何なのこの題名、気が触れたの?と問われたら、ああそうさ、オレはもとからおかしいさ!と張り切って言うさ!
一応念を押すけどな、この場合のアジア映画は香港映画と台湾映画だからな!韓国映画は歴史ものとかアイドルものが地元の新宿武蔵野館的な劇場で細々と上映してくれているけど、残念ながらそっちに全く興味ないもんですいません。

 といきなりブチ切れてデスロード走ってる状態ですが、気を取り直して昨年の劇場鑑賞作品を振り返りますよ。
昨年劇場や映画祭で観た本数は104作品、通った回数は112回でした。
久々に100本超えしましたが、そのうち地元以外の鑑賞を差し引くと多分90作くらいです。
では、今年も洋邦別に10本上げていきます。これを土台に、地元映画館やcocoなどの投票を行います。

洋画編

ハドソン川の奇跡



 最近年1本安定した新作を発表してくれるクリント御大作品だけど、久々に入れた気がする。
あまりの安定感なので、いつもスルーしてしまうからか?上映時間も短いし、しっかりまとめられているのがよかった。最近2時間超えの作品が多いからなあ。

ボーダーライン


 米国・メキシコ国境での麻薬カルテルとの闘いの非情さを、甘さ抜きでビシバシと描いたのがよかった。
評判のいいドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品初見。今年はテッド・チャン作品の映画化『メッセージ』と、続編なんか本当にいらなーいとずっと言い続けてきた『ブレードランナー2049』の2作品が公開されるので、ちょっと気をつけておかねば。しかしまさか今になってブレードランナーの続編って…(長くなるのでいずれ別記事で)

シング・ストリート 未来へのうた


 これまた安定のジョン・カーニー。やっぱりアイルランドでの話の方が面白いかな。
時代的にも親しみがあって楽しかった。昨年は80年代ポップスを支えたアーティストが多く亡くなって残念だったけど、80年代リスペクトは広がってほしい。

キャロル



 女同士の恋愛ものというより、どちらかと言えば『テルマ&ルイーズ』にも通ずるハードボイルド。
恋愛の困難さは、あの時代で女性が生きる不自由さもイコールであったりするし。

オデッセイ

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 「ジェイソン・ボーンだから火星に取り残されてもしぶとく生き残れんじゃないの?」と思ったらその通りだった話。原作も面白かったですよー。いい具合に刈り込んでいるので、映画の補完としても読めます。

ディーパンの闘い

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 一昨年のカンヌグランプリ作品。主人公がスリランカの内戦を生き延びたゲリラなので、アジアンノワール的な要素もあって興味深い。フランス映画との相性はあまりいいとは思えないのだが、以前『君と歩く世界』も選んだので、ジャック・オーディアール監督とは相性がいいようだ。
ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー


 先に「まさか今になってブレードランナーが」と書いたけど、これも「まさか今になって」案件かつ、あのシリーズ初のアジア人キャストにまさかド兄さん&姜文さんが!案件。詳細はリンク先に書いてるので省略。

サウルの息子


 ここ数年、ドイツとその周辺で第二次大戦をテーマにした作品が多く登場してきて(邦題に『ヒトラー』がつけばもう確実に)、観るようにしているのだけど、その中でも特に衝撃が大きかったのがこれ。戦時下/収容下で失う人間性やそれを僅かにつなぐものなどを追体験した。こんなこと、もう二度と起こしてはいけないよ。

スポットライト 世紀のスクープ


 観た当初は「なぜこれがオスカーで作品賞?」と多少なりとも思ったのだけど、件の「文庫X」こと『殺人者はそこにいる』と、日本の調査報道の第一人者と言われる清水潔さんの著書を続けて読んで改めて納得した。ブレイキングニュースだけが報道じゃない。地道な調査と裏付けから真実は見えてくる。それを心に念じて物事を見たい。

エクス・マキナ


 昨年はSF映画にいいものが多くて嬉しかった。『リリーのすべて』で助演女優賞を獲ったアリシアたんことアリシア・ヴィキャンデル(「ビカンダー」よりこっちの表記を希望)のハマりっぷりもいいし、彼女をめぐるドーネルくん&オスカー・アイザックのSWコンビの一種の攻防にもドキドキした。そしてAIであっても女性って(強制終了)

邦画編

オーバー・フェンス


 函館(あるいは佐藤泰志)三部作としては海炭&そこのみの方が上なんだけど、映画的には非常に満足した作品。感想でも書いてるけど、うまい具合にフランス映画的なエッセンスが効いててそこが気に入っている。優ちゃんの身体表現が久々に発揮されているのもいい。

怒り


 こちらは映画的にというより、各キャストの熱演にやられたクチ。それがあるから同じコンビの『悪人』より評価するんだけどね。そしてキミはやっぱりすごいよ、ぶっきー。

この世界の片隅に


 「昨年はアニメの年だった」というのがしきりに言われていて、某君の◯はも結局観てしまった。その文脈はパヤオちゃん新作不在の中でこれだけポストパヤオ的なクリエイターがいることに注目されたってのもあるんだけど、やっぱり映画はアニメと実写をちょっと分けて考えたいところがある。アニメと実写を一緒くたにすることは、売り上げだけで作品の善し悪しを判断する危険性にもつながるから。
 だけどね、SNSでこのアニメのクラウドファンディングが話題になり、ノーネンちゃん(注:改名後の名前も尊重しますが、ワタシは彼女を今後もそう呼び続けます)が主演に決まり、ご本人目当てで先行上映を観に行ってかなり衝撃を受けたのは事実。とかく売り上げとマーケティングが幅を利かせてますますつまらなくなる大多数の邦画&アニメ界に投げ込まれたこの大きな波紋が、今後の映像界の希望になってほしい。
 しかしこれを観て本来なら原作を読まねばならないのに、なぜかぜんぜん違う方向の本(『荒神』宮部みゆき&『荒神絵巻』。もしかしたらあとで感想書くかも)を読み出したのは次の作品の影響です。

シン・ゴジラ


 これも観に行ってよかった、いやむしろかなりどハマりした作品(笑)。
カントクくんこと庵野さんはキライじゃないけど(なんせ評判の悪かったこれ観てるので)、エのつくアレは全く好きじゃないのよーって思ってたし、大して期待してなかったんだけど、初日に観た人が大騒ぎしてたので観たらもう面白くて面白くて。続編はいらないけど、怪獣映画で語る社会批判としては久々にいい作品だった。

淵に立つ



 日本の若手映画人が三大映画祭になかなか行けない難しさが語られた年だったけど、カンヌで評価されたこの若い監督の作品は、邦画でありながら非常に普遍的なテーマと語り口だったので興味深かった。日本政府は明治維新の映画化なんかにカネ出さんでいい。クールジャパンとかいわなくていい。文化庁と文科省と経産省もっとまともな人材をつけて、日本のクリエイターを海外にどんどん紹介しなさい。ったくバ(炎上材料撒いてるので強制終了)

セトウツミ


 好きな監督にはとことん甘くてすみません、なんだけど、短い時間で映画的に無理めのネタをいかに映画にもっていくかという実験がなされているのが興味深くて。もちろん、池松&菅田コンビの息の合い方も面白い。
立嗣さんもすっかり「男子映画の名手」になったなあ。

永い言い訳



西川美和さん自ら書いた原作が直木賞候補にもなった作品。こっちでは先月公開されたばかりで、原作が地元書店主催の「さわベス2017」文庫部門4位に選ばれてます。人間に対するシニカルさは相変わらずだけど、ちょっと眼差しが優しくなったかな?と思うのはお互いに歳をとったからでしょうかね。

海よりもまだ深く


 ウニまちも父になるもよかったけど、やっぱり是枝さんなら阿部ちゃんとのコンビ作が面白いな。
彼もコンスタントに新作を出してるので、どうもいつも入ってしまってすいません。ホウちゃんや台湾に縁が深い人なので、ついつい仲間意識で見てしまうの(笑。参考としてこれをどうぞ)

団地



 東西団地対決かよ(笑)。じつはこの監督&主演コンビの『顔』が好きなんですよ。
一見すごいシニア向け作品なんだけど、実はかなり思い切ったことやってるので、そのパンクさが気に入っております。だってこれだけおばさんおじさんが出ているのにSFなんだよSF!
これなら阪本&藤山(確かに台湾のコメディエンヌ・林美秀に似てると思う)コンビで大阪を舞台にしたゴジラもアリなんじゃないかと思ったりする。

恋人たち



 昨年のキネ旬日本映画ベストワンですが、地元では年明けの公開でした。
無名の俳優のアンサンブルで描かれるままならない人生と、その先にかすかにある希望の物語。
売れるだけ、派手なだけがいい作品じゃないという見本。こういう映画やクリエイターももっと大切に観ていきたい。

 昨年は総じて邦画にいい作品が多く、それはワタシも認めるところだし、某◯の名は以降、シネコンに若い観客が増えたので頼もしくは思うのだけど、それに対して洋画の低調(含むアジア映画)が目立つ感じがして、洋画派としては本当に残念な傾向である。誰だよ洋画観るのはマニアックとか言ってる若者は。

 せっかく映画館に通うようになったのなら、売れる作品だけじゃなくもっと冒険してもいいと思うよ。それでつまらない作品に当たっても、損したと思わないでほしい。自分にとってつまらない作品は、誰かにとっては思い出に残る作品だろうし、寝ちゃってしまった作品を切り捨てててもいけない。どこかで引っかかる部分がある作品だってある。そういう感性を大切にして、これからも若者には映画館で映画を観てほしいし、自分もそういう気持ちを持ってスクリーンに向かいたい。

 なお、今年はあまり中華電影を観ていないので、こちらにランクインしてないのが残念だけど、通常通り中華blogで中華電影ベストは行います。UP予定は旧正月周辺。それまでに録画してた未見作品等も観られるといいな。