鍼灸で行こう！ : 手話・ろう者とのお付き合い

手話・ろう者とのお付き合い

2018年05月24日20:00

カテゴリ: 手話・ろう者とのお付き合い; 担当：清水

お洒落カフェで思う、自分に合った接客方法。

先日、久しぶりに友人とランチをした時のことです。

友人が選んでくれたのは私では思いつかないようなオシャレで可愛いお店。お客さんも10代～20代の女性が多く、とても賑わってました。

そんなお店で私たちのテーブル接客をしてくれた一人の女の子は、オーダーしたものを持ってきてくれた時、ちょっと不思議な行動をしました。

まず、注文した飲み物を全部テーブルに置き、おもむろにメニュー表をとると、飲み物とメニューを指し示していったのです。そして私たちの表情を見ながら誰が何を頼んだのかを確認し、それぞれの前に飲み物を並べ替え、去って行きました。

友人たちはその行動を不思議そうに見てましたが、私が座っていた位置からは、たまたま彼女が補聴器をつけているのが見えました。

先天的に聴力が弱い人の言葉の発音は、健聴者（聞こえる人のことをそう呼びます）とは少し異なる、聞きなれない人はびっくりするようなイントネーションだったりすることがあります。

そのため、彼女はお客様を驚かせないように、あのような言葉を発さない接客方法を使ったんじゃないかな？と説明したら、みんな成程！と納得していました。（もちろん、確認はしていないので私の勝手な想像ですが、そうじゃないかなぁと。）

ただ、そうした事情を理解するには多少の知識と経験が必要です。
私はたまたまサンリ治療院という職場で、多くの耳トラブルを抱えた方達と出会った経験があるから想像できただけ。

なので、せっかくなら何かお客様に分かりやすい表示をした上でフロアに出た方が彼女のためにも、そしてお客様にとってもより良いコミュニケーションが出来るんじゃないか？と思ったりもしました。

とはいえ、自分なりの方法で働いている彼女は格好良かった！これからも頑張って欲しいなと思います。

（清水）

2015年03月15日20:38

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恵那市で耳の日フェステイバルに参加

本日は恵那市まで出かけ、岐阜県聴覚障害者協会が主催する耳の日フェステイバルに参加しました。
なつかしい人々とも再会し、手話にひたった一日でした。
講演は自身ろう者である野口さんによるNHK手話ニュースの裏話や、日本語と日本手話の違いについて。大変興味深いものでした。明日からの手話の学習に役立ちます。
サンリ治療院には耳が不自由で、手話によるコミュニケーションをとる患者さんが幾人かいらっしゃいます。スタッフ一同努力する所存です。

2005年11月29日17:50

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ろう劇団　いぶき公演のお知らせ

手話サークルの知人が関わっている劇団の公演が新年そうそうにあります。

手話を日常のコミュニケーション手段にしているろう者。
その表現の豊かさ面白さは一見の価値があります。

手話を読み取り、音声にして下さる通訳もつきますので、手話が分からない方でも大丈夫です。
是非一度いらして下さいませ。

05年１月14日（土）
昼の部　午後3時（開場2時半）
夜の部　午後7時（開場6時半）

場所　岐阜市文化センター　小劇場ホール

料金（当日は500円ＵＰ）
一般　　　1800円
小中学生　1200円

公演タイトル　「その瞳に映る花は」
内容
医者の息子・勇太と、ホームレスの男・ジョニーとの哀しくもおかしい友情物語。みている人を、ほっと和ませ、生きる勇気を与えたい。そんな作品になれば・・・と（チラシより引用）。

「いぶき」については下記のＨＰをご覧下さい。
http://ibuki01.hp.infoseek.co.jp/index.html
前売り券は、早めに言っていただければサンリ治療院でもご用意出来ると思います。

2005年09月13日14:15

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手話サークル　うの会

毎回、私的な話が続いて恐縮ですが、私の属する手話サークルの紹介です。

岐阜市在住の方には、タウン誌の「ぎふ　咲楽（さくら）」というものが配布されているかと思います。

９月号の１４１ページにサークルの紹介が載っておりますので、お手元にございます方はご覧下さい。

写真つきの記事です。残念ながら当日私は別の会場で手話講習会の講師をしていましたので、写っていません・・「さくら」デヴューを逃しました！

岐阜市ではわりあい由緒あるサークルらしいです。

さて私が本格的に手話に触れたのは神戸在住の際でした。

当時地域の障害者グループの団体職員をしていたのですが、職員に難聴の人がいて、業務の上で手話は必須でした。

会議などは全て手話つきで、いわゆる情報保障を考えていました（いま思うと不十分な点が多々ありますが）。

その後、はり灸学校に入ってしばらく遠ざかっていたのです。
せっかく学んだ言語も使わなければ忘れます。

岐阜に越してきたばかりで友人を作りたい気持ちもあり、時間の都合も合ったので入会したのです。

このサークルで私は多くの素敵な方と出会えました。
ろう者・健聴者問わず。
こういった出会いによって、より一層手話を取り巻く深い世界に踏み入ってみたいと思う今日この頃です。

言語としての手話は奥深いものです。
ろう者の世界も魅力に溢れています。
みなさんものぞいてみませんか？

毎週・木曜日の夜７時から９時まで、
岐阜市の都通り「市民福祉活動センター」にて。

2005年08月07日22:56

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「チクッ」って何？

聴覚障害者という言葉がありますが・・

この言葉の範囲は広いですね。

１、生まれつき耳の聞こえない人。

２、成長過程のどこかで聞こえにくく（あるいは）聞こえなくなった人。
この場合、中途失聴とも言いますね。

３、また歳を取り、耳がとおくなってしまい、ついには聞こえにくくなり、さらに聞こえなくなった人も含まれます。

大ざっぱに言ってしまえば、１、の人びとを「ろう者」と呼ぶことが多いです。
これはご本人たちの、自己に対する呼称でもあります。

手話というものを日常的に使用しているのは、主にこの１、の人びとでしょう。ろう者は、聾学校などでの先輩・後輩、クラスメイトなどを軸に、自分たちのコミュニティを形成することもあります。

俗に「デフ・コミュニティ」とも言います。

私のような健聴者が「手話を学ぶ」ということは、この「デフ･コミュニティ」の隅っこに入れていただく、という意味合いがあろうかと思います。

「聴覚障害者といえば、みんな手話が出来る」という偏見というか思い込みが、やっかいだと、という中途失聴者の声を最近聞きましたので、面倒な議論ですが、頭に書いておきます。

さて、先日私の属する手話サークルで、バーベキューに行った折り、ろう者を含めてお喋りしていました。

私が、はり灸師と知ったあるろう者が、
「鍼灸って、痛くないの？」
とたずねました（当然手話で）。

で、かつて鍼灸治療を受けた経験のある健聴者が、

「大して痛くないよ。しいて言えば、チクッとするぐらい」
と答えたのです。

手話には一つ一つの意味を持つ「手話単語」と、音声言語の五十音を表す「指文字」というものがあります。

例えば、あ、い、う、え、お・・・のような意味を持たない音に対応して、それぞれの音を表す指の形があります。

上の健聴者は「チクッ」の部分を「指文字」で表した訳です。

その瞬間、滑らかに進んでいた会話が滞り、その場にいた二人のろう者が、
「チクッ、って何？」
とけげんそうに訊ねたのです。

日本語の音声を知っている者にとっては、説明するまでもない擬音語、擬態語ですよね。

それが通じない。不謹慎かもしれませんが、私は面白く感じました。

結局、注射針などが刺さるときのイメージを表す、と伝えましたが、二人は分かったような、分からないような顔をしてました。

私たちが自明としていることが、ろう者に通じない。

裏返せば、彼・彼女たちの世界は健聴者にも分かりにくい訳です。

このすれ違いが誤解を産むこともあるでしょうが、まず、その「通じなさ」を実感するところからしか出発出来ないと思っています。

ゆえに通じないことは不幸と私は思いません。

お互いに通じている、と思い込んでズレているより、いいのではないでしょうか？

通じないからこそ、工夫や努力が始まるのだと思えるのです。

2005年07月11日21:59

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「たったひとりのクレオール」を読んで　①

「たったひとりのクレオール
　～聴覚障害児教育における言語論と障害認識～」
上農　正剛・著　ポット出版　２,７００円＋税

500ページの大著です。
主に講演記録を載せたもので、この手の研究書のなかでは、比較的読みやすいです。ただし、歯ごたえは充分すぎるほどあり。

私は現在、手話サークルに顔を出し、ろう者と交流しています。
そのような「手話・ろう者の世界」の業界にくらい方には、とっつきにくいのは否めません。

まず、いくつもの専門用語が頻出し、本を投げ出してしまうかもしれません。

例えば、
クレオール、インテグレーション、デフ・フリースクール、日本手話と日本語対応手話のちがい、聾教育におけるリテラシーなど・・・

これらの用語をめぐる説明は大変時間がかかります。
しかし、この困難こそが、聴覚障害児・者をとりまく教育の難しさと通底しています。
聴覚障害というものが、当事者以外からは「分かりにくい」という事情にも裏打ちされています。

私は何度かにわたって、この本を読み解きながら、何故、私が手話やろう者の世界に惹かれ、関わり続けるかを考えていこうと思います。

まず、クレオールという言葉について。
この本の序章を参考に記しますが、その前段階に、ピジンという現象をご理解いただく必要があります。

共通言語を持たない二つの人間集団が接触した場合、限定的なコミニケーション方法として、新しい言葉が生まれることがあります。
様々な語彙や規則を借用しながら、一種の混血語のようなものが出来上がるとされています。これをピジンと言います。カリブ海のピジン英語が有名です。

そしてピジンを話す親の元で次世代の子どもが育ちます。
ある意味不完全なピジン語を聞きながらです。

そこに起きる現象が興味深いのですが、こどもたちは不完全なピジンを洗練された言語へと組み替えていくことがあるそうです。
この現象がクレオールです。

このクレオール語は、語彙を既成言語に依拠しつつも、新しい文法体系に統御された、新しい言語になることが観察されるといいます。

手話との関連で言えば・・・
そもそも手話はその起源をいつにおくかご存知でしょうか？

19世紀のヨーロッパにろう学校の前身ができ、そこにろう児たちの集団が形成された後だといいます（各国でそれぞれ発展したり、外国の影響を受けることもあり）。

意外に新しいと感じませんか。
でも、それまでもろう児たちは、それぞれの家庭や小さな共同体（コミュニティ）では、そこだけで限定的に通じる身振りなどのサインを用いていたと推察されます。

それらはホームサインなどと呼称されることもある、大変に限定的なものでしょう。次の代へと継承されることはなかったはずです。

しかし、ひとたび教育の場である学校に、ろう児が集まった（集められた）とき、そこに現在にも続く手話が誕生したと考えられます。（もちろん時代によって手話の変遷はある。我々の音声日本語がそうであるように）

長くなってしまいました。
まだやっと前提の、そのまた前提です。
不定期でつづきます。

2005年06月03日10:31

カテゴリ: 手話・ろう者とのお付き合い

岐阜ろう劇団「いぶき」の公演

私は数年来、手話を習っています。
手話サークルの仲間が参加している、
ろう者劇団の公演がありますのでお知らせします。

岐阜ろう劇団「いぶき」
http://ibuki01.hp.infoseek.co.jp/index.html
演目　『真夜中の夢』（まよなかのゆめ）
と　き　２００５年６月１１日(土)　
　開場１４：３０　開演　１５：００
　　　　１８：３０　　　　　１９：００
　　　　＊２回公演です。

ところ　岐阜市　未来会館　３階　ハイビジョンホール
料金　小学生以上　８００円(当日１３００円)
チケット申込先
　　　　池本
　　　　FAX　０５８‐３９３‐４４３２
　　　　E-Mail　starlight sun2002@ybb.ne.jp

手話の読み取り通訳もつくと思いますので、
ご関心のある方は是非どうぞ。
サンリ治療院、舟橋宛にお問い合わせを頂いてもけっこうです。

2005年02月15日17:10

カテゴリ: 手話・ろう者とのお付き合い

「手話でいこう」

私が面白く読んだ本を時々ご紹介致します。

わがブログのタイトルもこの本から拝借しましたね、
そういえば。

「手話でいこう　
　　　～ろう者の言い分　聴者のホンネ～」
秋山なみ／亀井伸孝　著
（ミネルヴァ書房　２００４年　１，５００円＋税）

　京都在住の夫婦のエッセイ集。秋山さんはろう者。亀井さんは健聴者。
　手話を学ぶものには刺激的・挑発的な言葉があるわあるわ。
ご夫婦がパート毎に書かれているのだが、私は、亀井さんの書かれた「癒えるな」という部分が面白かった。
　ろう者について語られるとき常に健聴者の都合の良い視点からお話がいわば「捏造」される。いわく、「障害があるのにがんばっている」「元気をもらいました」・・・・。
　ときどきげんなりしますよね。「ろう者を癒しを求めるのは筋違い」とのこと。そうやねえ。
　手話を学び、ろう者のコミュニティに入っていくのは、なかなか苦労することもある。日本語と違う世界に入って行く訳だから当然のことやね。それでもその世界へと突き動かされる衝動、魅力。そういったものも、この本にはふんだんに盛り込まれていました！
必読度　☆☆☆☆