五里霧中

2018年05月04日

2012



桜の季節が終わり、暦は5月になった。


「やっとストーブがいらなくなったか」と安心したのもつかの間、大型連休の後半はぐずついた天気が続き、寒がりな我が家では再びストーブの出番となった。


ハローワークはカレンダーどおりの営業で仕事探しも連休モード。Webで探してはみるものの、応募資格に当て嵌まらない求人ばかりで、成果はない。


求人数はあるものの、注釈つきの人材募集が多い。やれ、「◯◯の資格を持つ人優遇」だの「年齢は△△歳まで」だの「✕✕の実務経験がある人希望」だの、企業は即戦力となりうる人材を所望している。


超高齢化社会・人口減少時代に突入している我が国、日本。人材不足の声が聞こえているが、秋田あたりの中小零細企業ではどんな職種が人材不足なのか?ハロワの使えない検索PCでは応募状況は確認出来ないので、応募状況を確認するためには相談窓口に呼ばれるまで順番待ちをしなくてはならない。


先日も、検索コーナーで仕事を探していたら隣接している相談ブースからハロワの相談員の声が漏れ聞こえてきた。最近では本人確認と称して相談窓口では求職者の生年月日を確認される。ハロワも役所のはしくれなので、個人情報管理に乗り出しているのは仕方がないことだが、もっと呆れる事態があった。


相談員の声が聞こえてきて、どうやら電話で応募先の担当者と通話しているようだった。『応募する方のお名前は◯◯◯◯さん、◯◯にお住まいの30歳の男性の方です。連絡先は090-◯◯◯◯-◯◯◯◯です。それでは応募書類を郵送させて頂きますので、よろしくお願いします』


個人情報管理の徹底を標榜しておきながら、検索に来ている「第三者に求職者の個人情報を聞かせるとは!」相談員の声が大きいとはいえ、プライバシー保護の為に設置してあるパーテーションがまったく機能しておらず、消音・防音機能が皆無だったのだ。


これには居ても立っても居られず、よほど受付窓口に抗議しようとも思ったが「こいつ、仕事に就けないからって、腹いせに難癖をつけにくるクレーマーの類いだな」とハロワ職員に思われるのも嫌だったので、ハロワに設置してある目安箱ならぬ「ご意見受付箱」に匿名で投書した。


・検索エリアにいると相談窓口の会話が筒抜けであること
・求職者の個人情報を扱っているのだから、プライバシーには配慮するようにしてほしい


まったく、庁舎設備の不具合とはいえこの程度の情報管理も出来ていないとは茨島(ハロワの所在地)のレベルもたかが知れているといえよう。自分が長い待ち時間の末、ようやく辿り着いた相談窓口で迂闊な相談員のせいで、他の求職者に個人情報がダダ漏れ状態なんて我慢がならない。



それはさておき、大型連休、夜は撮り溜めておいた映画をチビチビと鑑賞している。


昨夜に観たのはローランド・エメリッヒ監督のディザスタームービー(パニック映画・災害映画)BS無料映画では初放送となる「2012」主演は、ジョン・キューザック。


エメリッヒ監督と言えば、インデペンデンス・デイ、デイ・アフター・トゥモロー、Godzillaなどで知られる売れっ子監督だ。




 




あらすじは、



2009年、インドの科学者サトナムは、地球内部が加熱され流動化が進んでいることに気が付き、数年後に地球的規模の地殻変動により大破局が起きることを突き止める。惑星直列が原因で太陽活動が活発化し、コロナが地球を蔽ったため、地球内部がプラズマで加熱されることで、マントルの流動性が増しマントルに浮いている大陸が沈んだり傾き、地殻大変動が起きると予想された。科学顧問のエイドリアンから世界の終末を伝えられたアメリカ大統領のウィルソンは、主要国首脳会議でイギリス、ロシア、フランス、ドイツ、イタリア、日本、カナダの首脳に事実を報告。先進国は極秘裏にチョーミン計画を実行し、世界各地の歴史的な美術品を後世に残すために、密かに偽物とすり替え運び出し始めた。

2012年。海賊ラジオを流している変人チャーリーの情報から世界の終末を知った売れない作家のジャクソンは、元妻のケイトと息子ノア、娘のリリー、ケイトの恋人で整形外科医のゴードンと共に、チャーリーが知る避難場所の地図を入手するため飛行場へと急ぐ。程なくして世界各地で、未曽有の地殻大変動が始まった。大地震により市街地が崩壊し、火山の大噴火に加え、数千キロにも及ぶ大規模な大陸移動まで起こる。終末を迎えようとする中で、人類は生き残る術を必死に模索し続ける。

やがて、先進国が極秘裏に進めていた「ノアの箱舟」計画こそが生存への唯一の道だと知ったジャクソンらは、ノアの箱舟の建造地である中国に向かうためラスベガスに向かうが、そこでジャクソンの雇用主であるロシアの大富豪ユーリのプライベートジェットに便乗して、中国へと向かう。しかし、給油のために寄ろうとしたハワイは既に全滅しており予定地の手前で燃料切れとなり不時着する。途中で中国軍のヘリ部隊に発見されるが、「ノアの箱舟」への搭乗パスを持っているユーリ父子のみが救助され、ジャクソンたちは置き去りにされてしまう。

ジャクソンたちはノアの箱舟を目指して歩き始めるが、途中でチベット人僧侶ニーマ一家のトラックに遭遇し、彼らと共にノアの箱舟への密航を図る。しかし、数千メートル級の大津波が押し寄せていることが判明し、予定よりも早くノアの箱舟の出航を強行しようとしたため、取り残されたユーリたちは暴動を起こす。助けを求める人々を見たエイドリアンは各国首脳に人々を助けることを訴え、首脳たちも提案を受け入れ、ノアの箱舟のハッチを解放する。しかし、箱舟の油圧室にいたジャクソンたちが巻き込まれてハッチが閉鎖できなくなってしまう。

箱舟は大津波に襲われ、ハッチから大量の海水が入ってくる。ジャクソンはハッチを閉鎖するため水没した油圧室に向かい、ノアと協力して機械に絡まっていたケーブルを取り除く。ハッチが閉鎖した箱舟はエンジンを始動し、無事に大津波を乗り切る。1か月後、箱舟の一行は大陸が隆起して難を逃れたアフリカ大陸の喜望峰に向けて進路をとる。Wikipediaより



感想は、



前半部分のCGで描かれていたカリフォルニア都市部の崩壊模様は、とてもリアルで自然災害が多い日本に住む者として「こりゃ、他人事ではないな」と思った。なにせ、借り物のロングホイールベースのリムジンで主人公家族が崩れ去る街中を避難するシーンでは、あたりの道路が次々と陥没し人や車、建物がマグマ煮えたぎる地下へ飲み込まれていくのだ。



北米でもカリフォルニア州はたびたび地震に見舞われている地域なので、実にリアルだった。作中では地殻変動による地面の液状化や崩落だったが、大地震が起きれば北米大都市圏はひとたまりもないだろう。最終的にカリフォルニアからの脱出にはセスナ飛行機が使われたのはアメリカらしいところ。日本だったらこうはいかない。



避難所に逃げようにも歩いていける地面が無いのだから。夢想家の黒紳士としては「こんな時にこそ、アベンジャーズの出番だろ!彼等は宇宙人の襲来時にしか出番が無いのか!」とツッコミを入れたくなった。けれどもアイアンマン達が出てきたら違う作品になってしまうので、ここはグッと我慢して人類のやられっぷりに付き合うことにした。(だが、あの過酷な状況で戦力になるのはアイアンマン、マイティ・ソー、超人ハルクくらいだろう。火災やマグマが吹き荒れ、超高層ビルが瓦解する状況では、人間キャラのブラック・ウィドウ、ホークアイには厳しかろう。キャプテン・アメリカすらヤバい状況だ)




それにしても、ジョン・キューザック演じる主人公のジャクソン。売れない小説家で、著述業だけでは食べていけず、金持ちの雇われ運転手をして別れた家族への養育費を払っている設定。幼い娘は懐いているが、長男のノアにはウザがられている。おまけに元妻ケイトも、隣家の整形外科医ゴードンと懇ろの模様。(間男ゴードンは鼻持ちならないキャラかと思いきや、案外いい奴。終盤に脱落するが)


もう一人の主人公、エイドリアン・ヘルムズリー博士の愛読書がジャクソンの小説という縁でジャクソンと意気投合するのはいささかご都合主義か。ヘルムズリー博士もいい奴設定だが、悪役の大統領首席補佐官アンハイザーの官僚主義に異を唱えるものの、上司には逆らえず終盤まで渋々と従うことに。


人類最後の希望、ノアの箱舟が中国で作られているというのも甚だ疑問だ。2012年公開当時は、中国が頭角を現してきた時期で「物作りなら中国」「世界の工場・中国」と認識されてきた時期か。しかしながら、あれ程の大型艦艇を作るのなら中国の山奥では無理っぽいと思うが。


アメリカのシカゴあたりで職にあぶれた元自動車工場作業員を集めたり、アラスカあたりにアメリカが誇る秀才エンジニアが集結し秘密工場で造船していた方がまだしっくりとくる。


物語の佳境になって、避難民を方舟に乗せる・乗せないの問題が勃発するが、全く感情移入出来なかった。そもそも、そこに集まって来ている連中は金に物を言わせて搭乗チケットを買った金満家や裕福な者たち。結局、非常時に助かるのは金持ちだけということか。


ジャクソン家の様に、噂を聞きつけてここまでやって来た一般市民も紛れ込んでいなくもないだろうが。この作品では無職の中年男、黒紳士が助かる可能性は微塵もない。


ヘルムズリーがジャクソンの小説の言葉を引用し、外にいる「避難客を乗せない」という意向の各国首脳を説得するシーンを製作者側は感動シーンとして演出したのかも知れないが、前述の理由で全く盛り上がらなかった。「舟のハッチが閉まらず、エンジンをかけることが出来ない~」というイベントを最後のハイライトにもってきていた。



これもこっそり舟に忍び込んだジャクソン達がおイタをして舟のハッチ可動部分にケーブルを挟み込んでしまったせい!?(たしかそうだったような感じ)とにかく、ジャクソンが浸水してきた水中に潜ってケーブルを除去する。何故か、別れたジャクソンを嫌っていた息子のノアが手伝いにくる。途中にも父と息子が和解するシーンの挿入が無かったので何故、この期に及んで元父親をサポートしようとしたのかノアの行動心理が理解できなかった。


と、前半の人類がやられまくるシーンはやたらと気合が入っていたが、後半の人間ドラマがチープというか演出下手おまけに説明が不親切で、かなりの残念感が漂う作品だった。長尺映画だったが、編集の仕方や演出が今イチなのは否めない。(テレビ放送映画でCMが入り、編集カットシーンもあったとしても)

製作者側としては、前半では災害の恐怖を。後半では人間ドラマを見せたかったのだろうが、人間ドラマの過程を事細かに描写できていなかったので、後半がかなり苦しくなった。「バラバラだった家族が衝突しながらも、数々の困難を切り抜けてラストでは本当の家族になる」というのがアメリカ映画の常套手段なのだが、この作品は「あれも、これも」と詰め込みすぎた感がある。


文句ばかりになったが、キャスティングは悪くはなかった。好きなキャラは前半部で主要な役割を果たすウディ・ハレルソン演じるチャーリー・フロスト。初出は胡散臭いキャラだったが、これから起こりうる事態をきちんと言い当てていて、彼がいなかったら、ジャクソン家族は中国まで辿り着けなっただろう。「ナチュラル・ボーン・キラー」撮影時からかなり歳をとったが、存在感のある俳優さんで好きな俳優の1人だ。


もう1人はアメリカ大統領役のダニー・クローヴァー。「リーサル・ウェポン」シリーズの俳優だ。この大統領、人間としては素晴らしいが、為政者としては失格だ。イエローストーン火山の大爆発により火砕流がワシントンDCにも迫る。避難命令が下り、大統領にもエアーフォースワンが準備されるが、彼は避難を拒否する。


大統領はワシントンDCに敢えて残り、人間として正しく生きようとするが最後は襲ってきた大津波の犠牲になる。有事の際、最高指揮官を失った組織は弱体化する。人間としてはズルくても大統領の職責を考えれば、ウィルソン大統領は生き続けるべきだった。ダニー・クローヴァーもテロップが出るまで彼だとは気が付かなかった。歳をとったものだ。



この作品を観て、南海トラフ巨大地震も他人事ではないような気がしてきた。東日本大震災の記憶も新しいところだ。いつ起きてもおかしくはない大地震や自然災害。日本に住んでいる以上、免れることはできない。それに備えておかなければ。



映画では日本列島は巨大津波で水没してしまったのだから。



映画のエンディングが、絶望的な鬱エンドではなく、最後に希望の持てるエンディングだったことがせめてもの救いか。防災意識を思い起こさせる映画だった。





gwabomb at 09:25│Comments(0)映画 | 転職活動

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