
「そんな話はさておき、本作は
ミステリとなっている」

「キン肉マンからミステリってのが意外ですよね」

「ところがエポックメイキングだなーと思ったのが『
キン肉マン』と『
ミステリ』という要素の食い合わせの良さ。基本、
原作で死んでいたはずの超人が出ようが、超人が殺されようが大丈夫という懐の深さがあるのよ」

「ノベライズというジャンルは
原作の登場人物を殺してはいけませんし、人間関係を壊してはいけませんし、極端に成長させてもいけません。ですが、そういうお約束を無視しても大丈夫なコンテンツ、それが『キン肉マン』とも言えます」

「
矛盾することこそがキン肉マンの醍醐味。ちょっとくらいの飛躍もまあ良いかで読者の方が許してしまう、そういう感じで読みすすめることができる」

「ストーリーの方は、
キン肉マンが失踪してしまいミート君がキン肉マン捜索のためにキン骨マンと共に日本を駆け巡るというものになっています」

「時系列的には王位争奪編の直後。ホームズ的役割をミート君が、ワトソン的役割をキン骨マンがつとめる。この
キン骨マンまというチョイスが絶妙で、原作では序盤にしか出てこない超人だけど
アニメではコメディリリーフとしてずっと登場してキャラなのよ。読んでいると
二又一成氏の声で脳内再生された」

「おっさんホイホイですよね」

「そして、かなりの
バカミス(バカバカしいミステリー)。最初のエピソードの容疑者が
ブラックホールで
瞬間移動できるし分身できるから密室トリックし放題という特殊設定」

海洋堂 マイクロヤマグチ リボルミニ キン肉マン ブラックホール 約125mm

「ここでかなり笑いました」

「他にも『
超人が殺された!→じゃあ生き返らせて事情を聞いてみようか!』という悪夢のコンボがあったり、ミステリのようでいて底抜けなお話になっているのが良かった」

「特殊設定ミステリですよね『
1000万パワーの衝撃でないと壊れないガラスケース』とかも出てきましたし(あんまりな解き方ではありましたが)」

「バカミス前提としてもそこまでミステリ要素に驚きはなかったかな、強引さも目立ったし。但し、
かなり笑った」

「他にはマニアックネタですよね、
カナディアンマンのクズ要素が十全に発揮されていたり、解像度の低いファンでは到底覚えていないような超人が出てきたりで」

「やっぱりファンアイテムとしては楽しめるけどミステリとしてみると『ギャグかな?』としか思えない作品ではありました。死の扱いが軽すぎる気もしますし。40代でキン肉マン好きな人にはオススメしときます」

「では、またいつかお会いしましょう」

「それじゃあ」