映画のメトダ

【メトダ】とはポーランド語で【方法・方式】の事です。 世界有数の映画大学であるポーランド国立ウッチ映画大学に通う筆者が学校で学んだ事、自分で実践している事などなど、映画製作に関わる事を書いています。

2014年10月

5.サード・アクト

53
サード・アクトはシナリオでは10~25ページ程の長さで表されます。
しかし10ページだと非情に短いです。
一般的にサード・アクトはファースト・アクトと同じ長さが理想と言われます。
通常、解決による転換最終的な解決(クライマックス)の二つで構成されており
映画全体の意味=結論を描きます。
その為には登場人物の行動描写よりも心理描写を多く描く必要があります

もしハッピーエンドにしたい場合、セカンド・アクトのラストでは主人公の失敗に近いことを強調します。そしてサード・アクトでは成功の結果を描いていきます。
逆にバッドエンドの場合は成功と希望を強調し、後に失敗の結果を描きます。

サード・アクトの最大の目的は“観客が映画館を出る時にどう感じるか?“です。

どうして?
誰の、どの行動/出来事によって?

”どのように感じたか”

を念頭に置き映画全体の総括をしましょう。

4.セカンド・アクト

2nd・アクトはシナリオでは60~70ページ、時間で言うと1時間という映画の大半を占めます。
以前にも書いたようにこのアクトの中には4つのシークエンスが含まれます。そして、物語を進展させるために2つの見せ場を置きます。

26

1つ目の見せ場はセカンド・アクトの中程にくる必要があります。
主人公の目的と障害が交差する事によって生み出される映画中の最初の山場となります。
また、その中で主人公が目的達成する為の努力=成長を描く事になります。

2つ目の見せ場はこの映画の集大成(山場)になります。ここでは前回のシークエンスで成長した主人公に最大の危機(後退)それに立ち向かう姿を描く事になります。またこのアクトの最後は新たな展開を予感させて最後のアクトへと繋ぎます。

各見せ場やシークエンスを自然に繋ぐ為に Subplots /小話を挟んでいきます。
小話とは大抵、1シーンのみで構成されたごく短いエピソードの事です。

観賞にあたっては以下を念頭に置いて分析していきましょう。

ⅰ.各シークエンスを把握する。
各シークエンスの役割の把握。また主人公の問題と解決方法の特定する。
ⅱ.1つ目の見せ場はどこか?登場人物のどのような行動、問題が成長へと繋がっているのかを把握する。
ⅲ.2つ目の見せ場はどこか?問題の把握と登場人物のどのような行動によって解決へと導かれたかを特定する。
  

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

3.ファースト・アクト
いよいよ、ここから本格的な映画分析に入ります。
まず、アクトとシークエンスをきちんと分けた後、その後詳細に分析していきます。
それぞれのアクトの終わりは基本的に転換点や大きな出来事の後にきます。

おそらく、図の用に大きく3つに分ける事が出来ると思います。
そして、その後、各シークエンスが何処から何処までであるかを把握できたら
具体的に各シークエンスで何が説明されているかを知っていきましょう。

54

ファーストアクトで注意してみていくのは以下の事です。

 ⅰ.映画の中のメイン登場人物は誰か?
 
  彼らからどのような印象を受けるか?
  その印象の理由は何か?具体的な行動、言動を見つける。

 例えば主人公はとても神経質な正確だとしましょう。
 映画では必ず、主人公が神経質であると説明されている具体的な行動が描かれています。
 例えば、机を曇り1つ無く磨いた後に、リモコンをきちんと並べる…
 例えば、主人公は友人との会話で些細な文法間違いをいちいち指摘して修正しようとする…
 この様に主人公の性格、生活などを表す具体的な行動が何処かに描かれているはずです。

  また、登場人物同士の関係性も把握しましょう。
  どこから、その関係性が認識できるか具体的な行動、セリフを見つけます。
  
 ⅱ.登場人物の日常とは?
 
 メインのイベントが始まる前に、登場人物の住む世界を把握します。
  この情報は観客がその映画の中で登場人物の考えや行動を理解するのに役立ちます。
  
 主人公がどの様な家に住み、どの様な暮らしをしているのか。
 どの様な部分から読み取れるか、書き出してみましょう。

 ⅲ.イベントが始まるきっかけは何か?主人公の平穏を乱す原因は何か?

 物語は主人公に非日常的な出来事が起こる事によって動き出します。

 これを "point of attack"転換点と呼びます。 
 その為に最初のシークエンスで主人公の日常を描いた上で、主人公にとっての非日常的な出来事を浮き上がらします。

 Ⅳ.何がファースト・アクトの中の見せ場なのか?
 
  この見せ場は主人公が何がしたいのか決断出来ずに行動を起こせないことで出来る物です。
   観客がこの先の物語に対する希望や恐怖を感じる事が重要です。
   そして主人公が問題を認識し苦悩する姿を見せます。

ファースト・アクトは映画を理解する為の基本的な情報
【だれ?どこで?何についての話なのか?】を観客に提示します。
そしてセカンド・アクトはこのファースト・アクトのラストにある見せ場を受けて開始されます。


また、各シークエンスにはメインイベントがあります。
メインイベントとは【最も伝えたい事=目的】を示し、故に物語る為に一連の流れ(シークエンス)を作っています。ですので各シークエンスのメインイベントも把握していきましょう
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

2.全体の構造を知る
前回も書きましたが映画分析は常に疑問を持つ事によって答えを導く出すことです。
まずは初歩的な質問。

ⅰ. アクトを把握する
   どこから第一のアクトの始まりか?
   どこから第二のアクトの始まりか?
   どこから第三のアクトの始まりか?

ⅱ. 8つのシークエンスの内訳を把握する。
44
ⅲ. どこが【 the point of attack /転換点】か?
  
シークエンスの中から主人公の具体的な行動/問題を見つける。

ⅳ. 何が【main tension/見せ場 】か?
  
シークエンスの中から具体的な内容、登場人物の行動を把握する。

Ⅴ. どこが【culminations/山場】か?
  
シークエンスの中の具体的な内容を把握する。

Ⅵ. どこが【 climax /クライマックス】か?
   シークエンスの中の具体的な内容を把握する。

これらの質問を意識して映画を見ていきましょう。


にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

さて、ここでの映画分析とは『物語分析(脚本分析)』がメインです。
赤色の光がどんな心理的効果を与えてカメラの動きがどのように感情を表しているのか…
などと言う映像分析は脇に置いておきます。

重要なのは【登場人物、行動、セリフ、事象】によってどのように物語が構成されているかです。
そして、映画分析の基本は構造を把握した上で“疑問を持つ事、答えを導く出すこと”です。
さて、それではまずは映画の基本構造を知りましょう。

1.映画の構造

映画は基本的に8つのシークエンスによって構成されています。
日本ではよく起承転結などと呼ばれますが、基本的に映画分析においてこれは役に立ちません。
ではシークエンスとはなんだったでしょうか?その他の言葉と一緒に見ていきましょう。

【シーン】場所ごとのまとまり。場所が変わると次のシーンになります。
【シークエンス】シーンの集合により作られる1つの話の流れの事。
【アクション/アクト】シークエンスを含むさらに大きなまとまり。(日本ではこれを指して起承転結と呼ぶ事が多い様です)

映画全体の流れはこうなります。
44
このように計3つのアクト(アクション)
8つのシークエンスによって基本的に映画は構成されています


1st・アクトには2つ、
2nd・アクトには4つ、
3rd・アクトには2つ

上記の様にシークエンスが組み込まれます。
イントロダクション/オープニングロールに関しては1つ目の日常を示すシークエンスに組み込まれる事が多いです

もちろん、映画によっては各アクションにおけるシークエンスの数が変わる事がありますが、映画を分解していくと必ず
アクト→シークエンス→シーン→カットと分解していく事が出来ます。
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

↑このページのトップヘ