったって傾向があるのかな。まあたまにはそれもいい。
 それでも「なんでこんな映画作るの?好きな人が出ていても絶対観てやらない!」と思って情報を入れるのさえ拒否した作品も多少あって、映画への触れ合い方については極端だったと思う。後者の代表作は『R100』っていうヤツなんだけどさ。まあいいさ、観なかったことは後悔してないし。

 ところで、去年はSNSや中華blogでずっと愚痴っていたのだが、香港映画の地元上映が激減した年であった。まずミニシアター系上映は全滅。香港映画だけでなく、元から少なかった台湾映画も、お年寄りが好みそうな大陸映画も、よりによって韓国映画まで上映が激減した。おまけに去年マサラ上映が東西で話題になったインド映画なんて、1本しか上映されてないんだから。

 ここで地元上映がなくて悔しかった去年の映画を挙げてみる。

 『ぼっちゃん』
 『スプリング・ブレイカーズ』
 『セデック・バレ』
 『建築学概論』
 『恋する輪廻』
 『スタンリーのお弁当箱』
 『あの頃、君を追いかけた』
 『コールド・ウォー』


 いくらこの街が「映画の街」だとか言われても、ただスクリーンだけがあって、人がたくさん入るってだけでは自慢にならない。その先を行かないと、と切に思う。
 ところで現在の映画興行は、古くからいる劇場へ通うコアな映画ファンよりも、TVドラマやアニメから入ったライトな映画ファンにターゲットが当たっているらしいので、映画泥棒のクリップが大ウケしたり、鑑賞中にスマホを使う映画を作ったり、映画に全く関係ない芸人のイベントが多くなっているという。そうして興行を成功させるのは儲かるからいいとは言っても、その後には何が残るのか?こんなことで映画ファンのすそ野は広がるのだろうか?「映画の街」じゃなくても、それはどこでもできるんじゃないの?

 映画を消費することなくコミュニケーションツールとして使いこなし、人と映画の出会いを広げ、交流を深めていく。それが「映画の街」がすべきことじゃないのかな。そのためには、公式の映画オフとか、ミニシアター応援団とか(実際「フォーラム盛岡を応援する会」というコミュニティが立ち上がっているらしいが、アンケートでしか見かけないので、どういう活動をしているかがわからなくてもどかしい)、有志のソーシャルグループがもっと多く立ち上がってもいいよなあと、かつてこの街で「香港電影恋戀隊」という香港映画サークルに参加していた身としては思うのである。
 FBでグループを立ち上げてコミュニティを作るっていうのも考えたいけど、映画館や配給先との折衝やらなんやらでまた大変なのかなあ。恋戀の時は会長さんが全部仕切っていたから、そのへんが見えずに動いていたものだけど…。今は地元でもSNSでつながれる時代だから、何かできないかなって考えちゃう。

 この件についてはいつもさんざん愚痴っているワタシだけど、それでもこの街が好き、この街で映画を観るのが好き。だから今年は、映画に対して受け身にならず、アクションを起こしていきたいし、いい仕掛けがあったらどんどん乗っていきたいよ。観たい映画がここで観られるのなら、なんだってするよワタシは!
 なんてったって、今年はるろけん京都編二部作が上映されるからね!

 というわけで、以上を「お行儀のよくない提言」として、この項を終わらせます。
 さーて、次は中華blogで、正真正銘お行儀のよくないベスト10(笑)を発表するよー!