Groovy PLAN-B

いろいろ発信していたいです。

『メカニック:ワールドミッション』感想――“見テイサム”の歓喜


昔読んだエロ漫画の話をしようと思う。


男が久々に田舎へ帰郷する。何も変わってねーなー、なんて思いながら歩くと、向こうからキレイな女性がやってきた。都合よく幼馴染である。


「なんてこったい、男勝りだったあいつが、すっかり女になってるじゃないか」


ふたりは幼いころキャッチボールをしたグラウンドへ向かった。しかし、幼馴染は昔のように球を受けられず、突き指をしてしまう。


「大丈夫か……?」

「いてて……もう、昔みたいには遊べないね……ねえ、あたしね、ずっと寂しかったんだよ!」

「お、おまえ……」

→セックス(獣のような)


当時大学生だった僕は、勃起しつつも純愛の美しさに震えた。しかし、ヤリチンで同級生のNくんは「展開はやっ!」と笑ったのである。なるほど、これは展開が早いのか……そう納得した僕は、清々しいほどに童貞だった。


あれから10数年、悲しいことに僕はもう童貞ではない。だから、自信を持ってジェイソン・ステイサム主演最新作『メカニック:ワールドミッション』をこう表現しようと思う。


展開はやっ!


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『アメリカン・バーガー』感想――78分後の世界に行けるタイムマシン

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若いころの僕はいつも焦っていて、どうにも窮屈な日々を送っていた。柴田翔の小説『われら戦友たち』の中で、登場人物のひとりが「俺は今年でもう14歳になるが、今日はまだ2時だ」(超うろ覚え)みたいなことを言っていたが、当時の僕はまさにそんな気持ちだったのである。

もう1日が終わる! もう1ヵ月が終わる! もう1年が終わる! もう20世紀が終わる! ……でもやることがない!

焦りはあるが、いまこの瞬間は気が滅入るほどに長く退屈で、やることと言えばゲームかオナニーくらいしかない。思い出すだけでも惨めな気分になる青春時代だった。

そんな経験があったからだろうか、30歳も過ぎた現在、僕は時間をムダにすることがどうにも嫌いじゃない。青春時代の僕をあれだけ悩ませた"時間"という悪魔をムダに消費することは、考えようによっては実に有意義な時間の使い方でもあるからだ。

つまり、近所のTSUTAYAで数合わせ(5本借りるとディスカウントされるのだ)のために借りた『アメリカン・バーガー』を観たという事実は、若いころの仇を討つ英雄的行為とも言える。ややわかりづらかったかもしれないから簡潔にまとめよう。

『アメリカン・バーガー』は最高に時間のムダだ。
 
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『孤高の遠吠』感想――圧倒的な顔面力と“地元でもありそう感”にシビれる

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こんな告白をするのはどうにもみっともないんだが、僕は"不良"が怖くて仕方ない。暴力団や半グレなどのいわゆる反社会勢力よりも、不良のほうがずっと怖いのである。

暴力団や半グレは、不用意に彼らのテリトリーに足を踏み入れたり、あるいは繁華街で調子に乗り過ぎない限りは、直接的な被害を被る可能性は低い(と、思う)。生真面目に生きていれば、一生彼らと関わらずに過ごすことだってそう難しくないだろう(と、思いたい)。

でも、不良はそうはいかない。彼らとの遭遇を完全に断つのは不可能だ。コンビニ、フードコート、いつも歩いている道、ヘタすればすぐ隣の家に……不良はいる。僕らの日常と不良の日常は断絶しておらず地続きだ。そのドメスティックな存在感が僕は怖くて仕方ない。「不良なんて中高生のガキだろ」と言う人もいるかもしれないが、それは現実がわかっていないだけだと思う。暴力に年齢は関係ないのである。むしろ、社会性が発展途上にある中高生だからこそ、歯止めの効かない暴力を振るう可能性は高い。目を覆いたくなるような凄惨な少年犯罪が起きたとき、人々は口を揃えて「少年なのに」と語るが、僕には言わせれば「少年だから」なのだ。

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小林勇貴監督の『孤高の遠吠』は、そんな悪夢のような存在である不良たちのリアルな生態を描いた映画だ。"リアルな"とわざわざは書いたのにはもちろん理由がある。同作に登場する不良たちは、監督の故郷である静岡県・富士宮市近辺でブイブイ言わせている(あるいは言わせていた)本物たち。言うなれば、実録系ヤクザ映画の登場人物が全員安藤昇みたいなことである。あまりに画期的な話で、目眩がしそうだ。

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「バンダナはファッションなのか?」問題を考える

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バンダナについては、物心ついたときから気になる存在ではあった。もう立派な大人というか、みっともない中年というか、とにかく現在でも僕は時々バンダナのことを考えている。そのたびに、僕はひとつ疑問に思うのだ。

バンダナはファッションなのだろうか?

いや、まあ、そりゃバンダナはファッションアイテムだ。自分で疑問を呈しておきながらなんだが、まあ、当然のようにバンダナはファッションなのである。それは揺るぎのない事実だ。とくに女性においては、気軽に使えるファッションのひとつな気がしなくもない。一度も読んだことはないが、青文字系雑誌なんかじゃたぶん定番のアイテムとして紹介されていそうな予感もする。でも僕が言いたいのはそういことじゃない。

バンダナを巻いている者たちのことを考えてみてほしいのだ。

ザ・ブルーハーツ屈指の名曲『チェインギャング』を作詞作曲し、しゃがれた声で永遠の反抗期を宣言したマーシーこと真島昌利。孤高の反逆者、泉谷しげる。もちろん、ハマショーこと浜田省吾のことも忘れてはいけない。

この錚々たるバンダナーを前にしても、君は「バンダナはファッションである」と言えるだろうか? 僕にはできない。それはあまりにも失礼な発言だ。なぜなら、彼らは主張している。圧倒的に主張している。バンダナはスタンスである、と。

バンダナを巻いた瞬間から、世界は味方ではなくなり、戦う相手に変わる。そんな苦難の道を歩む彼らを、僕は敬意を込めて「バンダナ者」と呼びたい。バンダナ者! 我ながらなんと甘美な響きだろうか。バンダナはファッションだなんて、口が避けても言えない。

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いつも心にハマショーを

浜田省吾

ハマショーこと浜田省吾と、青のりは似ている。どちらも別になくたって暮らしに不自由することはないが、あれば人生はずっと良いものになる。「いきなりおまえは何を言っているんだ?」って感じだろうけど、よく考えてみてほしい。

青のりがかかっていないお好み焼き、青のりがまぶされていないちくわ天――ハッキリ言って最悪だ。同様に、ハマショーの音楽が存在しない人生を考えてみてほしい。たぶんそれは、どうしょうもなく空虚な人生だ。

先に断っておくけど、僕はハマショーの熱烈なファンではない。ベスト版を2枚持っているだけの、極めて浅いファンだ。いや、ファンと言うのもおこがましい。僕はハマショーのリスナーだ。でも、繰り返すがハマショーは青のりなのである。多くの人が青のりの銘柄にそこまでこだわらないのと同様に、僕もハマショーのすべてを知ろうとは思ってはいない。必要なときに、ちゃんとそこにある。青のりもハマショーも、そこが重要なのだ。誤解がないように言っておくけど、これはあくまで僕個人のハマショーとの付き合い方であって、すべてのハマショーがそうであれ、と言っているわけではない。もちろん、青のりについても同様だ。
 
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2015年に観た映画、私的ベスト10

おひさしブリトニー・スピアーズ!! いやー、新年早々ハイレベルなダジャレをかましてしまい、まいったまいった雪国まいったけ! ダハハハハハ!!

……躁病患者のお風呂タイムみたいな書き出しで恐縮ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

僕ときましたら、夏の終わりから12月の頭まで、心身ともに陰々滅々な日々が続きまして、ついには電車内で卒倒する事態に見舞われてしまいました。さすがに「こいつはイカンザキ!」ということで病院へ駆け込んだところ(念のため言っておくと内科)、パパイヤ鈴木からパパイヤ成分を抜いたようなドクターに「いやー、キミの心電図は本当にキレイだ。とても電車で倒れた人の心電図ではない。まったく、教科書に載せたいくらいだよ!」と思わぬ絶賛(or 猟奇趣味)をいただき、なんとか元気を取り戻した次第です。



しかし「よし、元気になったわけだし……ゲームだな!」と、持ち前のゲーム脳を発揮してプレイステーション4と『フォールアウト4』をセットで購入したのがマズかった。我が分身たる“ママレモン”を核戦争後のボストンへ投入して以来、夜も寝ないで昼寝してゲームに没頭する日々が続き、今度は社会のレールから危うく落ちかけることに。

年末休暇をいいことに風呂にも入らず、床でクークーと寝るようになったあたりで、ようやく「こいつはイカンザキ!」と思うに至り、現在は高橋名人の金言「ゲームは一日8時間、睡眠は2時間で十分!」を忠実に守った生活を送ることで、なんとか持ちこたえている状態です(定まらない視点で)。

Fallout 4
ベセスダ・ソフトワークス
2015-12-17


久々かつ新年一発目のエントリーからどうにも不穏な内容で恐縮ですが、年末年始の恒例企画的な感じで、2015年の私的・映画ベスト10をお届けしようと思います。
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クソ食らえ!『食人族』Blu-ray発売中止だってさ!→発売中止が中止だ!

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2015年11月3日に発売が予定されていた『食人族』Blu-ray版が発売中止になった。劇中で実際に動物を殺しているという点にクレームが入ったためだという。あまりにショックで「なんてこった!」以上の感想が出てこない。

発売・販売元をハピネットからニューラインに移して、2015年11月21日に発売されることが決定したみたいです。よかったよかった。(ハピネットの商品サイト

以下の文章は、発売中止を聞いたときの愚痴ですが、なんとなく残しておきます。



『食人族』がいかに重要な作品であるかについては、僕が改めて語るまでもないことだ。劇場公開から数十年が経った現在でも多くの人が熱っぽくその魅力を語り続け、同時に相変わらず多くの人を不快にさせているという事実。2015年8月29日に新文芸坐で開催されたオールナイトイベント“血みどろホラーナイト2015 第二夜”の目玉として久々にスクリーンに帰ってきたときは、同イベント史上最大の客入りを記録したことからもわかる通り(僕もその場にいた)、良い作品か悪い作品かという話は置いといて『食人族』に時代を超えるサムシングがあることは間違いない。

もちろん僕は“良い作品”として『食人族』を愛している。とは言え「すべての人間は『食人族』を観るべきだ!」なんて鼻息荒く言うつもりはさらさらない。実際、ヒドイ作品だと思う。

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2015年6〜8月に劇場で観た映画のメモ


んんんああああぁぁぁァァァアアアイドル雀士スーチーパイ!!!

それにしてもアレですな、ゲーセンの脱衣麻雀って、とんと見なくなりましたな!

思い返せば僕が子どものころ、薄暗いゲームセンターの奥まった一角には常に脱衣麻雀があったものです。デモシーンで流れるアニメキャラ(あるいは実写をドットに起こした渋い女性)たちの半脱ぎに幼い勃起オルゴンを刺激され、「大人になったらオイラも麻雀のルールを覚えて、この先を見るぞい!」と心に誓ったあの日。ちん毛が生え、最近では白髪まで生えてきた僕ですが、麻雀牌を使ったゲームはいまだ『上海』しかできません。

しかしながら脱衣麻雀の思い出は、いまも一種のエロレガシーとして僕のシワシワな陰嚢内を蠢いている。だから今年こそは、麻雀を覚えて、温泉街のホテルにある“ゲームコーナー”で寝たきり老人のように放置されている脱衣麻雀になけなしの100円を投入し、スーチーパイをひんむいてやろうと思うのです。ワシのが裏ドラがスーアンコーやで~!(麻雀知らない)

アイドル雀士スーチーパイ―原画&設定資料集
Studio Hard Team4
ソフトバンククリエイティブ
1995-08


……久々の映画鑑賞メモ更新に舞い上がって、キンタマの走馬灯みたいな文章を垂れ流してしまいましたが、じつはここ数ヶ月間、公私ともにスゲー忙しかったんスよ(ジッポの蓋をカチンカチン鳴らしながら)。具体的に言いますと、『ロマンシングサガ ミンストレルソング』熱が再燃してずっとゲームをしていました。アイシャ、バーバラ、アルベルト、ホーク、シフで計5周もクリアーしてしまうほどの熱の上げようだったのですが、アタシね、ある日突然、気がついちゃったんですよ。『ロマサガ』表現に則るなら、閃いたんですよ。壮絶に時間の無駄である、と。



勘違いしてほしくないのですが、僕は「ゲームなんて人生において何のタメにもならんよ」などの退屈なことを得意顔で言う人間ではありません。もしゲームがタメにならなくて人生にとって無駄だったとしたら、僕はその無駄を愛したい。もしゲームを遊ぶことが無意味ならば、意味を求め続けられるクソみたいな日常から少しでも逃避できることに価値を見出したい。しかし、ひとつのRPGを5周はさすがにやり過ぎた。これだけの時間があれば、どれだけ多くの遊んでいないゲームが遊べたことか。

あ、でも、あと3周すれば『ミンサガ』全キャラコンプリートなんだよな……んんんあああああああアアアアアイドル雀士スーチーパイ!!!

というわけで、6〜8月に劇場で観た映画のメモです。

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『奪還者』感想――“空白”の多いマッドマックス

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この夏は大作、話題作が目白押しだったので埋もれてしまった……というか、そもそも上映されていること自体知られていなかった感も強いが、『奪還者』は見逃すのはあまりにも勿体無い作品だ。

実在のギャングファミリーをテーマにした『アニマル・キングダム』で監督デビューしたデヴィッド・ミショッドの2作目は、ガイ・ピアース主演のポストアポカリプスもの。物語の舞台は、国家が破綻してから数年後のオーストラリア。強盗グループにクルマを奪われた男が、ソレを奪い返すためにグループのリーダーの弟とともに追跡を続ける…………という、ストーリーにピンと来た人も多いと思うが、この作品『マッドマックス 怒りのデス・ロード』とすごく設定が似ているのだ。

とは言え、劇中の世界は国家が破綻しているものの、文明はまだかろうじて残っており、もちろんウォーボーイズもイモータンジョーも武器将軍も登場しない。何もかもが薄汚れて腐敗しているが、基本的には我々の日常と地続きの世界である。そういう意味では『マッドマックス』の1作目に近い、と言ったほうが正しいかもしれない。

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『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』感想――素敵じゃないか

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僕が中学2年生のとき、4歳年上の兄がイギリス留学に行った。1年後、最高に似合わないロン毛姿で兄は帰ってくる。そして兄の帰国は、僕にとってちょっとした事件でもあった。

もちろん「兄のことが大好きで、ひさびさに会えてうれしかった!」みたいな退屈な話ではない。むしろ、そっちはどうでもよかった。僕を激しく興奮させたのは、兄が持ち帰った大量の荷物。英語のコミック、古着、よくわからないフィギュア、海外のゲーム……そこには未知のカルチャーがごろごろと転がっていた。数あるお宝のなかでも、僕にとってとくに重要だったのはダンボールいっぱいに詰まった大量の音楽CD。兄の目を盗んでは実際にCDを盗む日々がしばらく続き、その戦利品のなかにザ・ビーチボーイズの『ペット・サウンズ』があった。

『ペット・サウンズ』、ポップ音楽史に燦然と輝く説明不要の名盤である。だが悲しいかな、当時の僕はその魅力をどうにも理解することができなかった。いや、それは少し嘘。当時の僕はけっこうなビートルズ狂いで(なんたって、自分をジョン・レノンの生まれ変わりだと本気で思っていたくらいなのだ。もちろん何の根拠もなしに)、ザ・ビーチボーイズに対しては「ビートルズと同時代に活躍した頭空っぽなサーフィン野郎ども」という偏見を持っていたのである。理解する以前に、そもそもまともに聴こうとしなかったといわけだ。

とは言え、『素敵じゃないか』の邦題で知られるアルバムのオープニング曲『Wouldn't It Be Nice』はそんな偏見を軽くねじ伏せるポップの魅力に満ちていたし、卓越したハーモニーの美しさには耳を傾けずにいられなかったのも事実。「チャラいサーファーどもだぜ!」なんて言いながらも、なんだかんだで僕はけっこう『ペット・サウンズ』を聴いていたわけである。
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