映画のメトダ

【メトダ】とはポーランド語で【方法・方式】の事です。 世界有数の映画大学であるポーランド国立ウッチ映画大学に通う筆者が学校で学んだ事、自分で実践している事などなど、映画製作に関わる事を書いています。

カテゴリ:映画の作り方【中級編】 > シナリオの書き方【中級編】講義

細かな生活を設定する

さて、兄弟設定を先にした理由はもちろんあります。
なぜなら、過去のエピソードに家族が関わらないことはほぼ無いからです。
(もちろん性格を決めるのに重要な役割を友人や教師が演ずることはしょっちゅうです)

キャラ②の性格を形成したエピソードを兄弟のエピソードやディテールを中心に考えていきましょう。

まず現在の生活のディテールを設定します。

1.キャラ②は家事ができるか?
2.サークルを掛け持ちしているのはなぜか?


まずは、1を考察していきます。
ここで、キャラ②の生活を想像します。

まずは家事について。大家族の末っ子として育ってきたキャラ②はおそらく、自分で料理する機会はほとんどなかったでしょう。自宅で農家ということは基は母や祖母が家におり普段は彼女らが食事の世話をしていたに違いありません。また、彼女らができない場合は代わって少し年の離れた次女が代わりをしたのではないかと推察できます。

上京しても母親がわりの次女と2人暮らしです。そうなると、自炊は怪しいです。また、サークルを複数掛け持ちしているということは、おそらく食事の誘いも多いでしょう。自炊するより、友人たちとの外食が多いかもしれません。そのため、おそらく料理はできないというより殆どしたことが無いと思われます。

次はその他の家事について。
大家族の特徴として、なんとなくそれぞれの役割というのがあります。
上の子は必然的に金銭管理や料理などの難しく責任のある役割を持ちます。
そのため、幼くても出来ることを大家族の末っ子は与えられます。それが、片付け。掃除や、洗濯物をたたむこと。おそらく、口すっぱく上の姉から言われて育っているので、ある程度はこなせることでしょう。ひょっとしたら、次女との暮らしの中で、料理は姉、皿洗いは弟、洗濯は姉、取り込みと畳むのは弟、といった風になってるかもしれません。

 2.サークルを掛け持ちしているのはなぜか?

これは簡単に想像できるのではないでしょうか?
人と接することに物怖じしないキャラは、おそらく大学入学当初から多くの人とコミュニケーションをとっていたと想定できます。また、要求に素直に応じる性格です。そのため、誘われたり、頼まれたりすると断ることができず、入ってしまう。

また、年上の兄弟から道徳観等もしっかり植えつけられていると想像できるので、素直さも合わせて基本的には真面目な性格と想像されます。割とサークルの活動は真面目にこなしていると推測されます。ですので、その活動を通じ、さらに交友関係が広がり、多くの仲間が出来上がります。

さて、ここまで設定すると、さらに生活が見えてきます。
サークル活動と交友関係を維持するためにはお金がいります。
おそらく、家賃と生活費は仕送りで、その仕送りは親から姉へと渡され、姉からお小遣いの様に自由に使えるお金を貰っていると想像できます。しかし、経済力のある姉ですので、おそらく自宅にいる分の食費は姉持ちです。また、時々お小遣いなんかも自分のポケットマネーからくれたりするかもしれません。(これは年の離れた姉を持つ場合のあるあるだったりします)

もちろん、これだけでは頻繁は外食や遊びは維持できません。ですので、バイトが必要でしょう。しかし、フルタイムで入る様なことはなく、日常生活…ある程度の成績を保て、サークル活動に支障をきたさない程度の頻度になります。また、稼いだお金は交際費など全額自分の好きな様に使います。

ここまでくれば、なぜキャラ②の成績が中の上か説明がつくと思います。

さて、これは私がこれまでに自身の経験と分析により導き出した、キャラクターの設定になります。
皆さん、納得されるでしょうか?

実践❷

さて、皆さん、兄弟診断を参考に実際に設定してみましたか?

ここからは私自身が設定してみた兄弟構成を元に解説していきたいと思います。
あくまで一例ですので悪しからず。 自身の設定したものとどう違うのか比べながらご覧ください。

長男:13歳年上
長女:12歳年上
次女:8歳年上
三女:4歳年上
四女:2歳年上
キャラ②:次男:20歳


私の場合、このように設定しました。
ポイントは末っ子次男であることです。また、異性の兄弟の方が多いということです。

まずはこの兄弟構成と既にある【fact/真実】でこの兄弟の関係性について想像してみてください。
各兄弟がキャラ②にとってどのような役割を持っているか。
また、それはなぜか?
兄弟性格診断を参考に具体的に想像して見てください。







想像できましたか?


きちんと想像してくださいよ??


いいですか????





それでは、年齢差と男女比から一般的に想像できる予想を書いていきます。

 長男、長女は30を超えてるため既婚かもしれません。
この2人はキャラ②が物心ついた頃には進学や就職のため実家を出てたかもしれません。
すると会うのは年に数回だった可能性があります。
おそらく、帰るたびに年が離れているため、甘やかしてくれたことでしょう。
小さい頃はキャラ②にとって2人は兄弟という意識より、優しい親戚のお兄さん、お姉さんという感覚だったかもしれません。

 次女とも年が離れていますが、共同生活をした記憶があるでしょう。
母親代わりのように妹や弟の世話をしたのは彼女かもしれません。
喧嘩をした記憶よりも、怒られたり躾された感覚の方が強いかもしれません。
三女、四女とは比較的年齢が近いため、一緒に遊んだ記憶以外に喧嘩等の争いもしたでしょう。おそらく、純粋な兄弟的感覚を持っているのはこの2人とでしょう。
しかし、年の近い男兄弟との関係性とは違いライバル的な争いよりも、成長の早い女の子相手ですから、結果的に言い負かされている可能性の方が高いです。
なので2人には頭が上がらないかもしれません。また、女兄弟の性質上、基本的には世話焼きで、結果的には様々な世話をされていたかもしれません。



さて、実際に観客が上の年齢設定でここまで想像してくれたら万々歳です。
この想像には根拠があります。


キャラ②の性格は→甘えたで、自立とは無縁、明るい性格の反面、優柔不断な性格です。

女兄弟は姉、妹関係なく、異性の兄弟に対して世話を焼く傾向がります。
特に姉の場合は母親のように振舞うことが多いです。

この年齢設定の場合、様々な年齢設定の姉がいることになります。
それぞれが、それそれの視点で弟の世話を焼きます。女の子はオマセが多く、小さい頃から母親の真似をしたがります。そのため、年の近い異性の兄弟は争うことがあっても、母親のように弟を諭し、その反面積極的に世話を焼きます。

そうすると、弟は自分で考えるよりも先に姉たちが準備したものを受け入れてこなしていくようになります。自分で決断をすることが少ないため、優柔不断な反面、突きつけられたら素直に受け入れる…という、性質が出来上がります。    

同性兄弟の方を多くしなかった理由としては、同性兄弟間には競争意識が芽生えることに関係します。
特に、年が近い場合は顕著で、常にお菓子やテレビのチャンネル権の争いなどに晒される環境になります。また良くも悪くも身近にお手本があるため、要領よく物事をこなし、相手より優位に立とうとする傾向が出てきます。そのため、自我の主張が顕著になります。そうなるとキャラ②の性格:優柔不断とは少し遠くなります。

そして、最も特徴的なのは年の離れた長男を置いたことです。残念ながら、女兄弟だけの末っ子となると長男という重圧がかかってきます。特に6人兄弟で末っ子となった場合、ようやく出来た長男としての期待が過剰にかかることになります。この期待には責任感や、義務感が付加されます。そのため、ただ気楽で甘えただけの末っ子とは少し異なってきます。

キャラ②の性格で忘れてはいけないのは明るい性格です。もちろん、末っ子長男で明るい人はたくさんいますが、ここでは重圧や責任感とは無縁な生活による、物怖じの無さを表しています。
また、女兄弟だけじゃなく、年の離れた同性の兄弟を置くことで、キャラ②にとって年の近い兄弟と比べられることによる劣等感とは無縁で、気軽にお手本や目標の相手とすることができます。そのため、末っ子にありがちな我儘な性格を緩和することができます。

また、年上異性兄弟の多い場合は異性とのコミュニケーションを怖がりません。そのぶん交友関係は広くなります。

これらの要素はあくまで統計学で、それに導かれる一般論です。
しかし、ということは、多くの人が共通して納得できる要素が入っているということです。

「ああ、あの人、長男っぽい」
「やっぱり、末っ子か〜」

など、知人について思ったことがあると思います。それは逆に兄弟構成からもキャラの性格を予想できるいい情報となるのです。


実践❶

さて、前回までの記事では具体的な【fact/真実】がどの様なものなのかを学びました。
それに加え、どうしてその性格に至ったかの具体的なエピソードまで設定しました。
ここでは、キャラ②を使って実践形式で具体的なエピソード設定をしてみましょう。

例2)キャラ② 20歳、男性、文系大学生、

成績は中の上。6人兄弟の末っ子、アウトドアサークルを初め企画立案系のサークルに所属。交友関係は大変広く、校外にも多数。両親は祖父母と共に千葉の房総半島で花農家を営んでいる。世田谷の2DKのマンションで8歳上の社会人である2番目の姉と同居中。

上にあげられた【fact/真実】を元に→甘えたで、自立とは無縁、明るい性格の反面、優柔不断な性格となった具体的なエピソードを考えていきます。

しかし、その前に押さえておきたいのは詳細な兄弟設定です。兄弟関係はキャラクターの性格を物語る重要な要素です。

それでは、キャラ②の性格を最も引き立たせることが出来る兄弟設定とはどのような構成になるのでしょうか?

ポイントとしては2つ。

❶男女比の設定
❷年齢の開き方

さて、どのように設定していけばいいのでしょうか?ここで参考になるのは兄弟性格診断です。

一時期、話題になったため、ネットで検索しても簡単な診断や説明を多くみることができます。
これらは統計学を元に構成されているので、大方の一般のイメージと重なることになります。

また、年齢の開き方も大きく関係します。同性の年の近い兄弟ではライバルのような感情を覚えたり、離れすぎると兄弟間の意識も希薄になりがちです。それらの要素を考慮しながら試しに兄弟設定を完成させてください。

まずは
兄弟性格診断を知って、身近な人たちを例にとり、分析して見てください。

本当にその診断に当てはまるのか?

どのような部分が当てはまるのか?


当てはまる場合、それを表す具体的な癖やエピソードをあげて見ましょう。

もし、当てはまらない場合は、なぜ当てはまらないのか?

ひょっとしたら、その人物には典型的な
兄弟性格診断に当てはまらない特殊な家庭環境やエピソードがあるのではないか?

それらを、まずじっくり知って、分析してみてください。

当たり前ですが、個人差があるので、一般的な家庭で過ごしても、典型的な兄弟診断のような結果がでるとは限りません。しかし、まずは"典型=基本"を知ることに専念してください。
典型とは以前にも言いましたが、皆が共有している貴重な情報です。
何が典型で、何が典型じゃないのかは作り手には大変重要なことです。
それを踏まえてキャラ②の兄弟設定も
"典型=基本"を元に導き出して見てください。

さて、データによってキャラクターの性格や置かれた状況を推測させる方法を学んだ訳ですが、推測から具体的な事実へと変える必要があります。


すでにお馴染みのこちらの例をもう一度確認しておきましょう。

例1)キャラ① 20歳、男性、専門学校生、バイトを2つ掛け持ち 東京で父親と2Kのアパート暮らし。7歳の時に母親と離別。

 →苦労人で、責任感が強く、自立心の強い性格


例2)キャラ② 20歳、男性、大学生、6人兄弟の末っ子、アウトドアサークルを始め複数のサークルに所属。両親は祖父母と共に田舎で農業を営んでいる。現在は東京で2DKのマンションで8歳上の2番目の姉と同居中。

 →甘えたで、自立とは無縁、明るい性格の反面、優柔不断な性格

大事なのはそれぞれの性格を表現する具体的なエピソードです。


例えば①の場合『苦労人で、責任感が強く、自立心の強い性格』を表現する訳です。

①外食はせず、昼食は必ず父と2人分の弁当を作り持参

②代り手の無い急なバイトのシフトの穴に率先して入る

③常に課題などは締め切りの3日前にはやり終え提出する

④公共料金の支払いをいつも自分の手でしている

これらのエピソードは、性格どころか生活さえも想像させる非常に具体的なものです。

ちなみに、これらのエピソードの何が上記の性格の表れか分からない人のために一応解説をしておきます。

①④食事の管理と公共料金の支払いというのは家庭のことをきちんと把握していることを意味します。そのため、親と同居はしているが、親に頼らずきちんと自立していることを証明しています。

②自身の都合より組織の損失の方を優先するため、責任感の表れとなります。

③具体的な計画の元で自己管理ができている証です。そのため、責任感と自立心の表れとなります。

これらの具体的なエピソードがなぜ大事かというと、シナリオ上で矛盾した行動を登場人物に起こさせるリスクを減らせます。


例えば『苦労人で、責任感が強く、自立心の強い性格』なのに、理由もなく遅刻してくるシーンを出したり、毎日居酒屋で友人と飲み歩く、などという矛盾したシーンを書いてしまう、なんてことはなくなるでしょう。矛盾したシーンを出してしまうと、その時点で作者の意図は観客には伝わりません。

逆に、意識的にワンシーン(又はシークエンス)だけ性格とは逸脱した行動を起こさせることで、キャラクターの成長や置かれた困難も表現することができます。 


又、細かく設定することで、シナリオ上に何気ないが、キャラクターの性格や感情を表現するようなディテールを付け加えやすくなります。
また、これに加えて、キャラクターがこの性格に至った具体的なエピソードも考えましょう。

キャラ①が9歳の頃、仕事と家事の両立の無理がたたり父親が過労で倒れる。長く病床に付かなければならなくなり、それが原因で父親は会社をクビに。父は自分の治療よりも常にキャラ①を優先してくれていたが、次第に困窮する生活。ある日の朝、キャラ①は給食費をねだる。すると、父は布団の中でキャラ①に泣きながら給食費が払えないと謝罪しだした。それはキャラ①にとって初めて見る父の涙であった。

この出来事はキャラ①にとって、大きな人生の転機になった出来事です。

このように、キャラがその生活、性格に至った具体的なエピソードを用意することは、後の作業にとても有効になります。

また、大事なのが『このエピソードを受けてキャラがどう思ったか』は書きません。なぜなら責任感が強く、自立心の強い性格を表現するためのエピソードです。もし、自分の考えたエピソードが読者にこれらの性格をイメージさせることが出来なければ、そのエピソードは失敗です。

これらの設定はシナリオ中にはでてこないエピソードかもしれませんが、常にキャラクターの行動基準となります。

もう、お気づきかもしれませんが、役者との仕事にも大きく有利に働くことになります。

「責任感が強く、常に父を手伝うように心がけている」などと言うより、このような具体的なエピソードを上げる方が役者の想像を駆り立て、キャラクター作りに役に立ちます。 

もし自分の考えた【FACT】が狙い通りのキャラ設定を表現しているか自信がなければ、思い切って 【FACT】のみを他の人に伝えて、どんな印象を受けるか聞いてみましょう。
この工程は自分の意図通りに観客に情報を与えるための第一歩なのですから。 


さて、【fact/真実】のデータが何かを知った前回ですが、ではどのようなデータでどのような【共通認識】を喚起できるのでしょうか?


前回、このような推測をしました。

例1)キャラ① 20歳、男性、専門学校生、バイトを2つ掛け持ち 東京で父親と2Kのアパート暮らし。7歳の時に母親と離別。

 →苦労人で、責任感が強く、自立心の高い性格


例2)キャラ② 20歳、男性、大学生、6人兄弟の末っ子、アウトドアサークルを始め複数のサークルに所属。両親は祖父母と共に田舎で農業を営んでいる。現在は東京で2DKのマンションで8歳上の2番目の姉と同居中。

 →甘えたで、自立とは無縁、明るい性格の反面、優柔不断な性格

もし、この推測が理解できないあなたは、まず正確な分析方法を知る必要があります


映画監督とは優れた分析者である


日本の映画教育では、ほとんど教えられることはありませんが、映画製作は分析から始まります。

世界中のどの映画大学でも、まずは映画を正確に分析することから始まります。この分析能力を身に着ける為には訓練を繰り返すしかありません。映画を見て、どの情報から物語の内容や、登場人物の状態を知ることができるのか?それを、常に意識することが大切です。

ここに以前解説した映画分析初級編の記事を載せておきます。一度読んでみてください。
映画分析【シナリオ編】講義 (11) 


ここで、試しに映像からデータを読み取ってみましょう。


こちらは、ご存知の通り『ゴッドファーザー』の1stシーンとなります。
ここではセリフは置いておいて、映像から分かることを中心に解析していきます。

1stカット

長ゼリフを言っている男、もちろん会話の中身からも分かるのですが、強いイタリア訛りの英語を話していることで移民であることがわかります。(重要ですので、この点だけはセリフについて触れておきます。)この強い訛りがあるというのが重要で、2世、3世になると流暢な英語となっていくので訛りが目立たなくなっていきます。その為、この男は移民1世と知ることができます。

さらに、画面が引いていくと男が正装していることがわかります。また、画面には男と会話相手しか映し出されず、この会話が機密性の高いものであることを予想させます。が、未だに誰に向かって話しているかはわかりません。しかし、大きな机を挟んでいることで、ここが地位のある人物のキャビネットであること、男が訪問者であることが伺えます。また、男が立ち上がって相手に近寄るという行為から、相手が目上であることが想像されます。


2ndカット

ここでようやく、男の会話の相手の顔が見えます。相手は貫禄があり、ここで男の願いに対しての決定権を持つ人物だということがわかります。


3rdカット

ここで、ようやく場所の全体像が明らかになります。2人だけの秘密の会話だと思わされていたシーンにその他に2人もいることが判明します。その位置関係から中心にいるドン・コルリオーネがその場でもっとも強く、落ち着いて部屋の端にいる2人の男は側近とも呼べるようなコルリオーネとの近しい中を想像させます。(ここではビジネスかプライベートかのいずれかは判断できません)また、部屋の重厚感からコルリオーネが十分な権力と資金力を持っていることが一目瞭然となっています。また、ここにいる全ての人が正装していることで、なんらかの畏まったイベントの直前か、最中であることを匂わせています。


4,5,6thカット

会話が続きます。


 7thカット

コルリオーネが立ったのを合図にするように2人の男たちも立ち上がります。この動作はコルリオーネの意図を察知、または知っているものの行動です。ちなみに、この2人の男達の意図は男に心理的圧力を与える為だと考えられます。


8thカット

今度はコルリオーネが男へと近づいていきます。1stカットとは違って、近くにつれて相手に対する威圧感を増します。表情も変わりませんが、今までの画面で構成してきた圧力と正反対のような、男に対して友情の話を持ちかけています。


9,10,11th

一瞬のやり取りの後、男は服従の証としてコルリオーネの手を取りキスをします。ここで重要なのが男の表情の変化に対し、コルリオーネの表情は最後に愛想笑いを見せるだけというところで、コルリオーネが完全に男を掌握しコントロールしていることがわかります。また、男が去った後のトムとの呆れたような仕草はその男が彼らにとってあまり重要な地位を占めず呆れた相手だと推測させます。また、最後に彼れらの正装の理由、コルリオーネの娘の結婚式の最中であることが明かされます。

このように、たった数カットのワンシーンのなかにも膨大な情報が織り込まれています。

  • なぜ、コルリオーネが一番偉いと感じるのか?
  • コルリオーネにとってこの男がどういう存在なのか?
  • ほか2人の男とコルリオーネの関係は何なのか?
それぞれをセリフ、動き、位置関係、美術、衣装から慎重に読み取って、突き詰めるのが分析の第一歩です。

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