映画のメトダ

【メトダ】とはポーランド語で【方法・方式】の事です。 世界有数の映画大学であるポーランド国立ウッチ映画大学に通う筆者が学校で学んだ事、自分で実践している事などなど、映画製作に関わる事を書いています。

カテゴリ:映画の作り方【初級編】 > 映画分析【シナリオ編】講義

さて、次の講義に入っていますが、特別に映画分析に役立つ品をご紹介。

その名も分析シートです。

ポーランド語版をそのままJPEGにしてアップロードした物なのでかなり見にくくなっておりますが、全7枚。それぞれをクリックして印刷して使って頂ければと思います。
また、これがみにくい様でしたら、これを参考にオリジナルの分析シートを作ってみて下さい。
分析シート
分析シート2
分析シート3
分析シート4
分析シート5
分析シート6

分析シート7




当然ですが、今まで解説してきたのは従来型の原則であって全ての映画に当てはまる物ではありません。あくまで理論上の一般的な良い映画の見本であって、これに外れた面白い映画はいくらでもあります。
しかし、これを知っているのと知らないのとでは大きく違います。
これらの情報は自分がシナリオを書く時、物語が上手く機能しない時に改善する為の一つの指針になります。また、これに外れた映画と言うのは作者の大半がこの構造を理解した上で新たの方法を見つけた結果なのです。

それではこの理論にそった映画分析にふさわしい映画を選んでみましょう。

ⅰ.1時間半から2時間弱の映画を選びましょう。
2時間以上の映画はそもそもシークエンスが8つ以上ある可能性もあります。シーン数も膨大になります。まずは通常の尺の映画から見ていきましょう。

ⅱ.一度観た事ある映画にしましょう。
これは既にある程度内容を理解していることによって分析しやすくします。

ⅲ斬新が売りの映画は避る。
例えば『メメント』など、明らかに構造が異質な物はこの映画分析には向いていません。

Ⅳ.時間軸が複雑な物は避ける。
『めぐりあう時間達』のような物語に3つの軸があるもの、また『イノセント・ガーデン』のような時間軸が前後左右する様な物も避けましょう。

そして、出来ればハリウッド映画を選んで下さい。この法則に則った映画が多いです。
後はお好きな映画を選んでください。あくまで基本構造なのでシークエンスの数は前後します。なので、まずは正確にシークエンスの数と小話の数を把握して、それぞれがどのアクトに属するのか見極めて分析していってくださいね。

さて、物語構造を把握した今、具体的に分析をします。
映画分析の最大の目的は自分の映画に活用する為です。

フィルムメーカーの行う映画分析の目的はシーンを分解して理解し
最も面白いシーンの描き方を知る事です。
自分シナリオを書く前に必ず各シークエンスについて4、5行そのシークエンスが何について描いたものか書きましょう
また、同じく映画を分析する時にも、同じように書いてみましょう。
そうする事によって自分のオリジナル作品を作る時に大いに役立ちます。

さて、ありとあらゆるシーンで次の質問を自問自答していきましょう。

ⅰ.それは誰のシーンか?
(誰がメインキャラクターとなってそのシーンを動かしているのか)

ⅱ.登場人物が何をしたいのか? / 何が出来なかったのか?

ⅲ.どうやって物語を前進させたのか?
  それ無しにストーリーは成立するのか?/何故必要なのか?
(物語の何を説明しているのか)

Ⅳ.登場人物についての何か重要な情報が明らかにされたか?
 (それは観客との関係性の発展にどのように関係しているのか?)

Ⅴ.そのロケーションは物語を語る上で最高の場所か?
  そして、物語る事ができる可能な場所か??

ⅵ.そのシーンがヴィジュアル的に面白いのか?それともセリフによって面白いのか?

ⅶ.そのシーンには面白くする為の要素が入っているか?
 (ユーモア緊張サスペンス興奮視覚的に面白い要素など

ⅷ.映画自体の時系列はどうか?時系列通りか?そうではないか?


通 常、長編映画(1時間半~2時間)の場合50~75のドラマティックなシーン、200以上の技巧的シーンが使用されています。技巧的なシーンと言うのは例 えば場所を明確にする為に家の外観を映した後に家の中のシーンに移ったり…の外観を映したシーンに当たります。果たして本当にこんなに沢山シーンがあるん でしょうか???是非、実際に数えて、自分で確かめてみて下さい。

さて、映画の構造と映画分析の質問を知ったら、紙とペンを片手に映画分析していきましょう!

5.サード・アクト

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サード・アクトはシナリオでは10~25ページ程の長さで表されます。
しかし10ページだと非情に短いです。
一般的にサード・アクトはファースト・アクトと同じ長さが理想と言われます。
通常、解決による転換最終的な解決(クライマックス)の二つで構成されており
映画全体の意味=結論を描きます。
その為には登場人物の行動描写よりも心理描写を多く描く必要があります

もしハッピーエンドにしたい場合、セカンド・アクトのラストでは主人公の失敗に近いことを強調します。そしてサード・アクトでは成功の結果を描いていきます。
逆にバッドエンドの場合は成功と希望を強調し、後に失敗の結果を描きます。

サード・アクトの最大の目的は“観客が映画館を出る時にどう感じるか?“です。

どうして?
誰の、どの行動/出来事によって?

”どのように感じたか”

を念頭に置き映画全体の総括をしましょう。

4.セカンド・アクト

2nd・アクトはシナリオでは60~70ページ、時間で言うと1時間という映画の大半を占めます。
以前にも書いたようにこのアクトの中には4つのシークエンスが含まれます。そして、物語を進展させるために2つの見せ場を置きます。

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1つ目の見せ場はセカンド・アクトの中程にくる必要があります。
主人公の目的と障害が交差する事によって生み出される映画中の最初の山場となります。
また、その中で主人公が目的達成する為の努力=成長を描く事になります。

2つ目の見せ場はこの映画の集大成(山場)になります。ここでは前回のシークエンスで成長した主人公に最大の危機(後退)それに立ち向かう姿を描く事になります。またこのアクトの最後は新たな展開を予感させて最後のアクトへと繋ぎます。

各見せ場やシークエンスを自然に繋ぐ為に Subplots /小話を挟んでいきます。
小話とは大抵、1シーンのみで構成されたごく短いエピソードの事です。

観賞にあたっては以下を念頭に置いて分析していきましょう。

ⅰ.各シークエンスを把握する。
各シークエンスの役割の把握。また主人公の問題と解決方法の特定する。
ⅱ.1つ目の見せ場はどこか?登場人物のどのような行動、問題が成長へと繋がっているのかを把握する。
ⅲ.2つ目の見せ場はどこか?問題の把握と登場人物のどのような行動によって解決へと導かれたかを特定する。
  

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