打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?


今回は映画・ノベライズのネタバレがあります、ご了承ください。

助手-デフォルト反転500px「今回は角川文庫の『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』を取り上げたいと思います」

博士-デフォルト500px「岩井俊二氏が1995年に制作したドラマを原作にして、今年にアニメ映画が公開された作品のノベライズだね。映画も観てきた」

助手-デフォルト反転500px「けっこう世間で者は酷評になってますが、確かに抽象的な結末の作品でしたよね」




博士-デフォルト500px「ノベライズ版(電子書籍)だと映画とは結末やセリフが違っていて、また違った味わいがあるね」

助手-デフォルト反転500px「ただ、角川文庫はイラストが表紙のみなんで注意が必要ですね、多分、スニーカー文庫版だとイラストがもうちょいついてくると思います」
博士-デフォルト500px「章にタイトルがついていて『もしものない世界』『もしもの世界・1』『もしもの世界・2』のように作品の構造を表しているのが面白い」

助手-デフォルト反転500px「元々原作のドラマは『if〜もしも〜』という分岐のあるドラマ番組(因みに『世にも奇妙な物語』レギュラー放送の後釜)の中で、唯一分岐のないエピソードという特殊な作品だったんですよね。ですから、地名が『茂下(もしも)』だったり、ループする時の演出である真空管の中のフィラメントが『if』になっているのは、そういうことなんでしょう」

博士-デフォルト500px「原作は45分の作品で、割りと小さなエピソードなのよ。タイムループも1回きりで、小学生である主人公たちには結局どうしようもない問題(親の再婚)が立ちはだかって、彼らは彼らなりの大切な思い出を残すという」

助手-デフォルト反転500px「映画・ノベライズの方は基本的にはTV版のエピソードをなぞりながらも、後半で大きく逸れていきます

博士-デフォルト500px「タイムループして『もしもの世界』に行ってしまうと、世界の法則が乱れているのよ

助手-デフォルト反転500px「ノベライズ版だとスイカバーが円筒形になっていて、風車が逆回りになるんですよね。映画では風車の回る向きには気づきませんでしたが、変わっていたんでしょうか?」

博士-デフォルト500pxタイムループを繰り返すほどに世界は変になっていく、映画のモヤモヤ点は、なんでタイムループがはじまったのかわからない、なんでタイムループが終わるかもわからないところ。で、ひたすらヒロインのなずなが可愛い」

助手-デフォルト反転500px「自分で『あたしにはママのビッチな血が流れている』と言っているんですが、中1の設定の割にとにかく性的です

博士-デフォルト500px「ここは原作のなずな役の奥菜恵の強烈な印象と、設定を小学生→中学1年生に変えたことが相まってよくわからんことになっているよね。アニメだとオシャレをして『16歳に見える?』(原作準拠)なんだけど、ノベライズ版だと『18歳に見える?』になっていて、制作側の迷いが垣間見える」

助手-デフォルト反転500px「ファム・ファタールですよね、奥菜恵もアニメのなずなも…」

博士-デフォルト500px「そして、ノベライズ版は最後の打ち上げ花火で元の世界に戻るんだけど、アニメ版だと微妙になっているのが最大の違い」

助手-デフォルト反転500px「ノベライズ版だと割りと明確にしてますけど、映画だと最後は教室における主人公・島田典道の不在という不可解なシーンになっているんですよね」

博士-デフォルト500px「その前に様々な『タイムループのルートの光景』を観せているのも不穏。最後のヒロインのセリフである『次に会えるの。どんな世界かな?』も、引っ越しをして別れてしまうけどいつか必ず会いましょう的なニュアンスなのか、次のループではどんな世界になっているんだろうね?というニュアンスなのか迷うトコロ」

助手-デフォルト反転500px「その前の『タイムループのルート』でアニメ版では存在しない原作の構図(バスの後部座席に座る二人)も登場していて、ひょっとしてこの二人だけがずっと長い間、永遠の夏休みを繰り返しているんじゃなかという気にすらなってきます」

博士-デフォルト500px「そう考えると、映画版で主人公の同級生が最後の方で『観月ありさーー!!』(自分の好きな異性をそれぞれが叫ぶというシーンで原作準拠)というシーンが怖いよね。ループし過ぎで世界そのものが歪んでいるんじゃ…? という気にすらなってくる」

助手-デフォルト反転500px「※もちろん、熟女好きの中学1年生という可能性もあります」

博士-デフォルト500px「ノベライズ、映画とよく噛むと面白いほど味の出て来る作品でした。オススメしときます」

助手-挨拶100px「では、今回はこんなところで」

博士-挨拶500px「それじゃあ」



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