異世界誕生 2006 (講談社ラノベ文庫)


助手-デフォルト反転500px「今回は講談社ラノベ文庫の『異世界誕生 2006』を取り上げたいと思います」

博士-デフォルト500px「著者は伊藤ヒロ氏。多方面で活躍するライトノベル作家の人だね、最近ではジュブナイルポルノでの著作も多い印象」

助手-デフォルト反転500px「元々、アダルトゲーム業界から出てきた人なんで原点に還っているという気もします」

博士-デフォルト500px「斜に構えたコメディ作品も多い作家さんで、今回もあらすじを読んでなろう系へのアンチテーゼ小説だろうなー、と思って読んだけどけっこう違った

助手-デフォルト反転500px「後書きによれば、最初のコンセプトではそうだったみたいですけど、書き進めていくうちに化けていったみたいですね」

博士-デフォルト500px「主人公は息子に先立たれた母親

助手-デフォルト反転500px「狂言回しは小学6年生の娘なんですが、メインは母親ですよね」
博士-デフォルト500px「交通事故によって最愛のニートの息子を失った母親・嶋田フミエは息子の残した自作の小説の設定資料を基に『息子は、異世界で今も元気に暮らしています』という小説を書き始めるというストーリー」

助手-デフォルト反転500px「これだけでもう重いです。正直、読み進めるのが感情的に辛い作品ではありました」

博士-デフォルト500pxメンタルが色々とヤバい人間が物語を書くことに精を出す、それによってさらに日常が壊れていくという救いのない展開で、面白いんだけどゲンナリするという場面が続いていく」

助手-デフォルト反転500px「現実と妄想の狭間を行き来する感じですよね、小説とは別に息子宛の手紙を書いては庭に埋めるんですが、第三者が庭を見て『あちこち穴を掘って埋め直した跡だらけ』と描写されているのにゾクッときます」

博士-デフォルト500px「こんな風に3分の2くらいは面白いけど地獄みたいな場面が連続する。崩壊する家庭の中で娘の嶋田チカはよくグレなかったなーと感心するくらい」

助手-デフォルト反転500px「親が親として機能してないですもんね…」

博士-デフォルト500px「そして、終盤の展開も白眉」

助手-デフォルト反転500px「ある意味では筆記療法(カウンセリングの手法)をテーマとしている作品ですよね。現代ではネットで公開することによって、その反響もカウンセリングの過程になっているような気もします」

博士-デフォルト500px「既に過ぎ去ってしまったどうしようもないことに対して『救い』をどう与えていくのか、ライトノベルには非常にレアな作品だったと言えます」

助手-デフォルト反転500px「講談社ラノベ文庫はどうしたんだっていうくらい攻めている感じです」

博士-デフォルト500px「とっつきづらさはあるものの、名作だと思うんでオススメしときます。あと、後書きで続巻が発表されていましたが、これをどうやって続けるんだ? という気もしました」

助手-挨拶100px「では、今回はこんなところで」

博士-挨拶500px「それじゃあ」

スポンサーリンク