ネクラ勇者は仲間が欲しい


(;`・ω・´)「今回は富士見ファンタジア文庫の『ネクラ勇者は仲間が欲しい』を取り上げたいと思います」

(´・ω・`)「著者は羽根川牧人氏。第25回ファンタジア大賞で金賞を受賞『心空管レトロアクタ 』でデビューした作家さんだね」

(;`・ω・´)「受賞したシリーズが2巻で終了してからは富士見L文庫の方で作品を出していまして、ファンタジア文庫では久しぶりの新作ということになってます」

(´・ω・`)「そして、新人作家にありがちな流行りのジャンルに寄せてくるスタイルになっているね」

(;`・ω・´)「前シリーズは『心空子文明』という独特な設定を生かした作品だったんですけど、今作は類型的な異世界ダンジョンファンタジーです」

(´・ω・`)「ただ、かなり工夫した作品になっているのも特徴。ストーリーの序盤は仲間を作れないでいる気弱でボッチなネクラ勇者・クラムとオノボリな感じの田舎娘エルフ・ミーチカが出会って、普通に冒険するんだろうなあと予想していたら、ぜんぜん予想と違った方向へと物語が転がっていくのにちょっと驚いた」
(;`・ω・´)「途中で冒険しないで酒場で駄弁る日常系ファンタジーかな? とちょっと思いましたが、これも違ってました

(´・ω・`)「途中まではちょっと違和感を覚えるんだけど、中盤のある時点で物語が別人物の視点からの話になって、一気にぶっちゃけちゃうのよ

(;`・ω・´)「その『違和感の説明』ってもう少し先まで取っておくもんじゃない? とちょっと思いましたが、ここからグッと話が面白くなって引き込まれました」

(´・ω・`)「あと、フィクションにおける『お約束・定番』がけっこう盛り沢山なんだけど、その散りばめ方が実に楽しい作品とも言える」

(;`・ω・´)「勿体ぶってないですよね」

(´・ω・`)「そして、ちょっとネタバレになってしましますが、濃いキャラクター性を持つ者達が徐々に主人公のもとへ集まってくる、その過程をかなりキレイに描いたストーリーになっているね。個人的に有象無象が集ってくる感じって好き」

(;`・ω・´)「なによりエピローグでかっちり物語が完成した感じが凄くいいですよね。物語はどこまでも広がっていきそうでいて、彼らの『出会いのエピソード』はそこで完結しているという収まりの良さに感心しました」

(´・ω・`)「コメディとして読んでも面白いし、キャラクター小説としても面白い作品でした。なによりこの単巻での完成度の高さが良かったです、オススメしときます」

(;`・ω・´)ヾ「では、今回はこんなところで」

(´・ω・`)ノシ「それじゃあ」


ネクラ少女は黒魔法で恋をする(MF文庫J)
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