2019年11月

2019年11月24日



前回の記事から2週間。


恐ろしい福祉介護の世界へ否応なく復帰することになった黒紳士。


事業所の雰囲気には少しづつ慣れてはきたものの、「あれ、なんかおかしくない?」という場面に遭遇することが増えてきた。今回はそれを綴っていこうと思う。


現在、黒紳士は新人研修の真っ最中。この事業所、面接前に調べたデータでは「前前年度の退職者数が数名」いる事業所だった。その轍を踏まじとしてなのか、新人研修期間は長く取られているのだ。黒紳士より1ヶ月早く入社した先輩社員もまだ早番・遅番のシフトには入っておらず、日勤業務を中心に働いている模様。


先輩新人社員は介護福祉士の資格を持っているし、他の施設での経験もあるので、介護スキル的には黒紳士よりもずっと上。指示を受けながらも半分フリーで動いているようだ。


黒紳士は介護経験もスキルも素人に近い状態なので、介護主任さんや先輩職員に付いて業務の見学だったり、【じゃあ、やってみて】と言われた時におむつ交換だったり、入浴介助をしたりしている。基本は研修期間中なので主任職員の指示によって動いている状態。主任が黒紳士の研修評価者なので、彼女の指示が最優先事項になっている。


そんな日々だが、入社して約3週間。やはりここもご多分に漏れず職員不足、仕事量の多さという介護施設の負のスパイラルに陥っているようだ。最初に気がついたのは、共有部分の廊下等に落ちている綿ゴミの多さ。利用者のいる居室は掃除に入るのだが、共有スペースには掃除をしている姿が見受けられない。80人近い人間がいる建物だ。ゴミが発生するのは仕方がないことなのだが、衛生的に如何なものだろう。


これは専門の掃除業者を外部委託すればいい話なのだが、館内の掃除は職員がするのが習わしらしい。だが、他の仕事に追われて掃除をしている暇はない。隙間時間や休憩時間を削って行うのか?外部から利用者さんの家族が来た時、廊下を綿ゴミが舞っていてどう思うだろう?「この施設は掃除はしているのか?ここに家族を預けていて大丈夫か?」と考えるのが普通だと思う。なので、大きなゴミが落ちていたら黒紳士は拾うようにしている。


他に、気がついたのは職員の意識レベル。介護職員も人間だから様々な性格の人がいるのは一般社会と同じだが、性格的におとなしい人が多い印象か。先輩職員さん達は皆、介護福祉士なので技術レベル的には問題が無いのだろうが、福祉サービス業として接遇時には利用者さんへの快活なアプローチも必要なのではないか。あと職員間の連携にも。


おとなしい=口数が少ない、感じであまり職員間でも話さない人が多い印象。黒紳士は新人なのでこちらも遠慮してあまり話を先輩に向けないのだが、向こうも話かけてくることはほぼ無い。「無駄口の箝口令でも敷かれているのか?」という感じ。コミュニケーションスキルが低い人が多いのだろうか。これは男性職員に多い傾向。


一方、女性職員、おばヘル(中年女性職員。多くは施設の人間関係を崩す元凶。パートを含む)には自己主張が強い人が多い。上から目線で話をする人が多いか。つい先日も、夜勤帯の女性職員が近づいてきて【人数が少ないのだから、1階のお茶の準備や配膳を手伝うことも考えておいて!】と頭ごなしに言われた。自分は現在研修中なので、まだ自己判断で動くことは出来ない。主任の指示が無いと動けない状態なのだが。とりあえず言い訳はせず【はい、すみませんでした】と謝っておいた。

しかし、あまりにも理不尽な言われようだったので主任に報告。すると【気にしないで】と主任。すぐにそのおばヘルの所に話し合いに行ってくれた。当のおばヘルもタイトなシフトと人手不足でイライラしていて不満が募っていたのだろう。だが、その不満をまだ右も左も分からない新人にぶつけていては人材育成の観点からは大きなマイナス要素になる。黒紳士も休日前の帰り際に言われたので、嫌な気分になってしまった。


他に、ハード面(設備面)に不満があるか。この施設、男女のロッカー室は別れてはいるが、休憩室は男性のロッカー室も兼ねている。だから、休憩時間になると女性陣も男性ロッカー室で食事をする。そうなると男性ロッカー室では着替えをすることが出来ないのだ。これは少々、困る。せめて、女性の食事スペースを設けるなりしてほしい。


喫煙者の黒紳士。昼休憩は休憩室で弁当を食べてから外出し、最寄りのコンビニ前の灰皿で喫煙をしているのだ。外出にもルールがあって、「制服で喫煙すると煙の匂いがつくので私服に着替えて外出しなさい」と言われているのだ。なんでも利用者から「タバコの匂いがする」とクレームが付くのだとか。施設の建物、敷地内は完全禁煙。喫煙する職員も多々いるらしいのだが、皆、自分の車に行って喫煙するそうだ。


それも紙巻きタバコではなく、電子タバコが「匂いがしない」と上から推奨されているそうだ。ルールはルールだが、強制までされるいわれはない。電子タバコなんか吸うくらいなら、禁煙するってもんだ。愛用のアメリカン・スピリットを吸うために、トイレの個室で私服に着替えて往復20分をかけてコンビニに日参する毎日。あ~ぁ、面倒くせぇ。


福祉業界は高齢者の権利や尊厳は手厚く保護をするが、それに従事する職員の処遇のことは全然気にかけてくれない。喫煙者にはとても冷たい世間の風潮だ。喫煙することだってその人の嗜好だし、個性、権利の一環だと思うのだが。他人に迷惑をかけないようにマナーを守って吸う分には目を瞑ってくれてもいいじゃないか。着替え、外出ルーティンのおかげで1時間の休憩時間もほとんど休む暇は無い。


とまぁ、現在の不満点はこれくらいか。小さなことを挙げればキリがないが。


幸い、主任さんは気の優しい人なので何とか我慢出来ている。これがもう少し経てばどうなるのか?正直、自信はない。現に、一緒に正社員で入った新人さんは座学の1日目を最後に辞めてしまった。今は3ヶ月間の使用期間内なので、もう少し様子見をして自分に合わないようだったら転職を考えればいい、と思っている。自分を曲げてまでしがみつきたい仕事かどうか見極めればいいのだ。


と、こんな感じの最初の1ヶ月だった。やっぱり、特殊な事が多い福祉介護の世界。だから人が定着しないんだよ!!働く人間のことももっと考えてくれよ。と言いたいがためにこの記事を書いた。


我慢出来ないことがあったら辞めるかもしれない。




(09:18)

2019年11月10日




お久しぶり。


長らくブログの更新を怠っていた。「書こう、書こう」とは思ってはみるものの、気分が乗らないというか、筆が重いというかなかなか記事になりそうな事があっても生来の怠け癖が邪魔をしてほったらかしにしていたのだ。


今日までの経過を掻い摘んで説明すると、


前職のバイトが6月末で終了。だが実はバイトは工期が一ヶ月伸びて7月末まであったのだが、80名がそのまま延長になった訳ではなく、そこから厳正なる抽出が行われ30名余りが選抜されたのだった。現場世話役が余計な気を利かせ、黒紳士は選抜から漏れてしまった。詳しい経緯は




の記事を参照されたし。


無職になってしまったが、のんべんだらりとはしていられない。幸いな事に三ヶ月間ではあるが、雇用保険受給資格があったのでハロワに直行。なんとか失業給付を受給出来ることになった。


だが、保険を貰えるのはたった三ヶ月間。その間は日に2回もハロワに通い、求人検索と企業研究に明け暮れた。なにせ、お上にタダ飯を食わせてもらっている身分。無駄遣いは極力避け、慎ましく生活する日々。ハロワに出ている求人は同じメンツ。「人が辞める・仕事がキツイ・人を育てない・誰も応募しない・ブラック職場」な曰く付きの求人ばかり。下手に妥協しては、悪戯に職業経歴に汚点を残すばかりだ。


受給期限が近づいてきた頃、介護系の人材紹介会社に登録をしてみた。「黒紳士の数少ない取得資格のうち、旧ヘルパー2級で就ける仕事の紹介があればなぁ」という軽い感じでの登録だった。Webから仮登録をし、本登録にはこの会社の事業所に行っての面談だった。


この人材紹介会社、登録はしてみたものの、あまり芳しくない感触だった。最初の本登録の面談も30分くらいの面談で終了。その後の連絡は某SNSアプリを使用してのものだった。面談の時にこちらの希望は7割くらいしか伝えきれていないように感じていた。会社の担当者は女性であまり打ち解けた雰囲気が無くて、黒紳士を腫れ物に触るような応対が印象に残った。


何度かアプリでやり取りをして、紹介された2~3件の求人を条件が合っていなかったのでパスをしていたら、とんと連絡が来なくなった。1ヶ月近くも音信が無くなってしまった。「要件が無くてもせめて、週一くらいで活動状況の確認連絡をくれてもいいのに」と思い、こちらから連絡をするのも何だか下手に出るようで癪だったので、自分で就職活動をすすめることにした。


残念ながら、人材紹介会社の担当者さんとは、気軽に連絡を取り合えるような関係ではないように感じた。「例えばこんな事業者はどうですか?」とか「ここの事業所は人間関係の雰囲気が良いですよ」とかそういう求人票からは伺い知れない情報が欲しかったのだが。期待が大きすぎたのか?


自分で仕事を探すにしても、どこに応募をしようか。「やはり、40代中年男性が正社員で入社できるのは福祉業界しかないか」と考えた。今までの福祉業界就業経験では4件中3件がブラック企業と惨憺たる結果で「もう、福祉なんか懲り懲りだ」と思っていたのだが、背に腹は代えられない。

何件か候補を決めて、自宅から歩いて通える街なかの事業所に応募をしてみた。面接に行ってみると、事業所の施設長と一対一の面談。「うむむ、この施設長のワンマン体制なのかなぁ?普通は事務長みたいな人と、現場のリーダーみたいな人と3人くらいで説教されるのがパターンなのに」とこれまでの福祉系面接でのイヤな記憶が蘇る。


この施設長さん、歳は自分とあまり変わらない49歳の人で話し好きらしい。ちょくちょく、雑談を挟んでくる。だが、チェックは細かくて応募書類の中の職務経歴書の職業経歴をつぶさに一つずつ確認をしてきた。これには参った。何せ、どれだけ端折って書いても10数件は経歴書に記載してある。


一つ、5分くらいでも全部を確認するのに、小一時間くらいかかってしまった。仕事内容の補足と、退職理由を正直に答えていく。この際、上手く取り繕ってもボロが出るので、言いにくい人間関係での退職も正直に話した。面接ではNGとされる答えだが、何を今更という心境だった。


経歴の確認が終わり、施設長さんからの説教タイムが始まるのではないかと暗澹たる気持ちで待っていると、


【黒紳士さん、この施設でやっていく覚悟はありますか?】


【ご承知のとおり、この仕事は大変な仕事です。今まで色々と苦労されてきたようですが、あなたがもう一度やり直して、生まれ変わったような気持ちで頑張る覚悟はおありですか?】


このパターンは想定をしていなかった。説教をされて終わりだと思っていたので、この面接は予行演習くらいに考えていたのだ。これはやる気を試されている質問だ。どうするか?


瞬時に考え【はい、ここの玄関をくぐった時から覚悟は決めておりました】と返事が出た。


(心の声)「ええーっ、マジかよ?黒紳士!?」


という訳で電撃的に就職が決まった。この事業所、Webで調べた際に前前年度に一年間に数名の退職者を出していたので、少し気にかかっていたのだが、渡りに船とは正にこの事だ。施設長さんとガッチリ握手をして面接から帰路についた。


人材紹介会社に一応、仕事が決まったことを連絡した。電話の相手が紹介担当の人だったかどうかも分からなかったが、仕事が決まったこと、お世話になったことを伝えた。何気に個人情報の取り扱いを気にしている黒紳士。もう縁切れなので「提供した個人情報はちゃんと抹消してくれるのか?」と質問をしたかったのだが、聞きそびれてしまった。向こうは「こんな我侭ちゃんなのに、仕事が決まったのぉー?嘘ーぉ!!」という感じで驚いていたようだった。(黒紳士の主観)


他に、雇用保険は受給期間は終わっていたので、面倒な手続きはなかった。しかし、他にも採用者が2人いるとのことで、面接から4日後には出社することになった。健康診断書やら、手続きの書類やらで、残り少ない所持金を結構減らしてしまった。だが、必要経費。渋々ながらも準備をした。


そうして就業してから一週間がたった。現在は研修期間中で、人の顔と名前を覚えるのに苦労している。50名くらいの利用者さんに、職員も覚えなくてはならない。幸いな事に研修期間は長く取られているので、まだケアサービスに入ることはない。とりあえず、少しづつ様子を見ながら骨を埋められる環境であるのかどうか判断していこうと思う。



こんな近況を送っている黒紳士だった。













(12:30)