9807895「新人の吉岡さんがここ3日間無断欠勤をしているんです。メールも電話も返答がなくて、どうしたらいいでしょうか……?」 営業課長から天海人事部長に内線連絡があったのは、5月の中旬の頃だった・・



新人を軽く注意したら即無断欠席、そのまま退職しパワハラで300万円要求


天海は、自身が採用した吉岡が無断欠勤をするような社員とは思えなかったために驚いた。なぜなら、面接時の彼の印象は、サッカー部の主将を務めていたこともあり、非常にエネルギッシュで礼儀正しく、頭の回転の良さもうかがえたからである。

「もしかしたら、何か事故に巻き込まれたとか、事情があるのかもしれない。様子を見に社員寮へ行ってみる。また連絡するから」

天海は営業課長にこう伝え、電話を切った。

その日の午後、天海は会社からほど近い社員寮に住んでいる吉岡を訪ねた。インターフォンを鳴らすと、中から「ガタッ」と物音がしたものの、返答はなかった。何度かノックもしてみたが、一向に出てくる気配もないので、仕方なくその場を後にした。

翌日、天海は営業課長に昨日の様子を伝え、本人から連絡が入ったら自分に報告するように伝えた。しかし、数日経っても連絡がなかったため、天海は何度か社員寮に向かったが、出てくる気配は全くない。困った天海は吉岡の実家に連絡したところ、母親が電話に出た。

「息子から『新人研修で現場の職人から頭を叩かれ、非常にショックを受けている。社員寮から外に出ることができなくなり、どうしていいか分からない』と連絡がありました。このままだと息子が潰されてしまいます。一度、こちらに連れ帰って精神的なショックが収まるまで療養させたいと思います」

母親は天海に淡々と告げると、一方的に電話を切った。新人研修時の様子をつかもうと、天海は吉岡と同期の本田に聞いた。


・気づこう!パワー・ハラスメント



その日は、現場の様子を見学するという研修で、ベテラン職人の武井が案内していた。吉岡を含む数名がヘルメットを被らないまま、武井の注意を無視して現場に入ろうとしたところ、武井が咄嗟に大声で「危ないじゃないか!」と注意した。そして「新人のうちは、俺たちの指示した場所以外に入ったらダメだ。事故があったらどうする。それに、ここから先はヘルメットの着用は絶対だ」と言うと、全員にヘルメットを被るように指示した。

その後、現場を一回りした後に、武井は吉岡のヘルメットをポンッと軽く叩き、「現場ではコイツを被るのを忘れないようにな!」と言ってニコニコと笑った。

天海は本田に、武井の言動で吉岡がショックを受けるようなことがあったかどうかを聞いた。本田は「武井さんから注意された時、吉岡はビックリしたようだったが、研修は和やかに終わりましたよ」と言う。

しかし本田は、その研修が終わった夜、吉岡と一緒に食事をした時に彼の言動が気になったそうだ。吉岡は明らかに自分の行動に非があるにもかかわらず、武井に大声で注意されたことを非常に気にしており、「現場の奴らはすぐに怒鳴るから、レベルが低いよな」「叱り方が昭和だよな。これってパワハラじゃね?」などと、ブチ切れていたという。

数日後、吉岡から退職届と一緒に、以下のような手紙が届いた。

このたびは、無断欠勤を重ねてしまい、申し訳ございません。ただ、研修期間中に受けた武井さんの暴言や暴力によって、精神的に不安定になり、外出ができなくなってしまったこと、ご理解ください。また、研修中に武井さんから受けた暴言や暴力はパワーハラスメントであると認識しています。これについては、慰謝料として300万円を請求します・・

・詳細はソース


・職場のパワハラ

















・このようなケースは、パワハラになる? ならない?