0332ee573fb78a1da28b2c6361fe4e05
私は亘理町に住んでいます。亘理町は仙台から30㎞ほど南下した海に面した町です。
今日は伊達成実公霊屋の御開帳日でした。

伊達成実公は、1602年、35歳で初代亘理領主となり、亘理の礎を築きました。

「決して後ろに引かない」という習性をもつ毛虫の前立ての兜で知られている通り、従兄である仙台領主伊達政宗公の片腕として功を上げた勇ましい戦国武将です。NHK「独眼竜政宗」では三浦友和さんが成実役をしていました。
OIP (2)











亘理駅からちょっと離れた場所に、大雄寺(だいおうじ)というお寺があり、そこに伊達成実公の霊屋(県指定文化財)があります。
御開帳は年二回、1月16日と8月16日です。

この御開帳はいつごろから行われていたか定かではありませんが、大正時代にはすでに行われていた記録が残されているので、歴史ある行事と言えます。
OIP (1)










どうして1年のうちのこの2日かというと、亘理の多くの家で墓参りをする日であったことからのようです。

霊屋に安置されている成実公の木像を是非見にいらしてください。りりしくてかわいい顔立ちの木像を見ていると心が洗われます。

8月であれば、近くの称名寺の池に蓮が美しく、そちらも観賞できます。この蓮はなんと二千年前のハスの実から発芽したものだと言われています。昭和26年に千葉県の遺跡発掘の折、3つのハスの実が発見され、発芽させたものが仙台野草園を経由して称名寺に株分けされたのだそうです。

一方1月であれば、大雄寺参りの帰りにシーズンの亘理名物ホッキ飯を味わうことが出来、一石二鳥です。
OIP (3)
亘理と言えば、ホッキ飯より有名なのがはらこ飯ですが、実は、成実公霊屋との関係も深いです。
OIP (4)
上に御開帳は年2回と書きましたが、実はもう一回、10月8日の「はらこ飯の日」を記念して、はらこ飯を成実公霊屋に献上する儀式があり、この日も御開帳されます。
202011.pdf (town.watari.miyagi.jp)
201601221013102198
大雄寺の境内にはその他、明治時代に至る前亘理伊達家十三代の領主とその夫人の墓石が並んでいて、成実公の時代以来、ずっと亘理伊達家がこの町を守ってきたのだなぁと圧巻です。

しかし、今大きな問題を抱えています。
というのも、昨年令和3年2月13日の震度6弱の地震で、亘理伊達家歴代墓所は甚大な被害にあったからです。亘理町では修復のための募金を集っています。

詳しくは下の亘理町のHP(募金振り込み先など)や、武将隊が呼び掛けている動画をご覧ください。
DSC_0007

わたりぜんしん!伊達家歴代墓所復旧支援金の受付について - わたりちょう - 宮城県亘理郡亘理町公式サイト (town.watari.miyagi.jp)

わたりぜんしん!伊達家歴代墓所復旧支援金 - YouTube

亘理は仙台駅から常磐線で30分。大雄寺は亘理駅からタクシーで5分ほどです。国道そばなので車でのアクセスは分かりやすいと思います。
この寺は鎌倉から室町時代にこの地を治めていた亘理氏の居城「小堤城」だったこともあり、亘理の海が遠くに望めます。

御開帳を目指して、または亘理のおいしいもの(春はいちご狩り、夏は荒浜の海水浴も人気です。)を目指して、是非亘理にいらしてください。

(イタリア語担当 さとうのりか)