「物語は、ごく普通の高校生である主人公がある日とつぜん学園一の美少女に抱きつかれるというコテコテの導入部」
「抱きつかれた後に主人公は
落ちていたUSBメモリを見つけて物語が転がりはじめるんですが…」
「作品全体が
サイバーセキュリティをわからない人に興味を持ってもらおうというコンセプトなのはわかる、わかるんだけど、
ちょっと難解すぎるんじゃないかというのが一読した感想かな」
「最初の遠隔操作事件については辛うじてわかりますが、最後の
仮想通貨とダークウェブをネタにした事件は流し読みになっていた部分もありました。『
ブロッグヘッダのハッシュ値が一定値以下になるようにナンスという値を計算するわけだけどハッシュの持つ一方向性関数の現象計算困難性によって計算量は』な文章、IQ3くらいのブログ主の頭では完全にキャパシティオーバーです」
「一貫したテーマとして『
大人(親、保護者含む)に喰い物にされる子供』というエグい問題を扱っていて、コレはコレで優れているとは思うんだけどね」
「囲碁や将棋のようにその競技を詳しく知らなくても楽しく読めるフィクションというのはあるんですが、さすがに分野が分野だけに…」
「表紙とタイトルから受ける印象と内容がちょっと違いすぎたかなー、と思う作品でした。しかし、主人公とヒロインの関係性の締め方、親に喰い物にされる子供という珍しいぐらいにエグい要素を盛り込んでいたのは好きな作品でもありました。興味のある方はどうぞ」
「では、今回はこんなところで」
「それじゃあ」