映画のメトダ

【メトダ】とはポーランド語で【方法・方式】の事です。 世界有数の映画大学であるポーランド国立ウッチ映画大学に通う筆者が学校で学んだ事、自分で実践している事などなど、映画製作に関わる事を書いています。

カテゴリ: 日本/ポーランド(ヨーロッパ)の違い

まず、どこで何を学びたいか?が、留学では重要になって来ます。
目的に加えて当然、修学の難易度、経済状況が絡んで来ます。

私の場合は『ヨーロッパで映画監督を学びたい!』が始まりでした。
理由はEU映画が好き。ほぼソレのみでした。

まずは何となく有名な国「イギリス」と「フランス」「映画学校」と日本語で検索してみました。
すると、少ないながらも情報が出て来ました。さらに「学費」「生活費」も検索。すると、日本語ではここまでは調べることが出来ました。

私が留学を決めた十数年前はユーロ高騰のすごかった時期。学費と生活費を計算すると、年間恐ろしい額に…!

そこで、金銭的な理由から「イギリス」と「フランス」は消えることに。

そこで、「他にどこで映画が学べるのだろう?」と考え始めました。

スペイン、イタリア??その頃、日本で見れるスペイン、イタリア映画は激減。とても『良いレベルの映画が学べる』というイメージが持てませんでした。しかも、同じくユーロ圏なため、当然高額。そこで、また選択肢から落ちました。イタリアに関しては学費が年間30万円程度だったのですが、よくよく調べると映画よりもテレビ制作の方に重視を置いていて、実技の実習も満足いく内容ではありませんでした。

次に考えたのはドイツ。有名なのにミュンヘン映画アカデミーとベルリン映画アカデミー。こちらは学費は破格の学期5万円程度。多少ユーロが高かろうが、魅力的な値段でした。しかし、色々調べていくと、ドイツの大学はまず語学試験をパスして『大学受験資格』を得なければなりません。
その後、ようやく実技試験が受けられるのです。しかも、歴史上日本人は誰一人合格出来てない!

確か、インターネットで2、3浪している人のエピソードを読み、その難易度に恐れ慄いたのです。

そうなると、もう選択肢のアイディアが尽きて来ました…

私の場合、幸いなことに恩師の1人が「ポーランドに良い映画大学があるよ」と教えてくれました。調べてみると卒業生にはポランスキー、キェシロフスキー、ワイダなど錚々たる面々!しかも、生活費もユーロ圏に比べれば格段の安さ!(当時は1/3程度でした。近年物価が上がり現在は7割がけ程度です。)さらに、授業はポーランド語での履修だが入試は英語や他の言語での対応可となっていました。しかも、どうやら積極的に外国人生徒を受け入れている模様…これは、自分にぴったりなのではいか!?そう、強く思い出しました。

しかし、ポーランド。超マイナー国。日本語で検索しても大した情報は出て来ません。
英語もろくに出来なかった私は情報収拾に行き詰まりました。とりあえず、自力で「映画大学の学費」「生活費」「語学学校の学費」等々を得たは良いものの、それ以上の情報がさっぱり。

そこで、思い立ったのが、政府が設けている留学電話相談。

当時、文化庁が留学を促進させようと無料相談の電話を受け付けていました。
今、簡単に調べたところ、それに該当する機関が無いのですが、大変役立った記憶があります。

私の質問は「ポーランドにあるウッチ映画大学に留学したいです。それに伴い現地でポーランド語を学ぼうと思います。適切な学校を調べたい。また、映画大学に必要な入試科目が何かが知りたい。」というものでした。

英語ができる今ならば、ググってすぐにたどり着く情報なのですが、その頃の私にはかなりハードルが高かったです。ご丁寧にも担当者は調べてくださり、丁寧に教えてくれました。

このように、まずは日本語で情報収拾。気になれば具体的な事をGoogle翻訳を使い英語で収集し、さらに曖昧な部分は無料の相談で明確にしていきました。

その結果、「とりあえずポーランドに渡航し、語学学校で1年間ポーランド語を学んでから、入試に挑む」という当初の目的を果たすことができました。

結論から言うと、情報不足で遠回りしました。と言うのも、我が校の入試ではなんと事前相談があれば通訳使用可!挙句に、入学してから構内に語学コースがあり、そこで学ぶ事が出来た!などなど…もっと、英語ができていれば良い方法があったのかもしれませんが、結果オーライです。

ちなみに、私はポーランド語が絶望的にできず、語学学校の期間も含めて本科に入るまでに2年かかりました…(汗

まあ、そのお陰でアジア勢では最も流暢にポーランド語を話せるようになりました。

さて、ここまでは私の体験談を話して来ましたが、次回はもっと踏み込んだ留学のアレコレを語っていきたいと思います。

さて、映画の技法からはちょっと外れてしまいますが…

最近、ブログやツイッターに「海外で映画を学びたい!」という方から様々な質問が寄せられます。ですので、ここで一度、まとめてご質問に答えて行きたいと思います。

因みに、質問にはそれなりに失礼な物もあります。

「ウッチ映画大学で学びたいのですが学費はいくらですか?」
「ウッチ映画大学の入試にはどんなものがありますか?」
「寮生活がしたいのですがウッチ映画大学には寮がありますか?」

多くの留学経験者はこのような基本的な質問にはうんざりしています。

例えば、これが海外留学を目指していない、一般的な人からのご質問ならば話は違います。
興味と好奇心からの質問として暖かくお答えすることができますが『留学を目指している』『予定している』人からこのような質問が来ると、なんでこんな初歩的な事を質問するの?
この人本気で留学を考えてるの???と、思ってしまいます。

なぜなら、これらの質問は全てウッチ映画大学の公式HPに記載されている事です

我が校は海外留学生も多いので英語での対応もきっちりとしており、英語が苦手な方も、Google翻訳を利用すればそれなりに内容が把握できます。
正直に申しますと、このインターネット時代にこの程度の情報を自力で収集出来ない=収集する気もない方には個人的には海外留学はオススメしません。
なぜなら、今から外国語で専門技術を学ばなければならないと言う、意識も覚悟も見えないからです。

言葉がわからない=情報収拾が自力でできない。と言うのは物凄く危険な事です。
海外はあなたが想像している10倍は日本の常識が通用しません。そして、海外では誰も守ってくれません。自分で自分を守らなければなりません。自分の足りない部分は全て自分のツケとして何倍にもなって物理的に精神的にも返ってきます。

そうならない為にも、日本にいる時からしっかりと情報を得る習慣をつけておきましょう

最近ではSNSで海外生活や留学情報を発信している経験者の方が沢山います。おそらく、海外生活に臨に際し、大変役にたつものです。そこで、一つ念頭に置いておいて欲しいこと。
それらの情報は彼らが苦労した上で獲得した経験である…と言うこと。

その経験も情報もタダで得られたとは思わないで下さい。
それらの情報はあくまで善意による発信である事を忘れないで下さい。
世の中には何十万もとって情報提供をお金にしている団体、企業もあります。
ですので、情報提供者には、ほんの少しでも良いのでありがとうの気持ちと、無駄な質問=手間はかけない…という心がけを忘れないで下さい。

自力で調べられるものはとことん調べる。それでも分からない時は色んな人に聞いてみましょう。私も含め、多くの人は本気で悩んでいる人には力になりたいと思ってらっしゃる方が多いと思います。その善意を当たり前のものと思わずに、情報収拾をして下さい。

海外生活では人への感謝が一番の成功の秘訣だと思っているので…!

さて、偉そうに書きましたが、かく言う私も未熟なまま海外渡航をした1人です。
色んな方にたくさん迷惑をかけました。
それを踏まえた上で自分の経験を元に、誰かの参考になればと思い、ここに記していきます。
私が留学を決めたのは10年前です。当時と随分、変わったこともあるかと思いますが、一つの意見として読んで下さい。

それでは次回より具体的な内容に入っていきます。





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