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仙台藩を築いた伊達政宗は戦国大名として、政治・軍事面での活躍ばかりではなく、時代を代表する文化人でもあり、仙台を上方に負けない文化が息づく町に創り上げようとしました。能、香道、茶道などにも優れ、美意識が高かったことも有名です。

仙台市太白区の大年寺山公園の奥に、茂ケ崎庵とともに立派な茶室「仙庵」があるのをご存じでしょうか?
茂ケ崎庵は同市の建設業橋本店が明治末期に建築した木造2階で、仙庵は仙台出身の裏千家14代家元夫人による数奇屋造り。いずれも市が1960年に寄贈を受けました。

以前は一般の人々は入ることが出来ませんでしたが、現在は、「トキメキ体験!日本伝統文化はココ・城下町せんだいから」というイベントに合わせて一般公開茶会を開催しているので、この素敵な空間で日本伝統を学びながら、数奇屋造りの茶席でおいしいお茶とお菓子を頂けます。

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下のHPはこの企画のPRで、武将隊の伊達政宗公が生け花を学び、盆栽を愛で、お茶を召し上がっています。
東北の名席『仙庵』一般公開茶会(9月より再開) | 【公式】仙台旅先体験コレクション (sendai-experience.com)

このコロナ禍で、茶会のほとんどが中止になってるわけですが、こちらの茶会は、8月に感染症拡大のため中止になったくらいで、感染症予防対策をしっかり行いつつ、ずっと続けられてきたそうで、企画実行される各流派の先生方の意気込みを感じます。こんな時だからこそ日本文化に触れ、お茶を楽しみ、ほっとした心を取り戻したいものです。

下記のHPで、開催される日時をチェックし、是非、日本文化の学び+お茶席に参加してみてください。次回11月28日(日)は日本伝統工芸会木工士さんが講師になり箸づくりを体験できるようです!
城下町せんだい 日本伝統文化未来プロジェクトの体験プログラム | 【公式】仙台旅先体験コレクション (sendai-experience.com)
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さて、今月の日本文化の学びは「盆栽」でした。去年10月にも行われました。

私も、イタリア人盆栽愛好家の通訳をする中で、盆栽のことを学ぶようになり、このイベントのお手伝いに伺いました。

参加者は15人。中庭に集合しました。皆さん盆栽は初めてだとおっしゃってましたが、サツキ盆栽で有名な佐々木吉美氏とお弟子さんが先生となって、手取り足取り一から丁寧に教えて下さいますから心配いりません。

お一人ずつ小さなサツキ苗を受け取り、このMyサツキで剪定の仕方、針金の掛け方を学ぶのですから、皆さん真剣です。

今日は10月にしては暑いくらいの陽気でした。美しい日本庭園で日本文化に親しむ会とはとてもいいなぁと思いました。
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「どこの茶会もコロナで中止している中、HPで知って半信半疑で先月参加したら、日本文化も学べるこの企画がすごく気に入ったからまた来たんだよ」とわざわざ岩手からいらっしゃった方、また、大学生の若い人たちもいて真剣に針金がけに挑戦。

イタリアでは、盆栽は若い人たちに人気です。日本の「老後の楽しみ」というイメージからすると大きく違います。
以前通訳をする中、「小さな植物の中に大自然を見る」と言うイタリア人の言葉に私ははっとしました。あまりにも身近なため、知っているようで実はまるで知らない日本文化の一つが盆栽なのではないでしょうか。日本でもどんどん盆栽の魅力に若い人たちがはまってくれたらいいなぁと思います。

日本人の私たちはもっと、先人たちが作り上げた日本文化の素晴らしさに感謝して、もっと親しんで楽しみたいものだと常々思っています。その意味でも、この企画はとてもいいなぁと深々と感じました。
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その後、仙庵でのお茶会も素晴らしいものでした。

今月10月はお茶の世界では最後の月、「なごりの月」です。来月11月に新茶を使い始めるからです。
なごり月に、今年を思い起こし愛おしみます。思い起こす2021年のイベントが、今回のお茶席のテーマでした。そう!「オリンピック」。

通常、茶会で使われるお道具や飾りものは日本伝統のものですが、オリンピックは国際的な祭典ですから、テーマに沿って外国の工芸品を何点か道具に見立てていました。

例えば、下の写真はウズベキスタンの茶碗、上の写真はルイ・ヴィトンの大きな器を水差しにしたりと、遊び心いっぱいです。しかしそれらは、他の日本の道具と完璧な調和がありました。何と楽しい茶席でしょう。
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その中でも一番目を引いたのはマトリョシカ。なんとも可愛らしくナツメに変身。
内側にやすりをすこしかけて、蓋がすっと開くようにしたそうです。
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お菓子は、なんとオリンピックのシンボル、5つの輪の砂糖菓子。5色の淡い色に染められ、麻糸でくくられてあります。糸を引いて一輪ずつぬいて食べるのも楽しい趣向でした。

茶会は「敷居が高い」「窮屈」「飲み方がわからない」と言う人がいますが、丁寧に教えて下さいますから心配いりません。

是非、明治末期の建築の「茂ケ崎庵」、数寄屋づくりの茶室「仙庵」という日本の美の空間に身を置いてゆったりと時間を過ごしてみませんか。仙台には政宗がはぐくんだ茶の湯文化が息づいています。


(イタリア語担当 サトウ)

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