収益向上に貢献する物流コスト改善のコツ

会社の収益を圧迫しかねない物流コスト。会社の中で目に見えづらい物流コストを可視化し、今日からでも改善できるポイントをやさしく解説します。一緒に物流改善に取り組み、物流改善のプロとして収益向上に貢献しましょう。

仕事のやり方を統一する(3) 「形」と機転

「御社ならではの仕事って何ですか?」このように聞かれて即答できますでしょうか。運送でも倉庫でもこれは、という統一した仕事をしていれば回答はできるでしょう。

しかし回答ができないとすると、もしかしたら仕事の「形」ができていないのかもしれません。柔道や舞踊でも同じですが「形」の重要性については物流も認識しなければなりません。

だからこそその会社の仕事のやり方はまず「形」として成立していなければなりません。庫内作業であれば標準作業という「形」があり、それに上乗せする形で何かしらの工夫が出てくるわけです。

震災の日にディズニーランドのスタッフの対応が素晴らしかったという有名な話があります。それは顧客にお土産として販売するぬいぐるみを渡し、それで頭を保護するように指示を出したという話です。これは会社からの指示ではなく、スタッフの機転でした。

ディズニーランドではこのようなスタッフの仕事の素晴らしさが話題になりますが、これもきちんとしたマニュアルがあり、それに上乗せする「スタッフの機転」があるからでしょう。

宅配担当者は物流業というより販売業であり、サービス業です。この立場にある人はディズニーランドのスタッフと同じであると考えられます。

つまり仕事の基本を守りながらさらにお客様が喜ぶような味付けをするということです。何も宅配担当者に限りません。

トラックドライバーも同様です。トラックドライバーは荷主というお客様と接するとともに、着荷主という荷主にとってのお客様とも接します。

ですから余計に機転が利くことが望まれます。ですからこのような点につきましては会社として指導していくことが必要です。

トラックドライバーは誰であっても荷主、着荷主のところへ行ったときには普遍的な対応ができることが重要です。

これが仕事を統一する「形」の部分です。そしてこれに上乗せする機転があってもよいでしょう。あそこの会社に運送を依頼すると非常に気持ちがいい、といわれるまでになりたいものですね。

いかがでしょうか。仕事の標準化が遅れている物流ではまずこれを推し進めることが求められます。そのうえでお客様の満足度を高めるためのプラスアルファを考えていくべきです。

繰り返しになりますが、作業員に仕事のしかたを任せることは慎むべきです。管理監督者はまず自分の責務として仕事を標準化して指示する必要があります。

社内で仕事のしかたやその結果の品質やコストにばらつきが出るようなことは絶対に避けるようにしていきましょう。


☆★この記事は(同)Kein物流改善研究所の仙石惠一が書かせていただきました。★☆


□ オンラインで2024年問題対策セミナーを実施します!
    
   「「部材が届かない!?」モノづくり現場が止まる日
       2024年物流危機を回避する【9つの施策】」

    2023年 12月 21日(木)13:00〜17:00

   詳細は以下からお願いいたします。
   https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/6907

□ 気軽に物流を学びたい方のためのオンデマンド・セミナー

 (1)「工場の生産性が劇的に向上する!!「工場内物流の基礎知識」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/16753
 
 (2)「たったの90分で物流改善ノウハウが身につく!!
   「サプライチェーンの全体像と効率化の取組」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/15993

 (3)「輸送改善の基礎知識」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17918

 (4)「目からウロコの調達物流改善」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17921

■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』

カイゼンベース株式会社とKein物流改善研究所との協働制作講座が完成しました!
物流のE-learningは珍しいかもしれません。一部無料で見られますので皆さんもアクセスしてみて下さいね。

https://www.kaizen-base.com/contents/logi-42826/

物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/

FC2ブログランキングへ
人気ブログランキングへ
にほんブログ村

仕事のやり方を統一する(2) 管理監督者と現場管理

物流倉庫で仕事を見ていると、たとえば梱包作業で次のような現象に気づくことがあります。

・AさんとBさんとで梱包作業台の大きさが異なる
・梱包作業手順が異なる
・梱包に使用する緩衝材が異なる
・緩衝材の使用量が異なる
・結果的に作業速度が異なる

いくら物流作業は自由度が高いからといって、同じ作業でこのような差が出ることは決して好ましいことではありません。

この原因はどこにあるのでしょうか。はい、それはずばり管理監督者にあります。物流センターでいえばセンター長や現場リーダーに原因があるのです。

管理監督者の最大のタスクとして「現場管理」が挙げられます。この現場管理の基本として作業の標準化があります。

最小のコストで高品質のモノをアウトプットする方法を決めるのは管理監督者の役割であり、それが作業の標準化です。

この考え方を持っていない管理監督者は本来やるべき仕事ができていないといわざるを得ません。自職場のすべての仕事を標準化し、誰がやっても同じ結果が出るようにしなければならないのです。

自由度が高くても、その中でどのようなやり方がベストなのかを考える必要があるのです。

そして考えた結果を標準作業とし、その作業を部下に教え込まなければなりません。管理監督者は部下の自律性を語る前に、仕事の基本を自ら構築し、それを教える必要があるのです。

失格管理監督者は自分の怠慢を棚に上げ、「仕事は自ら考えてやるものだ」ともっともらしいことを口にして作業者任せにします。

自由度の高い仕事を作業者任せにすることは自律性を求めることとは違います。標準作業を行った上でさらによいやり方を考えさせることが必要なのです。

ですから、梱包の作業台の規格はこうである、作業手順はこの方法で、ということをきちんと決めてから部下に作業をしてもらいましょう。

もし自職場でまだ作業者任せにしている点があるとすれば、管理監督者は十分に機能していないと考えた方がよさそうです。

次回に続きます。


☆★この記事は(同)Kein物流改善研究所の仙石惠一が書かせていただきました。★☆


□ オンラインで2024年問題対策セミナーを実施します!
    
   「「部材が届かない!?」モノづくり現場が止まる日
       2024年物流危機を回避する【9つの施策】」

    2023年 12月 21日(木)13:00〜17:00

   詳細は以下からお願いいたします。
   https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/6907

□ 気軽に物流を学びたい方のためのオンデマンド・セミナー

 (1)「工場の生産性が劇的に向上する!!「工場内物流の基礎知識」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/16753
 
 (2)「たったの90分で物流改善ノウハウが身につく!!
   「サプライチェーンの全体像と効率化の取組」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/15993

 (3)「輸送改善の基礎知識」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17918

 (4)「目からウロコの調達物流改善」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17921

■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』

カイゼンベース株式会社とKein物流改善研究所との協働制作講座が完成しました!
物流のE-learningは珍しいかもしれません。一部無料で見られますので皆さんもアクセスしてみて下さいね。

https://www.kaizen-base.com/contents/logi-42826/

物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/

FC2ブログランキングへ
人気ブログランキングへ
にほんブログ村

仕事のやり方を統一する 自由度が高い物流作業

多くの会社で仕事のやり方がばらばらだという現象が起きています。これに気づかない経営者もいますし、気づいていても何の違和感も抱かない方もいらっしゃいます。

このような状況を皆さんはどのように考えますでしょうか。仕事のやり方がばらばらになる要因から考えていきましょう。

物流作業は他の仕事と比較するとどちらかというと自由度が高い仕事だといえます。たとえば工場の中のA地点からB地点まで運搬することを例にとって考えてみます。

その距離が50mだったとすると、その間をフォークリフトで運搬することが考えられます。別のやり方はどうでしょう。

台車に載せて牽引車で運搬することもあるでしょう。他には?手押し台車で人が押しながら運ぶことが考えられます。

このように、物流作業は同じ仕事をいろいろな方法でこなすことができるのです。ですから方法は特に決めずに作業者任せになっている可能性が高いのです。

作業が機械加工だとすると、使用する機械が決まります。加工精度も決められており、一定の決められた品質のモノをアウトプットしなければなりません。

組立作業も順序が決められ、組立に使う治工具も決まっています。ですから誰が行っても同じ方法でやらざるを得ないことになります。

一方で物流作業の自由度は運搬に限りません。梱包作業でもピッキング作業でも人によってやり方が異なることの方が多いと思われます。

この自由度の高さは一見よさそうにも感じられますが、デメリットの方が大きいと思います。その理由について考えてみましょう。

まず考えられるのが作業品質のバラつきです。作業者任せにされている以上、仕事の結果もその人の特徴が出ます。

几帳面な人と大雑把な人とでは当然結果品質に差が出てしまいます。

もう一つ考えられるのが作業速度のバラつきです。やり方が異なれば仕事のスピードが異なるのはある意味で当然のことかもしれません。

次回に続きます。


☆★この記事は(同)Kein物流改善研究所の仙石惠一が書かせていただきました。★☆


□ オンラインで2024年問題対策セミナーを実施します!
    
   「「部材が届かない!?」モノづくり現場が止まる日
       2024年物流危機を回避する【9つの施策】」

    2023年 12月 21日(木)13:00〜17:00

   詳細は以下からお願いいたします。
   https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/6907

□ 気軽に物流を学びたい方のためのオンデマンド・セミナー

 (1)「工場の生産性が劇的に向上する!!「工場内物流の基礎知識」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/16753
 
 (2)「たったの90分で物流改善ノウハウが身につく!!
   「サプライチェーンの全体像と効率化の取組」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/15993

 (3)「輸送改善の基礎知識」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17918

 (4)「目からウロコの調達物流改善」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17921

■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』

カイゼンベース株式会社とKein物流改善研究所との協働制作講座が完成しました!
物流のE-learningは珍しいかもしれません。一部無料で見られますので皆さんもアクセスしてみて下さいね。

https://www.kaizen-base.com/contents/logi-42826/

物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/

FC2ブログランキングへ
人気ブログランキングへ
にほんブログ村

物流リスクマネジメント(3) コンプライアンスリスク

物流リスクマネジメントの一つとしてコンプライアンスリスクが挙げられます。コンプライアンスリスクの多くは物流事業者が法令を犯してしまうことで発現します。

その一つは過積載です。トラック能力を上回る荷物を積載する重量オーバーは道路や橋梁に影響を与えます。

社会インフラを破壊する重量オーバーは許すわけにはいきません。警察も重点的に過積載を取り締まっていますが、これが一定のレベルを超えると業務停止処分につながります。

仮に荷主からもっと積むように言われても、直接的に罰則の適用を受けるのは物流事業者です。荷主側も荷主勧告制度による罰則がありますが、業務停止は物流事業者に科されるのです。

過積載と共に問題となるのが速度超過です。荷主の出荷が遅れたために急いでトラックを走らせることもあるのでしょう。

しかし同様に直接的な罰則は事業者が受けることになります。

トラックドライバーの労働時間超過も同様です。長時間労働は法令違反リスクだけではなく、ドライバーの過労による事故につながるリスクもあるのです。

こうなると事業者にとっては死活問題です。最近は大分少なくなったようですが、コンプライアンス倒産にもつながりかねません。

その他社会保険未加入などもコンプライアンス違反ですね。これも明らかに社会のルール違反です。社会保険などに入っているゆとりなどない、という経営者の方がいらっしゃいますが、そのような会社は残念ながら市場から退場していただくべきでしょう。

荷主会社はコンプライアンス違反の物流事業者とは取引をしないようによく調査をしています。もしそのような業者と取引をしていることがわかると、取引を止めることもありえます。

このような事例が重なると、事業が立ち行かなくなることも十分に考えられます。

いかがでしょうか。荷主から頼まれてつい法令を犯してしまった、交通渋滞で遅れた分をカバーするために速度超過をしてしまった、という経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今後はコンプライアンスは厳しくなる一方です。まず自社は法令違反を起こさないと明言する。そして荷主から言われても法令違反につながる仕事は断る勇気を持つようにしましょう。

荷主会社の方は荷主勧告制度により社名公表されることがあります。物流事業者の法令違反につながるような言動は慎みましょう。


☆★この記事は(同)Kein物流改善研究所の仙石惠一が書かせていただきました。★☆


□ オンラインで2024年問題対策セミナーを実施します!
    
   「「部材が届かない!?」モノづくり現場が止まる日
       2024年物流危機を回避する【9つの施策】」

    2023年 12月 21日(木)13:00〜17:00

   詳細は以下からお願いいたします。
   https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/6907

□ 気軽に物流を学びたい方のためのオンデマンド・セミナー

 (1)「工場の生産性が劇的に向上する!!「工場内物流の基礎知識」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/16753
 
 (2)「たったの90分で物流改善ノウハウが身につく!!
   「サプライチェーンの全体像と効率化の取組」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/15993

 (3)「輸送改善の基礎知識」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17918

 (4)「目からウロコの調達物流改善」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17921

■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』

カイゼンベース株式会社とKein物流改善研究所との協働制作講座が完成しました!
物流のE-learningは珍しいかもしれません。一部無料で見られますので皆さんもアクセスしてみて下さいね。

https://www.kaizen-base.com/contents/logi-42826/

物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/

FC2ブログランキングへ
人気ブログランキングへ
にほんブログ村

物流リスクマネジメント(2) 盗難リスクと有事への対応

物流倉庫ではお客様の商品を預かっています。この契約を寄託契約と呼びます。お客様から出庫指示があればその商品をタイムリーに出庫することが求められます。

この物流倉庫ではいろいろな商品を扱っていますが、残念ながら盗難はゼロにはなりません。日本では盗難頻度は少ないことがせめての救いであるといえます。

ですから最低限の盗難対策を実施することは企業におけるリスクマネジメントの一つになります。従業員が持ち物を移動する際には必ず会社指定の透明バッグを使うという措置も必要でしょう。

また、倉庫内に防犯カメラを設置することもリスクマネジメントとして有効です。そして定期的に棚卸を行うことで数の管理をしっかりと行うことも必要でしょう。

商品の数が合わなくなる要因は盗難だけではありません。入庫した時にそもそも数が狂っていたことも考えられます。

必要に応じて入荷検品を行うこともリスクマネジメントの一つになります。保管方法もきちんと行われていないとモノを無くしたりどこにあるのか分からなくなったりします。

この意味で、しっかりと5S活動を実施することも物流リスクマネジメントにつながることを覚えておきましょう。

別の視点でのリスクマネジメントについて見ていきましょう。日本では地震も多く発生し、火災はそれ以上の確立で起きることが予測されます。

このような「有事」の際にどのような行動を取るのかについても日常で考えておくべき事項だと思います。

インフルエンザなどの流行病もその一つです。地震やインフルエンザの流行などは従業員の出勤に支障をきたします。

普段集まる必要人員が、このような有事には大幅に不足する可能性があります。会社は常時余剰人員を抱えているわけではありませんので、有事の際には仕事に支障が出ます。

従業員が半分しか出勤できなかった際にはどの仕事を優先させるのでしょうか。もし出勤率が20%だったとしたら・・・。

このような想定で業務の優先順位付けを行い、それに人を集中させる訓練を行っておくことが望ましいでしょう。

そのためには日頃から技能訓練を実施し、どのような仕事でもできるようにしておくことが求められるのです。

次回に続きます。


☆★この記事は(同)Kein物流改善研究所の仙石惠一が書かせていただきました。★☆


□ オンラインで2024年問題対策セミナーを実施します!
    
   「「部材が届かない!?」モノづくり現場が止まる日
       2024年物流危機を回避する【9つの施策】」

    2023年 12月 21日(木)13:00〜17:00

   詳細は以下からお願いいたします。
   https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/6907

□ 気軽に物流を学びたい方のためのオンデマンド・セミナー

 (1)「工場の生産性が劇的に向上する!!「工場内物流の基礎知識」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/16753
 
 (2)「たったの90分で物流改善ノウハウが身につく!!
   「サプライチェーンの全体像と効率化の取組」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/15993

 (3)「輸送改善の基礎知識」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17918

 (4)「目からウロコの調達物流改善」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17921

■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』

カイゼンベース株式会社とKein物流改善研究所との協働制作講座が完成しました!
物流のE-learningは珍しいかもしれません。一部無料で見られますので皆さんもアクセスしてみて下さいね。

https://www.kaizen-base.com/contents/logi-42826/

物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/

FC2ブログランキングへ
人気ブログランキングへ
にほんブログ村

物流リスクマネジメント 労働災害リスク

ビジネス界では常にさまざまなリスクを考慮しながら経営を実行しています。経営はリスクと裏腹ともいえるでしょう。

物流も例外ではありません。というかむしろ他産業よりもリスクの大きな業界といえるかもしれません。そこで物流リスクマネジメントについて少し考えてみたいと思います。

平成28年度の労働災害保険料率を見てみましょう。貨物取扱事業は1000分の9、倉庫業も1000分の7です。

一方で金属材料品製造業は1000分の5.5、電気機械器具製造業は1000分の3です。一般的に物流関連業は製造業よりやや危険度が高いと推測されます。

つまり労働災害のリスクについて物流業は慎重に対応する必要があるということです。重いものを扱う際に腰を痛めることがあります。このような仕事には補助具を導入するなどの措置を取ることが望ましいでしょう。

またトラック運送事業の場合、公道を使って仕事をしますので、他車輛や人との接触リスクが存在します。運輸安全マネジメントに沿った活動を行なうなどして他社への加害をはじめとする交通事故リスクを軽減する必要があります。

フォークリフト荷役は非常に大きなリスクを抱えています。たとえば荷役中にフォークリフトの爪で何かを刺してしまう危険があります。

この対象が倉庫内の柱やパレットなどであればまだよいのですが、人でしたら大変なことになります。大けがあるいは死亡事故の可能性もあり得るのです。

フォークリフトで荷役中に転倒すればその下敷きになって作業員が死亡する事故も発生しています。フォークリフトを使う職場では入念なリスク管理が必要でしょう。

トラックへの荷物の積み降ろし時も注意が必要です。トラックから転落して大けがあるいは死亡という重大災害が発生する可能性があるからです。

このように物流の仕事では労働災害リスクがたくさん潜んでいます。ヒヤリハット制度を導入するなどして隠れたリスクを顕在化させ、あらかじめ対策を施しておくことが望ましいと思われます。

多種多様の商品を扱う物流倉庫では別のリスクも考えておく必要があります。それが盗難リスクです。物流事業者がお客様の荷物を預かる寄託業では盗難は致命的です。

自社の社員やパート、アルバイト社員などを疑いたくない気持ちはわかります。しかし実際問題として盗難はゼロではありません。

次回に続きます。


☆★この記事は(同)Kein物流改善研究所の仙石惠一が書かせていただきました。★☆


□ オンラインで2024年問題対策セミナーを実施します!
    
   「「部材が届かない!?」モノづくり現場が止まる日
       2024年物流危機を回避する【9つの施策】」

    2023年 12月 21日(木)13:00〜17:00

   詳細は以下からお願いいたします。
   https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/6907

□ 気軽に物流を学びたい方のためのオンデマンド・セミナー

 (1)「工場の生産性が劇的に向上する!!「工場内物流の基礎知識」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/16753
 
 (2)「たったの90分で物流改善ノウハウが身につく!!
   「サプライチェーンの全体像と効率化の取組」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/15993

 (3)「輸送改善の基礎知識」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17918

 (4)「目からウロコの調達物流改善」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17921

■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』

カイゼンベース株式会社とKein物流改善研究所との協働制作講座が完成しました!
物流のE-learningは珍しいかもしれません。一部無料で見られますので皆さんもアクセスしてみて下さいね。

https://www.kaizen-base.com/contents/logi-42826/

物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/

FC2ブログランキングへ
人気ブログランキングへ
にほんブログ村

喜ばれる物流サービス(3) 補修部品管理を受注する

サプライチェーン全体を見渡すといろいろな仕事が見えてきます。サプライチェーンの入口は調達業務です。この調達業務を物流事業者が行ってもよいのです。

顧客の調達業務を請け負ってみてはいかがでしょうか。発注業務や在庫管理業務を請け負います。もちろん在庫を多く持ちすぎたり逆に納入が間に合わなかったりさせてはだめです。

このようなマネジメント業務は確実に高価格で受注することができます。積極的に受注するようにしましょう。

作業はできてもマネジメント業務は苦手だという会社がほとんどだからです。ですから差別化が可能となるわけです。結果的に他社より有利な業務を請け負うことにつながるのです。

荷主会社と話をしていれば何をして欲しいかはわかるはずです。当然のことながら話をしなければわかりません。

発注管理や在庫管理などは顧客サイドとしてアウトソースしてもよいと考えている仕事の一つです。顧客のニーズに応えてこそ喜ばれるわけですから、ぜひ受注していきましょう。

さらにメーカー設備の補修部品管理も大いにアウトソースとして喜ばれる業務であることに間違いありません。

なぜならメーカーでは設備の補修部品を在庫ストックし、その数量を適正化については本業ではないと考えているからです。

一方で物流を本業としている会社ではこのような業務は得意中の得意といえるのではないでしょうか。今保有しているノウハウでできる仕事だといえそうです。

皆さんの会社が物流事業者だとしましょう。そしてもし物流倉庫をどこかの工業団地の近くに持っていたとしたらどうでしょう。

だとすると多くの会社の設備補修部品管理業務を一手に引き受けることができるかもしれません。なぜなら会社が違ったとしても使用している設備は同じものがたくさん存在するからです。

ぜひこの業務は受注するようにしたいものです。あまり手を付けている会社は多くありませんので、きっと他社との差別化になるはずです。

いかがでしょうか。喜ばれる物流サービスはいたるところにたくさん転がっています。これを見つけるために積極的に顧客と会話をしましょう。

そしてより利益率の高い仕事を受注して会社の利益水準を向上させましょう。


☆★この記事は(同)Kein物流改善研究所の仙石惠一が書かせていただきました。★☆


□ 気軽に物流を学びたい方のためのオンデマンド・セミナー

 (1)「工場の生産性が劇的に向上する!!「工場内物流の基礎知識」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/16753
 
 (2)「たったの90分で物流改善ノウハウが身につく!!
   「サプライチェーンの全体像と効率化の取組」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/15993

 (3)「輸送改善の基礎知識」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17918

 (4)「目からウロコの調達物流改善」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17921

■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』

カイゼンベース株式会社とKein物流改善研究所との協働制作講座が完成しました!
物流のE-learningは珍しいかもしれません。一部無料で見られますので皆さんもアクセスしてみて下さいね。

https://www.kaizen-base.com/contents/logi-42826/

物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/

FC2ブログランキングへ
人気ブログランキングへ
にほんブログ村

喜ばれる物流サービス(2) 今までの仕事の延長線上にチャンスあり

価格だけで選ばれる仕事は少々むなしさを感じざるを得ません。やはりその会社だからこそやって欲しい、その物流商品だから買いたいという評価はいただきたいものです。

そのためには単純な運送では難しいので一工夫が求められます。その工夫はお客様との会話の中から見つけていくしかありません。

顧客のところに行きづらい、お客様と話をすることは苦痛といっている限りは利益率の高い仕事は見つからないでしょう。

そうはいっても実際には難しいという人のために、今回は少しヒントを示してきたいと思います。

まず今までの仕事の延長線上にチャンスあり、という視点で見てみるとよいと思います。たとえば運送を行っているのであれば、その前に「荷揃え」という業務があります。

そして配車を行うための「荷量計算」という仕事があります。このような仕事を運送にプラスアルファで提案してみてはいかがでしょうか。

さらに荷量計算を行うためのデータ整備などを請け負ってみることも一つです。荷主会社は物流をマネジメントできるスタッフは多く抱えていません。

そのため物流に必要な最低限のデータすら整備できていない会社がたくさんあるのです。荷姿の縦・横・高さ寸法、そして荷姿重量などを作成してあげることは喜ばれること間違いありません。

さらに運送が終わった後の工程もじっくりと見てみます。そうすると、届いた荷物を仕分けたり棚入れを行ったりしていることに気づくでしょう。

ですからこのような構内物流業務を請け負うことを提案してみるのです。特別な技術が必要な仕事ではありませんから、すぐにでも対応が可能なはずです。

もちろんセットで在庫管理業務を請け負うことも考えてみるとよいのではないでしょうか。

以上に示した業務すら請け負っていない会社が大半ですから、提案してみる価値は大きいと思います。特に物流マネジメント関連業務はよい価格で受注できる可能性が高いと思われます。

ポイントは他社と少しでも差別化できる点です。何も背伸びしなくても差別化できる点などいくらでも見つかるでしょう。

ではもっと価格も利益もよい業務をどのように見つけたらよいでしょうか。これは運送の前後工程だけではなく、その会社のサプライチェーン全体を俯瞰してみると見えてきます。

次回に続きます。


☆★この記事は(同)Kein物流改善研究所の仙石惠一が書かせていただきました。★☆


□ 気軽に物流を学びたい方のためのオンデマンド・セミナー

 (1)「工場の生産性が劇的に向上する!!「工場内物流の基礎知識」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/16753
 
 (2)「たったの90分で物流改善ノウハウが身につく!!
   「サプライチェーンの全体像と効率化の取組」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/15993

 (3)「輸送改善の基礎知識」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17918

 (4)「目からウロコの調達物流改善」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17921

■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』

カイゼンベース株式会社とKein物流改善研究所との協働制作講座が完成しました!
物流のE-learningは珍しいかもしれません。一部無料で見られますので皆さんもアクセスしてみて下さいね。

https://www.kaizen-base.com/contents/logi-42826/

物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/

FC2ブログランキングへ
人気ブログランキングへ
にほんブログ村

喜ばれる物流サービス 運送事業者の提供するサービス

物流事業者の場合は荷主が、社内で物流を担当している部署の場合には物流の恩恵を受ける部署が「お客様」ということになります。

私たちはお客様に喜ばれる物流サービスを提供する責務があるのです。ですから常に喜ばれる物流サービスとはどのようなものなのかを考える必要があります。

ではどのようにしたらそのような物流サービスを見つけることができるでしょうか。一番簡単な方法、それはお客様と話をすることです。

お客様が何を欲しているのかを知ることは非常に重要なことです。ですからいつもお客様と話をする機会をつくるように心がけることが望ましいのです。

もう一つは自分がお客の立場に立ったとしたら、どのようなサービスを提供してくれたら嬉しいのかを考えてみることです。

ではまず物流事業者の立場でお客様に提供するサービスは何かを考えてみましょう。もし運送事業者であったらどのような物流サービスを提供しますか?

本業は運送です。ですから提供サービスは「運送」がベースになることが一般的です。ではどのような運送を提供しますか?

・地点間の運送
・チャーターでの運送

そうですね。普通のサービスであれば当たり前のメニューでしょう。もちろん、このようなサービスをお客様が欲していることは事実です。

しかしこのようなサービスであれば競合他社のどこでもできるレベルです。ということは他社と差がつかないことになります。このような場合、お客様がメリットと感じることは何でしょうか。

どこでもできる物流サービスの場合、どのようにしてお客様はサービス提供会社を決めるのでしょうか。

それはずばり「価格」です。少しでも安いところからサービスを受けたいと考えるのです。なぜなら価格以外の条件に差が無いからです。

次回に続きます。


☆★この記事は(同)Kein物流改善研究所の仙石惠一が書かせていただきました。★☆


□ 気軽に物流を学びたい方のためのオンデマンド・セミナー

 (1)「工場の生産性が劇的に向上する!!「工場内物流の基礎知識」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/16753
 
 (2)「たったの90分で物流改善ノウハウが身につく!!
   「サプライチェーンの全体像と効率化の取組」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/15993

 (3)「輸送改善の基礎知識」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17918

 (4)「目からウロコの調達物流改善」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17921

■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』

カイゼンベース株式会社とKein物流改善研究所との協働制作講座が完成しました!
物流のE-learningは珍しいかもしれません。一部無料で見られますので皆さんもアクセスしてみて下さいね。

https://www.kaizen-base.com/contents/logi-42826/

物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/

FC2ブログランキングへ
人気ブログランキングへ
にほんブログ村

物流現場スタッフのリーダーシップ(3) 収益管理と労務管理

物流現場のリーダーの主な仕事は管理です。作業を行うのが作業者の役割に対して、リーダーがやるべき仕事は自職場のマネジメントです。

よく作業者に率先して作業を行うのがリーダーととらえている人がいますが、それは大きな誤解です。もしそうであればリーダーなどいりません。

リーダーの仕事である管理業務にはどのようなものが含まれるのでしょうか。真っ先に挙げられるのが「労務管理」でしょう。

作業者の人たちの労務管理です。個々の作業者を何時から何時まで働かせるかを考えるのはリーダーの役割です。

出勤簿に出退勤時刻を記入することで労働時間管理が可能となります。当然のことながら残業は部下からの申請ではなく、リーダーの指示事項です。

ということで昨今話題になっている残業管理もリーダーの仕事であると考えましょう。

次に出来高管理が挙げられます。自職場で日々の業務計画があると思いますが、計画を遵守するとともに出来高向上を図っていくことも求められます。

先に労務管理で労働時間を把握していますから、出来高とセットで管理することで労働生産性を測定することができます。そしてこの労働生産性を向上させていくことも当然のことながらリーダーの役割です。

そしてリーダーがやるべき重要業務として「収益管理」があります。インプットとしての労働力や材料費、エネルギー費や減価償却費などに対してアウトプットとしての売上があります。

これらの費目を使って自部署の収益を算出していくことが求められます。これは結果系のKPIとして必ず把握しなければなりません。

会社収益に沿った形で自部署の目標収益を達成することが現場リーダーの役割です。それと共に要因系として投入工数や材料歩留まりなどをKPI化してフォローしていくことが重要です。

これらの業務を行うことがリーダーです。彼らがリーダーシップを発揮するのはこのような職務を通じてです。

つまり作業を行っている時間などないはずです。部下が突発で休んでしまった場合、どのように残った人たちでフォローするのかを考えることがリーダーの役割なのです。

厳しい見方をすれば、リーダーが作業に入った時間はその分だけリーダー手当を減らされても仕方がないということです。なぜならリーダーに与えられた給与分の仕事をしていないからなのです。

いかがでしょうか。物流現場のリーダーシップ、とても重要です。ここにマネジメントの大切さがあり、会社の収益を左右しているのです。

ぜひ会社の現場リーダーがきちんと仕事をしているのかどうか、チェックしてみましょう。


☆★この記事は(同)Kein物流改善研究所の仙石惠一が書かせていただきました。★☆


□ 気軽に物流を学びたい方のためのオンデマンド・セミナー

 (1)「工場の生産性が劇的に向上する!!「工場内物流の基礎知識」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/16753
 
 (2)「たったの90分で物流改善ノウハウが身につく!!
   「サプライチェーンの全体像と効率化の取組」」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/15993

 (3)「輸送改善の基礎知識」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17918

 (4)「目からウロコの調達物流改善」
  https://www.monodukuri.com/seminars/detail/17921

■『3つの役割を果たす!構内物流改善の進め方』

カイゼンベース株式会社とKein物流改善研究所との協働制作講座が完成しました!
物流のE-learningは珍しいかもしれません。一部無料で見られますので皆さんもアクセスしてみて下さいね。

https://www.kaizen-base.com/contents/logi-42826/

物流改革で「収益力向上!」「品質力向上!」「人財力向上!」 Kein物流改善研究所
http://www.keinlogi.jp/

FC2ブログランキングへ
人気ブログランキングへ
にほんブログ村
メルマガも合わせてどうぞ
物流人財育成
効果的な物流セミナーはココがお薦め!!
常に最新情報をチェックしましょう!!


国際物流総合研究所
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

Profile

Kein

さまざまな業種が集まっています
にほんブログ村 企業ブログへ
コンサルタントをお探しなら・・・
経営を学べます
人気ブログランキング【ブログの殿堂】
ぜひお読みください!
Archives
QRコード
QRコード
書籍探しなら・・・
  • ライブドアブログ