収益向上に貢献する物流コスト改善のコツ

会社の収益を圧迫しかねない物流コスト。会社の中で目に見えづらい物流コストを可視化し、今日からでも改善できるポイントをやさしく解説します。一緒に物流改善に取り組み、物流改善のプロとして収益向上に貢献しましょう。

在庫改革に取り組む

今回から「在庫改革に取り組む」というテーマでお話させていただきたいと思います。このシリーズは有限会社SANTA物流コンサルティングの代表の平野さんから学ばせていただきました内容に沿って進めさせていただきます。

平野さんは在庫改善をあえて「在庫改革」と称し以下の目的を挙げています。
? 不要なアイテムのカット
? 在庫数のコントロール(デッドストック、過剰在庫、欠品アイテムの削減)
? 在庫金額の削減
? 棚卸時の在庫差異の削減
? 保管費の削減
? 保管効率の向上
? 作業効率の良い在庫配置
? 倉庫間移動の無駄な運賃の削減
? 在庫配置による出荷ミスの削減
この内?から?を直接的な効果、?から?を間接的な効果としています。

第一に不要なアイテムのカットを挙げていることに注目する必要があります。皆さんの会社でもあるかもしれませんが、売れる順にアイテムのパレート図を描いてみるとロングテールの尻尾の部分に数多くのアイテムがあることに気付くことがあります。

この中には持っていればいずれは売れるかもしれないと言った漠然とした期待感から保有している在庫が多々あるのではないでしょうか。数年の間まったく受注がないアイテムについては廃止してしまえば良いのですが、たまに動きのある在庫については判断が必要です。

その在庫を持つことによる発生するコストと在庫を廃止し売りのチャンスを失うことによるリスクとのバランスを見て判断する必要がありそうです。
次回に続きます。

月刊ロジスティクスITに連載中!「これを読めばわかる!優秀な物流マンはこうして育てろ : 第五回 物流現場管理を導入する」 

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ムダを見つけて排除する(6)

さて前回までにJITの7つのムダをベースに物流におけるムダについて考えてきました。原則として付加価値を与える作業以外はムダですからムダを見つけた場合にはすぐに対応することが必要となります。

改善活動を行う場合、まずムダという現象を見つけたらその要因を分析しさらにデータ解析を実施したうえで対策を行うという方法をとっているケースが多いのではないでしょうか。

「真因を追究、なぜ5回」と言われます。現象の起こる真の原因を見つけるためには「なぜ」を繰り返し、正しい要因を見つけようという行為が必要だということです。

その活動はたしかに重要です。一方であまりデータ等にこだわり改善のスピードが落ちることには注意が必要です。

在庫が多いと思われる場合にはまず「在庫を凍結」してみることが改善への早道です。手待ちが多い場合には「人を抜いて」作業してみることも一法でしょう。

つまり現象に対して「まず手を打つ」といった即時の対応が必要だということなのです。いろいろとああでもない、こうでもないと論議することも必要かもしれませんが、「まず動くこと」はさらに重要ではないでしょうか。

つくりすぎのムダは最悪のムダであるということは何度もお話させていただきました。物流が余分な数量を製造ラインに届けている事実があれば、その場でその余分なものを引き上げる行為が大切です。

運搬のムダを解決するためのレイアウト変更は時間を要するかもしれません。でももし部品置き場を変えるだけで改善できるのであればすぐに部品置き場を動かします。

このようにムダを発見したら即改善ということを心がけましょう。「改善とはすぐやること」なのです。


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ムダを見つけて排除する(5)

最後の7つ目は「不良をつくるムダ」です。不良品を市場に流出してしまうことは企業にとって大きなダメージとなります。何年か前に話題となった自動車メーカーの品質不良問題は人命にも関わる大きな社会問題となったことは記憶にも新しいことです。

企業としての社会的信頼を失うことは会社規模によっては致命傷にもなりかねません。したがってこの不良をつくるムダには早急にかつ真剣に取り組む必要があります。

物流においても不良は大きな損失となります。顧客に間違った商品を届けてしまった場合、その商品の回収や代替品の発送の必要性が生じます。

物流における不良をつくるムダとして「間違った商品の配送」、「商品包装の毀損」、「数量間違い」、「商品輸送上のダメージ」、「配送時刻の遅れ」などが挙げられます。これらはいずれも商品交換を求められたりキャンセルになったりします。その結果として商品コストや追加物流コストの発生は当然として、顧客における損害に対する補償を要求される場合もあります。結果的にムダがムダを呼ぶという悪循環を生じてしまうことになりますね。

こういったロスを生じさせないためにも物流工程内で「品質をつくりこむ」ことが必要となります。誤ピックングを防止するためにランプ指示やバーコードの活用、インライン検査の導入などの工夫を行い、品質を向上していくことになります。

人間のやることですから100%ミスをなくすことは簡単ではありません。しかし物流担当者全員が品質に関する意識を持つことでミスを事前に防止することは可能です。

以上に見てきましたとおり、JITの7つのムダは物流にもあてはまりますので、皆さんの物流現場でもこの観点で一度ムダ探しをやってみたらいかがかと思います。


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ムダを見つけて排除する(4)

在庫は全ての改善の機会を隠してしまいます。設備トラブルのための在庫を1日分持っていたとします。それは設備が1日停止しても問題ないということを示しますが、一方でその1日を0.5日にしたり、究極は0日を目指したりする意欲を削いでしまう可能性があります。このことは設備保全部門の体質改善の機会を奪っていると言っても良いかもしれません。

生産ロット在庫を2日で設定している場合、段取り改善により1日にしようという機会を奪うことも同様に考えられるのです。

逆の発想をすると在庫を強制的に下げることは各部門に改善を促し、結果として体質改善につながることを意味します。

在庫改善のポイントはまず今持っている在庫を「凍結」し、一時的に使えない状況にすることだと思います。その結果としてどうなるのか。もし全く影響がないのであれば、その在庫は「安心在庫」として削減します。問題が発生したら真の原因を追究すべく、この機会に徹底的に調査・改善を実施します。

六つ目に「動作のムダ」があります。物流作業を行っていく過程でさまざまな動作があります。その動作の中には余分な動作が見つかると思います。たとえば「振り返る」とか「かがむ」といった動作があると思いますが、これらはムダな動作だと認識すべきでしょう。

ピッキング時に商品を「持ち替え」たり、フォーク作業で重ねられた荷をばらしながら中間の荷を取り出したりすることも動作のムダにあたります。

本来であればモノを「取って置く」だけの動作が望ましいと思いますが、それに付随して先ほど提示したような動作が発生しています。そこで作業を設定する際には極力作業をシンプルにできるように工夫することが必要になります。


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ムダを見つけて排除する(3)

四つ目に「加工のムダ」があります。本来主体作業と考えられている加工ですが、その中にもやめられるあるいは改善できるものがあるということで「ムダ」としてとらえられています。

鋳造成型された材料を機械加工で削っている場合、その削る部分は元の鋳造工程で成型してしまうことでなくせる場合があります。

物流でも同様の考え方ができます。たとえば梱包作業で箱をガムテープどめしていたものを、ダンボール箱を工夫することで廃止したり、梱包資材で包む工程を簡素化したりすることは可能だと思います。
また過剰梱包と考えられる場合には、その梱包そのものをそっくりとやめてしまうことも考えられます。

「加工のムダ」は一見付加価値作業に見えるため、ムダを見つける際に見落としがちです。ここは一歩突っ込んでムダを見つけようという意識で取り組むことが必要だと思います。

五つ目に「在庫のムダ」があります。製造工程では工程間には1個の仕掛があれば十分だと考えられています。したがって在庫のムダは非常に簡単に発見できます。在庫を見たらなぜその在庫が必要なのかを聞いてみましょう。その答えに対して「なぜ」を5回繰り返します。そうすると何となく持っている在庫がいかに多いかに気付くはずです。

在庫はすべてのムダを隠してしまう厄介なものです。在庫があるから多少機械が故障しても得意先に迷惑をかけないといった安心感、つまり設備保全部門の緊張感をなくし、体質向上の阻害要因となっている場合があります。

こういったケースは社内のあらゆるところにはびこっていると考えられます。段取り替えに時間がかかるから在庫を持つ、販売予測精度が上がらないから在庫を持つといった例が挙げられますが、その在庫の存在が本来業務の改善を阻害してしまうのです。


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ムダを見つけて排除する(2)

二つ目に「手待ちのムダ」があります。仕事がなく何もしない状態を指しますが、機械が動いている際にその前で停止するまで待っている状態もこの手待ちに該当します。

物流作業の場合は梱包する際に製品や梱包資材がフォークリフトで運ばれるまで待っている状態とか、フォークリフト作業者が運ぶものがなく荷を探して走り回っている状態も手待ち状態と考えられます。

作業者は常に付加価値作業に従事している必要があり、作業編成を工夫することで手待ちをなくすようにする必要があります。

ただし、手待ちになったからといって余分なことをすることは好ましくありません。手待ちになったら何もせずにその場で立っていることが求められます。何故でしょうか。それはもし手待ちとなった作業者が標準作業に決められていないことを勝手に実施したりするとあたかも仕事をしているように見え、ムダが隠されてしまうからです。物流でいえばフォークリフトの空走行がその典型です。

日本人は真面目ですから手待ちになっても体を動かしてしまいますが、それは決して望ましいことではなく、逆にムダを顕在化させることで改善するべきという考えを持って欲しいと思います。

三つ目に「運搬のムダ」があります。工程間を運搬することはムダです。つまりそもそも「物流はムダ」であるということです。したがって物流を効率化するという考え方をする前に物流自体をなくすにはどうしたらよいかを考えるべきなのです。

工程間を直結化することで物流をなくしたり、極力小さな物流で済むようにより消費地に近いところで生産することを考えることが求められます。

物流でも倉庫内のレイアウトを組む時にはこの発想を取り入れているはずです。繰り返しになりますが、物流はムダであるということを頭に入れておきましょう。


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ムダを見つけて排除する

改善の基本はムダを見つけ、そのムダを徹底的に排除することにあります。今回からこの「ムダの排除」についてお話しさせていただきたいと思います。

まずムダを定義してみましょう。私はムダとは「付加価値を与えるもの以外のすべてのもの」と考えています。したがってムダを見つける際にはその作業が付加価値を与えるものなのかどうかを考えてみるとよいと思います。

JIT思想の中に7つのムダというものがあります。これはどの業界であっても参考になりますので、まずはこの7つについて見ていきたいと思います。

1. 作り過ぎのムダ
2. 手待ちのムダ
3. 運搬のムダ
4. 加工のムダ
5. 在庫のムダ
6. 動作のムダ
7. 不良をつくるムダ

最初に出てくるのが「作り過ぎのムダ」です。これは今までも何度かお話しさせていただきましたが、7つのムダの中でも最悪のムダと言われています。それは作り過ぎることにより不必要な在庫が発生し、それに伴う管理やスペース、運搬や容器などあらゆる不要なものを生み出してしまうからです。

物流の場合、必要以上に製品をピッキングしてしまうことや、余分な数量の梱包作業がこの作り過ぎのムダに当たります。遅延はよくないけれども先行は許されるといった間違った考え方がこの作り過ぎを許してしまうことにつながります。


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工場内物流の果たすべき役割(6)

さて工場内物流が生産統制を行うことで会社全体の競争力強化につながることをお話してきました。その過程で一時的に工数増となる可能性があります。

この工数増ですが、物流が手をかけて材料を小分けしたりラインへの小刻み供給を行うことによるものが多いと思われます。

もちろん、そのおかげで製造ラインの工数がすでに下がっており工場全体では工数増にはならない場合もあります。でも物流で工数が増えていればそれを改善していくことも忘れてはいけません。

そのために物流作業者の作業編成改善を行ったり、協力会社から納入される材料の荷姿を改善することに着手する必要があるでしょう。

まずは製造ラインからムダを外出ししました。物流工数が増えるということはそこにムダが顕在化されたと言ってもいいでしょう。それを解消する改善が必要なのです。

工場にとって最も良くない状態は、ムダをあらゆる部署で分かち合っている状態だと言えます。製造ラインに少し、物流にも少しといったようにです。

こうしたムダは目につきにくく、改善のきっかけになりづらい可能性が高いのです。ですから、一気に製造ラインから外出しし、物流にムダを寄せて目立つようにすることが望ましいのです。

工場の役割はものづくりです。物流にはムダはいったん自分たちに引き受けさせろといった度量を持って欲しいものです。その後は自分たちで改善することを進めれば良いのですから。


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工場内物流の果たすべき役割(5)

工場内物流は製造ラインが計画通りに生産できるように必要となる材料を必要な数量だけ供給します。

さらに物流は製造ラインに定時刻に完成品を引き取りに行きます。製品Xが10時45分に生産完了となる予定だとしたら、その直後に引き取り時刻をダイヤ化し、引き取りに行きます。

製造ラインへの容器の提供も同様の考え方で行います。つまり必要な時刻に必要な数量のみ提供します。容器も必要数以上を提供してはいけません。これもつくりすぎを防ぐためです。

さてこういった物流のやり方は一時的に物流だけをみると工数増になる可能性があります。それを考えると工場管理者は二の足を踏む可能性が大きいと考えられます。

トータル工数がプラスマイナスゼロであればGoがかけられる可能性が大きいのですが、一時的にでも工数が増えることには抵抗が大きいかもしれません。

でもこういった物流による生産統制は工数低減だけのためにやるわけではありません。もちろん、製造ラインに余分な作業をやらせなくすることでラインの生産性は向上することは間違いありません。また、設備稼働率も向上します。

それにも増して工場の体力が工場するとともに、品質が向上することにつながることを認識すべきなのです。つくりすぎによる「安心在庫」を工場から排除することで、工場内に常に緊張感を持たせることが可能になります。これは製造ラインにとどまらず、設備保全チームや品質管理チーム、その他の管理員みんなに言えることです。これが実現すれば競争力ある企業になることは間違いのないことです。

このきっかけを工場内物流が果たすことになるのです。

次回に続けます。


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工場内物流の果たすべき役割(4)

製造ラインでは遅れは許されないけれども先行なら問題ないといった認識を持つところが少なくありません。この考え方が「つくりすぎのムダ」を発生させているのです。

つくりすぎると余分な在庫ができてしまいます。在庫が増えるとスペースや運搬、それにかかる管理などを生じます。さらに在庫は「安心在庫」として工場内にはびこることで緊張感を緩める恐れがあります。つまり「つくりすぎ」は工場の体力を徐々に弱めることにつながる恐ろしい麻薬のようなものなのです。

製造ラインも楽をしたいので、本来1日に2回に分けて生産すべきものを1回にまとめて生産しようとします。工場内物流も楽をしたいので、2回に分けて運搬すべきところを1回でまとめて運ぼうとします。こうして次第に工場全体が緩んだ体質へと変貌していきます。

そこで工場内物流がJIT物流を行うことで生産統制を実施していくことが求められるのです。

具体的に話をしましょう。工場内物流は製造ラインが生産計画通りに生産ができるように、必要なタイミングで必要な数量だけ材料を供給します。たとえば10時からXという製品を20台生産する場合には、Xを生産するのに必要な材料を20台分供給します。

このとき、製造ラインには20台分丁度で持っていくことがポイントです。仮に協力会社から納入される材料の荷姿が30台分であったとしたら、そこから20台分だけピッキングしてラインに供給するのです。

それだと物流で工数がかかり、ムダではないかという意見を言う人がいるかもしれません。でも、最初は物流で工数がかかったとしてもそのようにすることが必要なのです。

次回に続けます。


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