950256290年代から00年代にかけて、北野武監督の映画はまさしく「世界のキタノ」へと飛翔していった。栄光の影で、たけしファンなら気付くことだろう。そう、これらの傑作の前後には、たけし映画の「黒歴史」とも言うべきあの作品群が存在している・・





「最低の時期」に制作? 悪評だった北野武の映画作品とは


・1995年『みんな~、やってるか!』

北野武が、順調に築いてきた映画監督としてのキャリアをいったん壊すべく、あえてビートたけし色全開で送り出した、破滅的作品。ある意味、クソゲー界の金字塔と言われる「たけしの挑戦状」に匹敵するかもしれない。

そもそも本作は、それまでの「北野武」名義ではなく、「ビートたけし」名義での制作となっている。しかも、たけし本人のバイク事故の前に撮影、復帰後に公開という、なんとも微妙な時期の作品だった。

みんな~やってるか! (1995) [Getting Any?] - Trailer



2005年『TAKESHIS’』

コンビニ店員で売れない役者の北野が、自分と瓜二つの芸能界の大物・ビートたけしと出会い、やがて北野がたけしの映画の世界に迷い込んでいくという、たけし自身のセルフパロディー色の濃い実験的な作品だ。

たけしは本作を「100人の評論家が見て、7人しか分からない映画」と断言し、「自分が一番沈んだ最低のときに制作した映画」とも語っている。

日本版「ラジー賞」といえる「文春きいちご賞」の2位という不名誉に輝いた。

Takeshis' (2005) movie trailer



2007年『監督、ばんざい!』

前作同様、たけし自身が言う「最低の時期」に作られたもう一本がこちら。
ギャング映画の名手であるキタノ・タケシ監督が、ヒット作を狙い小津安二郎ふうの恋愛映画、昭和30年代ふうのなつかし映画、ホラー映画、忍者アクション映画など、あらゆるジャンルの映画に挑戦するも、どれもうまくいかない…

追い詰められたキタノは、詐欺師親子を主人公としたSF映画を撮り始める・・


「監督・ばんざい!」