収益向上に貢献する物流コスト改善のコツ

会社の収益を圧迫しかねない物流コスト。会社の中で目に見えづらい物流コストを可視化し、今日からでも改善できるポイントをやさしく解説します。一緒に物流改善に取り組み、物流改善のプロとして収益向上に貢献しましょう。

2008年06月

計画的なマテハン作業を実施する

マテハン作業というと聞きなれない言葉だと思いますので、簡単に解説します。

マテハンとはマテリアル・ハンドリング(material handling)の略で、一般的に工場内、倉庫内の荷役、運搬、供給、その他の手作業を指します。
簡単に言うと工場や倉庫の中での物流作業ということになります。

工場では生産がメイン作業になりますので、マテハン作業は生産をサポートする作業という位置付けが一般的です。

ところで、工場や倉庫の中でのマテハン作業を見ていると、非常に非効率的な作業をやっていることを見かけます。

先日もある機械部品工場を訪問した時に、工場内をフォークリフトがものすごいスピードで走り回っていることを目にしました。

しばらく作業観察をしてみたところ、以下のことがわかりました。
・ フォークは荷の入れ替えの必要性が発生した工程に行き、作業を行う。
・ 作業は材料供給と完成品の引き取り、空容器の運搬である。
・ 材料や完成品、空容器の置き場が異なるため、フォークの空走行が頻発する。
・ あるラインで材料の誤供給があり、生産が停止した。

フォークリフトの作業者は余裕があるようには見られず、常に忙しそうにしている感じでした。
ラインの生産を止めることは論外ですが、果たしてフォークを呼ぶラインが予定通りに生産をしているのか、予定より先行しているのか否かは不明でした。

この工場での問題点として、各ラインが必要と感じた時にフォークリフトを呼ぶルールになっていること、そもそも効率の悪いフォークリフトを運搬具として利用していること、材料や容器の保管場所がばらばらであること等に気づきました。

次回からこの問題点について考えてみたいと思います。

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緊急輸送を減らす

物流コストのうち、隠れたコストとして「緊急輸送」に要したコストが挙げられます。本来定期的な契約トラックで輸送すべき製品を、赤帽や航空便で輸送しているケースはありませんでしょうか。

さすがに航空便となると費用的にかさむため、数字が目立ちます。一方で、契約輸送会社に緊急対応ということで運んでもらったりした場合はどうでしょうか。

この場合、輸送会社からは通常の契約料率では運べないので、特別価格でやらせて欲しい、と言われるのが一般的でしょう。輸送を依頼した担当者は緊急時なので、この特別価格に合意し、輸送してもらうパターンがほとんどだと思います。

さてここで、この特別価格による輸送料金を別途把握しているでしょうか。それとも、契約輸送会社への支払ということで全体の中に埋もれてしまい、わからなくなってしまっていないでしょうか。

緊急対応というと、例えば顧客からの要請といった錦の御旗を立てることで安易に発生させている懸念があります。少なくとも私の経験からは、緊急輸送はやむをえない事情による、ということで甘く見られてきた気がします。

でも本当に「やむをえない事情」によるものなのでしょうか。業務のやり方がうまくないために発生しているものはないでしょうか。生産運営が不十分なために発生しているものはないでしょうか・・・。

ぜひこの点について考えていただきたいと思います。
まずは、各月ごとにいくら緊急輸送が発生していて、それぞれの理由は何なのかについてデータを採ってみましょう。

また、緊急輸送の費用はどこで負担していますか?一般的には物流部で負担しているのではないかと思います。

これを責任部署負担とするのも一法でしょう。それぞれの責任部署が痛みを感じることで、少しでもムダな費用の発生に歯止めがかけられれば良いのではないでしょうか。

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生産ロット在庫(ロット在庫)を減らす

一つの生産ラインで複数の製品を生産することはよくあることです。この時に、ラインの生産条件を変更しないと他の製品を生産することができない場合があります。このラインの生産条件の変更のことを「段取り」と呼び、型を替えたり、加工条件を変更したりします。

当然のことながら、このようなラインではある製品を生産しているときは別の製品を生産することはできません。一方で、後工程は待ってくれませんので、製品を消費していきます。次の生産タイミングまで製品は生産されませんから、その間のつなぎとして「ロット在庫」を持って対応することになります。

生産ラインの理想はどんな製品でも1つずつ生産できることです。最終工程に近づけば近づくほど、この生産方式は可能になってきます。ところが、上流工程ではそれが難しいか、不可能な場合があります。

例えばプレス工程では、型を入れ替えなければ別の製品を生産できません。また型の入れ替えには時間がかかったり、一回セットした材料は使い切りたいという生産側の要望で、生産を始めるとしばらくの間は同じ製品の生産を続けがちです。また、一回に生産する量をロットサイズと呼びます。

もしロット在庫を小さくしたければ、このロットサイズを小さくする必要があります。ロットサイズを小さくした上で、1日に生産する製品種類を増やすことです。できればその日の内にその日に使われるすべての製品を生産したいものです。

そのためには、「段取り」時間の効率化が求められます。「段取り」時間が長いまま、生産の切り替えを増やせばラインの稼働率を著しく低下させてしまいます。そこで、ライン外で型の組立を行う「外段取り」や、ネジを回す時間を省く「ワンタッチ」組立化等を考えていきます。

段取り時間の低減率、1日あたり生産製品種類数などを要因系の指標として目標値をもって管理していきましょう。
結果的にロット在庫は減少していきます。1ヶ月分あったロット在庫が2日分に減少したといった事例は多々あります。

ぜひロット在庫の削減にチャレンジしてみましょう。

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未納対応在庫(安全在庫)を減らす

安全在庫には協力会社からの製品納入が安定しないことにより保有するものがあります。今回はその在庫を減らす改善について考えてみたいと思います。

協力会社からの製品が未納を起こしたり、品質が不安定だったりすることに対応するために安全在庫を持つことがあります。

この場合、在庫を保有していれば自社の生産に支障をきたすことは少ないでしょう。ただし、いつまでも在庫を保有しておくことはムダを持ちつづけることになり、結局自社のコストアップにつながります。

そこで、なぜ協力会社が未納を起こすのか、なぜ品質が安定しないのか、真の要因を把握することが必要です。
そのために、積極的に協力会社に出かけて行き、ラインを観察することから始めます。そうすると、機械がしばしばトラブルで停止したり、そのラインで生産する製品が多いためにラインの切り替え(段取り)に多くの時間を要していることが見えてきます。

ものづくりの悪さがわかったところで、日程を決めて改善に取りかかります。実はこの「悪さ」が認識されていないことがよくあります。協力会社としては、客先が在庫を持って対応していることに気づいていない場合があるからです。

そこで、改善を進める際には、協力会社には自社に来てもらって「悪さ加減」を認識してもらうことが大切です。この場合、「悪さ」が在庫と言う形で自社に発生しているからです。

改善を進める過程でも、できるだけ参加することが望ましいと思います。協力会社に任せておくと、「やらされ感」から、なかなか進まないことが考えられます。客先も一緒に改善してくれているんだ、という気にさせることが必要です。また、目に見えぬプレッシャーを協力会社に与えることもできます。

また、別の見方をすると、協力会社の要因による在庫を客先が保有するということは不自然でもあります。この分は協力会社に持ってもらい、納入をきっちりと保証してもらいつつ前工程を改善して協力会社の在庫を減らしていく方法もあると思います。

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物流品質とは(2)

製品を小売店に納める仕事を倉庫会社が行うことがあります。
所謂問屋業のようなものですが、最近では製品に付加価値を与える「流通加工」と呼ばれる業務を請け負っている会社が増えてきています。

流通加工の代表選手といえば値札付け作業でしょう。
その製品が複数の小売業者で販売される場合、工場出荷段階では値札は付いていません。その小売業者の専用の値札を付ける必要がありますが、これが倉庫会社で行われます。

その製品が衣類である場合、サイズの違いや色違いで似たような製品でも大変種類が多くなります。こうなってくると、間違いをいかに無くすかは重要なファクターになります。間違いイコール品質不良ということになります。

流通業界では値札の間違いといった不良に対しては大変厳しい措置が採られます。この間違いを繰り返すと取引停止になりかねません。

したがって、この物流品質を維持するための仕掛け作りが倉庫会社には求められてきます。

また、流通加工の工程で「汚れ」や「傷」をつけてしまうことも皆無とは言えません。これは製品そのものの品質と言えます。せっかく工場出荷の時点で製品そのものの品質に問題がなくても、流通加工の時点で品質にダメージを与えることは是非とも避けたいものです。

物流品質を維持するためには、決められた作業をきちんと実施する必要があります。この品質を維持できる物流会社だけが今後生き残っていけるのでしょう。

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物流品質とは

物流の品質とは何でしょうか。
製品を傷つけずに運ぶ、当たり前ですがこれも品質を維持するという観点では物流品質の重要な要素でしょう。

このような物理的な品質を維持する以外にも品質を構成する要素があります。

まず物流の第一の品質といえば、配送時刻の正確性ではないでしょうか。これは電車の時刻の正確性と同様と考えていただければ良いと思います。

電車の場合、予定時刻通りの運行は大変重要です。通勤通学時には、この時刻が守られることを前提にお客さんは行動します。
この時刻が狂うと、仕事にも学校にも支障が出てしまいます。

物流の場合も同様で、荷物が指定時刻に届くか届かないかは販売や生産に影響を与えます。
ジャストインタイム生産方式を実施している工場では、部品が指定時刻に届くことを前提に生産計画を組んでいます。従って、もしこの時刻よりあまり早目に着いてしまうと、部品を置く場所がありません。

一方、指定時刻より遅れて到着した場合、生産ラインが停止する可能性もあります。このような理由から、物流品質を構成する要素の中でも、配送時刻の正確性は最も重要だと考えられます。

以前「納入異常」というお話をしたことがありますが、「正しい製品」を指示された数量届けるということも、重要な物流品質と言えるでしょう。

類似商品を数多く扱う物流会社にとっては、この一見当たり前の品質を維持するために多くの工数と管理を要しています。

物流品質の程度は、ビジネス取引の前提ともなります。この品質を維持した上でコストを低く抑えるといった努力が必要になります。

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在庫を改善する(2)

在庫はすべてのムダを隠してしまう危険なものです。

よくこういった例えで説明されます。
海の中の氷山を思い浮かべてください。
水面から顔を出している氷山は実は海面下には、その数倍から数十倍の大きさで隠れています。
この氷山は普段抱えているムダと同じだと言えるのです。一方で水位は在庫水準を示しています。もし水位を下げていくと、もっともっと大きな氷山が現れます。

つまり、水位たる在庫水準を下げていく(在庫を減らしていく)と、大きな氷山たる大きなムダが現れてくるのです。

そのムダを顕在化し、可視化することでムダを認識するとともに、それを改善していくことが求められるのです。

特に経営者の方に理解いただきたいのは、在庫はムダを隠すものだということです。従って、リーダーシップを発揮して、在庫を削る推進役になって欲しいのです。

私が改善を進める時には、まずこの在庫を半減しよう、と決め打ってしまいます。少々乱暴なやり方かもしれませんが、こうなると在庫を持つ言い訳がたくさん出てきます。

・ 機械がしばしば停止するから
・ 協力会社がよく未納を起こすから
・ 製品の品質が安定しないから
等々・・・・。すべて言い訳ですね、理由というよりも。

それぞれについていつまでに改善する、それまでの間は在庫を持って対応するということなら理解できます。

しかし、この状態が恒常的になっていることの方が多くないでしょうか。

改善を進めるためには在庫を減らすことです。まず発想を切り替えてみましょう。

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在庫を改善する

前回までお話ししてきました在庫についてですが、在庫の理由が明確になったところで次は在庫を減らす改善のステップに移ります。

在庫はすべての悪さを隠すと言われています。
例をあげてご説明しましょう。

日用品を生産するA社ではプラスチック成型を行っています。A社ではよく成型機が故障で停止しており、停止した時間分、残業をしてカバーしていました。
一方でA社は製品の供給については客先に対してこの1年間、問題はありませんでした。

実はこういった状況が数年間続いていたことに経営者は気づいていませんでした。客先への製品保証が完璧だったため、社内の問題には気づかなかったのです。

ではなぜ製品供給は保証されていたのでしょうか。
皆さんはもうお気づきかと思いますが、在庫を持っていたためです。では、この在庫を保有していたことは良かったのでしょうか。

客先に迷惑をかけないといった点では在庫があって救われた、と言えるかもしれません。しかし、こういった状況が数年間続いていたとなると話は別です。

そうです。A社は在庫を持っていたために、機械の稼働率を向上させる機会を失ってしまったのです。残業時間も数年にわたり余分に発生し、在庫保有に伴うスペース、容器、管理のコストも発生させてしまってきたわけです。

これは1つの例に過ぎませんが、他にも同様のことが言えるのです。つまり、「在庫はすべてのムダを隠す」ということです。

在庫を減らすことはあくまで結果として表れてくるものであって、その過程を改善することが重要なのです。

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在庫の区分を理解する(4)

在庫の区分と意味合いは、前回までにお話しした通りです。
どうでしょうか。皆さんの会社の在庫はこういった区分に基づき、それを持つ意味合いが明確になっているでしょうか。

在庫の理由が明確になっていれば今度はその在庫をどうのように改善し、小さくしていくのかが次のステップになります。

一方で、在庫の理由が不明確で、なんとなくこれだけの量を持つ、ということになっている場合は、在庫の意味合いに基づいて持つべき量を計算してみましょう。

ところで在庫の理由が明確であり、基準も明確であるのに、それ以上の在庫を保有していることがあります。実は今までお話ししてきたこと以外の区分があるのです。

それは「安心在庫」と呼ばれるものです。

誰しも在庫切れで販売や生産に支障をきたしたくありません。やるべき管理をしっかりとやっていれば滅多に在庫切れを起こすことはありません。仮に在庫が逼迫しても、生産調整を行うことで乗り切れることはあります。

ところが、自分たちの業務を楽にするために、在庫を少しずつ上乗せしてしまう傾向にあります。これがあれば在庫切れによる売り逃しや生産停止を避けられるという安心感から増やしてしまうのです。

会社ではこの「安心在庫」が曲者です。在庫は区分ごとに数量を明確にし、置場と容器数を制限して管理することでこの「安心在庫」を追放しなければなりません。

在庫は各部署の実力を示すバロメーターとも言えると思います。販売予測精度や設備稼働状況、ロット生産部署の段取り能力等が向上することで在庫は減らすことはできるのです。

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在庫の区分を理解する(3)

今回は、在庫の意味合いの二つ目として、「先行在庫」ということについてお話しします。

今回も自動車製造会社を例にとって考えていきます。

この会社では協力会社からたくさんの部品の納入を受けていますが、これらの部品は使われ始める2時間前までに工場に到着するルールにしています。
例えば11時から使われ始める部品は9時に、23時30分から使われ始めるものは21時30分に納入されることになります。

ここで、納入時から使用開始時まで2時間あり、その間部品が工場の中で滞留していることになります。
部品が滞留している、すなわち在庫として留まっていることになるわけです。

この滞留在庫のことを「先行在庫」と呼びます。在庫とはいえ、すぐに使われるものであるため不良在庫の部類には入りません。

ではなぜわざわざ使われ始める2時間も前に納入させるのでしょうか。この会社の例でいけば、生産が計画より先行する場合もありうるから、ということが理由です。複数の車種を生産している過程で、1日の中で何らかの事情でX車を生産する予定の時間にY車を生産しなければならなくなった、ということが発生することがあります。

この時に、Y車を予定より1.5時間早目に生産開始した場合でも、2時間先行して部品が納入されていれば問題なく生産を行うことができます。

もちろん、2時間相当の在庫品置場が必要となりますので、スペースが十分にない工場ではこの在庫も負担になります。
したがって、生産は計画を守って行う原則を徹底することで、この「先行在庫」は小さくすることが可能となります。
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