678国内外の政治について発言を続ける三浦瑠麗さんの、6年の歳月をかけた新著が話題だ。戦争と平和、国家のあり方を主題にした本格的な研究書だが、副題に踊る「徴兵制」の一語が刺激的だ・・





「以前から、シビリアン・コントロールが強い民主国家ではかえって戦争が容易になってしまうと主張してきました。戦争のコストをリアルに計算する軍部に対して、政治家や国民は正義感やメリットだけを勘定してしまうから、安直に戦争へと突き進む危険性があるということです。

先日、韓国海軍から自衛隊の哨戒機が火器レーダー照射を受けた、というニュースがありましたが、世論を見るにつけ、結構危ない局面だったと思うんです。もっとも冷静だったのは、国民でも政治家でもメディアでもなく、自衛隊でした。

本当は私たち国民こそが、軍隊を適切にハンドリングしなければいけないのに、いまの日本国民だと容易にその関係が逆転する可能性があります。シビリアン・コントロールというシステムについて、もっと私たちは責任を持たなきゃいけないはずです」


・三浦瑠麗さん



「自衛隊の待遇を改善しなければいけないという問題意識はずっとありました。戦後にあっては、一方に軍人への忌避感があり、それが自衛隊の尊厳を損なってきました。他方で自分とは関係ない存在だという無関心、同胞感覚の欠如がある。こういった自衛隊を部外者のように扱う態度はやめて、国民の自衛隊への理解を深めるべきでしょう。

自衛隊もがんばってPRに努めていますが、正直、稚拙なのも頭が痛いところです。そもそも、官僚を養成する大学に、政軍関係を教える体制が整っていないことに日本の問題の本質が表れています。軍を知らない政治エリートなんて危なっかしくて仕方ないですよね」

「市民が軍は自分たちと同じ国民だという意識を持つには、残念ながらこのままではだめです。いざ戦争を選べば自分も動員されるかもしれないという感覚がないと。

そのための徴兵制というアイデアは暴論や極論に聞こえるかも知れませんが、私としては自然な解なんです。市民の当事者意識こそが、なにより平和のために大切だからです。単なる思考実験ではなく、現実的な政策提言のつもりです」・・

(source: 文春オンライン - 「反論や批判を待っています」 三浦瑠麗が日本に徴兵制を提案する理由


・三浦瑠麗さん



・徴兵制は今の日本ではかなり難しいと思うが、自衛隊がどれだけ重要な活動をして、国防の責任を果たしているかを、歴史的な背景も踏まえ日本国民全員に考えさせる機会があってもよいと思った。今の体制ではでは、外国からの侵略に対して自己防衛できるか疑問だし、自衛隊の中で不満が溜まれば、最悪クーデターのリスクさえある。

・提案すること自体は、いいと思います。
そのうえで、ふたつほど。

ひとつには、兵役だけでなくても良いと思います。
介護や消防、救急救命や救助だの、社会に役に立つことを学ぶ場はたくさんあります。
かつて徴兵制を取っていたフランスでいえば、有能な若者がいちばん行きたがったのは救助の仕事でした。「殺し方を学ぶより、助け方を学ぶ方がいいじゃないか」と言ってました。

もうひとつには、財源をどうするか?
タダ働きというわけにはいかず、国が給料を保証しなければなりません。かなりの公費が必要となり、財源の確保は困難を極めると想像します。

・自衛隊が担っている役割の一部は一般市民が知識として学び理解し分担するにたるものだろう。個人的には国が教育費を負担する代わりに大学や専門学校などの教育課程に導入してみてはどうかと思う。
防衛や救助などの自衛隊活動とドイツの良心的兵役拒否のように病院や福祉施設などでの社会奉仕活動とを選択できるようにすれば社会学習の機会としてもかなり有益なのではないだろうか。
重要なのは義務ではなく選択制の交換に近い行為であること。高度な教育を受けるためにはそれにふさわしい役割を負担するべきと考えるからだ。
政治家や官僚を務めるための最低限の資格としても一考の余地があると思うのだがいかがだろうか。

・元自衛官の感想です。話の筋は良く分かりました。もっとな部分もあると思います。

しかし、自衛隊に入隊した経験もなく、紛争が起きた時に最前線に送られる感覚を知らないまま、東京大学の机の上で考えられた言葉はどうも響きませんでした。ローマ帝国でも市民兵制のメリットは十分理解されていましたが、豊かになった市民達はそれを選択しませんでした。

執筆や講演でお忙しいとは思いますが、予備自衛官として一度自衛隊においでになり、現場に接してみてはどうでしょうか?持論を展開する前に、一度立ち止まる勇気も大切だと思います。


・タイ徴兵制「運命のくじ引き」