2012年01月17日

ゼロ年代映画ベスト10

1位
「宇宙戦争(2005)」スティーヴン・スピルバーグ
2位
「サイン(2002)」M・ナイト・シャマラン
3位
「グエムル 漢河の怪物(2006)」ポン・ジュノ
4位
「ダークナイト(2008)」クリストファー・ノーラン
5位
「人狼 JIN-ROH(2000)」沖浦啓之
6位
「CASSHERN(2004)」紀里谷和明
7位
「エヴァンゲリヲン新劇場版 破(2009)」庵野秀明
8位
「崖の上のポニョ(2008)」宮崎駿
9位
「ドッペルゲンガー(2003)」黒沢清
10位
「時をかける少女(2006)」細田守

1監督につき1作品で選びました。
そうしないとスピルバーグ、ポン・ジュノ、シャマランの3人でベスト10が埋まってしまうからね……。
Wikipediaの2000〜2009年日本公開映画リストを参考にしました。
ベストに選ばれた映画は破綻や歪みを抱えているものが多くなったと思います。
あと日本アニメと日本映画が多くなったのは意外でした。

「宇宙戦争」「サイン」「グエムル」って3本はやはり特別なものがあります。
ジャンルムービーであること、にもかかわらずその枠組みを大きく踏み越えていること。素晴らしく美しいショットがあり、的確かつ高度なカメラワークと編集がある。そしてなにより、そのような繊細な演出全てを台無しにしてしまうような大きな破綻、あるいは飛躍を恐れることなく身の内に抱えこんでいる。
まるで透明な語り(narrative)こそが攻撃の対象であるかのように自らの姿を大きく歪ませ、観る者を居心地悪い気分にさせる。おそらくそれは、彼らが客観的な観察者としてではなく、事件の当事者としての語らざるが得なかったゆえの歪みなのだろう。
しかしこの3本ってほとんど同じ話だよな。

「ダークナイト」
ベスト3に比べると破綻がなさすぎるところがマイナスです。クリストファー・ノーランは真面目すぎる。

「人狼 JIN-ROH」
ゼロ年代の最初というより、20世紀最後を締めくくるアニメーションだろう。この映画にはひとつのメディアの終わりに向き合わなければならない悲壮感がある。

「CASSHERN」
みんな文句いってるけどさあ、結局これだけの志と切実さを持ってものを仕上げたやつがこの10年の日本にいたのかっつー話だよ。ベスト3が「当事者であること」に誠実な映画であるなら、この映画は「当事者ではありえないこと」に対して徹底的に誠実な映画だ。この映画をゼロ年代日本映画のトップに置くことにいささかの躊躇もおぼえないね。

「エヴァンゲリヲン新劇場版 破」
旧作とのギャップに魅力の大部分を背負わせてしまっているのはどうかと思うのだけれど、しかしそのことで非常にスリリングな映画に仕上がっているのも確かだ。

「崖の上のポニョ」
ミニマムなU字の構造から溢れ出てくる不気味なもの。宮崎駿は「千と千尋の神隠し」からはじまる混乱した空間構成を、抑圧することなく制御する術を覚えはじめたのかもしれない。現時点で最も複雑な宮崎映画だと思う。

「ドッペルゲンガー」
この映画のような、複数のトーンを軽やかに転調していく不真面目さは日本映画の大きな可能性のひとつだと思っていたのだけど……。

「時をかける少女」
なにをしでかすかわからない山猿みたいな主人公が魅力的。記号的なフェティシズムを喚起させることがない(要するに“萌え”を感じさせない)、ということはつまり描写が過不足なく十全であるということなのだろう。

次点としては「愛のむきだし」「インランド・エンパイア」「スパイダーマン」「チェンジリング」「ブラックブック」「アバター」「ノーカントリー」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」などがあげられます。
未見の作品でベスト10に食い込みそうなのは「ヴァンダの部屋」「トゥモローワールド」「ホット・ファズ」あたりですかね。
「トゥモローワールド」は観られなかったのが本当に残念。邦題が悪かった。

リストを眺めているだけでもすごく楽しかったです。
まあ、こんな感じです。

オマケ
Wikipedia見て思ったのだけど1999年の公開作品がヤバいね。
「ガメラ3」「ファイト・クラブ」「シックス・センス」「マトリックス」「御法度」「リング2」「黒猫・白猫」「ボーラX」「ニンゲン合格」だって。
スゲー年だな。



(14:33)

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