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2018年06月14日

弓と剣




読書が好きな黒紳士。特に小説を読むことが多い。


読書や映画が好きなのは、自分が作品の主人公になりきってその世界に没入し、疑似体験ができるからだ。よって感情移入をしやすい作品や主人公だったら、自分が冒険や事件の体験をしたことになる。面白い作品だったら、つまらない日常から開放され高揚感や達成感に浸ることができる。だから読書はやめられない。


バイトの勤務開始までまだ間があるので、足繁く図書館に通っている。家から近い市立明徳図書館(流行りのネーミングライツで北都ライブラリーというらしいが、誰もそんな名前では呼ばない)に行くことが多いのだが、明徳館は新書や話題の作品が書棚に並ぶことが少なく、ちょっとガッカリ図書館だ。


先日、気が向いて新屋図書館に行ってみた。新屋地区へは秋田大橋を渡っていくのだが、車で渡るならなんともないが、歩きや自転車で渡るとちょっとしたスリルを味わうことになる。大橋というくらいだから結構長い橋で、橋の欄干も低く、橋の半ばくらいから雄物川を望むと高所恐怖症の人にはスリリングな眺望が広がっている。実際、川面から橋まで高さもかなりあり、野趣溢れるロケーションになっている。


風も強く、自転車を漕ぎながら被っていたキャップが飛ばされないかヒヤヒヤした。橋上はいつも強風が吹いているので、自転車で走っていて風に煽られることも少なくない。もう少し風よけ対策として防風壁を高くするとか防風ネットを設置してほしいところだ。大橋をヒーヒーいいながら新屋側に渡ると美術大学の建物が見えてくる。新屋図書館はその一角にある。


新屋図書館は新しめの建物で、内装もとてもきれいな図書館だ。雑誌類の種類が多く、明徳館よりも総じてセンスが高く、黒紳士内ではグレードが高い。小説類は数では劣っているが、読みたいような本が多い。いつものように、その日に読みたい本を作家別に分類された書架を周って選ぶ。図書館だから本を借りて家で読めばいいのだが、借りて行ってしまうと、本を読むという義務が発生してしまう。


自分は読みたい時に本を読みたいので、本を借りることはしない。これはDVDやBlue-rayの映画ソフトにも共通する。映画も観たい時に観たいのでレンタルショップは利用しない。ただ単に借りる手続きが面倒ということもあるが。


書架を周っていると、綾辻行人の館シリーズを発見。綾辻行人さんの作品は「殺人鬼」シリーズや〇〇館の殺人など、ミステリー系が好きだ。密室や辺鄙な洋館で繰り広げられる推理ミステリー。「今日はこれを読もうかな?」と思ったが如何せん、上・下刊に分かれ、厚みがかなりあった。黒紳士の図書館での平均滞在時間は2~3時間なので、とても読み切れる作品ではない。


やって来るだけで疲れる新屋図書館。(大橋を渡るのがネックなのだ)次はいつ訪れるか分からない。「読みたいのは山々だが、こいつは止めておこう」と密室洋館ミステリーは却下。読む本の選定に戻る。


で、手にとったのが淳Aさんの「弓と剣」。むむ、今流行りのライトノベルというやつか?作者の名前も聞いたことがない。表紙の装丁イラストからしてファンタジーっぽい。取り敢えず、読んでみるか。


あらすじは、


とある貴族のおちこぼれ三男が北の原野を旅していた。素直で天然な青年の名はサダ。若き日に憧れた稀代の剣士・リイが所属する北軍に入隊するためだった。 その道中、巨大なオークたちが襲いかかる。絶体絶命の危機を救うため、現れたのはリイ率いる北軍――だが、サダはたった一人、自慢の弓で六頭ものオークを全滅させた! これが後世に語り継がれる「六頭殺しの若」サダと、「北の猛虎」リイの出会い――「弓と剣」伝説の始まりだった。 荒涼とした北の地に息づく家族や軍人の想い。将来を夢見る青年たちの絆。緻密なドラマと世界観に胸が熱くなる本格ファンタジー!         Amazon紹介文より



感想は、


「とても面白かった!」ライトノベルのように文章が軽妙かつセンスが良くて、ストーリー展開のテンポが良い!登場する人物も個性的で、主人公ヴィジャヤン・サダは現代日本のどこにでも居そうな若者だがどこか憎めない愛嬌がある。ヴィジャヤン伯爵家の三男だが、貴族の家で育った割には気取ったところが無く、素直で能天気な愛すべきキャラクターだった。


ヒロイック・ファンタジーに分類されるこの作品だが、モンスターや魔法が飛び交うような話では無く、皇国内の内紛を巡る軍隊群像劇といったところか。(まだ全編を読了してはいないので、違ってたらごめんなさい)話もサダの視点から語られる他にサブキャラクターの視点で語られる話も挿入されていて面白い。


だが、なんといってもサダ視点の話がいちばん魅力的で、本人が「自分は大したことがない」「自分は取り柄のない只の三男坊だ」と思っていても他のキャラクター視点の話になると「若は本当に凄い奴だ!」となる対比が面白い。登場するサブキャラクター達も、気のいい人物が多い。従者のトビや補佐のマッギニスなど怜悧で有能なキャラにサダが腰が引けるのもウケる。



タイトルになっている弓はサダのことで、剣はサダが師範と呼び、北軍入隊のきっかけとなった敬愛するリイ・タケオ大隊長(現時点でタケオが大隊長になったところまで読んでいる)のこと。主人公の得意スキルに弓をクローズアップしたのもイカしている。この弓と剣と呼ばれるようになった二人の英雄の冒険を描いたのが、たまたま図書館で手にとったこの本だった。



新屋図書館には1巻と2巻があり、1巻を読了してその日は帰った。通常、手にとった本を読了して帰ることは無く、200ページくらい読んで脳内栞を入れて帰ることが常だった。しかし、久々にファンタジーもので面白い作品に巡り会えて、とてもラッキーだった。次の土曜日も2巻を読みに新屋へ通った。2巻も即日、読了してしまった。



帰宅してWebで調べてみると、この作品はもともとWebで公開されていたことを知った。






「おぉ、Webで続きが無料で読めるんだ。とてもラッキー!!」今までWebで小説を読むことは無かった。ディスプレイで小さなフォントを追うのは苦痛だと思っていた。「本は手にとって読むものだ」と固定観念を持っていたが、作品の面白さにその考えを覆された。便利な世の中になったものだ。



ということは、この作者の淳Aさんは職業小説家さんではないのか?「小説家になろう」というサイトに投稿されている作品らしい。ノン・プロなのに、ここまで面白い作品を執筆出来るなんて、凄い人がいるものだ。「文章というものは、難しい比喩や慣用句、文法を駆使しなくても、面白い文章を書くことが出来るんだなぁ~」と感心してしまった。



メガネを使用し、小さなフォントを拡大してノートPCに向かってこの作品を読んでいる黒紳士。眼には悪いことは確かだが、「好きなものは体に悪い」ことが多いのが世の常。



あまり読み進んでしまうと後の楽しみが少なくなってしまうので、弓剣ジャンキーにならない程度に楽しむことにしよう。



今日の一曲は、黒紳士がこの作品をイメージした曲。










gwabomb at 11:08│Comments(0)読書感想 | 好きな曲

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