G(じー)ちゃん

2015年02月25日

ひきこもり・・・・・潤の場合

※個人が特定されないよう名前・年齢・エピソード等、若干脚色しています。

春間近ではあったが、冷たい北風が吹いておった。
潤は、何の前触れもなくやって来たんじゃ。
数年前のことじゃ。

予約をするとか親と来るとかではなく、ひとりでぶらっとやってきた。
わしにはぶらっとやってきたように見えたが、実はかなりの勇気を振り絞って入ってきたに違いない。なぜなら、サポステの前を行ったり来たりと悩み、帰っていく人を何人も見ておるからのう。
サポステの玄関の硝子扉を開けるのは、実に勇気がいるんじゃろう。

潤はゆっくり時間をかけて語った。
(自分は高校を中退してから何もしていない。中学も不登校だった。親が勝手に高校を決めたが自分は行きたくなかった。中退して3年ほとんどの時間を自分の部屋で過ごした。)
そんなことじゃったと記憶しておる。
「これからどうしようか?」

潤の引っ掛かりは、両親との関係に由来しておるようじゃった。立派(すぎる)な父親とバランスの悪い(ヒステリック)母親、翻弄される自分と弟。弟を守らなければならないという使命感。出来ない自分・・・・・・
厳格な父親の抑圧は潤の心を凍らせてしまっておった。

「働かねば。」
「自立せねば。」
「弟を守らねば。」
「母を守らねば。」
という思いが、更に潤の行動を制限してしまっているようじゃった。

潤は、元来成績優秀じゃった。
彼のプライドが、「出来ない自分」を許せないでいるようにも見えた。

潤はゆっくりじゃったが、自分と向き合う時間を持ったんじゃ。
実に勇気がいる作業じゃ。
他者より優秀だった自分、リーダーだった自分、できた自分が・・・・・

誰よりもダメな自分。
非力で何もできない自分。
立派でもなく、最早自分より成績の悪かった級友よりも劣っていると思われる自分。

直視するには辛すぎるじゃろう。

じゃが、潤がそれを受け入れたとき、潤の前は開けた。
工場や農業といった仕事に偏見を持っていた潤が、工場の仕事を見つけてきたんじゃ。

「とりあえず、工場の仕事をやってみる。社会へのステップにしたい。」

元来優秀じゃからな。
理解も早いし、仕事もよくできる。
職場での信頼も厚い。
本人はステップアップするつもりでおったが、、、、、

潤や・・・・今更、辞めると言えるか?


gyss at 22:37|PermalinkComments(2)clip!

2015年02月24日

ニート・・・・・・・田中の場合

※個人が特定されないよう名前・年齢・エピソード等、若干脚色しています。

田中が初めてサポステにきたのは、彼が38歳の時じゃった。

田中は地元の工場で正社員として働いておったんじゃが、プログラマーになりたいと一念発起。独学でプログラマーになるべく勉強しておった。自分の中では、そこそこの実力が付いたと思ったんじゃな。田中は積極的に就活をしておった。求人を見つけては、履歴書を書き面接の繰り返し。

しかし、プログラマーはほとんどが経験者の求人じゃった。当然といえば当然じゃろう。新卒でもなく、40歳近い新人、しかも未経験者じゃ。


採用の道は果てしなく遠いように思えた。

田中は職業訓練を受けることにした。プログラマー養成講座じゃった。ゆるぎない思いを感じたものじゃ。
半年ほどの職業訓練の後、再度就活に入った。少なくても、プログラマーとしての講座は終了している。経験者とは言えないが、実力はあると判断してもらえると信じておった。

じゃが、世の中はそんなに甘くないのじゃな。10数社も面接に出かけても採用通知は来なかった。人間、10か所以上に不採用をもらうと、(自分は世の中に必要のない人間なのではないか?)などと自己を否定してしまうじゃろう?田中も相当落ち込んだと察するのう。

ある日、田中は思ったんじゃ。
「自分を必要としてくれるところがあれば、他の仕事でもいいんじゃないか?」

ある施設の求人を見つけた田中は、応募してみたんじゃ。この仕事も初めてじゃった。
そこで、田中は言われたそうじゃ。
「君を指導してくれる人は、君よりも20歳近く年が下の人です。大丈夫ですか?」と。
「大丈夫です。」と田中は答えたそうじゃ。そして
「頑張ります。」と言ったそうじゃ。

結果は採用じゃった。今は、その仕事に従事しておる。
人に頼られ、当てにされておるそうじゃ。

やりたい仕事につけるとは限らない。気持ちを切り替えて、新しい自分と出会うのも悪くないのう。

gyss at 20:49|PermalinkComments(3)clip!

2015年02月21日

ニート・・・・・・・神谷の場合

ニートという言葉は、学んでいなくて仕事もしていない状態をいうんじゃな?

北斗寮のスタッフにいる神谷は、今ではスタッフじゃが、その前はニートじゃった。まあ、前職を辞めて次の職が見つかるまでは、みんなニートということじゃ。

神谷は面接当日、予定時間になっても来んかった。(何時が約束だったのかはわからんが、まさか朝8時ということもあるまい。)
鈴木所長は、神谷に電話したそうじゃ。
しばしの呼び出しの後
「・・・・・・・はい。」
と出た神谷に、鈴木所長は
「・・・・・・寝てた?」
と言ったそうだ。
驚いた神谷は、ガバッと起きて
「すいません。寝てました。今から行きます!!!」


面接時間に寝ていたなんぞは前代未聞じゃろう。

じゃが、ちょっと考えてみようではないか?

まず、鈴木所長が電話をした・・・・・・・(のっぴきならない用事があれば、本人から電話すべきであろう。連絡もなく来なければ、就労意欲がないとみなされても仕方がないのう。)
そして、神谷は、素直に「寝てました。」発言をしているのじゃ。まあ、寝起きだから言い訳を考える暇もなかったろうが、、、、
とりあえず電話には出ないでおいて、言い訳を考えてから折り返し電話する…などという姑息な手段もなくはないのにのう。
とにかく、神谷が面接の上採用になったことは言うまでもなかろう。


ここに、人との縁を感じるのう。
神谷は、今の仕事に誇りをもっている。北斗寮のスタッフが天職であることは、自他共に認めるところじゃ。
人との関わりが如何に楽しく、大切かを身をもって教えているようじゃ。

誰もが失敗をする。が、謙虚さと素直さと熱い思いが自分のチャンスをひろげていくんじゃろうな。


この失敗は、今では武勇伝になっているようじゃ。


gyss at 13:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

2015年02月20日

ひきこもり・・・・・・・翔太の場合

※個人が特定されないよう名前・年齢・エピソード等、若干脚色しています。

翔太は小学校5年生から学校に行けなくなったんじゃ。
中学校も一日も出席していないっていうから、筋金入りの不登校児じゃな。

翔太が母親と初めてサポステに来た時、翔太は22歳になっていたんじゃ。つまり、11歳から22歳までのほとんどの時間を家の中(自分の部屋の中)だけで過ごしてきたということになる。家から出るのは、家から遠く離れた量販店に両親と行くくらいじゃった。それも、滅多になかったんじゃな。同級生や知人に会うのが嫌で、近所で買い物をしない人は多いのう。

翔太はサポステの中に居場所を探しておった。母親に送迎され毎日きていた。(何かをしなくちゃ・・・・)という気持ちだけが支えになっていたように見えたもんだ。やがて、サポステの中でトランプをしたり、ジョブトレで焼き鳥屋をやったりするようになると自分の居場所ができたようじゃった。顔見知りも増えた。

少し動けるようになったある日。一日だけのアルバイトの話が来た。簡単な作業だという話じゃったから行くことにした。ところが、本人は当日来なかった。(サポステは、こんなドタキャンには慣れているので驚かん。)しかし、ドタキャンをした本人は、まじめなんじゃな、サポステに来れなくなってしまうんじゃ。
数日後、翔太は来た。勇気を振り絞って来たのは一目瞭然だった。誰もアルバイトの話はしなかったし、何事もなかったようじゃった。
ところが、何もなかったようだったのはサポステスタッフだけじゃった。

翔太は自問しておった。
(なぜ、動けないのか?)
(なぜ、たった一日のアルバイトにさえ行けないのか?)
(このままで良いのか?)
(いや、今のままでいたくない!)
(変わりたい!!)

翔太の行動は目に見えて変わっていきよった。本人の変わりたい気持ちが、こんなに人を変えるのかと驚くほどじゃった。ボランティアやプログラムに積極的に参加するようになると、翔太が気配りが利き仕事のできる子だとわかってきたんじゃ。
翔太は、あっという間に短時間アルバイトを経て、現在は正社員として働いておる。

引きこもってしまった理由を追及して、そこにある不安を払しょくしなければならない場合もある。しかし、翔太のように長引いてしまうと、最早その原因は変化してしまっていることがあるんじゃな。こうした場合、現在引きこもっている原因は、長く社会と離れてしまっている不安に過ぎないということになる。解決は社会に出るだけじゃ。

gyss at 14:12|PermalinkComments(2)clip!

2015年02月19日

ひきこもり・・・・・・真奈の場合

ブログとやらでは、はじめましてじゃな。

わしは、Gちゃん(じーちゃん)じゃ。
懐かしく思う輩もおるはずじゃが覚えておるか?

わしは、がまごおり若者サポートステーションのマスコットキャラクター「みちがえる君」の前に活躍していたんじゃが、寄る年波には勝てず、隠居しておった。
しかし、ひとりはさびしい・・・

そ〜〜〜だ!
昔話でもしてみるか!!!

というわけで再登場じゃ。


わしがここで出会った子どもたちの話しをさせてもらうとする。
個人が特定されぬよう仮名を使おうと思う。
(もしかしたら、自分のことかもしれぬ)
と思われる節があればご容赦願いたい。


※個人が特定されないよう名前・年齢・エピソード等、若干脚色しています。


1.真奈(まな)
真奈に出会ったのは、数年前じゃ。当時20歳だった真奈は、髪はボサボサでいつもジャージを着ておった。スタッフとも目をあわせず、話しかけても薄笑いをするだけの女の子じゃった。
真奈は高校卒業後すぐに介護の道に進むべくある病院に就職した。介護では、人の顔色や状況で指示されなくても動けることが望ましい。真奈は元来、明朗な性格じゃったそうだが、気が利かない、融通の利かない子じゃった。1年も経つ頃には、使えない子として扱われた。真奈は、耐えられずに退職した。
退職まで、相当なストレスの中で我慢し続けた真奈は、家から出られなくなってしまった。俗にいう引きこもりじゃ。家族は慌てた・・・あっという間に1年が過ぎていた。
母親に連れられて、初めてサポステに来た真奈は、背を丸めてうつむいていた。
少しづつサポステのプログラム(ジョブトレ)に参加し始めた真奈は、やがて介護の資格をとった。その資格を活かし、再び介護の職に就いたが失敗。真奈の自分探しが始まったのじゃ。
真奈にとっての課題は、臨機応変が苦手なことじゃった。それに本人が気付いた。介護から他の職業選択へ視線を変えることに成功。
元来の、明朗な性格を活かし現在はファッション関係の店で働いている。髪はボサボサでジャージだった頃が嘘のようじゃ。


Gちゃんは、いつでも真奈を心配しておる。老婆心(老爺心)か?


gyss at 12:25|PermalinkComments(6)clip!
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がまごおり若者サポ...